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性犯罪者エプスタインの元恋人、懲役80年を求刑される可能性も

Rolling Stone Japan / 2021年11月9日 6時45分

ギレーヌ・マックスウェル被告(Photo by Sylvain Gaboury/Patrick McMullan/Getty Images)

未成年の少女らを性的虐待したとして起訴され、拘置所で死亡した米富豪のジェフリー・エプスタイン元被告。現地時間4日、元被告に若い女性を調達していたとみられる英国人のギレーヌ・マックスウェル被告裁判の陪審員選任が始まった。

【写真】エプスタインとマックスウェルの熱い抱擁

イギリス社交界の名士で、故ジェフリー・エプスタインの元恋人兼管財人は、性的暴行の対象として10代の少女たちを勧誘していた罪に問われている。検察によれば、マックスウェル被告は被害者が18歳未満だと知りながら(そのうち1人はまだ14歳だった)、エプスタインに加担して被害者を「勧誘し、手なずけ、最終的には暴行」した。

起訴状での検察側の主張によれば、マックスウェル被告とエプスタインはまず被害者と親しくなり、買い物や映画に連れて行って、学校生活や家族について質問した。その後マックスウェル被告は性的な話題を持ち出し、被害者の目の前で服を脱いで、最終的にはエプスタインと未成年者の性行為にも同席した。エプスタインは裁判を控えていた2019年8月に連邦刑務所で死去。死因は自殺と断定された。マックスウェル被告は全ての容疑を否認。彼女の弁護団は、エプスタインが死去したために政府はマックスウェル被告に標的を映したのだとほのめかしている。「複雑な分析をしなくても、誰でも状況は理解できます。政府はジェフリー・エプスタインの身代わりとして、我々の依頼人を狙ったのです」と、彼女の弁護士は2021年2月の裁判書類にこう記している。

ニューヨーク南地区裁判所の判事は予審の際に、マックスウェル弁護団の請求を何度か却下した。連邦地方裁判所のアリソン・J・ネイサン判事は、検察側が告発者を「被害者」または「未成年被害者」と呼ぶことを認め、被害者を仮名またはファーストネームだけで言及することも認めた。こうした呼称を禁じ、被害者をフルネームで呼ぶよう求めるマックスウェル被告の弁護士の請求は却下された。

判事の裁定が下された際、マックスウェル被告は手錠をかけられた状態で出廷していた。COVID-19パンデミック対策により、被告が法廷に姿を見せたのは2020年7月に性的人身売買と偽証罪で逮捕されて以来これが2回目。当初は1990年代の性的人身売買で起訴されたが、2021年3月に検察側は起訴範囲を広げ、1994年から2004年にわたって行われたとみられる事件でも性的人身売で追起訴した。ここでも被告は無罪を主張。もし有罪となれば、懲役80年が求刑される。


被告弁護側の請求はいずれも却下

弁護側は陪審員選任の際に一般人とメディアの傍聴を取り下げて、代わりに別室とプレスルームからの見学を求めたが、ネイサン判事は却下。また600人の陪審員候補者に渡された未記入の質問票の公開差し止め請求も退けた。「これら手続きは現在進行中のパンデミックを踏まえ、当事者および陪審員候補の安全、および陪審員の公平性、公正性、プライバシーを確保するために慎重に配慮されています。また、刑事裁判の傍聴を認める憲法修正第1条の権利を担保するものです」。10月22日の裁定でネイサン判事はこう記した。

さらに判事は陪審員候補の実名リストを対面尋問が始まる11月16日に提供すると発表し、陪審員候補に問題がないかどうか経歴チェックができるよう実名公開の前倒しを求める被告弁護士の請求を却下した。3日、被告弁護士は判事に再考を求め、16日まで待っていたのでは「十分な調査」を行うことはできないと主張した。

冒頭陳述は11月29日に予定されている。検察側の推測では、裁判は6週間におよぶ見込み。

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