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3Dデジタル空間と現実世界をつなげる「モバイルメタバース」とは?

Rolling Stone Japan / 2022年4月18日 17時30分

some·placeのメタバース

ウォレット、マーケットプレイス、Discordのようなプラットフォームなどなど。NFTの世界に入るのって、正直ハードルが高いと思っている人は多い。そんな中、スマホからメタバースのスペースに入ってNFTを楽しめる、some·place(サムプレイス)というモバイルメタバースが登場した。今年の国際女性デー、3月8日に最初のNFTをミントしたsome·placeは、3Dデジタル空間と現実世界をつなげた、Web3.0時代の新たな人のつながりを目標としているという。ファウンダー/CEOのラナ・ホプキンスに話を聞いた。

【写真を見る】some·placeのメタバース他

手のひらから気軽に入れる、新しいメタバースの世界

ーラナのバックグラウンドから聞きたいのですが、NFTの世界に入る前は何をやっていたのですか?

ラナ 2014年に初のデジタルツインコンピューティング、3DのWebGLを使って、オンデマンドでカスタマイズできるアクセサリー・ブランドを設立しました。私は常にWeb3.0の可能性を信じて情熱を持っていたので、メタバースとWeb3.0時代の経済に興味を持つことになり、それがsome·placeのローンチにつながっていったのです。

ーすでにNFTやメタバースが存在する中で、some·placeではどのようなものを作ろうと思いましたか?

ラナ 私たちが信じているのは、Web3.0とその可能性が、私たちの働き方、稼ぎ方、消費の仕方だけではなく、私たちが人生をどのように生きて、計画して、進めていくのかという基本的なやり方すら変えてしまうような可能性です。some·placeでは、多様な人たちの誰もが、特に女性たちが、もっと気軽にこの新しい可能性の領域に参加できる機会を作りたいと思いました。

ースマホでメタバースの世界に入れるという発想も面白いのですが、some·placeの特別なところは?

ラナ 手のひらからデジタル・カルチャーにアクセスできるのは、some·placeの特別なところになりますね。some·placeでは自分のアバターを選んで、自分のスペースを作れます。some·placeでは今後いろいろとリリースをしていくので、いろんなNFTコレクションを集められます。それで、そのコレクションが自分にとって特別なものになったら、それを他の人にも見せて共有したいですよね。そこで自分のスペースに来てもらいたいと思うわけです。ちなみに、自分のコレクションは、ARのコンポーネントを使って、自分の部屋に飾ることも可能です。そういう風に、直感的にメタバースの世界に入れるから、同じような考え方の人たちとの出会いも生まれるし、それがコミュニティになって、コミュニティが大きくなれば、スペース内でイベントやファッションショーが行われるようになって、それに参加することもできるわけです。いろいろな方法でつながりが生まれやすいし、3Dデジタル空間でも、ARを使えば現実世界でも、リアルタイムで自分のアイデンティティを表現できるのです。他とは全く異なるマーケットプレイス、アクティベーション、パブリックスペースがあるので、自分にとって重要なものをすべてキュレートして共有することが可能になります。some·placeのミッションは、すべての人がより公平なデジタル体験を構築できるようにすること。そのためにはどうしたら良いのか? 境界線を壊していくしかないですよね。テクノロジー、カルチャー、直感的なユーザーエクスペリエンスを組み合わせることで、あらゆる人がリーチできるものにしていきたいと考えています。

ー最初のNFTとなった第1弾アーティスト・コラボレーションはどのようなものですか?

ラナ 国際女性デーの3月8日にNFTをミントしたのですが、女性アーティストをフィーチャーした「The Potion」というコレクションになります。第1弾ではアンバー・ヴィットリア、シャンテル・マーティンの二人とコラボレーションをしました。The Potionはランダムに生成された3000本のユニークなボトルで、AR機能を備えた最初の3D NFTになります。


第1弾アーティスト・コラボレーションの一人、アンバー・ヴィットリア




もう一人の第1弾アーティスト・コラボレーション、シャンテル・マーティン



距離が離れていても、自由に人と人がつながれるような場所

ーsome·placeのベータ版を見ると、ギャラリーのようなスペースがあって、他のNFTプロジェクトの作品も展示されていますね。

ラナ 同じような考え方を持ったプロジェクトとはコラボレーションをしていく予定です。今後は、some·placeのスペース内を歩いた時に、あるプロジェクトのギャラリーの隣りにまた違うプロジェクトのギャラリーが出来ていたり、いろいろなギャラリーやスペースが増えていったりして、そこを自由に行き来できるようになります。

ーそういうギャラリーの外にプールがあって、みんながそこでカクテルを飲んで談笑しているイメージも良かったです。

ラナ 距離が離れている人たち同士でも、現実世界と同じように交流できるようにしたいからです。

ーしかも、ギャラリーの外の通りのイメージは日本の街並みになっていましたね。

ラナ 日本が大好きなので、日本の通りをイメージしたものを作りました(笑)。

ーsome·placeのゴールは?

ラナ メタバースの境界線を取り壊して、誰もが自由な体験をできるようにすること。デジタル・カルチャーを楽しめるスペースを、手のひらで楽しめるものにしたいんです。高価なマシーンを購入する必要もないし、普通の日常生活を送っている人たちも気軽に訪れるような場所にしたい。some·placeを私たちの未来の一部にしていきたいし、その未来を、現実世界とデジタル世界の両方に感謝と喜びの気持ちを感じられるものにしていきたいんです。私たちが作りたいのはハッピーでヘルシーでポジティブな世界で、より多くの人が参加できるようなもの。だから、特定の人だけに向けたものではありません。私たちが特に目指したいことは二つあって。例えば、東京とLAとでは遠く離れていますが、そういう地理的な距離感を感じさせないこと。たとえ離れたところにいても友達になれるし、同じ場所にいなくてもお互いに会うことができるからです。もう一つには、異なるバックグラウンドを持った人たちが出会えること。今までは家が近所だったり、同じ学校に通っていたり、仕事が一緒だったりする人が主な知り合いでした。Web2.0の時代になって、FacebookやInstagramでもつながりが生まれましたが、これからは同じような考え方を持った人たちとの出会いがもっと容易に増えることになります。私自身、現実世界で出会っていなくても、Web3.0で知り合って友達になった人が何人もいます。そこで豊かで素晴らしい友情を育むこともできるし、人生の中に様々な新しい価値も生まれます。ハッピーでヘルシーでポジティブな人生というものを、より多くの人が受け入れられる、そういう場にしていきたいと思っています。

ー世界中の人々がお互いをより身近に感じられる、新しい交流の場になりそうですね。

ラナ 特に今の世界では恐ろしいことが起きているだけに、これはスゴく重要なことだと思うんです。豊かな交流を通じて、自分のやりたいことを高めてもらえればと思いますね。ブロックチェーンの始まりを振り返ってみると、ほとんどは経済的利益の追求のためのものでした。それが1年半前ぐらいから、ブロックチェーンの非中央集権型システムから得られる利益に、多くの人が気づくようになって。その利益の中には人と人がつながる素晴らしさも含まれているのです。とは言え、常にDiscordのようなプラットフォームにいて、忙しくてノイジーな環境にいると、もっと美しくてピースフルな場所を求めるようになりますよね。私たちが目指したのはその先にあるものなんです。たとえ今世界がバラバラになったとしても、たとえ距離が離れていたとしても、私たちはつながれる可能性があるんです。私はオーディエンスを集めようと思っているのではなく、みんなが集まれる場を作って、みんなにハッピーになってほしいという思いの方が強いですね。


some·placeのメタバース

https://some.place
Instagram: @some.place.social
Discord: @some-place
Twitter: @some_place
https://linktr.ee/some.place

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