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極悪ポルノ男優、審理前に「支離滅裂な言動」で精神鑑定へ 米ロサンゼルス

Rolling Stone Japan / 2022年3月22日 6時45分

2021年12月1日、米カリフォルニア州ロサンゼルスで法廷に姿を現したロン・ジェレミー・ハイアット被告(Photo by Michael Buckner for Rolling Stone)

30件以上の性的暴行罪で告発・起訴され拘留中の米ポルノ俳優、ロン・ジェレミー被告の裁判が、現地時間17日に延期が発表された。重要な審理を前にして、被告が明らかに支離滅裂な言動で、自らの弁護士を認識することができなかったためだ。

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「同氏が拘束されている監房に入って関心を引こうとしましたが、うまくいきませんでした」と、弁護側弁護士のスチュワート・ゴールドファーブ氏は法廷で語った。21人の被害者が絡む痛ましい裁判で、この日は重要な審理となるはずだった。「彼は私が何者か判断できませんでした。また私と廷吏が車いすに座らせて出廷させようとしましたが、それにも応じませんでした。このような状況では、無理やり出廷させるべきではないと思います」

ロサンゼルス裁判所のジョージ・ロメリ判事は、廷吏もジェレミーが「支離滅裂」で「命令に従わなかった」と発言したと述べた後、裁判の延期を言い渡した。判事は4月1日に法定精神鑑定を行い、4月19日から刑事裁判を継続すると述べた。「願わくば」この日までに「法的能力の問題に関して双方の精神科医が鑑定を終え」、状況が明白になっているだろう、とロメリ判事は述べた。

ジェレミー被告(本名:ロナルド・ジェレミー・ハイアット)は、21人の原告証人に対する34件の性的暴行容疑で昨年8月に起訴された。古くは1996年にまでさかのぼる起訴内容には十数件の強制暴行が含まれ、被害者の年齢は15歳から51歳にわたる。被告は無罪を主張していた。

裁判資料によれば、ジェレミー被告はポルノ業界の憎めないベテランという立場を利用して女性を油断させ、犯行に及んでいたという。暴行容疑の多くは、ウェストハリウッドの飲食施設Rainbow Bar & Grillで行われていたと言われている。ジェレミー被告はここの常連で、VIPとして従業員エリアを自由に出入りしていた。

17日の審理は、裁判を21件の起訴内容ごとに分割するというジェレミー被告の要請を中心に行われるはずだった。「ハイアット氏の陪審に数十件もの不適切行為の主張を聞かせれば、陪審員はそれぞれの訴因について公平な判断を下すことができず、正しく立証責任を果たすことができなくなる」と、分割裁判を要請する被告側の申し立てには書かれている。

検察側はこの申し立てに反対し、起訴内容の犯罪等級はいずれも同じで、「共通の策謀でつながっている」と述べた。すなわち、分割裁判のいずれかで採用された証拠を別の裁判で採用することも可能で、証人が重複するケースもあり、裁判の時間と労力を無駄にすることになる。検察側は、21人の匿名原告のうち8人はいずれもRainbow Bar & Grillで「同様の手口で」襲われた、と主張している。

「陪審員や裁判の時間よりも重要なことは、性的暴行の被害者に何度も証言させることによりトラウマが再発する可能性がある点です」。ローリングストーン誌が入手した検察の反対陳述で、マレーネ・マルティネス地方検事補はこのように主張した。

「21件すべてにおいて、被告人は脆弱で抵抗できない被害者を標的にしていました。女性を隔離したのがトイレであれ、寝室であれ、友人宅であれ、駐車場であれ、あるいは不意打ちで身動きできなくしたにせよ、被告は性的暴行を働いている間、女性たちに抵抗する隙を与えませんでした」と、反対陳述には書かれている。「裁判にかかる時間、陪審の時間、被害者や証人の時間を実質的に無駄にしない唯一の方法は、合同裁判です」

17日、判事はジェレミー被告の精神鑑定が出るまで審理の継続や裁定は行わないと述べた。

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