TEAM SHACHIの咲良菜緒が語る、ステージに立ち続けるための「自己変革」
Rolling Stone Japan / 2022年2月26日 19時0分
TEAM SHACHIが1stフルアルバム『TEAM』をリリースした。改名後初となるフルアルバムにはブラス、ラウド、ポップを新たな指針として掲げる4人の新サウンドが凝縮され、ロックファンにもアピールできる内容に仕上がった。
【写真】昨年開催した配信ライブ「TEAM SHACHI TOUR 2020~異空間~:Spectacle Streaming Show ”ZERO"」
今回は、連載「めかくしストリーミング」でもおなじみの咲良菜緒にご登場を願い、新作についてだけではなく、10年に及ぶ活動の振り返りや改名後の意識や環境の変化についてたっぷり語ってもらった。インタビューの最後には「めかくしストリーミング」の今後についての話し合いも行われている。
―せっかくの個人インタビューなので、最新アルバム『TEAM』のことを話してもらいつつ、菜緒さん個人のこともいろいろ聞いてみたいと思います。まず、KORNの新作『Requiem』がもうすぐ出ますね。
あ、まだ出てなかったんだ。最近、メタルをあまり聴いてなかったんですけどまた戻ってきました。
―KORNが引き戻してくれた。改めて、菜緒さんはKORNのどんなところが好きなんですか?
元々は速い曲が好きだったんですけど、KORNの「絶対にここは超えない」っていう速さがちょうどいいというか、急に加速するんじゃなくて、じわじわ加熱してくる感じが好きなのかもしれない。
―菜緒さんの好みを説明する上で欠かせないキーワード「ねちょねちょ」ですね。
そうそう、”ねちょねちょ界隈”が落ち着くんですよね。速い曲はたまに聴くと「わ! アガるアガる!」ってなるんですけど、KORNとかロブ・ゾンビとかZilchはいつでも聴ける。私のなかで万能です。
―KORNは活動歴も長いし、作品によって雰囲気が違ったりしますけど、そういうのは気にならないですか?
自分の好きなところからブレてないからあまり気にならないかもしれない。一番最初に聴いたアルバムが20年以上前に出た『Issues』なんですけど、今の新曲を聴いても嫌じゃないんですよね。
―根っこが変わらないから好きでいられる。
そう、いつ聴いても「あ、KORNだ」ってわかる。そういう独特な色が好きなんだと思います。動きが遅い大型動物、みたいなのが大好きなんですよね(笑)。わかります?
―ああ、なんとなくわかりますよ(笑)。
すばしっこくはないけど、近づいてくるとみんな逃げちゃう、みたいな。
―カバみたいな。
そうそう、ほんとそういうイメージ(笑)。今回のアー写もすごく好きで一目惚れした! TEAM SHACHIでも真似したい!(笑)
チームしゃちほこ〜TEAM SHACHIの10年
―チームしゃちほこ時代を含めて、TEAM SHACHIもこの10年でいろいろ変化してきたと思いますけどどうですか?
TEAM SHACHIはメンバーがいい意味でそのままなんですよね。メンバーの個性が活動に反映されてるので、メンバー自身の成長がそのままグループの成長になってる。でもやっぱり、(TEAM SHACHIへの)改名が一番大きかったかなあ。それまでは出されたものをやるだけだったけど、あのタイミングからグループの方向性とかを自分たちでいろいろ考えさせてもらうようになったから。高校生から大学生になった感じ(笑)。高校では出された課題をひたすらやっていくけど、大学生は自分の考えをレポートに書かないといけないじゃないですか。TEAM SHACHIもそういう感じで、考えることが一気に増えましたね。
―なるほど。
TEAM SHACHIには考えることがもともと好きな子とそうではない直感系の子がいるんですけど、思ってることはそれぞれにあって、それを言語化して形にするっていうことを繰り返しているので、社会人として成長したかもしれない。
―自分たちが動かなかったらグループも止まったままっていう。
本当にそんな感じです。私たち次第ということがたくさんあるので、今まで考えてなかったところまで気になるようになりました。
―たとえば?
これまでどれだけ考えてなかったんだって話なんですけど(笑)……ライブでその曲をやる意味とか。それまではセットリストが楽しければそれでよかったんですけど、自分たちの気持ちで動くようになってからはグループとしてのストーリーとか、私たちの気持ちがどれだけ伝わるかっていうことが大事になってきたし、それを表現できるのがライブという場所なので、そういうところまで考えられるようになったことは大きいかな。
―その変化はいい方向に働いてますか?
こういうインタビューでも自分たちの言葉で説明できるようになったのは大きいと思います。それまではリリースインタビューとかでも「これ、なんて説明したらいいですか?」ってスタッフさんに聞くのが普通だったんですけど(笑)、今はアーティストとしてやっと普通になったのかもしれないですね。自分たちがなんでこれをやっているのかっていうこともわかるようになったし。それまでは何の目的でやってるのかもわからなかったから(笑)。そういう意味ではひと安心なんですけど、自分たちの気持ちとか考え方次第で未来が変わってしまうっていうプレッシャーとか責任は重いですね。でもそれはみんな同じだから、アーティストさんって大変だなあって。
「奇抜なことをやるのって難しい」
―他人事みたいに(笑)。では、菜緒さん自身はどう変化していったと思いますか?
うーん、どうだろうなあ……。ただみんなで話し合ったり考えをまとめる機会が増えたことで協調性は出てきたかなあって思ってる(笑)。でも、協調性がありすぎると自分の面白さを忘れちゃうからそこが難しいと思ってて。今までは自分のやりたいことに必死だったんですけど、「いま私がこれを言ったらこんな感じになっちゃうかな……」みたいなことを自然に考えるようになって、そうすると何かアイデアが浮かんでもそれを実現させようっていう方向にいかなくなっちゃうんですよ。クリエイティブなことをやってるんだから、いい意味で自分勝手なところは殺しちゃダメだとは思うけど、チームだから。
―なるほど。
だから、周りにいる人たちに対して「みんなすごい」って思うことが多いです。自分も同じ立場になったことで物事を実現する側にいる人たちの言ってることがわかるようになってきた。「これをやるのは難しい」とか。たとえば、こっちは簡単に「(ライブで)火、出したい」とか言うけど、あれってけっこう高いんだ、とか(笑)。でもそういう現実的な問題を知ってしまうと自分のアイデアを言い出しづらくなっちゃうから、現実を忘れることも必要だなと思ったり。ほどほどの常識人になるのは難しいですね。あはは!
―どこまで妥協して、どこから妥協できないかっていうね。
そうそうそう、そこが難しいなって。でも、妥協すると想像の範囲内で落ち着いちゃうじゃないですか。だからそうならないようにしなきゃなって思ってる。
―今後、これまで以上にいろんなバンドやアーティストの活動のやり方を学んでいく必要が出てきますね。
そう。だから、「え、この人がやってることヤバくない?」とか、そういうこともわかるようになってきた。あと、自分たちが過去にやってきたことがヤバかったってこともわかるようになった(笑)。当時は奇抜だと思ってなかったけど、今思うとけっこうすごかったんだなって。
―自分たちにとっては最初からそうだったから。
でも、奇抜なことをやるのって難しいよなって思ったり。
―奇抜なことをやって、なおかつそれを面白く受け止めてもらうのは難しいですよね。
そうですね。本人たちが狙って奇抜なことをやるのってちょっと冷めるじゃないですか。やっぱり、本人が奇抜じゃないとやらされてるような感覚になっちゃうから、自分の中に元からある奇抜さはキープしなきゃなって思う。
TEAM SHACHI:左から坂本遥奈、秋本帆華、咲良菜緒、大黑柚姫
「自分たちの声が激しい音にあんなにマッチするとは思いませんでした」
―今の話を言い換えると、TEAM SHACHIになってからは自分自身と向き合う時間が増えたってことですよね。
そうかもしれない。メンバーそれぞれの考えを聞く機会が増えてから、「あ、こんなに自分と違うんだ」とか「この子はそういう目線で物事を見てるんだ」って気づくことが増えて。そうなると、自分がほかのメンバーと同じ目線になるとワンパターンになっちゃうし、ほかのメンバーもきっと自分らしい目線を無意識のうちに大事にしていると思う。
―今、自分の役割ってなんだと思いますか?
私の中では今、わりと大人しくて。模索段階というか、「何やろっかなあ」みたいな。
―なるほど。
ライブのやり方が変わったんですよ。これまでは、セットリストは決まってるけどそのほかはほぼ自由でその場の動きで中身が変わったりして、そういうやり方が好きだったし自分には合ってると思ってたんですよ。今は演出も照明もしっかり決まってるなかで決まったものを見せることが多いけど、ライブの生感とかそのときの気持ちも大事にしたいから、それをどうやって表現しようかなって思ってる。歌とかダンスでもいいけど、それだけじゃなくて……なんか物を投げたいですよね(笑)。
―あはは!
自分は暴力的な表現をすることが多くて、すぐ物投げたくなっちゃう(笑)。それはほかのメンバーとはカブらない自分のキャラだと思うから、早くコロナが終わってほしいし、私が何を投げるのか楽しみにしててほしいです。前にポカリをステージに撒いて怒られたことがあって、今は機材にかかったらヤバいってことはわかるんですけど、当時はそんなことわかってなくて。でも、そういう精神は取り戻したい。
―冷静に狂いたいというか。
そうそうそう。
―音楽性の変化に関してはどうですか?
改名してからはブラスとラウドとポップを約束事として曲を作ってるんですけど、最初はラウドの速いリズムに合わせて歌うのが本当に難しくて。私は割とバンドさんの音を聴いてきてたから慣れてはいたけど、実際に歌うとなるとすごく難しくて苦戦しましたね。実はTEAM SHACHIとして最初に出したミニアルバムに入ってる「ROSE FIGHTERS」もめちゃ難しくて、最初の頃は必死だったんです。最近やっと馴染んできました。
―そうだったんですね。
でも、TEAM SHACHIでは私以外に激しいロックを聴くメンバーはいないんですけど、自分たちの声が激しい音にあんなにマッチするとは思いませんでした。4人いるとはいえラウドな音にはさすがに負けちゃうんじゃないかって思ってたし、それに加えて5人のブラス民(ブラス隊)もいるからさらに音圧があるし。でもちょっとずつグループの音として確立できてきたのかなって思ってます。
「チーム、解禁!」
―アイドルってどんな音楽でもやれるのが強みだけど、TEAM SHACHIとしてある程度サウンドの方向性が固まった状態だと、この音の中で何ができるかっていうことを考えないといけなくなるわけですよね。
そうなんですよ。しかも、いつの間にか後輩が増えてて。いつも私たちが一番下だと思ってたし、レーベルでも私たちがダントツに若くて、スタッフさんも含めてみんな先輩だったんですよ。だけど、最近新しく入った現場マネージャーは2つ年下だし、後輩グループもいいっぱいいて、末っ子としてひたすら暴れられるポジションがいつの間にか奪われてたんですよ(笑)。でも、ライブにこだわることは変わらないし、ライブが一番楽しくありたいと思ってるし、「楽しい」の種類は増やせてると思っていて。これまでは瞬間的な楽しさが多かったんですけど、今はツアーの組み方も1本1本がちゃんとつながるように意識してるし、ひとつのライブだけで完結することが減りました。これはチームとしてのストーリーを意識してるってことにもつながってると思います。私たちは10代のキャピキャピした感じには負けるので(笑)、その分バリエーションを増やさねばと思ってます。
―そんな発言が出るようになるとは!
そうだよ! さすがに実感(笑)。気持ちはまだ21ぐらいだけど、それでも10代には敵わないので……バリエーション、ですね。武器の数を増やして、いつ何が出てくるかわからないような状態にしたい。
―もともと菜緒さんはアイドルをまったく知らない上に興味もなかったわけですけど、自分たちの意志でグループを動かしていく今の形のほうがしっくりきてる感じってありますか?
どうなんだろうな……。たまに、「え~! これ、私たちが考えないといけないの~!?」って思うことはあります。やっぱり、自分たちではまだわからなくなるときもあるので。でも後悔なく物事を進める上では今のほうが全然いいし、武器を増やすためには全体の意思統一ができてないと無理なので、今のほうがいいのかなと思ってます。
―今回、TEAM SHACHIの読み方がストレートに「チームシャチ」になりましたけど、これはなぜですか?
もともとはTEAM SHACHIと書いて「シャチ」と呼んでいたんですけど、去年10月にあったパシフィコ横浜公演に向けて「それいけ!TEAM拡大計画!」っていう番組をYouTubeでやったり打ち合わせが増えたりするなかでチーム感を感じる瞬間が増えたし、私たち自身もチーム感を意識するようになっていたので、今回のタイミングで「チーム、解禁!」って。
―あはは!
でも、ぶっちゃけ、「チームシャチ」って呼ばれることがほとんどだったので、それも理由としてはありますね。「シャチ」はもともとの愛称なので変わった感じはしないんですけど、よりチーム感を意識するようになりました。
―そもそもなんで「チーム」を読ませなかったんだって話ですよ。
そうなんだよ! なんでか忘れた、ふふふ。当時はけっこう勢いで決まったところもあったから。
―あとで冷静になって考えると「なんでだ……?」っていう(笑)。でも、チーム感の大切さをより実感した結果として「チーム」が復活するというのは流れとして美しくはありますよね。
本当ですか? でも、コロナで人の大切さがよくわかりました。チームがあることのありがたみを感じました。
TEAM SHACHIはラウドとブラスとポップがテーマ
―これまでデジタルシングルをリリースしてきたり、ライブでしか披露していない曲があったり、わりとバラバラなタイミングで楽曲を発表してきましたけど、こうやって1枚の作品『TEAM』として提示されることによってようやくTEAM SHACHIの全貌が見えた感じがします。
本当にそうですね。かなり前にレコーディングした曲もあるし、やっとみんなに届けられるものができたなって。
―これで遂にTEAM SHACHIが完成したなと。
「ベスト盤じゃない?」って思うぐらいこのアルバム自体がTEAM SHACHIになってる。これを聴いておけばTEAM SHACHIのことはだいたいわかると思います。そもそもフルアルバムを出すのが5年ぶりなんですよ。
―そんなに経つのか!
だから、アルバムに入れる曲はある程度できあがってたんだけど、なんせ今回は曲のテーマがバラバラだったからどうやって1枚にまとめるんだろうとは思っていて。でも、1曲目の「POSITIVE BEAUTIFUL!〜後ろ向きま宣言~」と一番最後の「Rainbow」を年末に録ったことでだいぶまとまりましたね。
―最初と最後を飾る新曲が一番ポップというのが面白いなと。
たしかに。TEAM SHACHIはラウドとブラスとポップがテーマだからポップな要素は忘れたくないし、私たちも基本的にポップ系の楽しいことが好きな人たちだし、ちょっとした明るさとか緩さも忘れたくないので、この2曲でバランスが取れたと思ってます。
―今のTEAM SHACHIのバランスのとり方がこの2つの新曲で見えてくるというか。
そうそう、どっちもタイプは違うけど明るい曲で自分たちらしいなと思います。
―それでも作品全体の印象はロックなんですよね。
あ~、やっぱそうなんだあ。中身が濃すぎますからね。テーマはバラバラでも軸が一緒だから統一性があって、バンドみたいで新鮮でした。結局TEAM SHACHIは攻撃的なグループなんだなって思いました。
―これまで以上に楽曲に強さがあります。
そうかもしれない。鋭さがありませんか?
―自分たちのことを歌っている歌詞が多いですよね。これまでは「君」への感謝を歌ったり、聴き手を鼓舞するような曲が多かったと思うんですけど、今回は自分たち自身の意思表明が多い。
そうですね。自分たちについて歌うことで自分たち自身を鼓舞してたっていうのはありますね。
―それは意識してたんですか?
無意識にそういうものを求めてました。歌詞ができるたびに「ここはああしたいこうしたい」っていうのがあって、その結果として自分たちについて多く歌うことになったのは、「頑張らなきゃ」みたいな気持ちとか焦りが強かったからなんだろうなって思いますね。
―改名してからわりとすぐにコロナ禍になって、ずっと正念場でしたもんね。
そうなんです。「え~? なんでなんで?」って感じ、ふふふ。改名してから3年のうち2年がコロナ。いつの間にか半分以上コロナでした。
咲良菜緒
「10年間活動してきたものを活かしきれるようになってきた」
―そうなると「弱っちいことは歌ってらんねえ」っていう。
本当にそうでしたね。ネガティブワードは無意識のうちに禁止してました。「番狂わせてGODDESS」っていう浅野くん(サウンドプロデューサー・浅野尚志)に書いてもらった曲があるんですけど、最初は歌詞に少しだけネガティブな要素があって、そのちょっとした後ろ向きな感じですら嫌で、結局めちゃくちゃ強気な曲になったんですけど、それぐらい「今弱音を吐いたらダメなんだ」っていう意識がみんなにあったんだろうな。
―このアルバムはそういう想いの集合体ですよね。
「負けたくない!」みたいな。言霊みたいな感じで、「言葉では絶対に強いことを言うんだ!」って。多少の不安があっても口にはしないっていう気持ち。話はちょっと逸れますけど、改名してからしばらく、チームしゃちほこを上手く利用したかったけどできなくて。でも、去年ぐらいから曲をリアレンジしたりパフォーマンスを変えたりすることで、10年間活動してきたものを活かしきれるようになってきました。
―試行錯誤があったんですね。
最初は昔の曲を引っ張り出してきた感じがモロに出てたんですけど、ラウド感を加えることで馴染むようになって、そこでやっとさじ加減がわかるようになってきました。こういうアレンジならみんな喜んでくれる、とか。自分たちが大好きなしゃちほこのことを否定してるようには見せたくなかったから試行錯誤しました。
―そう考えると大変でしたね。
答えを出すのが大変でした。それなりに活動してきたあとだと過去にやってきたことをうまくすくい上げるのが難しいんですよ。グループの名前も変わってるし。だから、やっとライブもやりやすくなってきた。
―仮にしゃちほこ時代の曲をそのままやったとしたら、自分たちの意識のなかでブレが生じますよね。
そう、当時のことを思い出してパフォーマンスしちゃう。でも、あの頃とはメンバーの人数も歌ってる子も違うので、「当時とは別物だけどどっちもいいね」って言ってもらえるものを作りたくて。
―今のTEAM SHACHIが歌って意味のあるものにしないといけないわけですもんね。
でも逆に、昔はちょっと大人だなと思っていた曲が今ハマるようになってて。当時は歌詞の意味がわからなくて上手く表現できなかったけど、歌詞の意味がわかるようになった今は違和感がなくなってきてる気がするので、やっと昔の曲に追いつけた。それは助かってますね。
―長い時を経て本当の意味で自分たちの歌になった。
本当にそうです。今まではとりあえず歌ってただけで馴染んではいなかったのであまりライブでもやってなかったんですけど、やっと楽曲に追いついた(笑)。
個性は出すけど統一感も意識する
―そして、ロックなアルバム本編とは反対に、ソロ仕様盤に収録されている菜緒さんのソロ曲「One way LOVE…?」がかわいくてびっくりしました。
みんなからも評判でした。私は打ち込みの曲も好きなんだけどグループではやらないタイプの曲だし、自分のソロコンで幅を持たせるためにこういう方向の曲がほしくて。あと、今あるソロ曲がバンドサウンドなので今回は真逆の雰囲気にしたいなと思ってやってみました。周りの反応を聞いて、「みんなかわいい曲が好きなんだな」って(笑)。
―でも、メインがロックだからこそこういうポップな曲が映えるっていうのはありますよね。
そうですね。他のメンバーもそれぞれがやりたいことをそのまま形にしたので、そういうところも成長したなって。「あなたはこれが似合うからこれを歌いなさい」じゃなくて、「これを歌いたい」っていう気持ちでその曲に染まりにいくようになったのもこれまでとマインドが変わったからだと思います。ソロ曲以外でも、こういうパートを歌うのはこの子っていう傾向がメンバーが減ってからより強くなったので、それぞれのパートの雰囲気が統一されてる印象があります。
―歌う上での表現って変わりましたか?
変わったかも。個性は出すけど統一感も意識しないとバラバラに聞こえてしまうし、バランス感とか前後のつながりも意識するようになりましたね。
―好き勝手には歌えない。
そう、これまでは好き勝手に歌ってたんですけど(笑)。だから、まとまり感を出すのってこんなに難しいんだって思ってます。
―歌以外のパフォーマンスの変化はどうですか?
全体を見てもらうことで「面白いね」って言ってもらうような演出が増えたことで、ひとりだけ頑張ってもあまり意味がないようになったので、ステージ全体がどう見えているのかというのはより考えるようになりましたね。それは照明や音に関してもそうで。だから、以前に比べて舞台とかショーみたいな意識になる場面もあります。それがバチッとハマるとキレイだし、そうすることでライブっぽいパートとの差が感じられるようになるのが面白いので、振り幅を大事にしてます。
―そこまで意識するようになると、お客さんからの反応がこれまで以上に気になりませんか?
気になる。だから、印象に残ってほしい場面についていい感想をもらえると「ああ、よかったな」って思うし、「ああ、あそこはこだわったのにな、ピンとこなかったかな」っていうこともあるし。もしかしたら、タフ民(TEAM SHACHIファンの呼称)もライブの見方とか楽しみ方が変わってるかもしれないですね。でも、それはコロナでライブハウスで騒げなくなったことも大きいから、観てるだけでも楽しいものにしないと。
―さて、これでインタビューは終わりですが、今後の連載は何をしましょうか?
えー、何しよう~?
―メタルはやったし、ヒップホップもやったし。でも、最近の菜緒さんはジャンルレスになってきてませんか?
今、かなりジャンルレスです。普通の曲が聴けるようになって、昔わからなかったよさがわかるようになってきました。だから、どうしようかなあ。
―ベタにポップスとかでもいいですけど。
ああ、アリですね。逆にわからないかも。
―昔の名曲とか。
あ、それもいいかもしれない。
―あとはオススメしあうっていうのもいいですけどね。
でも、全部知ってそうだけど(笑)。
―いや、でも菜緒さんがストーリーにあげてる曲はほとんどわからないですよ。僕は人が知ってるヤツをけっこう知らなかったりするんで。「いつでも聴けるからいいや」って。
それはちょっとわかります。
―それよりも、「今、たまたま見つけたこのバンドの音源を聴かないともう2度と出会えないかもしれない」っていうのを聴いちゃうんですよ。
わかるな~。そっちのほうが逃したくないですよね。流行ってるのはどうせどこかから聞こえてくるから。
―まさにそれです。じゃあ、内容についてはまた追々考えましょうか。
はい!
<INFORMATION>
『TEAM』
TEAM SHACHI
ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
■通常盤
■初回限定盤
■メンバーソロ盤(完全生産限定)
■FC限定豪華盤(完全生産限定)
https://teamshachi.nagoya/
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