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ブリング・ミー・ザ・ホライズンが語る、「フューチャー・エモ」で若い世代と共鳴する理由

Rolling Stone Japan / 2021年10月14日 18時45分

ブリング・ミー・ザ・ホライズン(Courtesy of ソニーミュージック・インターナショナル)

2019年リリースの6枚目のアルバム『アモ』で、ロックという枠にとらわれないエクスペリメンタルなアプローチで、最新型のクロスオーバー・ミュージックを打ち出したブリング・ミー・ザ・ホライズン。このバンドはロックという音楽にできることの境界線を超えてまで、時代を映し出す音楽、時代の最先端の音楽をやることにこだわりを持つ稀有な存在だ。そのこだわりは音楽面だけでなく、歌詞のメッセージにも及んでいる。

【動画を見る】新章となるシングル「DiE4u」ミュージックビデオ

2020年に入って、コロナ時代が到来すると、バンドは<ポスト・ヒューマン>というタイトルのEPシリーズを連続リリースするというプランを発表。<ポスト・ヒューマン>の第1弾リリースとなるEP『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』では、コロナ時代にどう前に進んでいくのかをテーマに掲げて、アグレッシヴなロック・ミュージックをフューチャリスティックなアプローチで聴かせるという新たなサウンドを打ち出した。そして、<ポスト・ヒューマン>の第2フェーズの幕開けとなる、待望の第1弾シングル「DiE4u」がリリースされたのだが、この曲では、これまで以上にメロディックでエモーショナルな ”フューチャー・エモ” サウンドを聴かせ、歌詞はよりパーソナルなテーマを扱っていて、また新たな進化を見せているのだ。ヴォーカルのオリーことオリヴァー・サイクスに話を聞いた。

ーちょうどイギリス国内6都市を回るツアー、POST HUMAN TOURを終えたばかりですが、ライブの現場に戻った感想は?

オリー:素晴らしかったよ。18カ月も観客入りのライブをできなかったんだ。それが今、こうしてバンドをやることができて、音楽を作ることができて、ライブでパフォーマンスができるわけだから、そのことに対してスゴく感謝の気持ちを持てたんだよ。これが2年前であれば、ごく当たり前のことだと思ってたんだ。もちろん大好きなことではあるんだけど、立ち止まってそれをやれてる幸せを味わうようなことはなかったんだ。最初のショーをやる前は、それこそステージでのサウンドチェックの時からスゴくナーバスだった。実際にショーが始まった時はスゴく感情的になって、いっぱい涙も流してしまったね。特に『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』が、パンデミック以降のこの世界で僕たちがどう生きていくかということをテーマにしていて、みんなが大声で一緒になって歌ってくれて、その瞬間を共有できたわけだから、スゴく感情的にもなったし、感謝の気持ちも湧いてきたんだよね。これが自分にとってどれほど特別なことなのかということを実感できたし、パンデミックによっていかに簡単に僕たちの人生からライブがなくなってしまったのかも思い知らされたし、スゴく安っぽく聞こえるかもしれないんだけれど、このショーが最後になるかもしれないなんていう気持ちにもさせられたんだ。





スーツ姿でライブをやろうと思った理由

ーオリーはコロナ禍においても、音楽をやる意味を自らに問いかけ、時代を映し出す音楽を作ってきたわけですが、やはりライブの現場で多くの人たちと音楽を共有することはまた別の大きな意味があったんですね。

オリー:そうなんだ。パンデミックになった時、みんなスローダウンせざるを得なかったわけだけど、僕たちは前に進まなきゃいけないと思ってたし、そのための方法を模索してたんだ。時代はどんどん変わっていくわけだから、ただ座って傍観してるだけじゃダメだし、世の中がノーマルな状態に戻ることを祈りつつ、音楽を作っていこうと思ったんだ。同時に、みんなのためにも音楽を作らなきゃと思った。人々には厳しい現実から逃避する手段が必要だと思ったからね。それでこう思ったんだ。みんな現実逃避の手段を探してる。だけど今何が起こってるのかを把握して対応しようとしてる人は誰もいない。だからその二つとも形にしようと思ったんだ。そうすれば、今の状況から現実逃避できると同時に、今起こってることを把握できて、この問題を話し合うことができるようになって、この状況に立ち向かえるようになるわけだから。

ーツアーのライブ写真を見ると、メンバー全員がスーツを着て、ネクタイを締めていますよね。雑誌『Kerrang!』の表紙でもこの格好でしたが、スーツ姿でライブをやろうと思ったのには、何か理由があるのでしょうか?

オリー:この2年間のパンデミックの間、僕は自分自身に問いかけてたんだよ。「自分は何者なのか?」って。この問いは長い間ずっと自分の内面に向けていたものでもある。僕はロック・バンドにいるし、それが僕という人間だ。でも同時に、そこから逃れたい、ロック・バンドにいることが恥ずかしいと思ってたんだ。自分はシャイな人間だし、自分自身に確固たる自信を持てないでいた。自分自身を演じて見せなきゃいけないって思ってたし、周りの人に傲慢で生意気だと思ってほしくなかったし、自信が持てなくて小さくなっていたんだ。自分という人間を恥ずかしく思ってたから、そのことについて話すこともなかったんだよ。誰かが僕のことをロックスターなんて呼んだら、「違う、違う」って否定してたし、何をやってるのか聞かれると、「ああ、服を作ってるよ」なんて答えて、バンドのことを話さなかったんだ。それがパンデミックになった時に、「自分はロック・バンドにいるんだ。自分はロックスターなんだ。それが自分という人間なんだ」って、自信を持って思えるようになったんだ。僕たちはバンドだし、チームだし、ブリング・ミー・ザ・ホライズンというユニフォームを着てるんだって思えるようになったんだよ。「俺たちはファッキン・ロック・バンド」だって、今なら喜んで言いたいくらいなんだ。

ーそれはかなり大きな変化ですね。バンドであり、チームであるという意識が、スーツ姿につながったんですね。あと、ツアーのオープニングにはユー・ミー・アット・シックスとノヴァ・ツインズを起用していますよね。ノヴァ・ツインズとは『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』収録の楽曲でフィーチャーしていましたから、実際にステージでも共演したんですよね。

オリー:Spotifyを聴いてた時にノヴァ・ツインズの曲が出てきて、スゴくその曲が気に入ってしまって、結局アルバム全体も聴くことになったんだ。それでノヴァ・ツインズのことを知りたくなって、Instagramを見たら、僕のことをフォローしてたんだよ。マジかよと思ってね。そこからDMでやり取りしていくうちに、ちょうどその時に作ってた曲に彼女たちをゲストでフィーチャーしたいと思ったから、「僕たちの曲で客演してくれないか?」って聞いたところ、イエスって答えてくれたんだ。それで、後はご存知の通りさ。でも、それって理にかなってるんだよね。ロック・ミュージックにおける女性アーティストの貢献ってかなり大きいと思ってたから、女性アーティストにレペゼンしてもらうことは重要だと思ってたんだ。今回、ツアーにまで参加してもらったのは、ノヴァ・ツインズのことを大好きだから。ユー・ミー・アット・シックスの方は、彼らが結成した時からの付き合いなんだよ。





「DiE4u」で目指したこと

ー新曲「DiE4u」のことも聞きたいのですが、この曲が<ポスト・ヒューマン>の第2フェーズの始まりになりますよね。音楽的にも、歌詞のトピックにしても、メロディのアプローチにしても、また違った意味で新しいことをやっていますが。

オリー:「DiE4u」を作るに当たっては、間違いなく今までとは違うサウンドを目指したね。<ポスト・ヒューマン>の1枚目である『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』では、2000年代初期のニュー・メタル、オルタナティヴ・ロックから受けた影響を、フューチャリスティックなサウンドとミックスしてみた。



「DiE4u」も同じようなアイデアで、エモ、スクリーモから受けた影響を、フューチャリスティックなサウンドとミックスしてみたんだ。僕がロック・バンドにハマり始めた頃は、リンキン・パーク、KORN、スリップノットの全盛期だった。そこからさらにロックにハマる頃には、Glassjawやノーマ・ジーンといったスクリーモ、エモのバンド、さらにはメタルコアやポスト・ハードコアの走りのバンドが出てきた。そういう当時のバンドに対してオマージュを捧げたいっていうのもあるんだ。同時に、<ポスト・ヒューマン>が僕にとってスゴく大きな意味を持つのは、テーマで言えば、今の状況を克服して進化していくことを扱ってるからなんだけど、音で言えば、僕たちのルーツ、僕たちがどこから始まったのかっていうのを見せてるし、さらには進化も見せてるからなんだ。だから音楽的にはその両方の側面を持たせたかったんだよ。子供時代に遡ってみるとそこにはその時代の音楽があったし、同時に未来に向かってはモダンでコンテンポラリーな音楽がある。そういった音楽をブレンドしてるから、フューチャリスティックだけどノスタルジーを感じさせる音楽になってると思うんだ。未来に目を向けてるんだけど、子供時代の記憶を思い出すような感じさ。

だけど、今回の「DiE4u」の方が制作は難しかったね。『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』はその前にやってたことを踏まえて作ったから、すでに異なる要素のブレンドのやり方はわかってたし、ニュー・メタル的なリフとかメロディがあって、その上で新しいアレンジがなされてる。でも今回はスクリーモ、エモだからね。「DiE4u」をリリースしたら、「オーマイゴッド! この曲、ジャスティン・ビーバーみたいだ」なんて言われたよ。それを聞いて、やったねと思ったね。僕たちなりのポップ・ミュージックをやってるんだけど、同時に、僕たちならではのエクストリームな要素もかなり持ち合わせてて、しかもスゴくフレッシュなんだ。ロック・バンドをやってて、メインストリームに向かって進んで、より多くのオーディエンスにアピールするようになると、エクストリームな要素って消えていくものだ。今、アルバム『アモ』を振り返ってみると、自分たちがやったことには誇りを持てるんだけれど、ブリング・ミー・ザ・ホライズンのヤバさみたいなものは少し欠けてたのかなとも思うんだ。

ー「BBC Radio 1 Live Lounge」を観たのですが、「DiE4u」をリーのアコースティック・ギターとジョーダンのキーボードだけをバックに歌っていましたね。あれを観ると、「DiE4u」はシンプルにコード進行とメロディだけで作ったんじゃないかと思ったのですが。

オリー:さっきも話したように、この曲のヴァイブスはオールドスクールとコンテンポラリーの両方をミックスしたものなんだ。メロディに関しては、アレンジも含めて何歩も先を行ったものにトライした。これは常に僕にとっての目標でもあるんだけど、メロディが頭の中に残ってなかったら、まだまだ良い曲とは言えないってことなんだ。





「重要なのはエモーションで、みんなが聴きたいのはリアルな音楽」

ー今の時代のポップ・ミュージックは、特にトラップやEDM以降、メロディのアプローチが大きく変わって、以前よりも複雑でクセのあるキャッチーなメロディに進化していますよね。「DiE4u」を聴くと、メロディ面でもモダンでコンテンポラリーなアプローチを意識していると思ったのですが。

オリー:もちろん僕は良いメロディが好きだからね。歌詞がどれだけ絶望的であっても、寝る時に「Id die for」ってメロディを口ずさめば、もうまるで神様に向けて歌うアンセムみたいになるんだよ。だから、メロディ、歌詞、歌い方の三つはどれも重要で、それがすべて備わってこそ曲になる。確かに、音楽的には常に自分たちを前進させようとプッシュして、レベルを上げようとトライしてるね。フレッシュな音楽を作りたいから、「よし、ロックの入ったポップ・ミュージックを作ろう」「ポップの曲を作ろう」「ロックの曲を作ろう」なんて言いながら作ってるよ。しかも、ロックとポップ・ミュージックをブレンドして、それで二つの音楽が薄まってしまうどころか、二つの音楽ともエクストリームなものにしたいんだよね。

ーオリーは「DiE4u」のことを「フューチャー・エモ」と呼んでいますが、ハイパーポップやフューチャーポップ、エモ・ラップといった新しい音楽を意識した上でのことですか?

オリー:僕たちはずっといろんな音楽に影響を受けてきたんだ。バンドを始めた頃のシーンはスゴく健全なもので、キッズがDIYでメタルコアやハードコアの音楽を作って、自分たちでパブやクラブでライブをやってたんだ。あの時と同じようなエネルギーを今また感じるんだよ。ハイパーポップなんて、キッズがベッドルームでヤバい音楽を作って出来たもので、しかもスゴく自由なんだよね。自分のエモーションをコンピューターに込めて、そこから音楽が生まれてるんだ。もはやヒットを生み出すために、演奏技術を持ったミュージシャンである必要がなくなったのさ。重要なのはエモーションで、みんなが聴きたいのはリアルな音楽なんだ。今のキッズの作った音楽を聴くと、16歳でバンドを組んだ時のエネルギーがよみがえるんだよ。エモはこの8年ぐらいの間、死んでたとは言わないけど、盛り下がっていたよね。だけど今のキッズがエモを再発見して、ハイパーで強烈なエモーション、リアルな歌詞、ダークな世界観を全く新しいものとして受け入れてるんだ。音楽が今また新しく生まれ変わってるんだよね。だから今僕たちがこういう音楽をやるのは、時代に合ってると思うんだ。16歳の時の僕たちも、前の時代の音楽から影響を受けて新しい音楽をやろうとしてたわけだし。それに、「DiE4u」には16~17歳のキッズも関わってるんだけど、それもスゴくクールなことだと思うんだ。結成して4~5年経ってるロック・バンドから影響を受けるんじゃなく、キッズから影響を受けてるんだから。スゴくエキサイティングなことだし、ロックとオルタナティヴ・ミュージックの未来がスゴく楽しみになってくるよね。

ーオリーが最近、女性シンガーのdaineの「Salt」という曲でコラボをしたのも面白いですよね。daineが前に出していた曲はハイパーポップな曲だったのですが、「Salt」ではハイパーポップとロックが融合して、ここから新しい音楽が生まれているような印象を受けました。

オリー:僕も同意見だよ。あの曲が出来た時、僕も同じような気持ちにさせられたね。あの曲はPoison the Wellとかアメリカ中西部のエモ・バンドとか、僕が16歳の時に聴いてた音楽を思い出させるんだ。未来のどこかから来た音楽みたいに聴こえるんだよ。異なる音楽の融合によって、スゴくフレッシュなものが生まれて、「ワオ! 今までに聴いたことがない」って思えるものにすることはスゴく重要なんだ。例えば、ジャスティン・ティンバーレイクにしても、ポップ・ミュージックではあるんだけど、必ずフレッシュなサウンドが入ってるし、同時に、どこかノスタルジックなものも入ってるよね。daineの曲にはスゴく驚かされたんだ。僕たちがやろうとしてることの上を行くことをやってたからね。2000年代初期のバンドに影響を受けてるのは明らかなんだけど、進化してるし、スゴく自由にやってて、とにかくフューチャリスティックなんだ。





「未来というものは次の世代の手の中にある」

ー2000年代のロックを今のポップ・ミュージックやヒップホップと融合するような試みは、すでにトラヴィス・バーカーを筆頭に、いろいろ手がけているアーティストがいますが、エモとは言ってもポップ・パンク寄りですよね。daineの曲を聴いて思ったのですが、同じエモでも、よりダークなゴシックやニュー・メタルの要素が強いところが新しかったです。

オリー:言ってみればノイズだよね。ノイズって中毒になりやすいもので、僕もノイズを求めてどんどんエクストリームな音楽が好きになっていったんだ。例えば、スパイシーな食べ物を食べ続けてると、さらにスパイシーなものが食べたくなるよね。音楽も同じで、さらにノイズ求めると止まらなくなるんだよ。daineの曲は、結果としてノイズの新しい表現方法となったんだ。スゴく中毒になるものだし、僕が音楽に求めるのはこういうことなんだ。

ー「DiE4u」に話を戻したいのですが、歌詞のアプローチが『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』の時とまた変わりましたよね。『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』ではコロナ禍の世界でどう前に進むのかということをテーマにしていましたが、「DiE4u」では依存や執着、中毒といった、非常にパーソナルなことをテーマにしています。<ポスト・ヒューマン>の第2フェーズではどのようなことを歌詞のトピックにしていますか?

オリー:「DiE4u」はスゴくチャレンジでもあったね。『ポスト・ヒューマン:サバイバル・ホラー』では、パンデミックの状況をテーマにして、パンデミックによって引き起こされたエモーション、つまりパニックや恐怖、混乱、罪の意識、恥の意識、隔離といったものを扱ってきた。パンデミックの最初の波が来た時、「何が起こってるんだ?」「自分たちの未来はどうなるんだ?」「自分の存在はどうなる?」「自分は何者なんだ?」って、みんな怒ってたし、恐れてたよね。僕もその気持ちはよくわかったから、歌詞にするのは簡単だったんだ。それで、「僕たちは恐れてる。怒ってる。混乱してる。もし混乱して怖いのなら、こっちに来なよ。この音楽を聴いて、歌って、この経験を共有しよう」っていう感じで問いかけたんだ。そこで表現したのは感情であり、抗議デモみたいなものだったんだ。でも「恐れてるの? 一人ぼっち? こっちに来なよ」って言ってしまった以上、今やオーディエンスは僕のことを見てて、「OK。じゃあこれから何をしたらいい?」「どう理解して、どう前に進んだらいい?」ってなるわけだ。だから、「DiE4u」は、そういうみんなが知りたがってる問いに僕が答えられるよう、僕がベストを尽くせるものにしようと思ったんだ。

僕はかつて、悪い習慣や中毒という問題を抱えてた。良い時もあるし、悪い時もあるけど、自分はOKなんだって思い込んでたんだ。だけど、決して最高だとは思えなかったし、完璧だとも思えなかった。パンデミックになった時、昔の自分に戻ってしまうんじゃないかという恐怖があったんだ。今の時代、自分自身に思いやりの気持ちを持てない人はたくさんいる。自分自身でバランスを取れるなんて信じてないんだ。これが自分の人生なんだって言い聞かせて、虐待的な状況を正当化する。だからこの曲は、自分のことを変えられるのは自分自身しかいないんだということ、自分が変わろうと思わない限りは悪い執着や習慣は終わらないということを歌ってるんだ。次のEPはこういうことがテーマになるよ。大きな目で見れば、地球という惑星、そしてヒューマニティ、社会というものがテーマになるんだけど、人間が自分以外の世界に対してもリスペクトと思いやりを持てたら変われるんだということも伝えたいんだ。

ーいろいろ人生の経験を積んできたからこそ、多くの人たち、特に若い世代に対して、伝えたいこと、共有したいことが出てきたんですね。

オリー:そうだね。ハッキリしてるのは、未来というものは次の世代の手の中にあるということなんだ。僕がキッズの頃は、今の時代の人々が持ってるようなパワーを自分が持てるとは思えなかったんだ。僕はよく「変えられるわけないじゃん」って言ってたよ。だけど、若い世代が証明して見せて、人間の平等とか進化とか、いろんなことが変わっていったよね。僕はそれを見てるから、未来に向かう次の世代のパワーを信じてるんだ。僕も34歳になって、キッズが感じるプレッシャー、人生で経験しなくちゃいけないことがよくわかる年になった。だから若い世代をサポートしたいんだよね。振り返ってみると、僕が20歳の時には、バンドはまだビッグではなかったにしろ、インタビューを受けるくらいの存在にはなってたから、人々は僕のルックスとかアティテュードとか、僕のすべてに対していろいろ意見を言ってた。それって当時の有名人の抱える問題だったんだけど、今ではすべての人にその問題がのしかかってる。SNSが普及してからは、自分が過去に投稿した内容の責任を問われるようにまでなった。今ではどのキッズもその問題を避けて通れなくなったんだ。公衆の目に晒されることによって生まれる苦痛は、僕が昔さんざん経験したことだけど、今はどのキッズも経験してることだ。何が重要で、何が重要でないか、そこをきちんと分けられるようナビゲートしてあげたいんだよね。若い世代にアドバイスをあげたり、助けたりすること、それが次のEPのテーマになると思う。



<INFORMATION>


Bring Me The Horizon | ブリング・ミー・ザ・ホライズン
最新シングル 「DiE4u | ダイ・4・ユー」 配信中
https://sonymusicjapan.lnk.to/BMTH_DiE4URS





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