1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 音楽

シライシ紗トリが語る楽曲制作の裏側「楽しくやるための労力は惜しまない」

Rolling Stone Japan / 2021年9月22日 18時0分

シライシ紗トリ

乃木坂46、岡崎体育、SCANDAL、ORANGE RANGEなど数多くのアーティストの作詞、作曲、編曲、プロデュースを手がけるシライシ紗トリが、自身の楽曲「GENTLE SMILE」「BIRD」を配信リリースした。

レイ・パーカー・ジュニア、ウィル・リー、オマーハキムなど海外のミュージシャンが多数参加した2007年リリースの1stアルバム『Happydom』収録曲「GENTLE SMILE」、当時から原型はあったという「BIRD」をそれぞれアップデートさせ、2021年の現在にドロップした2曲について、シライシ紗トリに話を訊いた。

関連記事: 元乃木坂46・中元日芽香と手島将彦が語る、メンタルヘルスを含めたアイドル論

ー1stアルバムから約14年ぶりのリリースとなります。なぜこのタイミングで2曲同時リリースすることにしたんでしょう?

ずっと曲を出そう出そうとは思っていたんですけど、つい時間が経ってしまって。ちょっと前に、引っ越しをしたり、作業の内容や仕方も変えたり、バージョンアップじゃないですけど、古いものを捨てて新しいものにした節目の時期があったんです。そのタイミングで自分の楽曲も仕込み始めたら、コロナ禍になってしまって。本当は去年にリリースできたらと思っていたんですけど、それが少しゆっくりのペースになって、ぼちぼちやらないとなって動き始めて今になったという感じです。

ー自分のことって、無理やりにでも期限を設定しないとなかなか進まないですよね。

そうですね。本当にやっていることが多岐にわたるので、いい加減やらないとって感じになって、ようやく完成しました(笑)。



ー楽曲自体は、結構前にできていたということですか?

「GENTLE SMILE」はもともとアルバムに入っていた曲で、ブラッシュアップし続けていて。とりあえずウォームアップするような形で作っていきました。

ー1stアルバム収録曲の中で、どうして「GENTLE SMILE」を選ばれたんですか?

『Happydom』をニューヨークに行って自分のルーツに近い人たちと一緒に作ったんですけど、その時に自分のプライベートに近い楽曲を1曲入れたいなと思って「GENTLE SMILE」を弾き語りで入れたんです。その後、プロデュースした子がカバーしてくれたり、ちょいちょい自分でも弾き語りをしていたので、あらためて当時のことを思い出しつつ、次に行くためのきっかけになればいいなと思って、ブラッシュアップしようかなみたいな感じで選びました。

ー2007年にも発表されている楽曲を2021年の今リリースするにあたって、音作りに関してはどういうことを意識されましたか?

最近バンジョーを弾くことが多いんですが、今回は6弦バンジョーの弾き語りがフィットしたので、それが楽曲の柱になっていますよね。

ーバンジョーを使われている理由はあるんですか?

もともと僕のルーツがカントリーだったり、ブルース、ジャズなので、好きでやっていたものがナチュラルに入るようになってきたという形です。一方で、近年は曲を作ったりアレンジをしたりするとき、パソコン1台で完結するようになってきていて。自分と向き合うアレンジメイキングが増えてもきていたんです。それが融合されて今のサウンドになっているのかなという感じがしますね。



ー歌い方は変えたりされましたか?

特に変わってはいないと思いますけど、やっぱり歳をとってきた歌い方になってきたかなと思います(笑)。帯域とかが少し下がって、ちょっと声が太くなったのかなみたいな。『Happydom』を出した時は、もうちょっとか細い感じだった気がします。最近は、表現に対する自分のスタンスがはっきりしてきたのもあるのかな。良くも悪くも己のスタイルみたいなものがだんだん固まったのかなという感じはします。

ー「GENTLE SMILE」は、ボーカルにもエフェクトをかけていますよね。

最近のトラックメイキングはそんな感じなので、頭の中がナチュラルにそうなっていて。本能の赴くままに作ったので、トラックを作っているときに欲したんでしょうね(笑)。

ー最初聴いたとき、すごく静かなアレンジだなと思っていたんですけど、よくよく聴くと様々な音が入っていて、緻密にいろいろな音がアレンジされていますよね。それは普段のプロデュースワークでのトレンドが反映されているからなんでしょうか?

この業界で長いことトラック制作をやってきて、僕は手練の方とやることが多かったので、人ありきの制作が多かったんですね。それが近年は、ソフトウェアとか、ハードウェア、パソコンのスペックも飛躍してきて。逆に言うと、それありきのトラック制作にすごくシフトしてきたというのが大きいんだろうなと自分でも思いますよね。

ー制作環境の機材もこの10年、15年で変わりましたよね。

そうですね。僕は基本、生楽器のスタイルの人なんですけど、表現の仕方は随分変わってきたんだなとは感じますよね。



ーバンジョー以外の楽器で生で録っているものは?

「BIRD」の鍵盤を大嵜慶子さんに弾いてもらっているのと、バイオリンを亀井友莉さんに弾いてもらっています。ドラムとかは基本的には自分でパッドで打ち込んでいて。2曲ともパソコンで作る音ではあるんですけど、手弾きがメインです。

ー「BIRD」の歌詞に関しても当時書いたものですか?

「BIRD」は歌詞の方も、ちょっとずつ直してきていますね。当時は若かったのか、今読むと「ん? これ何言ってるんだ?」みたいな部分があったりして(笑)。今の自分とは違うなっていうところをブラッシュアップしたと思います。

ー絶えずブラッシュアップしていると、どこで納得するのか判断が難しくないですか?

本当ですよね。ボストンじゃないんだからって話なんですけど(笑)。

ーあははは。世の中に届く曲作りをする上で、心がけていることだったり、意識していることってありますか?

特にはないんですけど、もともとポップスやヒットソングは大好きで。有名なプロデューサーが関わることによって、そのジャンルを知るみたいなことも好きなんです。例えば、エアロスミスとかボン・ジョヴィに有名なプロデューサーが関わることによって、ハードロック、ヘビーメタルがポップスに変わった瞬間だったり、テイラー・スウィフトのようなカントリーをやっていた人が徐々にポップスに変化する感じとかが好きなんですよね。

ージャンルをそのまま押し出すのではなくて、ポップスと掛け合わせていくというか。

大元をしっかりやってないとポピュラリティにいくのってすごく大変だと思うので、もともと持っているものをしっかりやるのは大前提なんですけど、ある程度ベースがある上で大衆性があるものにいくみたいなことにやりがいを感じているのかもしれないですね。

ーシライシさんのソロ楽曲、はこの2曲以外も制作されているんでしょうか?

いっぱい曲があるんですよ(笑)。なので、さっさとやろうみたいな感じになってます。自分でトラックもMVも作る一連の流れがここ最近できた感じがあって。しばらく配信を続けて、曲が増えてきたらフィジカルのアルバムにして出すのがいいのかなと思っています。



ージャケットの画像は、シライシさんを描いているんでしょうか?

イラストレーターさんに頼んで僕の似顔絵を描いてもらいました(笑)。

ーなぜ鳥なんでしょう? 「BIRD」だからですか?

なぜかな(笑)? 鳥がよく関連してるのかな? 鳥ネタ多くない? みたいな事を言われたりとか(笑)。SMAPの「freebird」もそうですし、僕自身の名前にトリが入ってるから?とか(笑)。意識してないんだけど随分とそういうのがあって。とうとう自分がそれに洗脳されたみたいな(笑)。とても気に入っているイラストです。


「BIRD」ジャケット写真

ーお話を聞いていて、良い意味ですごくラフというか、変なところへのこだわりがないという印象を受けました。

あー、どうなんですかね。おもしろいなと思うことが好きなんですよね(笑)。

ーちなみに、今後やってみたいことやチャレンジしてみたいことはありますか?

自分がプロデュースした楽曲のMVを同時進行でプロデュースできるようになってきたので、そういう作品を増やしたいなと思っていますね。自分の楽曲も、プロデュースさせていただく楽曲も、両方やりたいなと思って。

ー楽曲プロデュースとMV制作を1人で両方やられる方は、なかなかいないですね。

キマグレンのISEKIくんのプロデュースをやらせてもらった時に、アレンジを完パケてからMVを撮り始めたんですけど、編集していたらアレンジ変えたくなってきて(笑)。で、MVの編集中にまたアレンジをしなおしたりして。両方同時進行作業が、自分の中でとてもフィットしだして。それは去年の10月ぐらいのことだったんですけど、その後も結構いろいろな作品をやらせてもらっていて。そのスタンスでこれからいろいろ作りたいなというのがあります。ちなみに、「GENTLE SMILE」のVも、自分でおもしろいなと思いながらやっていたところがありますね。

ーどんなMVになる予定ですか?

普通にリップシンクとリリックがあるMVとして作ったんですけど、演者としてやらなきゃいけないことプラス監督としてやってもらわなきゃいけないことが自分の中で色々と気づかされる場面が多々あって(笑)。その感じが面白くて。そんなこと含めて映像も楽しいなというのがありましたね。

ー自分の中で、演者のシライシさんと、監督のシライシさんがぶつかり合ったと(笑)。

そうなんですよ。「そのくらいもお前できないのか!」「それはできません!」みたいに自分の中で葛藤していて、おもしろいなみたいな(笑)。

ーさらに、それをおもしろがっているシライシさんがいる。

そうですね。出来上がった映像を編集していて、こういうふうに歌うと、こういうふうに捉えるもんなんだというか。これはおもしろいなとか。これはつまらないなっていうのをエディットしながら気づいたりして。その経験が増えてくると、今度誰かのプロデューサーをさせてもらう時にまたおもしろいものが作れるかもしれないですね。



ーさすがに「GENTLE SMILE」は、撮影後アレンジ変えようってことはなかったですか?

歌っている時に、あーこれ、こうやって弾けばよかったなあというのはありましたけど、時既に遅しみたいな状態でした(笑)。

ー(笑)。他の方の楽曲制作もしながら、ご自身の楽曲も作っているというバイタリティがすごいですよね。

自分がやる気になっている理由の1つとして、ソフトウェアの進化によって、気楽にクリエイティブなことができる時代になったことがあると思うんです。ちょっと前だと3日かかるようなことが今は数時間でできるとか、そういうのが自分の中ですごく楽しい。時間の活用ができる世の中になったんだなって感じがすごくしますね。音楽制作自体もそうですし、楽器の精度や価格、映像制作でもすごく感じています。人が効率良くクリエイティブなことをするためのツールが今はめちゃくちゃ溢れているので、いい世の中になったなと感じています。

ーそれだけ表現が身近になって誰もが作品を作りやすい中で、なかなか差を出しづらい部分もあるんじゃないかと思います。そんな状況も楽しみながら、好奇心旺盛にいろいろなものを取り入れているのが、シライシさんの楽曲が支持されている理由なのかなと感じました。

ずっと楽しんでやるスタンスは変わってないですね。数十年この仕事をやってきているんですけど、楽しくやるための労力はわりと惜しまないみたいです(笑)。ありがたいことにいろいろおもしろがってくれる方がいて、クローズアップしてくれる方もいるので、変わらず、やっていきたいですね。

ー今回の作品に関して、注目してほしい点は他にありますか?

今、まさに「BIRD」のMVを自分で編集しているんですけど、その編集もシライシが1人でやってるんだな、と、思いながら聴いてみていただけたらおもしろいかもと思います。(笑)

ーやっぱり、鳥は出てくるんですか?

そうですね、まあまあ鳥が出てきますね(笑)。


<リリース情報>





シライシ紗トリ
「GENTLE SMILE」「BIRD」

配信日:2021年9月22日(水)

シライシ紗トリ Official site: satorishiraishi.com

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング