ONE OK ROCKのTakaが語る、生きること、夢を追うこと、手を差し伸べ合うことの大切さ
Rolling Stone Japan / 2021年11月19日 19時0分
ONE OK ROCKのDVD / Blu-ray『ONE OK ROCK 2020 Field of Wonder at Stadium』がリリースされた。Netflixではドキュメンタリー『Flip a Coin -ONE OK ROCK Documentary-』も公開。今回、Takaの貴重なインタビューが届いたのでRolling Stone Japanにて掲載する。インタビュアーはライターの小田部仁。
優れた表現というのは、その作り手が生きること(=創ること)に真摯であればあるほど、本人たちの意思や意図と関係なくとも、時代と強く・深く響き合ってしまうものだ。コロナ禍という、全世界を襲った未曾有の事態の最中にONE OK ROCKが我々リスナーに届けてくれた音や言葉は、暗澹たる時代の「声」そのものでありながら、闇を切り裂き、その先にある光をみせてくれるものとして今に響いた。
その最たるものが、2020年10月11日に行われた、ONE OK ROCK初のオンライン・ライブ『ONE OK ROCK 2020 ”Field of Wonder” at Stadium Live Streaming supported by au 5G LIVE』だったと言っても過言ではないはずだ。失われてしまったすべての時と命に捧げるレクイエム、あるいは、今という時代を共にするすべての人々に向けた「生きろ!」というエール――「自分の力で未来を切り開け」という彼らの作品全てに通底する、強い想いは、苛烈な状況下においてこそ、より力強く聴く人の背中を押した。
そのライブからおよそ1年ほど経った、今年10月21日にはライブの裏側に密着したドキュメンタリー『Flip a Coin -ONE OK ROCK Documentary-』が、Netflixを通じて全世界に配信された。次いで10月22日にはロックの新たな地平を切り拓くような新曲「Wonder」がリリース。そして11月17日には、ライブ本編を記録した映像作品『ONE OK ROCK 2020 Field of Wonder at Stadium』が発売となった。
2021年の終わり、世界が徐々にではあるもののコロナ禍を越え、今、新たなフェーズへと進もうとする中で、ONE OK ROCKから届けられたこの作品群は、ONE OK ROCKというバンドの視点から記録された時代の実相そのものであり、同時に未来を指し示す羅針盤としても機能するものであると言えるだろう。
現在、アメリカ・ロサンゼルスで次のアルバムに向けた制作作業をしている最中だというONE OK ROCK。多忙なスケジュールの合間を縫って、取材に応じてくれたTaka(Vo)に、バンドの今、コロナ禍の最中に彼がアーティストとして感じていたこと・考えていたこと、そして、これからの未来のあるべき形について話を訊いた。
ーTakaさん、今日はよろしくお願いします。今、海外にいらっしゃるって伺ったんですけど。
そうです! LAで楽曲制作してます。
ーお忙しいところ、ありがとうございます。早速なんですが、まず11月17日にリリースされた映像作品『ONE OK ROCK 2020 Field of Wonder at Stadium』に関して伺いたいんですけど……これ、マジでヤバい作品ですね。
ありがとうございます(笑)。
ーあらためて、作品を拝見させていただきまして、コロナ禍での初めてのオンライン・ライブだったということも影響しているんだと思うんですが、このライブの完成度とメンバーのみなさんの「今、画面の向こう側の人たちに想いを伝えたい」というその意思の強さに圧倒されまして。Netflixで先日公開になったライブの裏側に密着したドキュメンタリー(『Flip a Coin -ONE OK ROCK Documentary-』)では「もう二度とやりたくない」と仰ってましたが、それも今となっては納得できる凄まじいライブですよね。
ははは。んー……でも、やっぱり、二度とやりたくないですね(笑)!
ーあらためて、同じことを言わないでください(笑)。
でも、たしかにそうですね。オンライン・ライブは今までやったことのないチャレンジの連続だったんですけど、そういう場面でも絶対に負けたくないって思ったし、この想いが誰かに伝わるかも知れないっていう責任感を持ちながらやることの重要性は、自分の中では大事にしていたポイントでした。
ーなるほど。
自分のエンターテイナーとしての生き方を考えたときに、僕がやれる最大限のことってやっぱり「強い気持ちを届ける」ってことだと思うんですよ。それはオンライン・ライブでも生のライブでも変わりはなくて。
人っていろんな要素が合わさって、その人の「人間性」ってものが構成されていると思うんですけど、僕の場合だったら「ヴィジョンを持って未来に向かって走っていく能力」だったり、「負けず嫌いの精神」だったり、「気の強さ」みたいなものがあわさって、自分っていう人間ができていて。
そういう人間が、エンターテインメントの世界に身をおいて表現を通じて、誰かに何かを訴えたりとか、ひょっとしたら何かを救える立場にいるのであれば、自分の一番自分らしい部分を最大限に発揮して、想いを届けるっていうことが、僕が産まれてから死ぬまでにできる唯一にして最も大切なことだと思うんですよ。
だから、僕は自分のこの人間性で出来る限りの表現をして、その僕らの想いを受け取ってくれた人たちが「頑張ろう」って思ったり、「生きたい」って思ってくれることが、自分の大したことない人生において、誇れる唯一のものになっていくんじゃないかなって思っているので。
「自分のことをちっぽけに感じる瞬間はありました」
ーONE OK ROCKって常々「今を生きろ」というメッセージを楽曲や活動で表現してきたと思うんですが、それがこのコロナ禍という状況もあり、より強く伝わる映像作品になっていると思いました。でも、やっぱりすごいなぁと思うのは、こういう状況だとどんなに強い人でもネガティヴな想いに囚われてしまうじゃないですか? そんな中でも、ポジティヴな言葉を責任を持って発信してるのが、やっぱりただものじゃないなって。
ポジティヴィティって僕の中ではそう簡単になくなるものじゃないんですよ(笑)。もちろん、精神的・体力的に疲れたりすると、多少、ネガティヴにもなりますけど。キツい状況ではむしろ、自分の性格だとなるべく「助けられる人を助けたい」って思うので。
コロナ禍で歌が歌えない、パフォーマンスができない、活動ができないっていう歯がゆさは感じつつも、自分の感じているつらさよりも、もっともっと大変な思いをしている人たちがいるっていうことも理解できていたので。そういう人たちを自分たちのこの少なくなってしまっているエネルギーでどうやったら助けることができるのかなってことは、すごく考えましたね。
ーあー、でも、やっぱりTakaさんでもエネルギーは削られたんですね。
そうですね。大切な友達も失ったし、自分たちにできることも限られているこういう状況で、自分のことをちっぽけに感じる瞬間はありましたよ。でも逆に言うと、僕くらいポジティヴな人間でさえ、こんなふうに思ってるんだから、もっと普段から色々なものを抱えて日々生きている人たちは、今どうやって生きているんだろうってことはすごく心配になりました。想像しただけで、恐ろしかった。オンライン・ライブをやる前、つらい状況が続く中で「僕一人で出来ることはそんなにないけど、ONE OK ROCKとしてなら、やれることはもしかしたらあるのかもしれない」って思ったのは、すごく覚えてますね。
ー今回の映像作品に収録されているライブ自体(『ONE OK ROCK 2020 ”Field of Wonder” at Stadium Live Streaming supported by au 5G LIVE』)は昨年、10月11日にZOZOマリンスタジアムで行われて。それからおよそ1年弱が経過したわけですが、コロナが始まってから今に至るまで大きく考えが変わった部分ってあります?
そもそもコロナ禍が始まったぐらいの時に、僕らはオーストラリアにいたんですよ。ツアーがちょうど終わったところだったので、僕の場合はアメリカの家に帰るか、日本に戻るかを選ばなくちゃいけなくて。いろいろ考えたんですけど、やっぱり自分は日本人だし、家族も日本にいるし、待っているファンの大半は日本にいるわけで。これから最悪の展開として、自分の今までのキャリアがすべて失われるぐらい状況が悪化してどこにも行けなくなるんだとしたら、僕は自分の国にいたいなって思ったんですよ。
結果的に、日本にいたおかげで、オンライン・ライブに関しても色々計画することができましたし、自分の目で日本を日本人としてみることができたので、それはよかったのかなって。悲しいことは沢山ありましたけど、でも「この先に必ず明るい未来がある」っていうことを、自分の中でもう一度信じ直さなきゃなって強く思えたし、自分を応援してくれる人たちとか協力してくれている人たち、大切な仲間に対しては今まで以上に愛を持って接していきたいなっていう気持ちになりましたね。
ー今年の7月には河口湖ステラシアターでバンド初となるフル・アコースティック・ライブ『ONE OK ROCK 2021 ”Day to Night Acoustic Sessions” at STELLAR THEATER』が行われましたけど、最近のONE OK ROCKの活動を拝見していると、「大切な仲間に愛を持って接する」というアティチュードをすごく感じるんですね。顔の見えない誰かではなくて「仲間」に表現の切っ先が向けられているな、と。
それは独立したことも、大きく影響していると思いますね。ただね、やっぱりコロナ禍を経て、僕も物事を考えるのに、無駄なことを考えなくなったんですよ。すごくシンプルになって。ONE OK ROCKにとって、今一番何が大切なのかっていうと、やっぱりファンなんですよ。その一番大切なものを大事にできなかったら「お前らがバンドやってる意味なんてないじゃん」って、いろんな人にそう言われると思う。こういうことがあって、ファンのことを大切にするっていうこと以外は本当にどうでもよくなったんですよね。ファンさえ大事にしていれば、それ以外のことはどうとでもなるなって。
今までよりも尖った形で表現できている
ーでも、今のONE OK ROCKって近視眼的にファンが喜ぶことだけをやろうとしているんじゃないと思うんですよ。もちろん、ファンというか仲間の方を向いているんだけど、リリースされる楽曲はどんどんそれとは対称的に先鋭化している。エド・シーランとの共作曲「Renegades」もそうですし、10月22日にリリースされた新曲の「Wonder」は、ギター・ロックの今を更新するようなプロダクションの意欲的な楽曲になっていて。きちんと更新されているし、ポップなんだけど、どんどん鋭利になっている。
そう言ってもらえるのは、すごく嬉しいですね。「ポップ」って「万人受け」っていう言葉と僕の中では繋がっているんですけど。「ポップ」なものを作るっていうのは、すなわち新しいファンを獲得していこう、リーチアウトしていこうっていうスタンスの現れだと思うんですよね。自分たちみたいなある程度キャリアのあるロックバンドでも、まだ新しいファンの人達に出会いたいと思って楽曲を作っているっていう、そのアティチュードを見せることが重要なのかなって。それはファンやシーンにおもねっているってのとは違う。
僕らのことをずっと好きなファンは、作品ももちろんですけど、どちらかというと僕らの生き様とかやり方をエキサイティングだと思ってくれてると思うんですね。自分もそうですけど、特定のアーティストを本当に好きになるときって、音楽性もそうですけど、やっぱりその人達の人間性に惹かれるところがあるので。だから、ファンの人達と人間性の部分でリンクすることができたら、どんな楽曲をリリースしても、大丈夫だっていう安心感があるんですよね。
そのディープなつながりさえあればファンの人達は僕らが今までと違うサウンドの曲を出しても、理解しようとしてくれるし、なにかそこには意味があるんだろうなって考えてくれる。僕は自分のファンの人達とは、そういう深いレベルで繋がりあえているっていう認識を勝手に持っているので。だからこそ、自分たちが本当に表現したいことや、世の中とか社会に対して思うことっていうのは、今までよりももっと尖った形で表現できているんだと思うんです。
ーなるほどなぁ。すごく面白いです。それは「仲間」に対する信頼ですよね。そういう人たちがいてくれるからこそ、自分たちはより自由に尖った表現ができるという。……ちょっと話は変わるんですけど、最近、SNSで「ONE OK ROCK」と検索すると日本語以外の言語での書き込みを、以前よりも数多く目にするようになった気がするんです。海外における「仲間」の繋がりも、より広く・深くなってるんじゃないかと思うんですよね。
いやー、それは……どうなんでしょうね(笑)。正直、今はまだワールド・ツアーにも出られてないですし、今の今、世界で自分たちがどこまで認知されているのかっていうのは現実問題、確認しようがないっていう状況ではあるんですけど。でも、こうやってアメリカに暮らしていると、肌感覚として、海外での活動を始めた数年前と比べると、ちょっとずつ何かが変わってきているな……っていう実感は確かにありますね。
ーそういう意味でいうと、先程、話題にもあがったドキュメンタリーはNetflixで全世界に向けて配信になったじゃないですか。この作品はオンライン・ライブができるまでの3カ月に密着しつつ、同時にONE OK ROCKというバンドの歴史も詳細に描かれていましたよね。この作品を通して、さらに多くの海外の人たちがバンドのことを知る機会になるんじゃないかな、と。
そうですね。ONE OK ROCKを今のタイミングで知った日本も含めた全世界の新しいファンのみなさんに自分たちの歴史を知ってもらえる、いい機会になりましたよね。全然、僕らのことを知らない人が観て面白い作品かどうかは正直、自分ではよくわからないんですけど(笑)。でも興味を持ってもらえたら、嬉しいですね。
ドキュメンタリーを撮った理由
ーでも、ライブの映像作品もそうですけど、今回のドキュメンタリーは勝手に心配になりましたよ。「ここまで見せてもいいの?!」って(笑)。スタジオでのリハーサルの様子やライブの演出に関する会議にもカメラが入っていて、制作の過程が詳らかにされている上に、コロナ禍のメンバーの皆さんのプライベートにも密着されているじゃないですか。すごいレアな映像を観てるなって息を呑みました……(笑)。
ははは(笑)。監督の雨包 (直人) さんは、昔からずっと一緒にいて僕らを撮ってくれている人なんで、そんなに気負うことなく、普通に自然体でいることができたんで(笑)。でも、たしかにあんまりそういうプライベートなところとか裏側を僕ら、見せたことないですもんね。
ーそもそも、でもなぜこのタイミングでドキュメンタリーを撮ろうと思われたんですか?
ドキュメンタリーを撮った理由っていうのはすごくシンプルで。僕らの活動は、ライブと音源を作るっていうこと以外は基本的にはないんですよね。その中間にあるものを届けられる接着剤的なコンテンツって、やっぱりドキュメンタリーしかなくて。僕らのパーソナリティとか思想的な部分ってファンの人たちにはわかってもらえていると思うんですけど、さっきも言ったように、実際に今僕らがやろうとしていることがどんなふうに作られているのかっていう「裏側」みたいなものはあまり見せたことがなかったから。そういう意味で、コロナの混乱が始まってから、初めてのオンライン・ライブをやるまでの期間は、いつリリースするのかは置いておいても、絶対に映像で記録しておきたかったんですね。
ーつまり、それはファンと同じ空間を共に出来る生のライブという活動のベースがなくなってしまった、コロナ禍だからこそ、今、ONE OK ROCKはどんなふうに活動しているのかというところを見せておこうと思った、と。
そうですね。このコロナ禍って個別具体的な差はあるにせよ、世界中の人が同時期に同じような体験をして、同じような感情を抱いたと思うんですよね。そういう状況って生きていても、なかなか巡り合うものじゃなくて。だから、このドキュメンタリーでは、僕らはコロナ禍で、こんなふうに前を向いて、走り出そうとしていたっていう記録を残したかったんです。自分たちでも、今のこの気持ちを忘れたくないし、この状況を経験したすべての人達にも忘れてほしくないなという思いがありました。
ーコロナ禍という特殊な状況下で、アーティストとしてメッセージや表現を届ける際に何か注意していたこととか、考えていたことってありますか? 個人的に考えていたことでもいいんですが。
うーん、そうですね。自分たちの力ではどうしようもない状況に陥ると、普通に考えて、人間って絶望したり、ネガティヴな気持ちに苛まれたりするじゃないですか。僕らはエンターテインメントを生業にしているので、こういうときこそ絶対に前を向かなきゃいけないな、っていうのはずっと思ってました。でもファンの人達に届けたい言葉っていうのは実際の所、コロナ禍になっても、これまでとあまり変わってはいないんです。ただ、以前よりも少しだけ今、自分たちが言葉を伝えたいと思う人達のことを考えて、発信するということを心がけていました。
ONE OK ROCKとしての活動はストップしてしまいましたし、色々なものを失ったので、悲しい気持ちでいっぱいになった瞬間もあったんですが、自分たちが今ここで生きているということについて、あらためてよく考えることが大切だな、とは思ってました。与えられた命の重みやなぜ生きて夢を追うのか、みたいな人間として一番シンプルなことをじっくりと考える時間がもてたのは、よかったのかなと思います。
「今、また新しい作品を作ろうとしている」
ーだんだん世界的にもコロナ禍は一歩一歩収束へと向かっていて、長いトンネルの先にようやく光が見え始めた、というような状況だと思うんですけど。そんな中で、映像作品、ドキュメンタリー、新曲とコロナ禍の最中に作られた作品が届けられて、ここからまたONE OK ROCKは新たなタームに突入していくんじゃないかと思うのですが、いかがですか?
そうですね。今、また新しい作品を作ろうとしているんですけど、それは今年出した新曲とは本当に全然違う作品なんですよ。「Wonder」「Broken Heart of Gold」「Renegades」っていう3曲は実はコロナが始まる少し前から作り始めた楽曲なので。この2年の色々な経験を踏まえて作っている今の作品を、どうやって伝えていけばいいかなっていうのは、僕も今考えているところではあります。
ー今回、三つの作品と楽曲を改めて、観て、聴かせていただいて、やっぱり思ったのは、ONE OK ROCKの作品は本当に時代と強く共鳴するんだな、と。仰っていただいた3曲もそうですし、そうじゃない過去の楽曲も今、ライブで鳴らされると違った意味を持って響く。それはONE OK ROCKのディスコグラフィーにはどの時代でも変わらない普遍的な感情や人生を支えてくれるような哲学が描かれてるからだと思うんですよね。
歌詞を書く上で、現在進行系で起きていることを書くことって、僕はほとんどないんですよ。「今」を切り取ろうと思って作ると、やっぱりポップ・ソングになっちゃうと思うんです。
僕は子どもの頃に覚えた疑問とか真理を、未だに大人になっても持ち続けて生きているから、それがいつも歌詞を書くときにはテーマになるんですけど。そういう昔からずっと考え続けていることを曲にすると、今同じようなことに悩んでいる人にとっての「勇気」に変わるんだと思うんです。
だから、やっぱり今がどうとかっていうよりも、怒りだったり、喜びだったり、悲しみだったり、幸せだったり、そういう漠然とした大きなテーマに本気で向きあうって作業をすることが重要で。それっていつの時代も変わらない普遍的なテーマですから。僕らの想いとは別に、勝手に今っていう時代とリンクしていくんだと思うんですよね。
ーNetflixのドキュメンタリーのインタビューで、Takaさんが「頑張ってる人たちは職業関係なく、このコロナ禍以降はみんなで手を差し伸べあって生きていく」とおっしゃっていたことが心に残っていて。「手を差し伸べ合う」ということが、求められている時代だと思うんですよね。分断ではなくて。
僕のまだまだ全然大したことのない33年間の人生の中で、確信をもって言えることが一つだけあって。大変な状況に陥ったときって、誰かのせいにしないと人って生きていけないんですよね。でも、極論を言うと、誰のせいでも無いことのほうが多い。キツい状況の中でも前に進んでいくために、いろんなことを決めていかなきゃいけない立場の人達がいるだけで。
やっぱり、そうやって誰かのせいにしながら、人間って色んなことを忘れていくものだと思うんですよ。今までも色んな災害とか大変なことが起きましたけど、例えば東日本大震災のことをあの時と同じ温度感で語れる人って、今、日本にどれくらいいるんだろうって思うんですよね。今も懸命にあの出来事を引きずりながら、一生懸命日々を生きている人もいると思います。でも、少なくとも僕はあの時と同じ気持ちじゃない。乗り越えてしまった、過ぎ去ったものとして捉えている人が多いことも事実だと思うんです。
だからこそ、僕はこの世界中が同じ時期に経験した未曾有の事態を忘れずに、よくない言い方をすれば「糧」にして、自分たちが追い求めている夢に対して、それぞれが貪欲になって生きていけばいいんじゃないかなって思うんですよね。
ドキュメンタリーの中のインタビューでも言いましたけど、やっぱり今こそが色んな人と手を取り合うことができる唯一のタイミングなんじゃないかなって思うんです。逆にこれを逃すと、当分そういう出来事は訪れないんじゃないかなって。だからこそ「手と手をつなぎあって頑張りましょうなんて、お前らダセェよ」っていう世代が出てくるまでは、僕らはそれを貫き通して頑張らなきゃいけないんじゃないかなと思うんですよね。
ー本当にそれこそが僕らが目指していくべき、未来のあり方だと思います。
アーティストが「手を差し伸べ合う」とかっていうと、偽善っぽく聞こえるってことはわかってるんですけど。でも、僕らは政治家じゃないし、どれだけ有名になって発言力が強くなっても、政治家にはなれないから。アーティストはアーティスト以外にない。でも、逆に言うと、だからこそ僕らが発信するメッセージっていうのは、政治家の人にもカバーできないようなところに届くっていう側面もあると思うので。こういう素直な気持ちをシェアすることによって、よりよい世界を作っていけるんじゃないかっていうのは、若干ですけど、思ってるんですよね。
ー次のONE OK ROCKの活動が今から本当に楽しみです。今日はありがとうございました!
こちらこそ。めっちゃヤバいアルバムを作っているので、楽しみにしててください!
【関連記事】ONE OK ROCK初の配信ライブを考察、新曲「Wonder」で伝えたかった4人の信念
<INFORMATION>
DVD & Blu-ray『ONE OK ROCK 2020 Field of Wonder at Stadium』
ONE OK ROCK
ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
https://OOR.lnk.to/FieldofWonderMe
『Flip a Coin -ONE OK ROCK Documentary-』
Netflixで配信中
https://www.netflix.com/jp/title/81450779
「Wonder」
ONE OK ROCK
ONE OK ROCK
ワーナーミュージック・ジャパン
配信中
https://OOR.lnk.to/WonderPu
ONE OK ROCK 公式HP:https://www.oneokrock.com/jp/
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