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アリアナ、KOHH、カリードまで マライア・キャリーの華麗なるコラボ歴を総括

Rolling Stone Japan / 2021年12月6日 17時45分

左からカリード、マライア・キャリー、カーク・フランクリン

今年もマライアの季節がやってきた。今やサンタクロースかマライア・キャリーかと言われるほどクリスマスに欠かせぬ風物詩となった7オクターブの女王。昨年のアリアナ&ジェニファーとの共演に続いて、今年もカリード&カーク・フランクリンとのコラボによる新曲「Fall In Love At Christmas」を発表、クリスマスシーズンの到来をいち早く告げてくれた。

マライアといえばディーバの中のディーバ、”私が一番、スポットライトを浴びるのはワタシだけ”というイメージが強いかもしれないが、実は意外と共演が多いアーティストでも。新旧問わず、ジャンルを構わず。ここぞいうところで面白いコラボをぶつけてくる。”え、こんな共演やっちゃうの!?”というマライアの歴代コラボの中でも特に”いわくつき”なものを、ここではご紹介。クリスマスの女王が振りまくクリスマススピリットも合わせて感じてもらえるのではないかとーー。

11月に発表されたその新曲「Fall In Love At Christmas」は、90年代のマライア節を彷彿とさせるR&Bメロディと、服飾量販店CMのように陽気で好感度の高いカリードの低音、カーク・フランクリンならではのアーバン・ゴスペル・コーラスが後半を盛り上げ、そしてホイッスルボイスまでが飛び交う、正しく”てんこ盛りのコラボ”。クリスマスなのだから、これくらい盛って当然でしょ?と言わんばかり。マライアと恋人のブライアン・タナカ(なぜだか姫は彼を”タナカ”と苗字で呼ぶ、笑)が監督を務めたビデオには3者はもちろん、彼女の子どもたちも登場。大好評だった昨年のApple TV+の彼女のクリスマス特番の続編となる今年の『Mariahs Christmas: The Magic Continues』にも、カリードやカーク・フランクリンは出演。どうやら彼女のクリスマス特番は、毎年恒例のイベントとなりそうだ。



ゴスペル的要素に関しては、シングル曲からはさほど感じさせないマライアだが、一心不乱にソウルを振り絞り、トランス状態へと舞い上がらせてしまうのは、彼女のライヴを体験したことがある人なら承知しているだろう。たとえば”ゴスペル隊と共演した”「Make It Happen」は昨年リリースされた『レアリティーズ』の日本版、その1996年の東京ドーム公演の映像においても、とにかく圧巻なのだが、更に遡った92年『MTVアンプラグド』でも既にその片鱗はしっかりと窺える。まだツアーをやったことがなかった当時のマライアに対して”本当に歌えるのか?”といった世間の疑問を一瞬にして払拭。そのライブにおける彼女はとにかく初々しくて、原石の輝きだ。このライヴ盤からはジャクソン5の名曲を見事な解釈でカバーした「Ill Be There」(1992年)のヒットも誕生した。無名のバックシンガー、トロイ・ロレンツとの”白羽の矢デュエット”は、彼女のアクロバティックな美声を、いっそう際立たせた。




もちろん絶頂期の人気アーティストとのコラボも少なくない。おそらく彼女のキャリア中1〜2を争う最大級のヒット曲「One Sweet Day」(1995年)は、飛ぶ鳥を落とす勢いだったボーイズIIメンとの共演だった。マライアは他界したプロデューサーのデヴィッド・コール(C&Cミュージック・ファクトリーの中枢メンバーで、前述の『MTVアンプラグド』ライブではピアノも演奏)に思いを馳せつつ、片やボーイズIIメンは他界したツアマネを回想しながらマイクを握った。雲上を浮遊しているかのような、しなやかな極上ソングは”亡き恩人を忍んだ”コラボだった。



デビュー当時から永遠のライバルと言われてきたホイットニー・ヒューストンとも「When You Believe」(1998年)でデュエット。アニメミュージカル映画『プリンス・オブ・エジプト』の主題歌という、やや番外編的な企画だったが、プロデューサーのベイビーフェイスが両者の間を取り持つ形で完成に漕ぎ着けた。誰もが予期していなかった”ライバル共演”でもあり、狙い通りに全世界をアッと驚かせた。



さほどライバル視はされてなかったものの、ローリン・ヒルとの共演と聞いて驚かない人はいないだろう。昨年リリースされた『レアリティーズ』に初収録で話題となった「Save The Day」(2020年)は、2011年に制作されたものだが、そのまま眠っていたという”お蔵入り共演”。フージーズの「Killing Me Softly」(96年)からローリンのボーカルをサンプリング。新たな歌入れではなかったため、ファンの間ではやや残念といった声も聞かれたが。



辛い体験となったコラボも

一方、マライアが本気で後悔しているコラボといえば、ニッキー・ミナージュとの「Up Out My Face」(2010年)だろう。リリース時点では、両者の関係も良好だったし、当時の夫ニック・キャノンが監督したドールキャラに扮したビデオも好評だったが、その後なぜだかニッキーとの関係はみるみる悪化。この曲がフィーチャーされたリミックスアルバムも制作されてリリース予定が公表されていたが、急遽お蔵入りに。数年後にオーディション番組『アメリカン・アイドル』(2013年)で、審査員として顔を合わせる2人だが、毎回TVカメラの前で激しい口撃バトルを展開。マライア自身も思い出したくない辛い体験だったと吐露している。”ガチ犬猿コラボ”として語り継がれることに。



当然ながら長きにわたって彼女を支えてきたアーティストも少なくない。なかでも”女王様の取り巻き”として最もロイヤルに尽くしてきたのがラッパーのダ・ブラットだ。「Always Be My Baby」(1996年)や「Honey」(1997年)などマライアの初期大ヒットの多くのリミックスに参加しているほか、ステージ、ツアー共演はもちろん、あの悪名高きマライア主演作『グリッター きらめきの向こうに』(2001年)(今聴いてもサントラは素晴らしい!)にも出演していたほどだ。ソニーミュージックCEOとの監禁状態の結婚生活から救い出してくれたのも彼女。こっそり2人で豪邸から逃亡した”バーガーキング事件”は、昨年出版された自伝『The Meaning Of Mariah Carey』にも詳しく書き込まれている。



またダ・ブラットと並んで彼女が多大な信頼を寄せるジャーメイン・デュプリも、サイドキックとして全キャリアを通じて大きな役割を担ってきた。So So Def名義による数々のリミックスをはじめ、プロデューサー/共作者/共演者として常にマライアに貢献。「Sweetheart」(1998年)や、復活後の「We Belong Together」〜「Shake It Off」〜「Dont Forget About Us」(全て2005年)といった一連のメガヒットの影の立役者と言えるだろうか。いつも彼女の後ろをチョコチョコ付いて回る姿が”クイーンの下僕”のようではあるのだが(汗)。



ヤンチャな男性ラッパーとのコラボも多いマライア。その突破口となったO.D.B.ことオール・ダーティ・バスタードがフィーチャーされた「Fantasy」(1995年)のリミックスは、今でもまったく色褪せない名コラボ。”美女と野獣”のような対比が最高に楽しかったが、その後シンデレラはどんどん貫禄を増していくことに。特にデフジャムに移籍後は、周囲にバッドボーイズを侍らせた女番長的な立ち位置が明確化。バスタ・ライムスとの「I Know What You Want」(2003年)もそんな一曲だったが、なんとその続編「Where I Belong」が”18年ぶりの続編コラボ”として昨年突如リリースされた。ビデオでは時間が止まっているとしか思えないマライアの変わらぬルックスに目が釘付け。さすが”永遠の12歳”(byマライア本人)なのだ。




ジャスティン、アリアナとの夢共演

デフジャム時代にはジャスティン・ビーバーとのコラボまで飛び出した。「恋人たちのクリスマス〜All I Want For Christmas Is You (SuperFestive!)」(2011年)では、当時まだ10代でタトゥーも入らず、可愛いクリーンカットの少年だったジャスティンとデュエット。今にして思えば、かなり”ムリクリ共演”だったかも?



ただし、同じく”歳の差共演”ではあるものの、アリアナ・グランデとの共演に関しては、そうとう慎重だったマライア。デビュー当時から”Newマライア”だの”Nextマライア”と騒がれてきたアリアナ。自らマライアの大ファンとも公言していたが、対するマライアはといえば「それじゃ私が、まるで年寄りみたいじゃないの!」と不快感を顕に。クリスマスイベントなどで同席しながらも、(あえて?)スレ違ったり。ところが一昨年の「恋人たちのクリスマス〜All I Want For Christmas Is You 」のCelebrity Edition(2019年)のビデオを制作する際に、マライアはアリアナに出演を依頼。更に昨年は「Oh Santa!」(2020年)でデュエットまで披露。Apple TV+のクリスマス特番『マライア・キャリー:マジカル クリスマス スペシャル』で、”新旧歌姫の共演”が遂に実現した。とはいえ、マライアはアリアナとジェニファー・ハドソンを引き連れた、いわば上座のクイーンとして。若手をうまく巻き込んだ手腕というのに恐れ入る。



更に自分大好きなマライアのこと、”本人同志の共演ビデオ”というのも存在する。「Heartbreaker feat. Jay-Z」(1999年)では、一人二役で大立ち回りの対決シーンを演じているし、「Obsessed」(2009年)では、男装で登場。長年にわたって交際していた/していないと揉めまくるエミネムを茶化した男装だったが、ビデオのラストには衝撃の結末が……。前述の自伝には、エミネムに関しては一切触れられておらず、エミネムとしてはホッと一安心なのか、それとも存在さえ認知されていないとお怒りかも?

絶賛されたアルバム『コーション』(2018年)から、そろそろ3年。同作の日本版にはKOHHとの共演「Runway」の収録でも話題を撒いたが、次のアルバムでは一体どんなコラボで驚かせてくれるのか。今年のクリスマスは、このカリード&カーク・フランクリンとのコラボソング「Fall In Love At Christmas」でホッコリ温かく包んでくれたマライア。年中クリスマスであってほしいと願うクリスマス・クイーンは、既に来年のクリスマスの計画も立て始めているそうだ。







マライア・キャリー
「Fall In Love At Christmas feat. Khalid&Kirk Franklin」
視聴・プレイリスト一覧:https://mariahcarey.lnk.to/playlistRS

マライア・キャリー日本公式ページ:
https://www.sonymusic.co.jp/artist/MariahCarey/

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