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ツタロックフェス2022:マカロニえんぴつは奏でる、絶望を打ち消すための曲を

Rolling Stone Japan / 2022年3月20日 14時40分

マカロニえんぴつ(Photo by Masanori Fujikawa)

本日3月20日、幕張メッセ国際展示場9・10・11ホールで開催中のツタロックフェス2022。マカロニえんぴつのクイックレポートをお届け。

【写真を見る】マカロニえんぴつのステージ(記事未掲載カットあり)

MY FIRST STORYの後にステージを託されたのは、リハーサル中からオーディエンスと会話し、ステージの上も下も関係なくミュージシャンとオーディエンスは「人対人」であるのだ、という姿勢を体現していたマカロニえんぴつ。1月にアルバム『ハッピーエンドへの期待は』をリリースし、全国ツアー『マカロックツアーvol.13 ~あっという間の10周年☆変わらずあなたと鳴らし廻り!篇~』をまわっている真っ最中に、ここ幕張メッセに立ち寄ってくれた。ツアーも終盤に差し掛かっていて、いわばライブバンドとして脂が乗った状態で、「なんでもないよ、」「ブルーベリー・ナイツ」、DISH//への提供曲「僕らが強く。」など人気曲たちを惜しみなく披露してくれる贅沢な時間となった。

リハーサルを終えてしばらくした後、ビートルズ「Hey Bulldog」のオープニングSEが流れる中、赤く照らされたステージに再び登場。1曲目に演奏したのは「洗濯機と君とラヂオ」。「待ってたか、ツタロックー!」「そんなもんですか、幕張メッセ!」と曲中で煽りオーディエンスのボルテージをさらに上げていく。


Photo by Masanori Fujikawa

2曲目「はしりがき」で”ただ無駄を愛すのだ!”とはっとり(Vo,Gt)が歌い放つ中、1万2000人ものオーディエンスがレインボー色に照らされたステージへと手のひらをかざす光景は、とても美しかった。それぞれが様々な規制のある日々を過ごしている上に、ライブや音楽が「不要不急なもの」とされた時代に、だだっ広い会場で音楽を愛する者たちがその言葉に手を伸ばす景色が、とても切実なものであり希望を掴もうとしているように見えたのだ。

続いて演奏したのは「なんでもないよ、」。ステージ本編で最初に歌った一行は”最低限の生活には 洗濯機と君とラヂオ”であったが、マカロニえんぴつがそう歌った5年前から、バンドを取り巻く状況は大きく変わっていても、ひとりの平凡な生活者として歌を届け続ける姿勢はまったく変わっていないことを感じさせられる。

最後のMCで、はっとりはこう語った――「信じたり祈ったりすることしかできないかもしれないけど、それだけできれば、みんなが一個ずつ信じれば、消せない絶望はないような気がしています。『音楽の力』なんてたいそれたことをこの俺が言うつもりはないけれど、音楽には力があります。それは事実です。音楽の力を信じるんじゃない、音楽が持ってる力に頼るんだと、そう思います。絶望を打ち消すための曲をみんなと一緒に歌いたいです。マカロニえんぴつという音楽でした」。そして演奏したのは「ヤングアダルト」。音楽がそばにあればどんなことも乗り越えていける、何の根拠もなくそう信じていた頃の気持ちを思い出させてくれる。グッドミュージックをありがとう、そしてこれからも届けてください、マカロニえんぴつ。


SET LIST

M1. 洗濯機と君とラヂオ
M2. はしりがき
M3. なんでもないよ、
M4. 好きだった(はずだった)
M5. ブルーベリー・ナイツ
M6. 僕らが強く。
M7. ヤングアダルト

※「ツタロックフェス2022」クイックレポート一覧はこちら


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