1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 音楽

『ネヴァーマインド』の赤ちゃん、児童ポルノでニルヴァーナを提訴

Rolling Stone Japan / 2021年8月26日 17時0分

Nirvana in 1991(Photo by Paul Bergen/Redferns/Getty Images)

ニルヴァーナのアルバム『ネヴァーマインド』のカバー写真の赤ちゃんが、児童ポルノに当たるとしてバンドを訴えた。現在30歳になったスペンサー・エルデンは、あの写真のせいで「生涯消えることのないダメージにこれまでも苦しみ、今後も苦しみ続ける」と言う。

ニルヴァーナのアルバム『ネヴァーマインド』のジャケットに写るあの赤ん坊は、今では大人になり、バンドとあの写真の関係者を相手取って訴訟を起こした。あの写真は児童ポルノであるとしてーー。

現在30歳のスペンサー・エルデンは、訴訟を起こし、次のように主張した。この訴訟の被告人たちは「承知の上で児童ポルノを作成し、所有し、宣伝し」ており、「スペンサーを保護する手立てを行使せず、彼に対する性的搾取が広がるのを食い止めなかった」。彼らは「スペンサーに対する商業的な性的搾取に参加することで、これまで利益を得てきた」とし、これによりスペンサーは「生涯消えることのないダメージにこれまでも苦しみ、今後も苦しみ続ける」と。

この訴訟の被告人として、ニルヴァーナの存命メンバーであるデイヴ・グロールとクリス・ノヴォセリック、カート・コバーンの資産を管理する3人(コートニー・ラヴ、ガイ・オセアリー、ヘザー・パリー)、写真家のカーク・ウェドル、アートディレクターのロバート・フィッシャー、多数のレコード会社および販売業者が名前を連ねている。ニルヴァーナの元ドラマーであるチャド・チャニングは『ネヴァーマインド』とは一切関わり合いがないにもかかわらず被告人リストに入っており、エルデンは被告人一人あたり15万ドル(約1650万円)の慰謝料と裁判費用を求めているのだ。

>>関連記事:ニルヴァーナ『ネヴァーマインド』、25年の時を経て公開された未発表写真

被告人もその代理人も、ローリングストーン誌のコメント要請にすぐには対応してくれなかった。ただし、コートニー・ラヴだけはこの訴訟に少し反応したようだ。彼女はInstagramの投稿のキャプションに「ロサンゼルス郡の法律専門家を憎んですらいない……特に何も思わない。奇妙な訴訟とチャリー・ワッツが他界して悲しいこと以外は」と書いている(「奇妙な」と「訴訟」の間に花とハートの絵文字が入れられており、キャプションの最後には顔を覆う、キラキラ星、ピザの絵文字が添えられている)。


アルバム『ネヴァーマインド』のカバーに写るエルデンは生後4ヵ月で、この写真はカリフォルニア州パサデナにあるプールで撮影された。法律上、性的な特徴を付与していない幼児の写真は児童ポルノとは見なされないのだが、この訴訟ではエルデンの写真は性の対象となるものとして異議を唱えている。

その一例として、訴状で主張されている点が、写真家のウェドルはこのカバーを見た人が「直感的に性的な反応を起こす」ことを意図して、スペンサーの「咽頭反射」を刺激してから水中に放り込み、露出したスペンサーの性器を強調したポーズをとらせた、と言うのだ。さらに、ヌード写真と釣り針にひっかけた1ドル紙幣の組み合わせで、スペンサーは「セックスワーカーのような」描かれかたをしている、と。

この訴訟では、スコーピオンズの『熱狂の蠍団 ヴァージン・キラー』、ブラインド・フェイスの『Blind Faith』、ヴァン・ヘイレンの『バランス』など「子供を描いたものや明白な児童ポルノ」と物議を醸したアルバムカバーと、『ネヴァーマインド』のカバーを比較している。そして、「他の物議を醸したアルバムカバー同様に、被告人たちは露骨なイメージで注目を集めようと画策し、ひいては慎重に配置されたスペンサーの肥大した性器が世界中の注目を集めるに至った」と主張している。

『ネヴァーマインド』が世界的な大ヒットになったことを指摘したのち、スペンサーはこの写真に対するいかなる支払いも得ておらず、彼も彼の後見人も「スペンサーやスペンサーが所有する写真の使用および公開についての許可を与える契約書に署名すらしていない。もちろん、彼が描かれた児童ポルノ商品の許可も与えていない」と、訴状に明記している(エルデンの父親リックはウェドルの友人で、2008年にラジオ局NPRでこの撮影の報酬として200ドル得たと話している)。

>>関連記事:ニルヴァーナ『ネヴァーマインド』、知られざる10の真実

エルデンはこれまで(ヌードではなかったが)『ネヴァーマインド』写真の思春期バージョンと大人バージョンを制作しているにもかかわらず、訴状は「スペンサーが描かれた児童ポルノの販売と所有によって受けた傷に、これまでも今後も苦痛を感じ続ける」と続く。そして「身体的症状を伴う極度かつ永続的な精神的苦痛、正常な発達と教育課程での妨害、生涯に渡る収入獲得能力の喪失、過去および将来の賃金の喪失、過去および将来の医療や精神療法のための費用、生活の楽しみの喪失」など、裁判で決定されるべき損失の明記で締められている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください