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甲本ヒロトが語る「あきらめる力」と「夢は叶う」の意味

Rolling Stone Japan / 2021年8月26日 12時0分

ザ・クロマニヨンズ

ザ・クロマニヨンズが、2021年8月25日発売の第一弾シングル『ドライブ GO!』を皮切りに2022年1月19日まで6ヵ月連続でシングル(7インチアナログ盤及びCD)をリリースするプロジェクト「SIX KICKS ROCK&ROLL」をスタートさせた。

7インチ盤は特製BOXに6枚を収納することでアルバムが完成する(CDは別途アルバムを発売)という、ファンにとっては毎月ワクワクできる最高に楽しい企画となっている。バンド史上初の試みとなるこのプロジェクトはいかにして生まれたのか? ボーカルの甲本ヒロトにインタビューを行った。今年2月に行われた有観客ライブで感じたこと、楽曲で頻繁に演奏されるブルースハープのこと、そして「何かのヒントになるかもしれない」と語ってくれた言葉まで。是非じっくりと噛みしめながら読んでほしい。

関連記事: ザ・クロマニヨンズ、有観客ライブで示したロックの普遍性

―厳しい暑さが続いていますが、この夏はどんな毎日を過ごしていますか?

クーラーをよく使ってますよ。だからそんなに暑くない。だって、テレビとかでもよく言ってるよ?「クーラーを使いなさい」って。だから言うことを聞いて普通に暮らしてます(笑)。

―それは安心しました(笑)。コロナ禍での2度目の夏となりますけど、フラストレーションがたまっている人も世の中に多いです。

フラストレーションは何もなくても溜まるだろうし。今は、フラストレーションの原因はこれだって思いあたるものがあるでしょ?その分、良いんじゃない。

―わけもわからずモヤモヤするよりは?

そうそう。「あれが嫌だ」「これが嫌だ」ってみんなで言い合えるし、それはそれでいいのかなって。



―ライブDVD「ザ・クロマニヨンズ MUD SHAKES 2021」で2021年2月20日 東京ガーデンシアターで開催された有観客ライブの模様を拝見したんですが、お客さんは声は出せないものの、盛り上がりという意味ではこれまでと変わらない様子を感じました。ヒロトさんご自身はどのように感じてステージに立っていましたか。

もともと自分は、ライブ中にお客さんのことはたいして意識してないんだよっていう風に、インタビューとかで訊かれるたびに答えていたんです。本当に意識していないんだったら、お客さんが声を出していない状態だとか、客席が1つずつ空いていたりとか少なくなっている状態が気にならないはずなんです。そして実際にやってみたら、本当に気にならなかったから、「あ、僕はやっぱりお客さんのことを意識してなかったんだな」って確認した。もともと、お客さんの顔とかも見ないし、誰かに何かを訴えかけるつもりで歌ってもいないし。自分の在り方を再認識できたんです。お客さんがいようがいなかろうが関係ないんだなって。あ、でもいないのはやっぱり良くないと思う。何人かいて、観てくれている。それでいいんだなって思った。だから、1人でもいいんです。

―2020年12月11日に行った配信ライブはお客さんがいない状態でしたよね。そのときはいかがでしたか?

あれはやっぱり1人もお客さんがいない状態だったから。そこに撮影スタッフ、日頃から僕らのことを手伝ってくれているスタッフも同席していたけど、彼らを「お客さん」だとは思えなかったんです。彼らは一緒に何かを発信する仲間だと捉えていたから、やっぱりそれはね、少し意識した。「ああ、お客さんいないなあ」って。やりづらいというのとは違うんだけど、何かいつもと違う感じでした。だけど、次に有観客でやったライブに関しては、お客さんは少なくしたけれども、何も気にならなかった。誰かがいてくれればそれでいいんです。

―それは極端な話、1人でも1万人でも変わらないですか。

たぶんそうだと思う。お客さんが騒ごうが静かにしていようが、手拍子をしていようが全然大丈夫。声を出す出さないも自由だし。黙って観ててもいい、全然乗らなくてもいい、椅子に座っていてもいい。とにかく、自分が一番楽しいやり方なんだってその人が思えばいい。だってそのためにさ、お小遣いを払ってチケットを買ってるんだから。僕らのためじゃないよ、自分のためにチケットを買ってきてるんじゃん。好きにしてくれよって。バンドが喜ぶ見方なんてないんだから。バンドはみんながどんな状況でも一生懸命やるって、これまでもインタビューとかで言い続けてきました。今回、それが本当だったんだなって認識できた。全然、騒がなくてもいいよ。でもかわいそうだったのが、大声で叫びたいのに叫べなかった人たち。それは申し訳なかったと思う。僕らは全然平気。みんなは大変だったけどね。

―シングル6カ月連続リリース企画「SIX KICKS ROCK&ROLLプロジェクト」は、7インチアナログ盤と CD を 6 ヵ月連続で発売するという、最高にワクワクする企画です。このプロジェクトはどんな発想から生まれたんですか?

これは、年がら年中ツアーをずっとやっていた人間たちが、ポカ~ンと何もしない時期に、何かやりたくて仕方なかったんだよね。僕らができることってやっぱり作品を発表することしかない。じゃあ何か毎月面白いことをして、こんな発表の仕方がいいんじゃないかっていうことが1つ。それから、レコードの歴史の中でアルバムというものは後から出てきたもので。もともと、A面1曲、B面1曲がレコードじゃないですか。アルバムっていうのは、それを何枚もまとめて聴きたい人のために、本当に(写真を入れる)アルバムみたいに、何枚も入っているというのが「アルバム」で、言葉だけが残っているんですよ。

―写真を収めているアルバムから転じてそう呼ばれるようになったということですね。

そう、それが本来のアルバムなわけで。だから、これがアルバムの本来の姿だと思えばいいと思う。

―それで今回アナログでは12インチレコードのアルバムは出さないわけですか。

そうです。6枚バラバラの方が、めくって見るという本来の意味のアルバムができたので。



―ちなみに、ヒロトさんが音楽ファンとして今回のプロジェクトのようにワクワクしたアーティストの企画ってどんなものがありましたか?

これは、わざと似せようと思ってたわけじゃないけど、クラッシュが8枚組のシングルBOX(1980年に発売された日本独自企画の『the Clash SINGLES77-79』)を出したとき、ものすごくワクワクした。それはどうしてそうなったかというと、日本でのクラッシュの紹介が完璧ではなくて、シングル盤が出てなかったんですよね。本国イギリスでは出ていたシングル盤が日本では出ていないということに気付いたクラッシュのメンバーが、「日本にもファンがいっぱいいる。彼らも聴きたいかもしれないから、今まで出したシングルを全種類出そう」って、どうせ出すなら特別なことがしたいって言って、ポール・シムノンがデザインした特製BOXに8枚のシングルが入ったものを発売したんです。あれはワクワクした。価格が4,400円だったと思う。まったく同時期にポリスが6枚組を出したんだけど、これが6枚で6,000円くらいだったんですよ。「クラッシュ、やってくれたぜ!」って思った(笑)。

―(笑)。ポリスの方も買いました?

そのときは買わなかったけど、随分経ってから中古盤屋さんで買いました。

―じゃあ、今回の企画は無意識にそういうBOXセットの影響も受けていたかもしれないですか。

シングルズBOXを手にしたときの喜びを実感してますから。それは今でも僕は覚えていて、今回の僕らのBOXも、欲しい(笑)。

―ご自分が一番欲しいものを作ったわけですね。

そうそう。僕はいつもそうです。自分たちが欲しいものを作ってる。

―ジャケット、BOXのデザインはこれまでもザ・クロマニヨンズの作品のデザインを手掛けてきたデザイナーの菅谷晋一さんによるものですね。ヒロトさんは映画「エポックのアトリエ 菅谷晋一がつくるレコードジャケット」の中でもコメントしていますが、今回のデザインも完全に菅谷さんにお任せしたんですか。

そうです、彼の作品です。そこで初めて面白いことが起きるんです。僕らが何か介在すると、もうそこには化学反応が起きないんですよ。まったく違うところからボンっとぶつかるから面白いのであって、あちらから向かってくるものをコントロールしたらつまらないじゃないですか?どんなぶつかり方をするのか最初からわかってるんだから。そんなのつまらない。

―その分、毎回出来上がってきたものは新鮮な驚きがあるんですね。「SIX KICKS ROCK&ROLL」のメインビジュアルが出来上がってきたときはどう思われました?

いやもう、何の意味も感じずにただ「カッコイイ」と思った。これね、BOXの質感と発色がいいんですよ。なんか欲しくなるんだよなあ、これ。モノとして(笑)。

―確かに、これは欲しくなりますね。

豪華でしょ?そしてここ(メインビジュアルの星の部分)が刺繍なんですよね。それが良くわかる。

―ジャケット制作現場に密着した映像が6カ月連続で公開されますが、事前に公開された映像でこの刺繡を縫っている様子を見ることができました。

最終的にはコンピューター上での作業に落とし込んでいくんだけど、彼は必ず手作業なんですよね。そしてクリエーターでもありながらレコードコレクターで、アナログ盤が大好きな人だから、この作品にはもってこいですよ。僕らは僕らの欲しいものを作ろうとするし、彼は彼の欲しいジャケットを作るんだよ、きっと。「俺ならこれ買いたい!」っていうものを。たぶんね。そんな感じがする。



―プロジェクトのスタートとなるのが、2021年8月25日発売の第1弾シングル「ドライブ GO!」です。A面の表題曲は”突っ走れ” ”ぶっとばせ”を連呼するロックンロールで、キャロルとか70年代の日本のロックンロールバンドの雰囲気を感じます。

確かにその雰囲気は外れじゃないと思う(笑)。僕らも好きですよ。全体的なイメージとしては、バカみたいに勢いをつけていく感じ。



―なかなかドライブで遠くに行くのも憚られるようなご時世なので、より爽快に聴こえます。

歌ですからね。それをドライブと違うものに当てはめてもいいし。なんでもいいです。「ここで歌ってるドライブってなんのことだろう?」でもいいし。


ザ・クロマニヨンズ photo by 柴田恵理

―真島さんの作詞作曲ですが、どう歌おう?とか話したりはしないですか。

ないない。僕自身が、何か「心を込めました」みたいな歌い方ができない人なので。何を注文されても応えられないだろうし、マーシーも注文してこないし。なんかね、ずっとやってきて1つのルーティンみたいなものが2人の中に出来上がってるし、僕自身の中にも何かしらの自然なルーティンが出来上がってきていると思う。そんな中でやってるので、特に話し合ったりもないですね。

―それは、ザ・クロマニヨンズで活動する以前からのことなんでしょうか。

よくわからないけど、たぶん2人が出会ってバンドを始めてからじゃないかな。話してもしょうがないなってことに気付いたんじゃないかな、お互いに(笑)。

―真島さんの中にもルーティンみたいなものがあるかもしれない?

あるかもしれないけど、そんな話をしないからわからない。普段、バカな話しかしないから。

―最近はどんなお話をされましたか。

テレビの話(笑)。「再放送の「ウルトラセブン」観た?」とか。最近BSで「ウルトラセブン」とか「ウルトラQ」をやっていて、それはメンバー全員見てます。なんでも一緒に楽しめるから。

―それがザ・クロマニヨンズを楽しく続けていられる理由でもある?

そうかもしれない。とにかく、「長く続けるための努力」はしないんですよ。その日楽しければ。だって長く続けるために今日は苦しくてもがんばろうなんていうことは、一日も早く辞めた方が良いと思う(笑)。

―ステージに立つ、歌うために体を鍛えているとかはないですか。

何もしないです。それがポリシーなんじゃないかっていうぐらい何もしない(笑)。今まではライブをやっていたから何もしなくても良かったと思うけど、でもさすがに今回、ライブが随分空くんですよ(フジロックのザ・クロマニヨンズのライブで)久々にやるんですけど、何の準備もしてないので、どうなるか、どんな無様なことになるのかみんなに目撃してほしいです(笑)。大きい声で歌うこともレコーディング以外ではしていないし。



―家でレコードをかけて一緒に歌ったりしませんか?

それはないなあ。エアドラムとかはやるけど。中学生のときとか初めてロックのレコードを聴いたときとか、(エアドラムをしながら)こんな感じになってない?あれですよ。だからながら聴きができないんです。最近僕はエアドラムとかエアギターとかを人に勧めているんですよ。それによって音楽に集中できるから。集中したときの面白さってたまらないものがあるんですよ。



―そういえば、「楽器ができないからボーカルになった」とおっしゃってるのを見たことがありますけど、ブルースハープは今回の「ドライブ GO!」をはじめ色んな曲で昔から吹いてますよね。ブルースハープに関してはすごく努力をされたんじゃないですか?

もともと僕がブルースハープを練習したきっかけが、70年代のロンドンのパブロックだったんです。例えばドクター・フィールグッドのリー・ブリローとか、ルー・ルイスが吹くハーモニカとかがカッコイイんですよ。それを聴いたのが高校生の頃で、その頃にはもうブルースにも興味があって、リトル・ウォルターのハーモニカなんかも聴いてたんです。でも自分で吹くのはむずかしそうだな、どうすればいいんだろうなって。教則本なんかもないし、何もわからなくて。曲のキーがAならばハーモニカはDを使うとか、そんなの高校生で初めてハーモニカ持ったらわからないよ。そんな状態だけどすごくハーモニカが吹きたかったから、楽器屋さんに行って「ブルースハープ」を買ったんです。


甲本ヒロト photo by 柴田恵理

それが「ホーナーHOHNER)」だったんだけど。キーもわからないから、基本的な「C」を買って。それ1本だけで、ドクター・フィールグッドのリー・ブリローのハーモニカは力任せに吹いてるみたいだから、「これなら近づけるかもしれない!」と思って、ドクター・フィールグッドのレコードをずっとかけっぱなしにして、吹いてみたんだけど、キーが違うから合わない(笑)。ただ、何曲かだけは雰囲気が出るという曲があって、それに合わせて吹きまくってた。そのうち、ハーモニカというのは「吹く」んじゃなくて「吸う」んだって気が付いたんです。そこからちゃんと練習するようになって、フェイクとかベンドとか、今なら名前はわかるけど当時は何もわからないテクニックを身に着けて行ったんですよ。だから、今でもその感覚が残っていて、ドクター・フィールグッドを聴くと、ハーモニカを吹きたくなる(笑)。そこが自分の原点なんですよ。

―やはりハーモニカに関しては、かなり練習、努力して身に着けたんですね。

ハーモニカに関しては、練習してる記録が自分の中にありますね。最初はずっと力任せに吹いていて、それこそハーモニカが潰れちゃって、指や口から血だらけになって。

―ええ~!?

だってやり方がわからないから、力任せにやるしかないんだよ。そうやって練習してきた自分の記録があって。ちょうどブルーハーツのどこか途中のあたりで、違う練習方法を自分で編み出したんですよ。ごめんね、こんな話で。



―いやいや、興味深いです。続けてお願いします。

それはね、ローリングストーンズの「Miss You」でハーモニカを吹いているシュガー・ブルーという人の「パ~ラパラパラパ~♪」(「Miss You」のイントロをハミングしながら)っていうフレーズを、どうしても吹きたくなったんだよ。で、それを完全に吹けるようになった瞬間、自分がスキルアップしたのがわかったんです。ローリングストーンズの「Miss You」、これはハーモニカを吹く人にはおすすめします。これを吹けるようになったら、突然上手くなる。それで、「上手くなったな!」って自分で思って、”自分なりのツィゴイネルワイゼン”を作りたくなったんです。昨日まで吹けなかったけど、今の自分なら吹けるフレーズを自分で作曲して、オリジナルを作れば、それが俺の「ツィゴイネルワイゼン」だと思って。それで、「ミサイルマン」という曲を作ったんですよ。



―THE HIGH-LOWSのデビューシングルですね。ブルースハープから先に生まれたんですか!?

(「ミサイルマン」のイントロをハミングしながら)「こんなのが吹けるようになった!みんなに聴いてほしい!」って、それでマーシーに「こんなハーモニカが吹けるようになったから、これと同じフレーズをギターで弾いてくれ、2人で並んでやろう」って。

―それでイントロがユニゾンになってるんですね。

そうなんです。だから、「Miss You」が吹ければ「ミサイルマン」も吹ける(笑)。そういう風に、ハーモニカだけは自分で意識した歴史があるんです。じつはハープだけはすごく練習したんですよ。

―なるほど、今後はそれを踏まえてザ・クロマニヨンズの曲を聴きます。

はははは(笑)。



―「ドライブ GO!」のB面「千円ボウズ」はヒロトさんの作詞作曲ですが、後半に「電撃バップ」のオマージュが出てきたりして楽しい曲です。

何もかも、自分たちが今まで聴いたものがどこかに顔を出します。それはもう、しょうがない(笑)。

―これはどんなときに出来た曲なんですか?

覚えてないんですよ。答えたくないとかじゃなくて、本当に覚えてないんです。気付いたら、あるんですよ。作ろうと思って作れたらそんなにいいことはないけど、作ろうと思ってもなかなかできないんです。でも、気が付くと、あるんですよ。それで「よかった~
、まだできた!」って思うんです。

―何日も曲ができないときもあるんですね。

何日どころか、1年間通したってそんなにたくさんできないよ。それで発表するのがこれぐらいの数の曲なんです。

―曲や歌詞をメモしたり録音しておくこともありますか?

やることもある。でも大抵、駄作です。書いてるのを見て、「うわっよくこんなのを発表する気になったな」と思って、書いたやつはだいたい使わないです。あと、レコーダーとかを持って歩くんですよ。それで「あっ思いついた!」と思ってパッと歌うんだけど、後で聴いてみると、「よくこれが良く思えたな?!」って(笑)。そう思うのが常ですね。

―夜中に書いたラブレターを朝見て恥ずかしい、みたいなことでしょうか。

そうですね。ラブレターって、目的があって書くものじゃないですか?そういうものはね、やっぱりつまらないです。「誰かに何かを伝えようとしている」それだけでもう、つまらない。

―何かを伝えようとして曲を書いているわけじゃない?

「何かわからないけど、うわ~面白い!」って、それがいい。例えば、誰かに伝えたいことなら、ちゃんと顔を見てその誰かに伝えればいい。不特定多数に出す曲なんだから、誰かなんか想定しないで、ドーンと歌うんです。

―これを誰かに伝えたい、と思ったときはどうしますか?

そんなとき歌なんか歌わないよ。直接会いに行って伝える(笑)。

―上手く伝えられないから歌にする、みたいなことはしないですか。

しない。伝えられないことは、伝えられないんだ、ずっと。でも、それはそれでいいじゃん?人間同士、伝えられないことがあってもいいじゃないですか。完璧に伝わるなんて気持ち悪いし、「あのとき伝えられなかった」っていうのも、自分の中の喜びじゃないですか。

―楽しい、ということじゃなくて怒りをぶつけたいっていう感情のときはどうしますか。

怒りを発信すること、「この野郎、てめ~!」って言ってるのだって、楽しいじゃん(笑)。そういうことですよ。

―なるほど、歌うことで怒りを発散してるんですもんね。

そう、誰かを攻撃するための歌なんてないよ。あと、ロックンロールはカッコイイんだよ。ロックンロールはカッコよくて楽しくて、ロマンティックで、切なかったりする。でも全部楽しいって僕は思う。理由はわからないけど、なんか楽しい(笑)。



―ザ・クロマニヨンズが出現して今年で15年ですが、「15周年」みたいな感覚はたぶん、あんまりないですよね(笑)?

あんまりというか、全然ない(笑)。

―でも、時代が変わっていく中で、自分のやりたいことをずっとやり続けていくのは、並の精神力ではできないことなんじゃないかと思うんですよ。

いや、違う違う。僕の場合は本当に、がんばる精神力じゃないの。「あきらめる力」です。

―「あきらめる力」というのはどういうことですか?

これは何かのヒントになるかもしれないけど、僕は「夢は叶う」と思っているんです。でも、みんなこの言葉をちゃんと聞いてくれていないんですよ。「僕は「夢は叶う」って言ったじゃん、ちゃんと聞いたか?」って。一番聴いてほしいのは、「夢は叶う」の「は」なんです。「夢 ”は” 叶うけど、他のことはあきらめろ」という意味なんです。金もあきらめろ、恋もあきらめろ、幸せもあきらめろ。家族?捨ててこい。一生結婚できなくていいじゃん。まともな職に就けない?金がない?しょうがねえじゃん、夢があるんだろ?そのかわり、「夢は叶う」。そういう意味で言ってるのに、「ヒロトさんは「夢は叶う」って言ったのにさ、全然叶わねえじゃん!」って言ってくるやつがいるんだよ。「生活捨てたのかよ?」って言いたくなる。「金持ちになろうとしてるんじゃねえのかおまえ?」って思う。僕は、そういう意味でいろんなことをあきらめてるんです。そのかわり「夢は叶う」。他のことはダメでもね。だから、がんばらないよ僕は。傲慢でわがままで、たいして努力もしない(笑)。でも努力しない結果、それを受け入れるんだよ。それで貧乏になったら、貧乏を受け入れるんだよ。でももちろん、夢とは別に楽しい生活はしたいさ。だから、いただけるものはいただいて、楽しく暮らすんですよ。僕はそういう意味では、この歳になって何か両立できているような気がしてる。それはもう、僕の努力のおかげじゃなくて、誰にしていいかわからない感謝がある。でも誰に感謝していいかわからないから、誰にも言わないけどね(笑)。


<リリース情報>



SIX KICKS ROCK&ROLL第1弾シングル
ザ・クロマニヨンズ
『ドライブ GO!』

発売日:2021年8月25日(水)
完全生産限定盤
品番:BVKL-15~6
価格:4,000(税込)
7inchアナログ盤+特製BOX
60年代フリップバックE式盤を可能な限り再現
初回仕様限定盤
品番:BVCL-1154
価格:1,100(税込)
初回仕様紙ジャケットCD (無くなり次第プラケースへと切り替わります。)
収録曲:
1. ドライブ GO!
2. 千円ボウズ



SIX KICKS ROCK&ROLL第2弾シングル
ザ・クロマニヨンズ
『光の魔人』

発売日:2021年9月29日(水)
完全生産限定盤
品番:BVKL-17
価格:1320円(税込)
7inchアナログ盤
60年代フリップバックE式盤を可能な限り再現
初回仕様限定盤
品番:BVCL-1155
価格:1100円(税込)
初回仕様紙ジャケットCD
(無くなり次第プラケースへと切り替わります。)
収録曲:
1. 光の魔人
2. ここにある



SIX KICKS ROCK&ROLL第3弾シングル
ザ・クロマニヨンズ
『大空がある』

発売日:2021年10月27日(水)
完全生産限定盤
品番:BVKL-18
価格:1320円(税込)
7inchアナログ盤
60年代フリップバックE式盤を可能な限り再現
初回仕様限定盤
品番:BVCL-1156
価格:1100円(税込)
初回仕様紙ジャケットCD
(無くなり次第プラケースへと切り替わります。)
収録曲:
1. 大空がある
2. 爆音サイレンサー



SIX KICKS ROCK&ROLL第4弾シングル
ザ・クロマニヨンズ
『もぐらとボンゴ』

発売日:2021年11月24日(水)
完全生産限定盤
品番:BVCL-1157
価格:1320円(税込)
7inchアナログ盤
初回仕様限定盤
品番:BVCL-1156
価格:1100円(税込)
初回仕様紙ジャケットCD
収録曲:
1. もぐらとボンゴ
2. 冬のくわがた

SIX KICKS ROCK&ROLL第5弾シングル
ザ・クロマニヨンズ
『縄文BABY』
2021年12月22日発売

SIX KICKS ROCK&ROLL第6弾シングル
ザ・クロマニヨンズ
『ごくつぶし』
2022年1月19日発売
ザ・クロマニヨンズ 公式HP: https://www.cro-magnons.net/

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