出会い系アプリの利用者を襲撃、犯人の検索履歴に残っていた「気になる言葉」

Photo by Leon Neal/Getty Images

米オレゴン州のダニエル・アンドリュー・マクギー（22歳）は、2021年7月にゲイの男性を暴行した容疑で15日に逮捕され、憎悪犯罪で連邦起訴された。マクギー被告はゲイ向けの出会い系アプリ「Grindr」でst8 curiousというスクリーンネームを使い、被害者の男性と接触、タイヤサンパーと呼ばれる小ぶりの野球バットに似た木製の棒で男性を殴打したとみられている。

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悲鳴が聞こえたという隣人の通報を受けた地元警察が現場のアパートに駆けつけ、その男性は一命をとりとめた。だが裁判の資料によると、被害者は「命にかかわる」重傷を負い、頭部外傷で「後頭部から4×5インチ四方」の頭皮を除去したという。

FBI特別捜査官が連邦地方裁判所に提出した宣誓供述書によると、マクギー被告は「悪魔がいると告げる悪夢」を度々見て、被害者を殺害して退治しようとした、と警察に供述した。宣誓供述書によれば、マクギーはタイヤサンパーと素手で被害者を殴打したことを自供。さらに「被害者1がゲイだから標的にしたのか、と尋ねると、マクギー被告は『ちがう！　あいつは悪魔だ！』と答えた」そうだ。

マクギー被告はオレゴン州スプリングフィールド近郊で両親と同居していた。供述書によれば、母親は息子がホモセクシャル嫌いで、以前からホモは気色悪いと言っていた、と刑事に語った。また「ロシアに引っ越したい、あそこはゲイを容赦しないから」とも言っていたそうだ。

FBIがマクギー被告のデジタル機器を調べたところ、被告は「”生々しい動画”や”過激なコンテンツ”で有名なWEBサイトに頻繁にアクセスしていた」、と供述書には書かれている。被告はそのサイトで、特にゲイの人々に殴打、そのほか暴力を与える動画を閲覧したりダウンロードしたりしていた。供述書によれば、彼が閲覧した動画のタイトルは「田舎者がゲイのカップルを襲撃」「痛烈なパンチでゲイ死亡」「イランでのゲイ絞首刑」など。

また、FBI捜査官の供述書にはマクギー被告のネット履歴から見つかったとみられる検索ワードとして「自分に向けられたホモ嫌悪」「隠れゲイ」「ホモセクシャリティ向けショック治療」「ホモセクシャリティの原因」「私がゲイになった経緯」「ホモ嫌いの人間は実はゲイか」「ホモセクシャリティの克服法」なども挙げられている。

襲撃のおよそ3週間前、マクギー被告はAmazonで変装用のかつらと、襲撃で使用したとみられるタイヤサンパーを注文していたことが供述書で明らかになった（タイヤサンパーとは、トラック運転手がタイヤを叩いて空気圧を調べるために使う木製の棒）。

マクギー被告は被害者とGrindrで知り合ったが、すぐにSnapchatに切り替えてやりとりした。FBIの供述書によれば、捜査官が検証したメッセージには「マクギー被告からの『18歳になったばかり』『まだキッス（原文ママ）の経験なし』という告白や、2人きりで会うことの確認（『2人きりだよね？ ルームメイトはいないよね？』）などが含まれていた」そうだ。

FBIの供述書は、マクギー被告が被害者によからぬ計画を企てていたと示唆し、その根拠として、被告のデジタル機器を調べたところ「殺人の方法、罪を逃れる方法、殺人事件解決に結びつく捜査技術、死体の処理法などに関する膨大な検索結果やネット行動が判明した」としている。

「襲撃が計画的だった」と指摘する箇所では、マクギー被告の被害者が襲撃の数日後に自宅に戻ったところ、浴室に見慣れないバッグを発見したことが書かれている。供述書によれば、バッグの中には「刃渡り8インチのBombay社のキッチンナイフ、折り畳みナイフ、特大ロールのごみ袋、Comet社のボトル洗剤、茶色の延長コード」などが入っていた。

オレゴン州連邦検事局によれば、マクギー被告は逮捕されたその日に法廷に出廷し、以来「公判手続きを待つ間」一時勾留されている。現時点ではまだ答弁は行われていない。マクギー被告の弁護士にコメントを求めたが、すぐには返答を得られなかった。

from Rolling Stone US