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SNSで人気爆発、絶対に知っておくべき4人の新世代ドラマー

Rolling Stone Japan / 2021年10月12日 18時45分

(中央より時計回り)相馬よよか、ナンディ・ブシェル、デデン・ノイ、ラーネル・ルイス(Photo Courtesy of Deden Noy; Avital Zemer; Courtesy of Yoyoka Soma; Serena Brown for Rolling Stone)

かつてのロックドラマーたちは、アリーナでの壮大なソロ演奏で伝説となった。だが昨今では、お気に入りの曲をカバーしてYouTubeやInstagramにアップロードして莫大な数のフォロワーを獲得できれば、有名になる可能性が広がる。動画が拡散するかどうかは、ドラムチョップよりも見せ方や独創性、聴く者の心をつかむコンセプトのほうが重要だ。米ローリングストーン誌が選んだ、注目すべきオンラインドラマー4人を紹介しよう。


1. デデン・ノイ(Deden Noy)

The Hook 見どころ

DIYミュージシャンは数多いるが、そこからこのYouTubeドラムの新星が登場した。彼は2021年初め、文字通りゴミから作った手製のドラムキットでプログレやメタルを正確にカバーし、たちまち時の人となった。プラスチック製のバケツとウォーターボトルから作ったスネアとタムに、金属製の鍋のふたを使ったシンバル。ベースドラムとハイハットのお手製フットベダルも見事な出来だ。

The Backstory 背景

インドネシアのスマトラ島南端にあるバトゥ・ランバン村の二児の父親、本名デデン・プラマナは、パンデミック以前は地元の結婚式で演奏していた。そこへコロナウイルスが流行し、彼は今や有名となった寄せ集めドラムキットを組み立てた。本人いわく、費用はたったの7ドル前後。極めつけはシンバルに施したフェイクのロゴだ。著名メーカーPaisteとSabianに似せて「Pasti」「Gajian」と書かれたロゴは、続けて読むとインドネシア語で「何が何でも稼ぐ」という意味になる。



Key Video おすすめ動画

ノイのドラムを打つ平均回数は驚くほど多い。演奏する無機質なレンガの部屋が、なおいっそう彼のスキルを際立たせる。メタリカやミューズの曲を叩く姿を見るのも楽しいが、ラッシュ「Tom Sawyer」のカバーは何度も繰り返して見たくなる1曲。ニール・パートの大仰なドラムキットがなくても、非の打ちどころのないプログレが演奏できることを証明している。

”Wow” Moment 感動の瞬間

この春、ノイは願ってもないプレゼントを受け取った。中学校からの憧れだった(第一子も彼にちなんで命名)ドリーム・シアターのマイク・ポートノイの尽力で、人生初の本物のドラムキットを手に入れたのだ。「大事にします、これからも頑張ります」。ポートノイとSabianから贈られたシンバルを抱きしめて、ノイはInstagramでポートノイに宛ててこう書いた。

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2. ナンディ・ブシェル(Nandi Bushell)

The Hook 見どころ

ドラムを演奏するナンディ・ブシェルの姿を見て、微笑まずにいるのは不可能だ。近年ロックの人気は衰退傾向にあるが、イングランドのイプスウィッチ在住の11歳はそんなこともお構いなし。彼女はクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、その他ヘヴィロックの面々を元気いっぱいにカバーして、ネット住民を魅了した。

The Backstory 背景

ロック好きな父親に育てられたブシェルは、朝食にはビートルズを聞き、5歳の時には初めてドラムセットを買ってもらった。家で父親とドラムセッションを始め、やがて地元のクラブで演奏するように。そして動画をYouTubeに投稿するや、瞬く間に人気者になり、クエストラヴやデイヴ・グロールまで、ほうぼうからお墨付きをもらった。



Key Video おすすめ動画

ループ演奏に合わせて「移民の歌」や「Where Is My Mind?」といったロックの定番曲をワンマン演奏する姿もいいが、何度も見たくなるのは、デイヴ・グロールが最初に目を奪われたニルヴァーナの「In Bloom」だ。2019年にカバーしたこの曲で、彼女はグルーヴに合わせて顔をしかめ、勝ち誇ったようなシャウトとともにシンバルとスネアロールを正確に繰り出している。

”Wow” Moment 感動の瞬間

最近では、拡散動画のドラマーがカバーした有名アーティストからお墨付きをもらうのがすっかり定番化しているが、ブシェルはデイヴからさらに素晴らしいものをもらった。彼女をテーマに、フー・ファイターズのボス本人が自ら作曲・演奏したオリジナルソングだ。Zoomでブシェルと対面したデイヴは、「ビートルズのメンバーに出会った」かのようだ、と言った。


10月8日にはトム・モレロの息子Romanと制作した環境問題を訴えかける新曲「The Children Will Rise Up!」を公開。MVにはジャック・ブラックとグレタ・トゥーンベリも登場。

3. ラーネル・ルイス(Larnell Lewis)

The Hook 見どころ

YouTubeのカバーはたいてい、何度も失敗を重ねた末に作られたと言っても過言ではない。だがラーネル・ルイスがオンラインメディアDrumeoに投稿した動画は、無謀なヒネリを加えてさらにハードルを上げている。彼は撮影するまで一度も聴いたことのない曲をカバーしているのだ。これら動画は、ルイスのテクニックに舌を巻くだけでなく、プロのミュージシャンの思考回路をリアルタイムで垣間見るチャンスでもある。

The Backstory 背景

トロント育ちのルイスは、ペンテコステ派教会で音楽監督をしていた父親からゴスペルを学んだ。2012年にはジャズ・フュージョンバンド、スナーキー・パピーに参加。以来、数々のグラミー受賞アルバムで演奏している(家族でドラムを叩くのは彼だけではない。弟のリッキーはザ・ウィークエンドでプレイしている)。



Key Video おすすめ動画

「私がこの曲を今まで聞いたことがないはずはない、と皆さん思っているでしょうね」。メタリカの「Enter Sandman」に取りかかる直前、ルイスはカメラに向かってこう語る。「でも嘘じゃないんです、今までこの曲を一度も聴いたことも演奏したこともありません」。オフビートのアクセントと見事な手さばきで曲を操る様子は、さながらスーパーコンピューターの作業風景を見ているかのようだ。

”Wow” Moment 感動の瞬間

ルイスの「Enter Sandman」の動画は、さらなるリアクション動画を生んだ。元になったDrumeo動画で曲と格闘する彼の姿を、他のドラマーが鑑賞するようすを見るのはまた乙なものだ。「聞き直ししたり、カンペを作ったりしないのかい?」と、YouTuberのアンドリュー・ルーニーさんは首をかしげる。「この男は映像記憶の持ち主なのか?」



4. 相馬よよか(Yoyoka Soma)

The Hook 見どころ

YouTubeのカバー曲は、アマチュアらしい原石のようなところも魅力のひとつ。だが日本人ドラマー相馬よよかの場合、なんと8歳で最初に動画が拡散したときから、すでに熟練の粋に達していた。愛らしい笑顔と巧みなスティックさばきでクラシックロックやオルタナロックを演奏する彼女は、どの曲も完璧に自分のものとしていた。

The Backstory 背景

よよかは2歳になるころにはスティックを手にし、4歳になるころにはすでに演奏を始めていた。数年後には、両親が結成したファミリー・ポップバンド、かねあいよよかに加入。2018年、女性だけのドラムコンテストHit Like a Girlで演奏したレッド・ツェッペリンの「Good Times, Bad Times」がきっかけで、トーク番組『エレンの部屋』に出演。デイヴ・グロールからも激励の言葉をもらった。



Key Video おすすめ動画

熟練のドラマーでさえ、「Good Times, Bad Times」の複雑かつ激しいジョン・ボーナムのパートを再現するのは難題だ。だが、よよかの演奏は、恐ろしいほど肩の力が抜けている。単に音を叩き出すだけでなく、多くのドラマーがコピーするのに何十年も苦労したボーナムの有名なゆったりグルーヴをもしっかりとらえている。

”Wow” Moment 感動の瞬間

デイヴ・グロールからの激励に加え、よよかはなんとロバート・プラントからもお墨付きをもらっている。「ワオ!」 彼女の「Good Times, Bad Times」の動画を見たシンガーは思わずこう叫んだ。「彼女にとってはお茶の子さいさいって感じだね」、その後、映像にすっかり満足した彼はこう付け加えた。「彼女ならきっといい仕事にありつけるよ」


10月8日に公開されたツェッペリン「Black Dog」のカバー動画

Two More to Check Out さらに知っておくべき2人

グレイソン・ネクラットマン(Greyson Nekrutman)

ロングアイランドの超エネルギッシュな若手ドラマーは、Instagramで驚愕テクニックとトップクラスのショウマンシップを発揮。バディ・リッチの活気あふれるスウィングから、トゥールのようなマスメタルまで何でもカバーしている。

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ジョージ・フルーダス(George Fludas)

ジョン・ボーナムに心酔し、ボーナム道に特化した自身のYouTubeチャンネルでレッド・ツェッペリンの楽曲をカバーするだけでなく、2時間強にもおよぶ1973年のステージなど、ツェッペリンの全公演を最初から最後まで完コピすることで有名だ。



From Rolling Stone US.




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