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LiSAデビュー11周年、夢を叶えた「特別な場所」で見せた新たな決意

Rolling Stone Japan / 2022年4月25日 12時0分

LiSA Photo by Viola Kam (V’z Twinkle)

LiSAがデビュー11周年を迎えた4月20日に、『LiVE is Smile Always〜Eve&Birth〜』の東京公演が日本武道館にて開催された。福岡、東京、宮城の3都市で行われるこのツアーでは、デビュー記念日前日の4月19日と当日20日の武道館2DAYS公演を「the Birth」と銘打って実施。10周年の節目を経て新たな第一歩を踏み出す、彼女の強い決意が詰め込まれた選曲&パフォーマンスに圧倒される2時間半となった。

【もっと写真を見る】武道館のステージに立つLiSA

会場が暗転すると、ステージ後方のLEDスクリーンには星空や自然の映像が映し出される。すると、ステージには逆光でLiSAのシルエットが浮かび上がり、「往け」からライブがスタート。会場一面が青いペンライトで染め上げられるも、LiSAはこの曲の間シルエットのみで歌を届け続ける。そんな演出だからこそ、〈もう 誰も追いつけない場所まで 加速していけ 運命なんて気にしてる暇ないんだって〉や〈そう あの日の涙からの未来 辿り着いたわ〉といったメッセージがより強く響いたのではないだろうか。



そして、「ただいま、武道館!」を合図に「ROCK-mode18」に突入すると、会場は照明とペンライトで真っ赤に染まり、文字通りのロックモードへと突入。「往け」がメッセージを届けることに徹した”静”だとするならば、続く「ROCK-mode18」は彼女の一挙手一投足から目が離せない”動”の象徴のような1曲であり、早くも会場のボルテージは最高潮に達する。かと思えば、「武道館の皆さん、お祝いする準備はいいですか?」と「say my nameの片想い」にてフロアの多幸感を高め、「今日は特別な日に会いに来てくれてどうもありがとう。最高な”晴レ舞台”、楽しむ準備いい?」との呼びかけに続く「晴レ舞台」では大きなノリで会場を温かな空気で包み込んだ。



その後も「cancellation」ではギターを掲げたLiSAが、ラウドなバンドサウンドに合わせてギターをかき鳴らし、「EGOiSTiC SHOOTER」ではハンドクラップで会場の一体感を高めていく。特に、「EGOiSTiC SHOOTER」クライマックスでのLiSAの伸びやかなフェイクでは圧巻の存在感を放ち、生音の迫力と相まって鳥肌が立ったという方も多かったのではないだろうか。





ディスコビートに乗せてラップを交えたボーカルと艶かしいダンスで魅了する「GL」、ステージ中央に置かれた骸骨の模型にからみつく演出を交えた「DOCTOR」と新旧入り混じった選曲で緩急を付けつつ、続く「明け星」ではヘヴィでスリリングなバンドサウンドと妖艶なダンスや演出が織りなす独創的な世界観で観る者を圧倒。そこから「unlasting」へと流れるドラマチックな構成、情熱的なLiSAの歌声とダンサーたちのエモーショナルなパフォーマンスからは、改めてLiSAというアーティストがステージ上で表現することにどれだけの重きを置いてきたかが十分に伝わってきた。











冒険は終わらない

バンドメンバー紹介を経て、イチゴの装飾をあしらった白いドレスに衣装替えしたLiSAは、「Merry Hurry Berry」でライブ後半戦に突入する。ダンサーを交え可愛らしい振り付けで会場の一体感を高めると、曲後半では『ミニオンズ』のキャラクターが飛び入り。ここでLiSAが7月15日公開の映画『ミニオンズ フィーバー』日本語吹き替え版に出演することが発表されると、会場一面が黄色いペンライトで染まり彼女を祝福した。



続くMCではLiSAがデビュー11周年、そしてこの日が9回目の武道館公演であることに触れ、「はじめに武道館を目指したときは、武道館は夢の場所で。11年経って9回目の武道館が待っているなんて、想像していませんでした。だって、夢を叶えるって一回だけじゃない?」と感慨深げに振り返る。そして、「願って、望んで、一生懸命歩いてきたら、冒険は終わらないけど、でも素晴らしい11周年にたどり着いていました」と語ると、そのまま「終わらない冒険」を歌い始める。デビュー5周年の節目に制作されたミニアルバム『LUCKY Hi FiVE!』に収録された楽曲だが、あれから6年を経て彼女の冒険はさらにスケールの大きなものへと変化している。しかし、そこへ臨む姿勢と心持ちは何ひとつ変わっていないことは、この曲の歌詞を一言一句丁寧に歌う姿から伝わったはずだ。



感動的な「終わらない冒険」に続いては、「rapid lady ハレーション」で心と体をほぐしていく。ピコピコハンマー片手にリズムを取るLiSAに合わせ、オーディエンスがハンドクラップ&ジャンプをして楽しんだり、LiSAの合図でペンライトを点灯させたり色を変えたりして一体感高める様子は、声を出せない環境を逆手に取った、彼女ならではの新たなコミュニケーション方法と言えるものだった。そのまま「HADASHi NO STEP」へとつなげると、会場がダンスを通してひとつになっていく様子が伺えた。





ピースフルなひとときを経て、ダイナミックなリズムと壮大かつドラマチックなギターサウンドで会場の空気が一変する。そこから「紅蓮華」へ突入すると、真紅に染まった客席のボルテージは急上昇。「Psychedelic Drive」でその勢いに拍車がかかると、「ADAMAS」では”声なき客席”から伝わる熱量に、LiSAの歌声も武道館の天井を突き抜けるほどの熱を帯びて、この日何度目かのクライマックスへと到達する。








LiSA Photo by Viola Kam (Vz Twinkle)



次へと進むための言葉が紡がれた”手紙”

ギターのアルペジオに乗せて、LiSAが「まだまだみんなとやりたいこと、いっぱいあったんだよ。まだまだみんなと行きたい場所、やりたいこと、本当は声を出したりさ、下に降りていってさ、みんなに会いに行ったりさ、やりたいこといっぱいあったんだよ。やれないことなんて数えてもしょうがないけど、でも私たち、2022年4月20日は今日しかないんだよ。楽しめる?」とオーディエンスに語りかけると、その流れで「LiTTLE DEViL PARADE」を歌い始める。スローテンポからバンド演奏が加わってテンポアップしていく流れ、そしてパンキッシュなアップビートへと移行するアレンジはライブの佳境にぴったりで、その勢いを引き継いで「Rally Go Round」へと続くと、武道館の熱気は最高潮へと到達。さらに、LiSAが「Catch the Moment」のサビフレーズをアカペラで歌い始めると、その感動的な流れに筆者の涙腺が緩む。ふとステージに目を向けると、LiSA本人も歌いながら感極まっている様子で、曲中何度も涙を拭きながら「Catch the Moment」に込められたメッセージを届け続けた。








Photo by Viola Kam (Vz Twinkle)

「Catch the Moment」を歌い終え、深々とお辞儀するLiSAに対し、客席からは盛大な拍手が鳴り続ける。この光景を前に、LiSAは「今日まで、忘れたい瞬間がたくさんあって。でもそれ以上に、忘れたくない瞬間がたくさんあって。そのどの瞬間も見逃さずに、全部音楽に言葉に、そしてこのライブで表現してきました」と挨拶。この言葉に、会場はさらに大きな拍手で包み込まれていく。そんな鳴り止まない拍手を前に、「今日まで歩いてこれたのは、この最高な瞬間を作ってくれるみんながいたからです。今日は大切な日にしてくれて、本当にありがとうございました。今日までの11年を誇りに、私LiSAはまだまだ往きます。そんな手紙を書きました。また遊ぼうね。またね、武道館」とメッセージを送り、今回のツアーのために用意された新曲「NEW ME」を歌い始める。これまでの自分を振り返りつつ、今を見つめ、そして次へと進むための言葉が紡がれたこの”手紙”を、一言一句丁寧に届けていくLiSA。緩やかな序盤パートを歌い終えると、「私は私の道を、そしてあなたはあなたの道を”往け”。そしてその先で、未来で、また季節が変わる頃に会おうね。一生懸命生きていくみんなの歌です」と改めて言葉を添え、アップテンポのバンドサウンドに乗せて力一杯の歌声を響かせた。こうして、あえてアンコールを排除することでライブ1本に込めた熱量の凝縮具合が異常なほどに濃くなった、LiSAデビュー11周年を祝福するライブは終幕。最後にLiSAは「みんなの顔を見て安心しました。今度は一緒に歌おうね!」と語りかけて、ステージをあとにした。


Photo by Viola Kam (Vz Twinkle)

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