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Aile The Shotaが語る『AINNOCENCE』の全貌

Rolling Stone Japan / 2022年3月15日 12時0分

Aile The Shota Photo by Masato Moriyama, Hair and Make-up by Megumi Kuji (LUCK HAIR), Styling by Aile The Shota

SKY-HIが主宰する「BMSG」レーベル所属のAile The Shotaが、3月25日発売「Rolling Stone Japan vol.18」に登場することが決定。8ページのボリュームで撮り下ろしの写真とともに、幼少期からのライフストーリー、オーディション「THE FIRST」を受ける前の活動や葛藤、そして現在の心境について語ったインタビューをお届けする。
 
【写真を見る】Aile The Shota自らスタイリングした衣装にも注目

それに先立ってRolling Stone Japan WEBでは、1月26日にリリースされた1st EP『AINNOCENCE』についてのインタビューを掲載。Aile The Shotaというアーティストのコンセプト、EPの全体像とともに、「AURORA TOKIO」「Like This feat. Nenashi」「特別」について1曲ずつ話を聞いた。
 
このインタビュー前後に語った話をたっぷりと、3月25日発売の本誌には掲載予定。Aile The Shotaにとってはこれが自身初の雑誌インタビューとなる。
 
―オーディション「THE FIRST」の最終審査のシーンはめちゃくちゃ印象的で感動的で、Aile The Shotaにとって始まりのシーンとも言えると思うので聞きたいのですが、あの場面を今振り返ってどう思いますか?
 
あれについては日高さんともよく話すんですけど、すごくいいシーンだったと言ってくださって。僕、当人としては、(BE:FIRSTのメンバーになった)7人が選ばれて「ダメか」ってなったんですけど、その後に「一緒に音楽を作る仲間としていてくれないか」って言われて大号泣したのは、「ずっと音楽で食べていけるかも」「両親に恩返しできる」「この先、ここで出会った仲間と音楽ができる」といった希望があの一瞬ですごいスピードで頭の中を回ったからで。あの涙は嬉しさでしかなくて。泣いて崩れたときもずっとそういう想いが回ってて、涙が止まらなくて。嗚咽するまで泣いたのは初めてですね、僕(笑)。あんなに声を出して泣いたことはないと思います。
 
―1st EP『AINNOCENCE』を聴いたとき、日高さんってすごいなと思いました。Aile The ShotaのスタイルでこそShotaさんの愛や優しさとか、声の特性とか、人を幸せにするShotaさんらしさが前面に出せていることを感じると、それを見抜いていた日高さんすごいなって。
 
いやあ、そうですね。こういう先を見ていてくれたと思うと……あの人すごいなって(笑)。本当に、Aile The Shotaとしてデビューさせてもらえたことが大正解だったと実感しています。あの分岐点でこっちの道を選んで正解だったなと感じる瞬間が多すぎるので。きっとBE:FIRSTに入っていたとしてもそういう瞬間はあったでしょうけど、今Aile The Shotaとして活動している中で後悔は一瞬もないというか。自分の音楽と向き合えることに幸せを感じているし、尊敬している方々と曲を作れていて、夢みたいなことがずっと続いてるなって思います。
 


シティ・ポップを作ろうと思った理由

―Aile The Shotaを始めるときに、具体的にどういったアーティスト性や方向性を考えたのでしょう。
 
やっぱり考えたのは、オーディションを受ける前の「nabepotato」「Yum Ferrii」(以前のソロアーティスト名義)があって、「THE FIRST」を通っての、「Aile The Shota」だと思っていたので。それもしっかりと意識しながらどういう音楽をやりたいのかを考えていきました。これはJ-POPを聴いてきた影響なんだろうけど、サビのキャッチーさとか、メロディラインの綺麗さみたいなものは、最初に出した「Drizzle」(nabepotato名義)から変わらず意識しています。変則的なトラックとかこだわりある音を使ってても、サビはしっかりキャッチーに、ということを意識していて、そこがAile The Shota像を保っているひとつの要因なのかなとは思ってます。
 
―『AINNOCENCE』について、1曲ずつ聞かせてください。まず1曲目「AURORA TOKIO」。そもそも、シティ・ポップを作りたいと思ったのはどうしてだったんですか?
 
自分が聴きたい曲を作りたいと考えたときに、「シティ・ポップを1曲作りたいな」と思って。もともと歌謡曲も好きで、ちょっとそういった懐かしさが流行ってるなと感じたのと同時に僕も好きだと思っていたので。歌謡曲とJ-RAPやヒップホップのノリみたいなのものを混ぜたものをやりたいなと思いついて、今最先端を走っているShin Sakiuraさんと2020年代のシティ・ポップを作れたら面白い曲ができそうだと確信したのがきっかけです。ファンだったので「Shin Sakiuraさんとやりたいです」みたいなことを日高さんとしゃべってて、日高さんも「Shin Sakiuraくんいいよね」って言ってて、「やる?」「いいんですか?」みたいな流れで。実際にShin Sakiuraさんと打ち合わせをさせてもらったら、もう僕の頭の中のものを全部キャッチしてくれて(笑)。トラックが上がったときは震えましたね、「もう絶対にいい曲!」って(笑)。リリックの世界観としては、僕がシティ・ポップを歌うとしたら、東京生まれ東京育ちのシティ・ポップを等身大で歌うのが面白そうだなと思ってて、トラックがすごすぎたので歌詞がバンバン浮かんできました。
 


―東京生まれ東京育ちのShotaさんは、東京をどう捉えているんですか?
 
東京生まれ東京育ちと言いながらも、実家が都心ではないので、大学に行くまで渋谷とかにはあんまり行ってなかったんですよ。「シティボーイってそんなに大したことないよ。別に普通だよ。目の前土手だし(笑)」みたいなところから書き始めました。<シティボーイはfantasy>というのは、「みんなが描いてるシティボーイはそんなんじゃないよ」みたいなところから来ています。あと、最近になるまで僕の中で渋谷とかはガヤガヤしてて苦手な街だったんですよね。でも制作のタイミングで、ギラギラしてる中でもぱっと俯瞰すると綺麗だなって気づき始めたんです。「シティボーイなんてファンタジーだよ」ということと、「東京ってキラキラしてて、たとえるならオーロラみたいに美しく見えるときもあるよ」みたいなこと、その2つを伝えられたらなと思ってリリックに落とし込みました。
 
―<スクエアで切り取る>といったワードも入ってたりして、2022年の「アップデートされたシティ・ポップ」という感じがありますよね。
 
そうですね。「ネオシティ・ポップ」と言ってるんですけど、サウンド感と相まって新しい感じに仕上がったのかなと思ってます。「スクエア」とかは、もともと言葉遊びが好きで、面白いフレーズを散りばめつつも軸は東京のことを歌ってるということをやれたらなと。今後も面白いフレーズが散りばめられる楽曲が続いていきそうだなって予感があります。踊れたらいいし、楽しく歌えたらいいし、みたいなノリも大事にしてるので。いい具合の適当さみたいなものは使うようにしてます。
 
―大事ですよね。こういうダンスミュージックで、肩の力抜いた感じを残しておくのは。
 
そうですね。考えずに聴ける部分もほしいなと思っているので。ノリがあってすごくフワッとしてるけど、ちょっと刺さるというか。そういう歌詞を書き続けたいですね。この曲は今の僕とShin Sakiuraさんが混ざり合って、僕の中では100点な感じがしています(笑)。
 


Nenashiとのコラボレーション

―2曲目「Like This feat. Nenashi」、これもまた斬新な構成のすごくかっこいい曲ですよね。
 
Nenashiさんは、僕が「origamiの方と曲作ってみたいです」って言ってたら、「ShotaとNenashiプロデュースの曲を聴いてみたい」って日高さんからのアイデアをもらって。「Be(Vis ta Vie)」を聴かせてもらって「これやりたい!」ってなってオファーさせてもらいました。制作の打ち合わせのあと2曲デモをいただいていて、もう1個の方は音数少なめのR&Bよりな感じだったんですけど、「Like This」になった方のトラックは空気感や世界観もしっかりありながらすごくキラキラしててポップで、その段階でメロディも「なんじゃこりゃ」ってなってて。「こんなメロディライン浮かばない」って。
 


―これはリリックの綴り方も特殊ですよね。どういうところから発想を得ていったんですか?
 
メロディラインが独創的すぎたので、普通に日本語をはめるのではもったいないなと。テーマとしては、生きることに執着した歌詞を書きたいというか、不老不死への夢みたいな感覚で書きました。僕、「死にたくないな」って頻繁に思ってて。昔は「死ぬのやだな」って、寝られないくらい考えちゃう日もあったくらいで。でも真っ直ぐ「死にたくない」と歌詞にするのではなくて、「今をずっと味わってたい」とか「永遠にいたいな」みたいに輪郭をぼやっとさせながら書きました。今思い出したんですけど、これ、家族でお墓参りに行くときの車の中で書いてました。田舎の方にお墓があるので、車の窓から自然を見ながら。そうやって書き上げた僕のバースをお渡ししたあと、Nenashiさんから「何それ? 超えてくるのやめて」って思うようなハンパないリリックが返ってきて(笑)。核心をつかないけど伝わる、すごいバランスのリリックで、しかもフックのところもめちゃくちゃ考えてくれてて。
 
―Nenashiさんのリリックは英語だけど、Shotaさんが書いた日本語のリリックと韻や音節が絶妙に合ってるという。
 
そうなんですよね。最後のサビ前の掛け合いは2人で一緒にセッションしたときに書いたので、「一緒に作らせてもらったなあ」という感じがすごくしてて。今までソロで活動してたときは、トラックをもらって僕がリリックを書くという作業が多かったんですけど、今回一緒にブースに入ってセッションしてというしっかりした流れでやらせてもらえて、それがすごくいい形として出たかなというふうに思うので、「Like This feat. Nenashi」も僕の中では100点です(笑)。
 
―ははははは(笑)。いい制作ですね。
 
いやあ、楽しかったですね。これもかっこいい曲になりました。


Photo by Masato Moriyama, Hair and Make-up by Megumi Kuji (LUCK HAIR), Styling by Aile The Shota



今後も大きくは変わらない感情や考え方が、この3曲

―3曲目は、「me time -remix- feat. Aile The Shota」のサウンドプロデュースも手がけているhokutoさんと作った「特別」ですね。
 
「特別」は逆にリリックから書きました。この3曲の中で「特別」の歌詞が最初に書いたもので。「EPを作り始めよう」ってなったときに、しばらく歌詞が何も出てこなくて。僕は日常の美しさとか、日頃考えてることを歌いたいんですけど、オーディション直後は非日常感があったというか、たくさんの方に見てもらえている環境とかも今までとは全然違ったので。「今までと違いすぎる環境で歌詞書けない」ってなってるときに、この歌詞のまま、ちょっと飲んだ帰り道に終電で1駅乗り過ごしちゃって(笑)。


 
―リアルなんですね。
 
全部マジなんですよね。キンキンの水買って、タイプビート聴きながら30分くらいかけて歩いて帰ってて、ずっと口ずさみながらメモ帳にリリック書いて、「うわ、いいのできたわ」と同時に「これ絶対曲にしたいな」と思ってて。hokutoくんとの制作が始まってトラックをいただいたときに、「あれ? ハマるな」と。このテーマをhokutoくんのトラックで歌うのは、めちゃくちゃ今のリアルだし、Aile The Shotaの最初のEPに入れるにふさわしい歌詞だと思い完成させていきました。このRECのときは日高さんもhokutoくんもいてくださって、アットホームすぎる環境で(笑)。すごくあったかい制作だったので、あったかさみたいなものが楽曲の中にも残ったのかなと思ってます。僕、自分で聴いて泣く曲はこれですね。ちょっと疲れてるときとかにふと琴線に触れる力も持ってる曲だし、近くで鳴ってるいい意味でのBGMっぽく聴ける曲でもあるし。僕がAile The Shotaとしてやりたいアーティスト像と、この「特別」という楽曲が伝えていることはすごく近いと思います。寄り添って、気づかないくらいの支えみたいな存在でありつつも、困ったときに背中を押したり手を繋いで引っ張ってくれたりする存在になりたいなと思ってるタイミングでこの歌詞と楽曲ができました。
 
―この曲は何点ですか?
 
100点です!
 
―(笑)。Aile The Shotaとしてのリリックは、フィクションを書くよりも、自分の日常や心の中から出てくるものをリアルに書きたいという考えが強いですか。
 
Aile The Shotaになる前は恋愛してないときにラブソングを書いたりもしてたし、今後はフィクションでも歌詞を書いてみたいんですけど、Aile The Shotaの1発目はリアルを伝えたいタイミングで。「『THE FIRST』のSHOTAの中でもAile The Shotaに引き継いできたものはこれだよ」って、本質を見せることを大事にしたくて。ここは変に取り繕った歌詞を書くより、そのとき思ったことをそのまま書いた嘘のない3曲が絶対にハマると思ったんです。きっと今後も大きくは変わらない感情や考え方が、この3曲だなと思うので。
 
―Shotaさんは、いろんなシーンを軽やかに渡り歩く存在になっていくんじゃないかと思っているのですが、今後の音楽性は「いろんなことをやっていきそうだな」という感じがしていますか?
 
しますね。今制作中の作品はさっそくそうなる気がしているので(笑)。ダンスでいろんなジャンルに手をつけていたのもあって、大学時代はいろんなBPMやビートのものを聴いていたし。オートチューンの曲もすごく好きで、以前はオートチューンで曲をいっぱい作ってたし。フィーチャリングも大好きなので、いろんな人とやってみたいし。でも大事にしたいのはメロディライン。もう、作りたい曲はいっぱいあって、それに歌詞が追いつくかなって感じです(笑)。歌詞が書けない状態にはなりたくないので、いい日常を送り続けることを大事にしたいです。楽しいことをやってないとなって。その中でも、家族と、昔からの友達との時間を僕は一番大事にしているので、Aile The Shotaを維持するために必要なのは家族と友達だなと思ってます。

●「Rolling Stone Japan vol.18」の予約はこちらから


『AINNOCENCE』
Aile The Shota
配信・販売中

https://bmsgv.lnk.to/AINNOCENCE


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