RADWIMPSが目指す2021年の「共体験」とは?
Rolling Stone Japan / 2021年7月15日 11時45分
RADWIMPSが未来の体験を社会実装するクリエイティブ集団PARTYとコラボレーションしたバーチャルライブ「SHIN SEKAI”nowhere”」を7月16日、17日、18日の3日間にわたり開催。それに先駆けて、「SHIN SEKAI」先行プレイ体験会が7月12日に渋谷のWHITE CINE QUINTOで実施され、RADWIMPSとPARTYのメンバーによるトークセッションも行われた。
【画像を見る】仮想空間に広がるRADWIMPSの楽曲世界
「SHIN SEKAI」とは、RADWIMPSの楽曲世界の主人公になるバーチャルライブ・エクスペリエンスであり、「ROLE-PLAING MUSIC」をコンセプトに、参加者一人ひとりがRADWIMPSの楽曲世界の主人公(アバター)となって行動し、世界中の人々ともに楽しむことのできる新たな音楽体験。スマホで専用アプリをダウンロードすることで誰もが参加可能で、アメリカ・ヨーロッパ・アジアなど、世界40以上の国と地域に配信される。
このバーチャルライブを開催するにあたって、RADWIMPSはPARTYが開発したバーチャルパークシステム「VARP」を採用。コロナ禍によってこれまで同様のライブ活動が制限される中、昨年から「フォートナイト」をはじめとするオンラインゲームの中での音楽イベントも増えたが、「VARP」はいわばその世界を独自に作り上げることができるシステム。昨年の夏にはkZmのバーチャルライブ「VIRTUAL DISTORTION」がVARPを使って開催され、そこにはkZmとコラボレーションをしている野田洋次郎も参加していた。
そして、昨年末に2日間、今回のプロローグ的な位置づけとなる「SHIN SEKAI」が無料で開催されている。前半では「Light The Light」や「新世界」といった楽曲の世界を旅し、後半ではアバター化した巨大なRADWIMPSのメンバーが登場して、「いいんですか?」や「DADA」をパフォーマンス。初回は一万人以上の同時参加を記録し、ラストには「UP DATES IN 2021.See you again soon」と今回の開催が予告されていた。
体験会では入場時に体験プレイ用のスマホが手渡され、MCの落合健太郎による挨拶に続いて、定刻になると「SHIN SEKAI”nowhere”」がスタート。スクリーンにプレイ画面が映し出されると同時に、来場者自身がそれぞれのスマホで実際のプレイを体験することができた。「ようこそSHIN SEKAIへ」という野田の言葉とともに本編が始まると、プロローグライブでは後半に登場したアバター化したRADWIMPSメンバーが最初から登場し、バーチャル空間の中で「前前前世」を披露と、最初から華々しい始まりを見せる。
©SHIN SEKAI
プロジェクト立ち上げの経緯
また、3曲目の「棒人間」では複数設置された巨大なスマートフォンのようなオブジェの中に飛び込むと、その中にそれぞれ異なる世界が出現し、一度では遊び切れないような多面性があることも伝わってくる。それ以降もアップデートされた様々な演出の中でRADWIMPSのナンバーが次々と披露されていき、単にリアルとバーチャルを横断するだけでなく、プロローグライブ以上に「体験を共有する」という感覚が強まった印象を受けた。体験会は限られた人数の参加だったが、本番では世界中のプレイヤーが参加し、チャットなどでコミュニケーションが取れると思うと、さらなる期待が膨らむ。
イベント後半では、RADWIMPSのメンバー3人と、PARTYから梶原洋平と眞鍋海里の2名が参加して、トークセッションを開催。まずは落合からの「PARTYにとってRADWIMPSはどういう存在?」という質問に、眞鍋が「デビューから一貫して驚きを与えてくれるアーティスト」であり「体験をどんどんアップデートして行くようなアーティスト」と答えると、梶原は「バンドとスタッフとお客さんの関係性がずっといい状態のまま進化しているバンド」と答え、「今回新しい試みをさせていただくときに、その形を崩さずに、ブーストするような形でその輪に入るにはどうすればいいのかを考えた」と、プロジェクトへの想いを語った。
続いて、落合から今回のプロジェクトがスタートしたきっかけを聞かれた野田は「昨年の緊急事態宣言以降、ドームツアーがなくなって、その後に控えていたワールドツアーも段階的にどんどん中止になり、底知れない悲しみ、立ち直れないくらいのどん底を味わった」と昨年の心境を告白し、「それでも何とか僕たちの音楽を届け続けたいと思ったときに、友達を通じてPARTYのことを知って、全世界の人たちとライブ空間を共有できるのであれば、挑戦したいと思った」と、プロジェクトの始まりについて語る。
さらには、桑原彰が「自分がアバター化するという体験は初めてだったから、客観的に見てもすごく面白いと思った」、野田は「実際のステージで考えると、予算や会場の広さ的に絶対実現可能なことができるわけで、本当に新しいライブ体験だと思った」と、次々に感想を口にして、武田祐介は昨年末のプロローグライブの開催時を振り返り、「SNSで反応を見るとみんな楽しんでくれていて、しかも国外の人とコミュニケーションを取れたという声をよく見たから、新しい場所を提供できたんだなと感じた」と、実感を込めて語った。
また、「制作で苦労した部分は?」という質問に対して、3Dスキャンやモーションキャプチャーによるメンバーの演奏シーン撮影時における苦労が語られ、野田は「繊細な動きを再現するために、僕らは全身黒タイツになって、50個近いセンサーを体中につけて、辱められました」と笑い、「しかも、みなさんが冷静に仕事をしている前で、僕らはパフォーマンスを一人ずつするっていう、あれはホントに苛酷だったよね」と、撮影を振り返った。
©SHIN SEKAI
「この興奮をいろんな人と共有したい」
また、ストーリーについての質問には、眞鍋が「リアルでライブができないから、ただ場所を変えてバーチャルでやろうということではなくて、せっかくモバイルを使ったインタラクティブな体験ができるのであれば、今までできなかったことが、RADWIMPSの楽曲世界の主人公になるということができるんじゃないかと思った」と、「ROLL-PLAYING MSUIC」というコンセプトについて語り、「RADWIMPSの楽曲のストーリーはすごく濃くて、ファンの方も楽曲の意味をすごく感じ取ってる方が多いと思ったので、今回の楽曲選びでもそこはすごく意識しました」と、本編への期待が高まる発言も聞くことができた。
最後にメッセージを求められると、野田は「この技術がこの先どんな風に進化していくのか、僕自身楽しみですし、ものすごいものの入口に立ったんじゃないかって、嬉しい思いがあります。実際のライブとの融合とか、いろんな可能性を秘めていると思うので、その第一人者になっていただきたいし、この興奮をいろんな人と共有したいと思います」と語ると、梶原は「今回の試みは2021年だからこそできることだし、RADWIMPSだからこそできることだと思うので、ぜひジョインしていただけると嬉しいです」と呼びかけ、最後に眞鍋が「共体験ができない時代になって、それをテクノロジーの力を使って実現したいという想いからスタートしたプロジェクトでもある。この3日間は全世界の人たちがSHIN SEKAIに集まり、RADWIMPSの音楽を一緒に旅していく体験ができると思います」と力を込めた。新しい未来に向けてのチャレンジ、ぜひとも体験してみてほしい。
<INFORMATION>
RADWIMPS - SHIN SEKAI ”nowhere”
2021年7月16日(金)、17日(土)、18日(日)
各日 11:00~/16:00~/22:00~
主催 voque ting企画制作 PARTY協力 TOKYO FM/FM802/ユニバーサル ミュージック合同会社/ボクンチ
協賛 AZLA/ラリルレコード
WEBサイト https://rad.varp.jp/
=参加費用(税込)=
3 Days Pass 通常:3,060円
ボクンチ会員限定 3 Days Pass 通常:3,060円
3 Days Pass+Prologue Live アーカイブ 通常:3,540円
ボクンチ会員限定 3 Days Pass+Prologue Live アーカイブ 通常:3,540円 Prologue Live アーカイブ 490円
=参加方法=
1:専用アプリ「SHIN SEKAI」の最新版をダウンロード
Download URL:https://rad.varp.jp/download.html
2:アプリ内「SHOP」でPASS購入
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