Novel CoreとAile The Shotaが語る、二人が共有してきた「嬉し涙」の意味
Rolling Stone Japan / 2022年4月17日 21時0分
左からAile The Shota, Novel Core(Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core)
この曲に救われる人がきっとたくさんいるだろう。4月6日にリリースされた、Novel CoreとAile The Shotaのコラボ曲「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」。Novel Coreのラッパーとしての新たな表情と、R&BからJ-POPへと流れる歌唱が美しいAile The Shotaの声が混ざり合い、チャーチーな要素を含んだトラックの上でラップと歌をスムーズに行き来する神聖な曲が誕生した。
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「Rolling Stone Japan vol.18」でAile The Shotaが、Novel Coreに対するリスペクトと出会えた喜びをポロっと語っていたのだが、まさかここまで深淵なものだったとは。二人は互いに自分の人生において「求めていた人」と言い切るほど、尊い友情と愛情で繋がっている。
「HAPPY TEARS」=嬉し涙をテーマにコラボ曲を作り始めるまでの二人の心情や関係を深めていった重なり、Novel Coreの1stアルバム『A GREAT FOOL』に収録されている「THANKS, ALL MY TEARS」からの連なり、曲に込めた細かなこだわりなどを語ってくれたロングインタビュー。リリース当日に、あふれんばかりの笑顔で繰り広げてくれた二人の会話のすべてをお届けする。
―この曲ができた経緯を丁寧に聞いていけたらと思うのですが、まず、出発点はどこだったんですか? 「二人で曲作ろう」から始まったのか、それとも、Coreさんが「こういう曲を作りたい。だからShotaさんを誘おう」という順番だったのかでいうと……。
Novel Core:実は昨年の段階で、『A GREAT FOOL』(昨年12月にリリースされた、Novel Coreのメジャー1stアルバム)に入ってもらおうと思ってて。
―おお、そうだったんですね。
Novel Core:ただ、一瞬頭によぎったのは、そのタイミングでやると「BMSG(二人が所属する、SKY-HI主宰の事務所)アーティストのコラボ」というトピックだけで終わってしまうんじゃないかということで。Shotaと曲をやるんだったら、それ以上に深いところを見せたいから。Shotaとはそれぞれの人生で感じてきたことが近くて、互いの人生の理解者という感じがすごくあって。友達として、理解者として、一緒に曲をやりたかったので、お互いがソロアーティストとして唯一無二のフィールドを築いてからやりたいよねという話になって、このタイミングでオファーをさせてもらいました。
Aile The Shota:「一緒にやりたいね」って、ずっと言ってたよね。
Novel Core:ずっと言ってた(笑)。「こんなのやりたい」って曲を聴かせ合ったり。
―二人でやるならどういうことを歌いたいと考えてこの曲ができたのか、ぜひ詳しく聞かせてください。「理解者」という言葉もありましたけど、どういうところを理解し合っていると感じますか?
Novel Core:たとえば「友達ができなくて困ってます」みたいな悩みって、特に学生時代だと多いと思うんですけど。「友達ができるようによく見せよう」とか「いい人であろう」みたいなことを変に意識して生きるよりも、自分に素直に、ありのままで生きていった結果、その自分に近づいてきてくれて、好いてくれて、評価してくれた人と友達になることの素晴らしさを歌いたかったというか。僕たちも、遠慮し合って仲良くなっていったとかではなく、お互いが本当に思ってることやマインドが似ていたんだよね。お互いに自分の人生の中に、なんか、こう……。
Aile The Shota:求めていた人。
Novel Core:そう、求めていたパーツみたいな。
Aile The Shota:うん、そんな感じがした。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
Novel Core:出会ったときから、抜けていたピースがすごくハマった感覚があって。心置きなくしゃべれて、自分の弱いところも強いところもさらけ出せる友達って、そんなにいなかったかもなと思って。でもそういう友達を作るためになにかをしてきたわけではなくて、もがいて生きていたら、理解してくれる友達が横にいたという感じだったので。そういう奇跡はやっぱり歌にしたいよねって。
Aile The Shota:Coreみたいな関係値の人と音楽を一緒にやれたらいいな、っていうのは僕の中でずっとあって。モチベーションも目指してるものも近い状態で作品を作ることができたら、高い満足度を得られるだろうなって。「その人に出会えた」みたいなことを僕はCoreに感じていました。それは、(「THE FIRST」の)合宿で話したときからかもしれない。
Novel Core:初めて合宿に行ったとき、最初に話しかけにきてくれたのがShotaだったんですよ。ロビーでね。当時、みんなからしたら、先に事務所にいて、BMSGのTシャツ着て、ごっついチェーンして、髪赤いし……あんなんさ、怖いやん?
Aile The Shota:あのときすっごい赤だったねー!(笑)
Novel Core:すごい赤だったもんね!(笑) でもShotaが俺のところに来てくれて、共通の知り合いの話をしたり、当時Shotaが別の名義で出していた曲をSpotifyで聴かせてくれたりして。
Aile The Shota:「曲あるの?」って聞いてくれたんだよね。その場で流して聴いてくれて。僕はオーディションを受ける以前から、音楽の現場とかで挨拶しにいって繋がりを作っていく瞬間が好きで。だから話しかけたくてしょうがなくて(笑)。あの瞬間から同じ場所で音楽を作ることが見えていた感じはあるかもしれない。
Novel CoreとAile The Shotaの出会い
—その日から、二人はどんな会話をしてきたんですか? そこまで互いを特別に感じたのは、どういう話をして、どういうことを共有し合ったからなのでしょう。
Novel Core:ちょうどShotaが「THE FIRST」が終わって、BE:FIRSTがデビューする時期に、一緒にいる時間が長くて。ソロアーティストだから似た悩みを持っていたというか。僕はBMSGで「THE FIRST」がビッグプロジェクトになっている中、ちゃんと「Novel Core」としてプレゼンスを示していくために頑張らなきゃという想いがあったし、ShotaはShotaで「THE FIRST」に出ていたSHOTAくんから「Aile The Shota」になってアーティストとしての存在感を示していくところで色々悩むというか。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
Aile The Shota:そうだね。デビュー曲の「AURORA TOKIO」を作り上げられるまでは「ここからどうやって音楽をやっていこうかな」ということを色々考えていて。そのときにちょうど、BE:FIRSTの「First Step」を一緒に作ることになって。あれもね、本当に偶然というか。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
Novel Core:偶然だよね。最初は☆Taku TakahashiさんとShotaでやることが決まっていて、「Shotaだからこそ知ってるBE:FIRSTのメンバーのこともあるし、きっといい曲になるだろうな」みたいな話をしていて。ちょうど、そのセッションの前日にShotaが僕の「WAGAMAMA MONDAIJI」のミックスチェックに遊びに来てくれて、そこで楽しくなっちゃって……。
Aile The Shota:「来ちゃえば?」みたいな(笑)。
Novel Core:「いいのー?」みたいな(笑)。遊びに行ったら、結果的に三人でコライトし始めたっていう。
Aile The Shota:あの時間は大きかった。緊張もしていた中で、Coreがすごく近くにいてくれて、一緒に書いてくれたっていう、あの時間がCoreとの関係を深めてくれた気がする。
Novel Core:余談ですけど、Shotaが誕生日プレゼントとして「HAPPY TEARS」のMV撮影前日にこのネックレスをくれたんですよ。「WAGAMAMA MONDAIJI」のミックス作業に遊びにきてもらって、次の日に「First Step」を作って、という流れがあったので、「WAGAMAMA MONDAIJI」っぽいパールをプレゼントしてくれて。
Aile The Shota:そしたら、僕の誕生日に今度はCoreがネックレスをくれて。いろんな由来があるんだよね。
Novel Core:そう。馬の蹄鉄のデザインなんですけど、蹄鉄って、打ち付けるときに使う釘の本数が7本なのと、馬自体が昔から魔除けや幸福の象徴として使われることが多くて。馬の蹄鉄のデザインはBMSGの守り神的なShotaにすごくぴったりだなと思って。渡したら、今日つけてくれてる(笑)。
Aile The Shota:めっちゃかわいい(笑)。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
「頑張れ」よりも「頑張ろう」って言ってもらえた感覚になるものを(Novel Core)
Aile The Shota:あと、Coreと深くなったきっかけは一緒に涙流したときかも。泣く思い出が多い(笑)。
Novel Core:ああ、そうだね! Shotaと二人でBMSGの事務所に集まって、5~6時間くらい、二人で最近聴いてるものとか好きなものを見せ合ったんです。俺はもともとオーケストラが好きなのでオーケストラのコンサート映像をShotaに見せたり、ShotaはShotaでおすすめの曲を教えてくれたり。「当時の自分にとってはこれがかっこよかったんだよね」って見せたものに、Shotaが泣いてくれたんですよ。二人で、ライブ映像とかを見ながらワンワン泣いてた。
Aile The Shota:涙流したよね。やっぱりそれが大きいよね。
Novel Core:なににかっこいいと思うか、なにを美しいと思うか、その価値観が近かったんだろうね。
Aile The Shota:同じ場面で涙を流すということは、すごく近いんだなって感じた。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
Novel Core:結局それが今回の曲のコンセプトワードを「嬉し涙にしよう」にしたきっかけでもあるんですけど。今年になって、曲を作ろうという話がちゃんと動き出したときに、Shotaがインスタライブをやってて、俺は普通に見に行ってコメントしてたんです。そのときにShotaがポロッと言ったのが「Coreといるといっぱい泣いてるけど、全部嬉し涙なんだよなあ」ってことで。俺は画面越しでその言葉を聞いて、「これじゃん」って(笑)。
Aile The Shota:その言葉は、自分で言ってゾワッとくる感じもあったくらい、ハッとした。
Novel Core:それで曲を作るセッションで、俺が「Shotaがあのときに言った言葉がさ」って俺のメモ帳を見せたら、Shotaも自分で言っておきながらメモってて。
―うわー! すごい。
Aile The Shota:これは大事ななにかだ、と思いましたね。
Novel Core:そこから「これから流していく涙も、今まで流してきた涙も、一緒に嬉し涙にしていこう」みたいなテーマになりましたね。曲を聴いた人たちが「頑張れ」って言われている感覚になるよりも「頑張ろう」って言ってもらえた感覚になるものを目指したいから、「嬉し涙にしよう」って絶妙なワードだよね、という話をして。自分に言い聞かせているようにも聞こえるし、みんなに対して「嬉し涙にしてこうね」って言ってるようにも聞こえるし。
Aile The Shota:優しさがある言い回しだよね。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
Novel Core:でも”仲間の歌で涙にじむ夜 AURORAがかかるTOKIO”という歌詞は先行してあったんです。僕が「どうしてもそのフレーズを歌詞に入れたい」という話をShotaにして。
Aile The Shota:そうそう。「こんな曲やりたいよね」ってリファレンスをもらったときにその歌詞をくれて。「俺これでバース締めるから」って。そりゃもう「こっちもいいの書くわ!」ってなりました(笑)。
「それがあったから出会えたんだもんな」というところに着地できたのはShotaのおかげ(Novel Core)
―いろんな偶然の重なりや導きに、私も鳥肌が立ってます(笑)。てっきりCoreさんの「THANKS, ALL MY TEARS」の次を作ろうというコンセプトがもともとあって、この曲ができたのかなと思っていたんですよね。
Novel Core:きれいにハモったという感じですね。今回アートワークを『A GREAT FOOL』のジャケットと同じ配色にしていたり、前作は俺が涙を流してるジャケットで今回は涙を流してるひよこにしていたり、共通点を作っているのもその理由の1つで。前作のアルバムは、一人の人間として21年間生きる中で感じていた独りぼっち感とか、自分という存在からは絶対に逃げることができないやましさに悩んでいたこととかと、真正面から向き合って作ったアルバムだったんです。その孤独と向き合ったおかげで、今仲間と一緒に曲を作れていること、それを単純に「音楽最高だね」というテンションで迎え入れてくれるチームがあること、こうやって取材してくださる媒体さんがあること……すごいことじゃない?
Aile The Shota:本当にすごい。
Novel Core:その変化を歌いたくて。「THANKS, ALL MY TEARS」は「今まで流してきたすべての涙にありがとうって言えるようになりたいよね」という曲だったのに対して、「言えるようになったよ」というアンサーを返したかったというか。そのアンサーをするために、僕の人生にとってはShotaというピースが欠かせなかった。孤独から脱するキーでもあり、孤独だった時代を愛せるキーでもあり、「それがあったから出会えたんだもんな」というところに着地できたのはShotaのおかげ。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
Aile The Shota:『A GREAT FOOL』を作ってるときに近くにいたのも大きいよね。ミックスに立ち会ったり、「こういう曲作ったんだよね」「こういうビデオ作りたいんだよね」みたいな話とか、Coreの心の赤裸々なところまでを聞いていたから。どういう気持ちで曲を作っているのか、どうやって音楽と向き合っているのかを、直接Coreから聞いていたから距離が縮まって「HAPPY TEARS」が書けたんだと思う。この曲ができたことで、僕にとってもひとつ達成したというか、報われたと感じましたね。この曲を作れたことは僕の人生、アーティスト人生、どちらにおいてもすごく大切な瞬間だったと思います。
―Shotaさんにとっては、どういう「報い」があったと感じますか。
Aile The Shota:同じ気持ちで、同じBMSGという家の中で、こんなに近い距離の仲間とどこまでも届く可能性を持つ曲を作れたことで、仲間と一緒に音楽を作ることを大事にしている僕としては「この方向性は間違ってなかったんだな」と思えました。音楽との向き合い方を肯定してくれる曲だなと。楽曲制作において、心が通っているからこそ作れるものがあるということを、僕は大事にしたいので。
Novel Core:間違いない! 「HAPPY TEARS」をリリースして思ったことは、大好きな友達と、自分たちの人生のことをただありのまま歌って、俺たち自身が楽しんで、自分たちが救われるためや幸せになるために音楽を作った結果、それが名前も顔も知らないどこかの誰かの人生のなにかになったりする現象って、音楽の成り立ちとしてはすごく自然なことだし当たり前なことのはずだけど、今のこの時代、一番難しいことというか。
Aile The Shota:正直に作った結果、というのがどうしても難しかったりするよね。
Novel Core:音楽にも必ず権利がつきまとうし、利益が生まれる以上ビジネスにもなるし。商業としての「音楽」が昔よりも強くなった今、やりたいことをやるって、文字面以上にまじですごいこと。革命だと思う。
Aile The Shota:すごいよね。信じられないなって思う。だから「すごいことをやらせてもらえてるな」っていうのがずっとある。
Novel Core:純度100%の音楽を作ったからこそ、人に刺さる部分があると思うし。それを感じられたことが一番の収穫。究極の自己満足が誰かのなにかになっていることが美しいよね。
「報われる」って言いたい(Aile The Shota)
―”嬉し涙にしよう”というラインの話もそうですけど、リリックも全部綺麗事抜きでリアルなのがグサッとくるなと思います。Coreさんの”必ず報われるってのは嘘”とかも。
Aile The Shota:それって、言えないことだったりしますよね。
Novel Core:そう、言えないことなんだよね。ショッキングじゃないですか、正直。
Aile The Shota:こうやって表現してる人間としては言いにくい言葉。「報われる」って言いたい。
Novel Core:そう! 俺たちの人生やステージに立ってる姿を見て、どうにか自分と重ねようとしてくれていたり、つらいことがあったときに俺たちの存在を命綱にしてくれている人たちがいるかもしれない中で、その人たちに「ごめん、正直、報われるとは限らないぜ」と言うのは結構酷なことで。ただ、今まで人生の中で報われなかったことはいっぱいあるし、そこは嘘つけないけど、「生きていたらなんとかなるということは確実に言い切れるわ」ということだけはハッキリ言いたかった。「明日はいい日になる」とかではなく、「明日以降にならないと今日がなんのためにあったのかなんてわからないから、とりあえず今日だけ踏ん張って生きていってくれないかな」という願いを込めた曲ですね。それを言い続けていくしかないと思っています。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
―トラック制作について、サウンドプロデュースに名が入っているMatt Cabさんとはどういったやりとりがありましたか?
Novel Core:Shotaと1曲目を作る、しかも、ただひたすら真っ直ぐ「大好きな友達と大好きな音楽をする」ということ以外に決まり事がない状況に対して、Matt Cabさんがぴったりだなと思って。明るい曲だけど、決して根明ではない感じにしたいというか。
Aile The Shota:ただハッピーで終わらないっていう。
Novel Core:そうそう。ライブでも、すごく楽しいんだけど、お客さんがほろっと涙が出るような空気感の曲にしたいという話をしていて。あと、最初から俺が「バースで区切るということをやりたくない」ってずっと言ってて。
Aile The Shota:1番、2番で歌い分けるのではなくて。
Novel Core:たとえば俺がバースを歌ってShotaがサビを歌うとかでもないし、混ざりたいなと。その延長線上で、曲のビートができあがってきた段階で「歌い出しはShotaだ」ということが明確に頭の中にあって。普通、フィーチャリング曲だと、自分が歌い出しで、あとからゲストが入ってきて、サビを自分が歌う、みたいなことが多いと思うんですけど、フィーチャリングよりも共作という感覚が強かったのと、楽曲がよりよくなるためにはShotaが歌い出す必要が絶対にあったのでShotaにお願いしました。
―そこまで明確に思ったのは、どういう理由だったんだと思いますか?
Novel Core:今の自分になれたきっかけがShotaなので、今の自分として僕が曲の中に登場するには、先にShotaに歌ってもらう必要があるというか。Shotaからバトンを受けないと、今の自分としてバースに入れないというイメージがあったんですよね。Shotaがいたからこその今の俺だよね、ということを音楽的にちゃんと表現したかったです。
Aile The Shota:「Coreに出会った」というインパクトを頭の音で表現することで、パンって開く瞬間とか新しいスタート感を出せたよね。
こだわったのは、最後のピアノ(Novel Core)
Novel Core:あと、Shotaの2バース目の最後の”今日に花束を”のメロディ、やばいじゃないですか。
―名ライン!
Novel Core:あれ、もともとShotaがサビのメロディとして出してくれたもので。それをMattさんが「これプリフックのところに持ってきたらやばそう」って言って、ずらしたら、まじでハマるっていうね。「なんじゃこりゃ!?」って(笑)。
Aile The Shota:あれ、Mattさんパワーだよね。Mattさんが助けてくれたところもめちゃくちゃあるよね。
Novel Core:本当に助けてくれたよ。歌い方も、わりと今までやってこなかったラップの歌唱法で。エッジの効いたものか、もしくは歌ものっぽいものだったけど、こういったどちらかというとブラックミュージックに起因するようなラップの仕方はしてこなかったので。チャーチーな感じにしたかったんですよね。
Aile The Shota:「このピアノのリフがいい」ということも、ずっと言ってたね。
Novel Core:そう。跳ねてるピアノがほしいという話は最初にして、さらにブラスの音もほしくて。頭の中にあったのが、そういう雰囲気だったんですよね。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
—「祈り」みたいなものを込めたい、という感覚ですか?
Novel Core:そうですね。あと、始まり感というか。僕にとってアルバムの「PERIOD.」で第一章が終わっていて、アルバムの最後に入れた「THANKS, ALL MY TEARS」は第二章のイントロという感じで、「HAPPY TEARS」がイントロからの1曲目というイメージだったので。「PERIOD.」までに戦ってきたいろんな感情を捨てることなく、それらを背負った上で「今こう歌えるよ」というのを見せたかったんです。だからチャーチーな雰囲気というか、教会音楽っぽいテンションがほしかった。最後のピアノも、死ぬほどこだわりました(笑)。
Aile The Shota:こだわってたね(笑)。
Novel Core:もともと最後のアウトロのピアノはなくて、”Alright…”で終わるようにMattさんも組んでくださっていたんですけど、俺がどうしても最後にピアノがほしくて。
Aile The Shota:でも見えていたものは近いから「絶対そうだね」ってなって。
Novel Core:そのまま頭に戻れるような繋がりがほしかったというか。ピアノが最後2小節に入ることで曲の頭からまた繰り返せるような、リフレインできる雰囲気がこの曲には必要な気がしていて。完結しないでほしかったんですよ。
Aike The Shota:そうだね。1回聴いて終わる曲という感じじゃなかったから。
Novel Core:始まりの曲だし、ここでなにかが終わるわけではない、というか、むしろ始まったところだから。
—イントロ、1曲目ときて、このストーリーには続きがあるわけですもんね。
Novel Core:「まだあるの?」って思わせられるなにかがほしかったから、そこはすごくこだわりましたね。
二人が伝えたいメッセージ
—今日CoreさんがInstagramのストーリーズに「今の時代に必要な歌」だという言葉を書かれていましたけど、今がどういう時代だというふうにお二人は捉えていて、だからこそこの曲がどう届けばいいなと思っているかを、最後に聞かせていただけますか。
Aile The Shota:僕は、過去がフォーカスされることが多いなと思っていて。その人の過去がなにかになってしまうシーンがよくあって、それはあまり好きじゃないというか、幸せなことではないなと思うので、「どんな過去も嬉し涙にしよう」というメッセージを広く届けたいですね。過去との向き合い方について、この曲が伝えられることがきっとあると思うので。そこが届いて、ちょっとなにかが変われば嬉しいなあと。
Novel Core:俺は、2つあって。1個は、テレビやSNSでは胸が苦しくなるような出来事が連日報道されているけど、僕はそこでフォーカスされないようなテーマも大事にしたくて。たとえば、国際間での紛争やたくさんの犠牲を伴うクーデター、それらはこの国で生きていると対岸の火事に感じるかもしれない。でも、匿名で人のことをぶっ刺す通り魔は日本にもたくさんいるわけで、ミサイルこそ飛んでこないけど、本当にこの国は平和なの?って思うときがある。みんなそれぞれすごく危険に晒されてると思うし、みんな独りぼっちだし。「みんな同じ人間だよね」「手を取り合うべきじゃない?」という想いがこの曲に必要だったメッセージの1つ目です。もう1個は、Shotaが話してくれたんですけど、過去は美しいけど絶対に変えられないじゃないですか。で、未来は自由だけど予測できないじゃないですか。だから結局「自分次第でどうとでもできる今が一番劇的だ」というメッセージを、今までも歌いたくて音楽を作ってきたし、それをこの曲では最大限に引き出せたと思っています。過去も未来も素晴らしいけど、今が一番素晴らしい時間だよ、ということを歌いたかったですね。
—ちなみに「Brave Generation -BMSG United Remix-」(SKY-HI、Novel Core、Aile The Shota、edhiii boi)からの繋がりや影響が「HAPPY TEARS」にあったりしますか?
Novel Core:また違う感じがするよね。ただ、歌ってることの根本は一緒だから。
Aile The Shora:そうだよね。人生を正直に投影するっていう。
Novel Core:その世代に対するメッセージも根本は同じというか。「みんな独りぼっちだよね」「でも全員が独りぼっちだと思ってるとしたら全員同じ場所にいるよね」というメッセージは、「Brave Generation(BMSG United Remix)」の自分のバースでも歌ってるし。歌ってることの根本は一緒で、いろんな伝え方でいろんな人へ届くように歌い続けたいなと思います。
Aile The Shota:ネガティブもポジティブも感じている自分の考えの根っこは一緒で。”閉ざして もがいて 研ぎ澄ました感覚の先端で描きだすは夢色”(「Brave Generation(BMSG United Remix)」)と歌っているように、「ネガティブがあるからこそのポジティブ」という感覚は共通しているかなと思います。言い回しは違うけど、向き合い方は共通していますね。
Novel Core:うん、そう思います。
Photo by Maho Korogi, Hair and Make-up by Asami Harano Styling by Aile The Shota, Novel Core
<INFORMATION>
「HAPPY TEARS feat. Aile The Shota」
NovelCore
B-ME
配信中
https://novelcore.lnk.to/HAPPYTEARS
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