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尻に注射を打って殺害、犯人の母娘は無罪主張 米

Rolling Stone Japan / 2022年2月9日 6時45分

左からアリシア・ガラス被告とリビー・アダム被告(Los Angeles Police Department)

違法な豊尻術でカリッサ・ラジポールさんに注射器でシリコンを注入、死亡させたとして、殺人罪に問われていたリビー・アダム被告と娘のアリシア・ガラス被告が初めて2人そろって米カリフォルニア州の裁判所に出廷した。現地時間2日の審問では罪状認否が予定されていたが、両被告とも罪状認否を行わなかった。2人は殺人罪に加え、無許可で医療措置を行った重罪に問われている。

【写真】おびただしい数の注射器と薬品類、いずれも逮捕時に押収されたもの

アダム被告の弁護人を務めるJ・マイケル・フラナガン氏は、弁護団としては1000ページ近い開示書類を検証したうえで、場合によっては訴答不十分の抗弁を申し立てたい、とローリングストーン誌に語った。訴答不十分の抗弁とは、起訴の正当性に対して正式に異議を申し立てるもので、罪状認否の後に申請することはできない。「いったん無罪の抗弁をすると、訴答不十分の抗弁の可能性が排除されてしまいます」と弁護士は述べた。

ロサンゼルス郡検事局のリー・セルノック検事補は審問の中で、開示書類の保護命令を申し立てたと述べた。検事は審問のあと、保護命令の理由について詳しく語ることはせず、「ノーコメント」とだけ述べた。両当事者は3月3日にあらためて罪状認否を行うことで同意した。

過失致死罪に問われたマイケル・ジャクソンの医師コンラッド・マレー氏や、無免許運転の軽罪で起訴されたブリトニー・スピアーズの弁護を担当したフラナガン弁護士は、アダム被告の事件を「過剰起訴」と評した。「検察は殺人罪で起訴しましたが」と、彼は審問後にローリングストーン誌に語った。「殺人罪を問うには殺意がなくてはなりません。道理をわきまえた人間なら、彼女に殺意があった、あるいは危険だとわかっていたことをする意思があったとは思わないでしょう」

2021年8月の起訴状では、アダム被告とガラス被告が2019年10月15日に「違法に、かつ悪意をもって計画的に、カリッサ・ラジポールなる人物を殺害した」という主張がなされている。ロサンゼルス警察署が発表した逮捕に関する報道声明によれば、2人の女性はラジポールさんの臀部に「無処理の液状シリコン」を注射して「違法な豊尻術」を行った。ローリングストーン誌が取材した専門家いわく、こうしたシリコンは血栓のように血流を流れ、突然死に至る可能性もあるそうだ。ラジポールさんの検視報告書によれば、救命士が到着した時にはすでに生体反応がなかったという。警察の報告書には、アダム被告とガラス被告は救命士に事情を説明することなく、現場から逃走したと記されている。


逮捕後、100人以上の被害者が名乗り出た

検視報告書によれば、ラジポールさんは注射から3時間も経たないうちに、シリコン注入による急性心肺機能不全で死亡。事件は殺人と断定された。昨年末、施術に同席していたラジポールさんの友人は匿名を条件にローリングストーン誌のインタビューに応じた。友人の話では、注射の後、明らかにラジポールさんの容体がおかしくなったので、アダム被告とガラス被告に助けを求めたそうだ。「2人には、彼女を病院に連れて行くべきだ、と言いました」と友人は言った。「すると2人は『いいえ、大丈夫よ』と。もちろん大丈夫ではありませんでした。彼女は無反応で、見るからにとても、とても弱っていました。意識を失い始めたので、僕が口移しで人工呼吸をしました。僕は『救急車を呼べ! 今すぐ緊急通話に電話するんだ。こんなのおかしいよ、君たちはイカれてる!』と叫びました」

ロサンゼルス警察がローリングストーン誌に語ったところでは、アダム被告とガラス被告が逮捕されてからというもの100人以上の被害者が名乗り出て、2人の施術で支障が出たと主張しているという。そのうち一部の人々は、ローリングストーン誌の取材にも応じた。

アダム被告がラジポールさんの施術現場から逃走した理由について検察側はどう主張しているのかという質問に対し、フラナガン弁護士は回答を控えた。「今はまだお話できません。まだ初期の段階ですから。彼女たちが違反の罪に問われている施術と関係があるのかもわかりません。今回の施術は基本的に注射です。胸郭を切開したわけではありません」

ガラス被告は昨年12月に出廷し、パスポート提出と足首への監視モニター装着を求められた。今回、アダム被告も2月14日までにパスポートを提出し、足首に監視モニターを装着するよう指示された。

審問前、アダム被告とガラス被告は一緒にベンチに座り、法廷では並んで立った。アダム被告は茶色のドレスにキャメル色のコートを羽織り、長い黒髪をセンターパートにして太いつけまつげを付けていた。ガラス被告の方は白いケーブルニットのジャンプスーツに白いニットケープをまとい、足元には白いハイヒール、髪はグレーにはスカーフが巻かれていた。

最初に席を立ったのはガラス被告のほうで、質問を無視しながら法廷を後にした。アダム被告は5分後に退廷した。「無罪。100%無罪よ」と、アダム被告はローリングストーン誌に語った。

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from Rolling Stone US

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