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エド・シーランお墨付きの新星、メイジー・ピーターズが語る「21歳のリアル」

Rolling Stone Japan / 2021年9月1日 18時45分

メイジー・ピーターズ(Photo by Lillie Eiger)

エド・シーランが主宰するレーベル「Gingerbread Man Records」と契約。2020年の一年でグローバルのストリーミング総再生回数が2億回を突破。今、大注目のUK発シンガー・ソングライターがメイジー・ピーターズだ。

鋭い観察眼で綴られた歌詞と透明感のある歌声。そんな彼女の1stアルバム『ユー・サインド・アップ・フォー・ディス』が日本でもリリースされた。今回は彼女が日本のリスナーのために語ってくれたオフィシャル・インタビューをRolling Stone Japanでいち早くお届けする。

【動画を見る】「本物の才能の持ち主」とエド・シーランが賞賛するメイジーの楽曲

―あなたのバックグラウンドについて伺います。あなたの故郷である英ブライトンのステニングは、調べてみるととても美しい町ですが、そこで育ったことが自分の感性なんかに影響を与えたと思いますか?
 
そう思うわ。ステニングはのんびりしていて、静かで、小さな町で、バスの路線はひとつしかないし、人口も多くないから。だからこそ音楽作りに夢中になれたんだと思う。ほかにあまりやることがなかったから。でも育つには素晴らしい場所だった。いい思い出がたくさんあるし、まだあそこで暮らしている友達もいるし、楽しかったわ。
 
―音楽に関してはお母さんの影響が大きかったそうですね。
 
そうね。母は私を熱心に応援してくれたけど、父もそうだった。ふたりとも特に音楽的才能がある人たちじゃないんだけど、私がやりたいことを実現させられるように支えてくれたわ。音楽を作り始めて、ライヴをやったりするようになってからは、会場までいつも車で送ってくれたっけ。そして母はオーディエンスに交じって私の曲を聴いて、気に入った曲を教えてくれたり、父も私がバスキング(地下鉄構内などでの路上演奏)する時には、付き添って待っていてくれたり。ふたりとも常に私を応援してくれたの。
 
―若い頃に愛聴したアルバムで、今も聴いていて影響を受けている作品はありますか?
 
たくさんあって、例えばアバ『アバ・ゴールド』(92年)は今も大好きだし……リリー・アレンの『オーライ・スティル』(06年)、テイラー・スウィフトの『フィアレス』(08年)、サラ・バレリスの『カレイドスコープ・ハート』(10年)もそうね。この辺のアルバムは今でもよく聴いているわ。
 
―あなたは15歳の若さでYouTubeチャンネルを作って、曲を公開し始めたわけですが、音楽と真剣に向き合うようになったのは、いつ頃だったんですか?
 
当初の私はYouTubeにふたつくらい曲をアップして、どういう反応が得られるのか様子を見ていたんだけど、そうこうしているうちに今のマネージャーと出会ったの。YouTubeで私の曲を聴いて気に入ってくれた彼と組むことになって、それが2016年だから、その頃に真剣に捉え始めたんだと思う。
 


―ほかにも何か、将来やりたいことがあったんですか?
 
シンガーになりたいと思い始める前は、教師に憧れていた。つまり、自分の声が好きだったんだと思うわ。あと、例えば国連とかで働いて、何が重要な任務をこなしたいなと思った時期もある。でもこうしてポップスターになっちゃったわけだから、人間って考えが変わるものなのよ!(笑)


メイジーのインスピレーションの「種」はどこにある?

―あなたが一番曲を書きたいと感じるのは、どんな時ですか?
 
たぶん、何か重要なことが自分の身に起きている時なんじゃないかな。そして、心に何かしらじっくり考えたいこと、答えを見つけたい疑問を抱えている時も、曲を書きたくなる。でなければ、年代記として、単純に記録したいという欲求もあるのよね。だから一番インスパイアされるのはそういう時だと思う。でもほかにも例えば、ソングライティングのために、どこかに数日間滞在したりする時もインスパイアされる。だってその間コラボ相手とずっと一緒にいて、色んなアイデアを共有できるわけだから。

―エド・シーランについて伺います。彼は4年くらい前にあなたの存在を知って、自ら主宰するGingerbread Man Recordsに契約する前から、舞台裏でサポートしていたそうですね。
 
そうね。私たちは数年前に知り合って……というか、私はずっと前から彼について色々知っていたわけだけど(笑)。私は常に色んな人と会って交流したいと思っているタイプで、当時すでにフレッド・アゲインやジョー・ルーベルとか、だいたい決まった人たちとコラボしていて、そういう交流の中でエドとも知り合ったのよ。そして1年くらい前だったかな、彼から連絡があって「曲を一緒に書いてみない?」と誘われたの。実際に書いてみたら意気投合して、彼と私の間には共通項も多かったし、友人兼コラボレーターになった。で、ずっと連絡を取り合っていて、最終的にエドのレーベルと契約するのがいいんじゃないかという話になったのよ。彼と頻繁に話をしているうちに、すごくいい関係を築くことができたから、最高よね。
 
―”ボス”としてのエドはどんな存在ですか?
 
彼は最高のボスよ。私を熱心に応援してくれるし、こちらが求めれば、本当に有益なアドバイスや意見をくれる。それに、アルバム制作に関しても私を支えてくれたし、私が書いた曲は全て聴いてくれるし、素晴らしいボスだわ。満点(笑)!
 
―エドはあなたについて、「彼女は英国の若者たちの代弁者だ」と評したことがあります。自分でも、同世代の若者たちの想いを代弁しているという意識はあるんでしょうか?
 
それってクールよね! そういう結果になっているのだとしたらうれしいし、私自身も間違いなくそこを意識して曲を書いている。ほかの人たちが聴いた時に自分のこととして捉えられて、共感できるような曲にしたいと考えているの。だから、それが本当だったらうれしい。そうであるよう願っているわ。





 とにかくビッグなポップ・ソングを作りたかった

―あなたが目指していたのはどんなアルバムなんでしょう?
 
とにかく私は……もしかしたら私の場合は、「こういうアルバムを作りたい」と明確に分かっていたと言うより、「こういう音楽を作りたい」と分かっていたのかもしれない。具体的な曲の像が見えていたんじゃなくて、曲を作っているうちに、自分が何を言いたいのか、どんな曲がアルバムにフィットするのか、どんな曲が意味を成すのか、流れが掴めてきた。私は去年1カ月間サフォーク州に滞在して、アルバムの半数の曲を作ったんだけど、そこまで辿り着いた時点で、どういうアルバムになるのか見えてきた。そして残りの曲は次の1カ月間に完成したわ。
 
―アルバム・タイトルはオープニング曲に因んでいますが、どんな意味を込めたんでしょう?  

タイトルは「You Signed Up For This」という曲に因んでいて、この曲を書き上げた時に「これをタイトルにするべきだ」と感じて。それからずっとその気持ちは変わらなかったし、ほかの候補もなかったわ。それってクールなことだと思う。曲の中に”Im sorry to make it about myself again/ But you signed up for this(またもや自分本位でごめんなさい/でも私自身が望んだことだから)”というフレーズがあって、ここが、アルバム全体と共振している気がしたのよね。ひとつの意思表示であるように感じたの。良し悪しは別にして、好き嫌いは別にして、自分が望んだ結果をもたらすか否か分からないし、私の人生において決定的瞬間になるか否かも分からないんだけど、これは間違いなく自分が望んだことだから、何が起ころうと最後の最後まで見届けるんだ――という。なぜって私は音楽を愛していて、このアルバムを愛していて、それは今後も変わらないだろうし、音楽をずっと作り続けると思うから。私が思うに、「You Signed Up For This」というフレーズは頑固で挑戦的な態度を含んでいて、そこがすごく気に入っているの。



―歌詞のインスピレーションはみんな実体験ですか?

私が思うに、曲のフィーリングは、私が実体験として抱いたもので、多くの曲が間違いなく私自身の欠片を含んでいる。私の人生が大いに反映されていて、ちょっとしたディテールに、実体験が正確に引用されていたりもするわ。でも同時に、どこかでミステリーを維持しようとしていて、自分をあけっぴろげにし過ぎないように、いつも気を付けているの。

―「Psycho」はエドとスティーヴ・マックと共作したそうですね。どんな経緯で生まれた曲なんですか?  
 
そうなの、これはエドたちと一緒に書いた曲で、アルバムの収録曲の中では、一番最後に生まれた。私はとにかくビッグなポップ・ソングを作りたかったの。それで、カーリー・レイ・ジェプセンの「コール・ミー・メイビー」やシンディ・ローパーの「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」を意識して、「とりあえず何でも試してみて結果を見てみよう」という姿勢で取り組んだの。それに、実際に私が体験したことも反映されているわ。私とエドとスティーヴは仲がいいから、あれこれお喋りをして、最近自分たちの身に起きたことを報告し合っていたのよ。それ以前からエドとはメールをやりとりしていて、こういうことを曲にしたらいいんじゃないかというアイデアを送っていたんだけど、そのひとつが、誰かに「お前はクレイジーだ」と言われて、それはフェアじゃない――という内容だった。そうしたらエドが「”psycho”っていう言葉で遊んでみたら面白いんじゃない?」と提案して、私も「それって面白そう!」と乗り気になって、スタジオに入ったら一瞬のうちに曲が完成したの。ものの30分くらいで出来上がって、本当にクレイジーだったわ。



 

これまでの人生を語る際に欠かせない「公共交通機関」

―このアルバムを通して、聴き手にどんなことを伝えたいですか?
 
とにかく気に入ってくれたらうれしいし、いい作品だと思ってくれたらと願っているわ。私は素晴らしい作品だと思っていて、すごく気に入っているから。そして、私がアルバム作りに一生懸命取り組んだこと、私自身の人間性が大いに反映されていることが、伝わったらうれしい。私は全力を尽くしたつもりだから、それが伝わればと願っているの。でも究極的には、どんなことを感じてくれても構わない。アルバムを聴いて、何かしら感じてくれればそれで充分。とにかくみんなが気に入ってくれたらうれしいな。
 
―アルバム・ジャケットについて伺います。これは二階建てバスの中で撮影されたように見えますが、どんなコンセプトに基づいているんですか?
 
ジャケットに関しては、ロンドンの公共交通機関を使って、何か作りたいと思っていたの。なぜって私は、これまでの全人生を、公共交通機関の乗り物の中で過ごしてきた気がするから。つい最近になって車の運転免許の試験に合格したんだけど、ここに辿り着くまでの私の人生に、大きな位置を占めているように思う。ステニングに住んでいた時はいつも電車でロンドンに行って、ロンドンに着いたら地下鉄とバスに乗ってあちこちに出かけていたし。そんなわけで、ぜひ公共交通機関に根差したジャケットを作りたかったのよね。それからイヤホンも使いたかった。今私が使っているイヤホンはまさに裏ジャケットに写っているもので、ずっと愛用しているの。だって本当のところ、私は本当に長い時間を、乗り物に揺られながら音楽を聴いて過ごしてきた。それでバスを使おうという話になって、実際にバスを借りたの。それって本当に大変なことで、同時にものすごく楽しかった。才能あるフォトグラファーのリリーとロンドン中を走り回って、楽しい時間を過ごして、たくさんの写真を撮影したわ。その1枚がジャケットになった。実はケーキを使った『Psycho』のジャケットも、元々アルバム・ジャケットの候補として撮影したものなの。最終的にタイトルを差し替えて『Psycho』のジャケットになって、それも笑える話なんだけど、アルバム・ジャケットはすごく気に入っているわ。



―ここであなたが着ている服は、普段のあなたのファッションの延長なんでしょうか?
 
間違いなくそうね。ユニコーン柄のTシャツを着ていて、友達に「ユニコーンのTシャツ姿で写っているあなたはめちゃくちゃ怖そうで、おかしいわよ」と言われたんだけど、「確かにそうだ」って自分でも思った。二元性っていいことよね。それからレザー・ジャケットも私の定番だし、全てが私らしい。100%普段の私が着ているようなもので、ビッグなブーツも然り。ビッグなブーツの大ファンなの。
 
―日本に来たことはこれまでありますか?

まだないの。でも、ぜひ行ってみたい。

―日本のカルチャーについて何か知っていることがあれば!

恥ずかしいことにまだないのよ! 日本に行って、勉強したいと思ってる。<行ってみたい国>リストに、日本は入っているから!

―最後に日本のリスナーへメッセージをお願いします。
 
みんな聴いてくれてどうもありがとう。私の音楽を選んでくれて、すごく光栄に感じているし、日本に行ってみんなと会える日が待ち切れない。何度も繰り返しになるけど、本当に日本に行くことを楽しみにしているの。私の「行きたい場所」リストのトップにあって、興味津々だから。美しい国だし……みんなに会えるのを楽しみにいるし、私の曲を聴いてくれて感謝しています。

<INFORMATION>


『You Signed Up For This / ユー・サインド・アップ・フォー・ディス』
Maisie Peters / メイジ―・ピーターズ
ワーナーミュージック
発売中

CD購入/ダウンロード/ストリーミング:
https://MaisiePetersJP.lnk.to/YSUFTMe









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