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HollowBugが語る想い、人が人を好きになるような音楽をやりたい

Rolling Stone Japan / 2021年11月12日 19時0分

HollowBug

2017年に東京で結成した4ピースバンドのHollowBug。結成したその年に、 LINEミュージックオーディションファイナリスト、某社主催のコンテストにて最優秀賞受賞し、楽曲のクオリティやアレンジ力は折り紙つきの彼ら。しかし……全身黒い衣装と同様に、その実態は謎に包まれている。今回は2ndミニアルバム『BABY』のリリースを記念してインタビューを実施。バンドの成り立ちや楽曲に込めた想い、音楽に対してのスタンスなど語ってもらった。 関連記事: 甲本ヒロトが語る「あきらめる力」と「夢は叶う」の意味

―柳澤さんは、長野県の地元にカラオケ店がなかったから「ギターを弾けるようになって好きな曲を歌おう」と思って音楽を始めたんですよね?

柳澤りく(Vo./Gt):アハハハ、そうなんです。地元にカラオケが導入されるのを待つよりも、自分で弾いた方が早いやと思って。とにかく歌が好きだったので父親にお願いをしてギターを買ってもらって、家でずっと歌っていましたね。

―元々はバンドを聴いていた人じゃなかったとか。

柳澤:そうです。初めて好きになったアーティストは、マイケル・ジャクソン。日本だとボカロ時代から米津玄師をチェックしていたり、初期の星野源とか秦基博とか、そういうソロアーティストばっかりを聴いていたので、バンドはあまり興味なかったですね。実際、一人で路上ライブをしたのが最初の音楽活動でしたし。

―なぜ、バンドにシフトしたんですか?

柳澤:弾き語りも良かったんですけど、高校3年生の頃に軽音楽部が発足されまして。友達から「一緒にバンドを組まない?」と声をかけてもらったのを機にバンドをやってみたんです。そしたらバンドも楽しいなと思い、どんどんのめり込んでいって。高校卒業後は音楽の専門学校ESPに進学しました。



―三浦さんはどういうきっかけで音楽を始めたんですか。

三浦周也(Dr./Cho):中学3年生の時、友達の家に行ったら電子ドラムが置いてあって。ちょっと叩かせてもらったら楽しくて。そんな小さなきっかけからドラムを始めましたね。それで高校生になったら軽音部に入ってバンドでドラムを叩いて、それからもずっとバンドをやってます。

―三浦さんがESPに通おうと思った理由は?

三浦:高校時代に先輩とバンドを組んでいて、その先輩がESPに行ったんですよ。そもそも音楽の道に進もうと決めていたので、自分もESPに行こうと思って。家族にはめっちゃ反対されたんですけど……何とか説得して進学を許してもらった感じですね。

柳澤:で、同じESPに通っていたギターの佐藤心平とドラムの三浦周也と出会い、私から「一緒にバンドをやろう」と声をかけて2017年にHollowBugを結成しました。



―最初の印象ってどうでした?

三浦:んー……とにかく変わった人たちでしたね(笑)。音楽性しかり人間性しかり、言葉では言い表せられないですけど、中々強烈で変な人たちという印象でした。

柳澤:佐藤に関しては高校時代から一緒に音楽をやっていたのと、とにかくギターが上手いし、ヴァイオリンやピアノも弾けるので、それも活かせたらすごいなと。周也は遊びで音楽をやっていない感じが出ていて、バンドを仕事に繋げられた時に適任だなと思いましたね。

―最初はどういうスタンスでバンドをやろうと思っていたんですか。

柳澤:何も考えていなかったですね。とにかくカッコイイ曲を作ろうぜ!みたいな感じで。ひたすらに曲を作っていた気がします。

三浦:僕もここまで続くとは思っていなかったです。ただ、最初の楽曲「虚ろ」が出来た時にすごい手応えがあって。このバンドを続けていきたいと思って、そこからHollowBugを本気でやっていく気持ちが芽生えました。



―今年6月に正式加入したベースのハマダさんと接点が生まれたのは、どのタイミングなんですか?

三浦:結成2年目ですかね。ハマダは別のバンドをやっていて、対バンで出会ったんですよ。

ハマダタクミ(Ba./Ch):最初に会った頃はマジで怖い奴らだなと思ってました。4人とも服装が真っ黒だし、僕はみんなの目を見れてなかったんですよ。

柳澤:ステージに上がる時は、今も全身黒に統一してます。というのも、ロンTとかゆるい感じじゃなくて、しっかりしている方が私は好きなんです。それこそIvy to Fraudulent Gameが全身真っ黒でカッコイイなと思っていたので、自分たちも黒にしようと決めましたね。

―ハマダさんは、どのタイミングでHollowBugに加わるようになるんですか。

ハマダ:僕の組んでいたバンドが去年解散をして、一時は音楽から離れていたんですよ。そしたらHollowBugでベースをやっていた子が抜けることになり、周也からLINEで「サポートをやってくれませんか?」と連絡が来て。音楽をやるつもりはなかったんですけど、友達なので「わかった、やります」と言って引き受けました。

三浦:何人かサポートを入れて良いベースを探そうと考えていたんですけど、想像以上に最高なベーシストだなと思って正規メンバーになってもらいました。

柳澤:入ってくれたことで、バンドに足りなかったものが全部埋まりましたね。あと、ウチらは喋る人がいるわけでもなく、日頃から面白い会話をするわけでもなかったから、そこに芸人みたいな奴が飛び込んできて(笑)。何だこれ、クソ面白え!って。こういうメンバーを望んでいたんだなと思いました。



―改めてですけど、HollowBugってどんなバンドなんですか?

柳澤:私にとって音楽は、人生の物語を残す1つの方法でしかない。私にどんな音楽をやっているか?と聞かれたら「自分の人生を歌っています」としか言えないです。とはいえ最近はすごく人間らしい音楽というか、人間の感情とか、そういうものを音楽で表現しています。



―SUMMER JACKETのPodcastに出演した時、「日本の裏側では生きる死ぬかの状況になっていて、そういうことを歌いたい」と言ってましたけど、その問題に着目したのはどうしてなのかなって。

柳澤:マイケル・ジャクソンの影響が強いと思います。あの人って戦争のことだったり貧困の中で暮らす子供たちのことだったりを歌っているじゃないですか。同じように「世界は病気だから、音楽を通してみんなの心を癒そうよ」と歌っている音楽をずっと聴いていたので、生きている上で大事なことって、人として何かを愛したり愛されたりとか、そういうものがないと人生は豊かにならないんじゃないかと、ふと気づいて。それから、人はどうして悲しくなるんだろうとか。愛はどこから生まれてくるんだろうとか。そういう哲学みたいなことを考えるのが好きになって、マイケル・ジャクソンのマインドに影響を受けたのを機に、そういうのを考えるのが癖になりましたね。

三浦:彼の書く歌詞は、遠くのことを歌っているようで、実は自分のことを歌っているように感じるんです。自分に全く関係ないと言えばそうだけど、ある意味で一番関係あるというか。

ハマダ:曲を聴くと、メロディ以上に歌詞が頭に残るよね。それは言葉が強いからなんだろうなぁ、って。

柳澤:言葉が好きなのはありますね。例えば、みんなが口にしがちな「報われる」って、実は良い意味ではないというか、前向きなことではないんだよって。そこまでちゃんと知った上で言葉を使いたいので、そういう姿勢が歌詞にも出ているのかなと思います。ただし作詞をする上で、その曲で訴えたい答えは書かないようにしています。私としては読み取ってほしい。表面だけで曲を聴くんじゃなくて、歌詞を読んでもう一歩深くまで掘り下げてほしい想いがあって。どの曲にも奥行きがあるのは、HollowBugの魅力の1つになっていると思いますね。



―ステージで自分たちの思うがままに演奏して、その熱量を観客が自由に受け取って元気をもらう。それもロックバンドの1つの正解だと思うんですけど、HollowBugは曲のメッセージを一生懸命お客さんに伝えようとしますよね。

柳澤:そうなんですよ。本当に大事なことを言ってるつもり。宗教的になっちゃうんですけど、「こうすれば人生は豊かになるはずなんだ!」とか「この想いを握れば上手くいくはずなんだ。だから一緒に戦おうよ」みたいな気持ちが強いから、自分たちの音楽を1人残らず世界中の人に届けたいんですよね。自由に聴いて欲しいというよりは、聴かなきゃダメなんだ!という音楽を作っているつもりです。

―それで言うと今回の2ndミニアルバム『BABY』は、どういう経緯で作ることになったんですか。

柳澤:1stミニアルバムのタイトルが『SEX』だったので、今回は生命が形になったという意味で『BABY』にしました。「愛をどう伝えようか?」というテーマが私の中であって。私の思う愛とか、こういう愛は素敵だよねとか、愛をテーマに作るならこの曲たちが相応しいかなと思い、アルバムを完成させました。

―表題曲は「BABY」でリード曲は「千年後の未来も」ですよね。

柳澤:一番伝えたいことは「BABY」に入っているんですけど、知ってもらうきっかけとしては違う曲がいいんじゃないか?ということで、「千年後の未来も」をリード曲にしました。「正規のベースメンバーに入ってくれないか?」とハマちゃんに言った時に「もっと告白してくてくれないと! 俺の心を落としてくれ」と言われて(笑)。それで時間が経って「そろそろどう?」と聞いたら「もうちょっと待って」と言われたんです。「わかった。100年でも待つよ」と私が言ったところから、その言葉が良いなと思って、そこから歌詞を書き始めたんです。作詞をしながら「100年後って自分は死んでるし、ハマちゃんも死んでるな」と思って。



―そりゃあそうですね(笑)。

柳澤:「100年後=来世でも待つよってことだな」と。それなら未来の自分に対しても歌えるし、未来の愛する人だったりとか、ライブ中のお客さんに対してとか、誰に対しても歌える曲を作れるなと思って形にしました。

三浦:この曲は歌詞とメロディで魅力が伝われば良いと思ったので、他の曲と比べるとアレンジ自体はシンプルな気がします。2番でドラムとベースだけになるんですけど、2人とも8分で刻んでシンプルだけど聴かせる音像になっているのがお気に入りですね。

ハマダ:サビに疾走感があってすごく明るいので、他のイントロとかAメロBメロとは逆にピッキングが少なめに弾きましたね。



―表題曲「BABY」はどんな想いで作ったんですか。

柳澤:出だしの「君は汚れてなんかいないよ」に伝えたいことの全てが集約されています。周囲を見ていると「どうせ自分なんて」とネガティブな人が多くて、それって日本人の悪いところな気がしているんですよ。もっと自分を肯定しないと。だって誰もいなくなったら自分しか救える人がいないよ、と思うから。だからこそ出だしは「君は汚れてなんかいないよ」という自分を肯定するところから始めて。次に、周りには君のことを思っている人もいるよ、という広げ方をして最後の歌詞は愛する人を見つけたら、天国への道じゃないけど、花咲く道を二人で歩いていくイメージをしながら生きて行ってほしいと思って書きました。とにかく明るく君の全てを肯定できる歌、そして私が隣に寄り添っているよ、という想いで書きましたね。

―その明るさは、陽気陰気の話じゃなくて讃美歌のような神々しさですよね。

柳澤:そうなんですよ。讃美歌みたいな歌が好きなんですよね。ただ明るいんじゃなくて、ちゃんと芯を持ってるもの。話せば話すほど、自分が宗教的になりそうで怖いな。

―音楽って突き詰めると「政治の方へ行くか、宗教的になっていくか」と言いますよね。

柳澤:本当にそう! 私は絶対にそうなると思いますよ。

三浦:アハハハハ。

柳澤:アーティストって、何かを作って動きたい人間だから、突き詰めると宗教になるよ。それはめちゃくちゃ思いますね。宗教って人ですからね。人を崇めるというか好きになるというか、恋愛も宗教みたいなものじゃないですか。それと一緒で私は曲が好きというよりも、バンドやメンバーを好きになって欲しくて。だからバンドって、すごく好きな宗教の形というか。しかも本人たちは好きな音楽をやれるし、プラスでしかなくない?みたいな。そこを突き詰めていくと宗教になっちゃう。

―他のメンバーにも聞きますけど「BABY」はどんな曲になりました?

三浦:HollowBugでは、トップクラスに優しい雰囲気の曲ですね。あとはシンセパッドとか使っているので、新しいアプローチができたと思います。特に、最初のギターリフな個人的にお気に入りです。

ハマダ:完成したのを聴くと、頭の中で映像が流れやすい曲だと思います。聴くたびに良いなぁ!ってなりますね(笑)。



―今作は、過去曲の「誰もいない」も収録してますね。

柳澤:これはバンドを組んで3曲目くらいに出来た曲なんです。その頃、私が病んでいたんですよね。だから荒くて暗くて、今では作れない初期衝動感がある。だけど今聴き返すと、やっぱりカッコいいなと思い、リアレンジして収録することになりました。前に比べたらだいぶ柔らかくなった気がします。私の友達に聴かせたら「前みたいな荒々しさはないけど、カッコよくてワクワクする」と言われました。

―2018年に出演したテレビ東京「水曜夜のエンターテイメントバトル エンタX」で、この曲を披露してましたけど、柳澤さんがただただキレてましたよね。

一同:アハハハ!

柳澤:いやぁ、キレてましたね! バチ尖りしてたな(笑)。あの時は色々迷っていて、人生の反抗期だったんですよ。一人暮らしで当たる人もいないから、とにかく曲にぶつけてました。

―でも、今作の曲と並べてもそこまで違和感がなかったですよ。

柳澤:あんまり変えたつもりはないけど、自然と柔らかくなったのかもしれないですね。

三浦:前はベースソロ、ギターソロとか歌に入らないパートがめちゃめちゃ長かったんですよ。アルバムに入れるなら間奏を見直したいとなり、楽器ソロを短くしたり、ギターソロがカッコいいのでドラムをもっとブラッシュアップしたくて、結構こだわりましたね。

ハマダ:ベースは元々のバージョンがカッコいいので、とりあえず練習しないとマジで弾けないって感じで必死でしたね。結果的に良い意味で聴きやすくなったのかなと思います。

柳澤:他の楽曲も含めて、今作はみんながやっていないような音楽になっている。「何だこいつら!?」という斜め上へ行ってる感じですが、本当に伝えたいことを表現したくて音楽をしてます。なにより私たちは売れたいんです、ということを伝えたいですね。



―理想の売れ方って何か考えていますか?

柳澤:私は、日本という国が病気だと思っているんです。日本人のマインドが。それを音楽というもので、変えていかないとなって思うし、変える力があると思っているんです。だから、ちょっとずつでも人の気持ちが、また誰かの人の気持ちに届けられるようなことをしていけば、その輪が大きくなって1つの家族になれればというか。そういう風に売れていきたい。闇雲に自由に活動するわけじゃなくて、みんなで力を合わせないといけないって思うので。そういう売れ方をしている人たちが、現代にあんまりいない気がしていて。曲を好きになる人たちはいっぱいいるんですけど、人を好きになるという、昔の日本にあった状況に戻していけるんじゃないかなって期待もありつつ、その先頭にいたいなと思います。そうやって人が人を好きになるような音楽をやりたいですね。

―「人が人を好きになる状況に」と言いましたけど、その状況がなくなったわけじゃなくてツールが変わったんでしょうね。今は、YouTubeとかSNSで活躍するインフルエンサーがそこを担っているんじゃないですか?

柳澤:確かに、それはありますね。発言力の強さはインフルエンサーが一番ですよね。

―一方で、音楽はフォロワーの数とか数字で可視化できない部分も魅力だと思うので、そこで勝負するしかないですよね。

柳澤:そうですね。「人が作っているんだよ」というのがやっぱりすごいと思う。そこで評価されたいです。


<リリース情報>



HollowBug
2nd mini album『BABY』
配信中

=収録曲=
1. nonfiction
2. neo
3. 拝啓
4. 誰もいない
5. mana.
6. 千年後の未来も
7. BABY

『BABY』配信リンク: https://linkcloud.mu/ee78793a

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