BE:FIRSTが語る、2ndシングル『Bye-Good-Bye』の全貌
Rolling Stone Japan / 2022年5月18日 11時50分
「Rolling Stone Japan vol.17」(2021年12月発売)のカバーストーリーにて音楽への情熱を語り尽くしてくれた、BE:FIRST。パフォーマンスや楽曲の独創性を常に進化させて、音楽シーンや世の中の常識を動かしていこうとするビジョンを、彼らは一歩ずつ実現している。
【動画を見る】表紙撮影時のSKY-HIとBE:FIRSTを捉えたメイキング映像
5月18日、「Bye-Good-Bye」「Betrayal Game」「Brave Generation」の3曲を収録した2ndシングル『Bye-Good-Bye』が発売された。3曲どれもが、J-POPのヒットチャートにはまだないメロディや音像を創り出して、ジャンルの垣根を超えてあらゆるリスナーを巻き込んでいきながら日本のトップを目指した上で、世界へのリーチも視野に入れた挑戦的な楽曲だ。既存のヒット曲を後追いするわけでは決してなく、それぞれ異なるスキルを持った7人がいるBE:FIRSTだからこそ生み出せるオリジナリティが宿った楽曲として完成している。
特に表題曲「Bye-Good-Bye」は、「声のオーケストラ」とでも言いたくなるような、7人それぞれの声色、スタイル、テクニックが織り成されることで美しい表情と壮大さを持った楽曲に仕上がっている。前回の取材時の言葉を引用すると、プロデューサーのSKY-HIは「声の表情が曲の表情になるようにしたい」「誰が歌ってるかわからないということは避けたかった」と述べ、メンバーのMANATOは「今の世の中的に、どんな曲を出しても「何に寄ってる」「何々ふうだね」みたいに言われやすいですけど、その中でもちゃんと自分たちのオリジナリティを持っているグループでずっとあり続けたい」と言っていたが、BE:FIRSTの楽曲のオリジナリティを示すものであり音楽グループとして革新的である大きな要素とは、7人それぞれの「歌」なのだと改めて思わされる楽曲だ。
今回はZoomでインタビューを実施。どうしても対面の会話よりも話しづらさが出てしまう中、メンバー一人ひとりが発言しやすいように、画面の向こう側で7人が互いに盛り上げてくれていた彼らのポジティブな姿勢とチーム力には感謝を伝えたい。「Bye-Good-Bye」の魅力や工夫を細部まで分析し、「Betrayal Game」の本人たちのこだわりが詰まったMVについて聞き、そして「Brave Generation」で歌う世代の意識までを話してもらった、BE:FIRSTのロングインタビューをお届けする。
—「Rolling Stone Japan vol.17」のカバーストーリーに登場してもらってから約4カ月が経ちました(※取材は4月に実施)。まず、ご自身にとってどんな4カ月だったかを、お一人ずつ教えてください。
LEO:僕は、成長の4カ月だったなと思います。またひとつ別れと出会いがあったというか。「THE FIRST FINAL」を終えて「THE FIRST」からの卒業があって、その次の一歩目に2ndシングル『Bye-Good-Bye』があるんですけど、カップリング曲も含めて、新たなBE:FIRSTや音楽の多面性を表現できていると思うので、「バイバイからの、新たな一歩」を見せられた4か月だったのかなというふうに思います。
JUNON:すごく濃密な4か月でした。ライブがたくさんできて充実していたし、成長もできたと思います。『Bye-Good-Bye』にはまったく違う曲調のものが3曲入っているので、自分たちの新たな一面を引き出せたという成長もありました。
SOTA:12月から考えると、音楽以外で魅力を伝えなきゃいけない場面が増えたなと思っていて。CMやオフィシャルサポーターに起用していただいたり、冠番組もやらせていただいたり、音楽から派生して、アーティストとしていろんな形で届ける立場になってきたと思います。今年に入ってから、そういった成長も感じていますね。
RYUHEI:「THE FIRST」で生まれたBE:FIRSTから、アーティストとしてのBE:FIRSTになるための第一歩の期間だったかなと思います。SOTAくんが言ったようにCMや冠番組もやらせていただいて、ほぼ毎週BE:FIRSTとして何か大きな動きをお見せすることができたので、アーティストとしてのBE:FIRSTを確立していくための大事な期間だったなというふうに思っています。
MANATO:僕は、BE:FIRSTとしての方針がくっきりと見えた4カ月かなと思っていて。「THE FIRST FINAL」という区切りがあって、ありがたいことにワンマンライブやファンミーティングを開催させていただいたり、フェスやイベントにも出演させていただいたりして、今の僕たちがどれだけできるのかを知るというか、地に足ついた状態で僕たちの現状を知ることができた4か月だと思います。冠番組も含めていろんなコンテンツを通してBE:FIRSTとして発信していく準備ができた段階でもあると思うので、いい意味で僕たちがこれから進んでいくための濃い準備期間だったと思いますし、現状よりもっと飛躍していかなきゃいけないというハードルを作れた期間でもあると思います。すごく濃い4か月だったなあというふうに思いますね。
RYOKI:この4カ月で、デビューしたてのグループのわりにはかなりの曲数をリリースできたと思うんですよね。曲調も全部ジャンルが違って、バリエーションも多くて。まずそれらを提供していただいたことがありがたいです。それをこの7人だからこそ、すぐに対応ができるし、多面性を見せられる魅力があるということを改めて思い知れた、ポジティブな4か月だったと思います。それと同時に、みんなが言ってくれたことに通ずるんですけど、バラエティに出演させてもらったり、音楽以外でもいろんな活動をやって、BE:FIRSTを知ってもらう期間だなというふうに思っていました。
SHUNTO:個人的に、この4カ月間は(高校の)卒業もあって。今までの友達とお別れして上京もしてきたので、別れもあり、また新しく始まった感じがありますね。自分の中ではすごく大きな出来事があった4カ月だなと思います。
LEO:確かに。それは大きいね。
―成人になられたわけですもんね。
SHUNTO:そうです!
LEO:おめでとう!
全員:(拍手)
「Bye-Good-Bye」でそれぞれが考えて実践した歌のアプローチ
―「Bye-Good-Bye」は、7人それぞれの声色、スタイル、テクニックが丁寧かつ繊細に織り込まれて、綺麗な布ができあがっている、みたいな作品だなと思っていて。BE:FIRSTの楽曲のオリジナリティであり音楽グループとして革命的である大きな要素とは、7人それぞれの「歌」だと、この曲を聴いていると改めて思います。なので「Bye-Good-Bye」の各ソロパートにおいて、「実はこういった意識や歌い方の工夫を詰め込んでいる」ということをそれぞれ聞かせていただけますか。
LEO:僕は、今回歌い出しと歌い締めの両方を担当しているのでより一層緊張感を持って臨んだんですけど、声の出すポジションとか、どういうポジションから下ろしていったらいい声が出るのかとか、自分の中で新たな発見ができました。振りも、踊りながら歌うのが結構きついので(笑)、自分の中で工夫しながら歌っています。あと、最初はちょっと切ない気持ちや悲しい気持ちで歌いつつも、最後の締めは明るく歌う、という表現の変化。曲の始まりと終わりまでのグラデーションを、パフォーマンスや声の変化で表現することを意識していますね。
RYUHEI:この曲は歌い出しが大事な部分だと思うんですけど、そこをLEOくんが見事に爽やかに決めてくれている印象があります。イントロの始まり方が特徴的で「何が始まるんだろう?」という雰囲気がある中に、LEOくんだからこそ作れる色がハマっていて、いいなあと思いますね。
LEO:ありがとうございます!
―歌割りの順番で聞いていくと、次はSOTAさん、いかがでしょう。
SOTA:まず歌のパートは、LEOくんの次ということで、今でもめちゃくちゃ緊張して歌っています(笑)。ブレスが際どいし、ピッチももちろん難しいパートで、今回のレコーディングで初めて使う声色をSKY-HIさんに指導してもらって。RYUHEIが言ったようにLEOくんが最初に「これは爽やかな曲なんだ」ということを示してくれているので、LEOくんからあまり差が生まれないように、個性に全振りするよりかは曲に馴染ませるようにしたいと思ったんですよね。その「明るく歌う」ということが、単純なんですけどめちゃめちゃ難しくて。でも曲の始めの方で歌わせていただくのが初めてなので、毎回嬉しい気持ちで歌っています。ラップに関しては、前のRYOKIがガラッと雰囲気を変えてくれるんですけど、僕を挟んですぐ後ろには、頭と同じテンポで普通のメロディに戻るMANATOが待っているので、弾けたままMANATOに渡せないというか。ラップだから爆発したいんですけど、RYOKIからもらって、テンポやテンションを抑えることに意識を置いています。どちらかというと渋めな感じでラップして、優しくMANATOに転がすことを意識していますね。それでメロディにスッと入れたらな、というグラデーションの位置の役割です。
—それをパスされたMANATOさんは?
MANATO:最初のAメロは高音で、本当はガッていきたいんですけど、でもいきなり静かになるところでもあるので。SOTAくんと同じように抑えるという面では、僕もAメロで抑えています。でも、裏の音とアクセントを取りながら、ほんのちょっとだけ遅らせて歌うということをしていて。2バース目のSOTAくんが転がしてくれた次も、遅らせる感覚は一緒のままで、エンカウントまではいかないけど、リズムを微妙に遅らせながら歌っています。転がしてくれたのを意識しながら僕も落ち着いていこうと思っていたので、息多めで歌ったり。で、最後にはちょっとアクセントを残したいので、少しがなりを入れて次のRYUHEIにパス、というやり方をしています。
SOTA:すっごい。彼は天才だ!
LEO:天才。
RYUHEI:まるで美味しい料理の作り方のような……。
6人:え?
SOTA:あ、大丈夫です。
MANATO:……今の残してくださいね(笑)。
LEO:みんなが「え?」って言ってるところまで(笑)。
MANATO:「6人:え?」って(笑)。
―原稿に残しておきます(笑)。そんなRYUHEIさんは?
RYUHEI:MANATOくんのアクセントからしっかり刺激をもらいつつ。僕が歌うパートはどちらもBメロの最初なんですけど、ニュアンスが一緒かと思いきや、歌詞の意味は違うんですよね。最初は”もう行かなきゃだって”って、急いで駆け出しているイメージだけど、2番は”もう止めらんないね”って、走り続けている状態の自分を歌っていて。2番の方がよりエモーショナルに歌っているというか、「走り出した自分たちはもう止められないんだよ」という強い意志を込めて1番より感情を剥き出しにして歌っています。あと、歌声に柔らかさを残すことがすごく大事というか。MANATOくんからもらったエネルギーをうまくスッと、RYOKIくんへパスをしています。
RYOKI:僕の場合は、サビに入る前のプリフックと、SOTAの前のラップなんですけど。「Bye-Good-Bye」という曲は、みんなも言っているように、曲の展開がハッキリしているんですよね。その中で僕のプリフックは、RYUHEIが優しくバトンを渡してくれて、”君の瞳が問うから 応えたくて”というところからちょっと前向きになって、最後の”1,2 Step 振り絞って歌う All eyes on us! Baby”では次のサビへ向かって弾けるように、自分が得意な前に飛ばす感覚で歌って、JUNONへ引き渡すということをやってます。サビ直前の盛り上げ役という意識でプリフックを歌っていますね。で、ラップはそれとは一転して、曲調が一気に変わるので、もう本当に弾けるというか。そこでどれだけ「Bye-Good-Bye」の振り幅を見せられるかが変わってくると思うので、しっかりとテンション高くしています。振りもちょっとくだけた感じだったりして。みんなでそのテンションで楽しめる一瞬の間が僕のラップパートだと思っているので、しっかりみんなで弾けてます。その後SOTAが落ち着かせてくれるという信頼もあるので、バトンタッチできるように、僕はもうただただはしゃぎ回るっていうことをさせていただいております(笑)。
SOTA:その通りです!
JUNON:僕は、RYOKIからサビに向かって力強めのパスをもらって、そこからファルセットとミックスボイスでサビに入るんですけど、地声成分強めでやってます。地声成分が多くないと、RYOKIのプリフックに負けてしまうんですよ。そこはちょっと難しくて。地声成分多めにやるためには腹圧が必要なんですけど、腹圧を入れながらしっかり振りを踊るためには、力の入れどころが難しいんです。そこはすごく意識してやってますね。ずっとミックスボイスをやってると後半が持たなくなってくるので、途中の地声で歌うところで思いっきり回復して、最後の”そうさ”で爆発できるようにしています。
LEO:最高だよ。
全員:(拍手)
―そして、”そうさ”からパスされたSHUNTOさんは、いかがでしょう?
SHUNTO:メッセージ性が込められている優しい歌詞なので、力強いミックスボイスを受け取って、僕は逆に力強くしすぎずに、聴いてくださってる人へ寄り添うように息の多さを意識しつつ、ちゃんと伝えたい部分は気持ちを込めて歌っています。
―こうやってみなさんの話を聞くと、本当に、曲の表現を最高の状態にまで持っていくために、7人の歌を繋ぎ合わせていくための意識と工夫をすごく高いレベルで実践されているのだなと思います。
全員:ありがとうございます!
—「Bye-Good-Bye」についてもう1個だけ。今回、コレオグラフをQuick Styleに任せたのはどういった理由でしたか? Rolling Stone Japanでは約2年前に彼らにインタビューをしたことがあるんですけど、自分の血に流れるアジア人としてのアイデンティティを意識しながら各国のカルチャーをブレンドして世界へ発信することに自覚的なグループなので、BE:FIRSTがQuick Styleとやる意味はかなり大きいと思うんですね。
SOTA:そもそも、ポップな曲調にかっこよくてキャッチーな振り付けを乗せられる人って数少なくて。そんな中でもQuick Styleさんは幅広い振り付け技術を持っていて、わかりやすくいえば、TikTokで流行るようなキャッチーな振り付けもできれば、玄人のダンサーたちの中で流行るようなステップも生み出す人で。BE:FIRSTとしては玄人さやかっこよさ、テクニカルさもほしいんですけど、この曲調のキャッチーさを際立たせることも今回は必要だったので、バッチリだなと思って選びました。あと何より、Quick Styleさんはグループの振り付けが上手い方なので。BE:FIRSTの7色を光らせるには持ってこいだなと思って決めさせていただきました。
―なるほど。すごく納得しました。めちゃくちゃかっこいい振りですよね。
SOTA:いやあ、本当に。
「Betrayal Game」で見せた新たな一面
—「Betrayal Game」は、初めて聴いたときにどういう印象を持たれましたか? eillさん、宮田”レフティ”リョウさん、A.G.Oさんが作曲に関わっていますが、3人ともソングライターとして世界で活躍するポテンシャルがある才能だと私は思っているので、その3人が、日本の独創性を保ちながら世界を飛び回ろうとしているBE:FIRSTの曲を書くというのはすごく意味のあることだなというふうに思ったんですね。
LEO:そうですね。eillさんは、曲を書く前に人柄を知りたいということで僕たちに会ってくれて。自分たちが思っていたものよりも「うわ、こんなにかっこいい曲がきた!」ということを第一印象では感じました。この曲をやれてすごく幸せですし、しかもそれをBE:FIRST色に染めて発信できることもすごく誇りに思います。BE:FIRSTの新たな面が見える曲になったなというふうに思いますね。
SOTA:人間味がある曲ですよね。今までBE:FIRSTは「夢を掴むことを応援」「僕たちは掴むぜ」とか「僕たちについてきてくれ」みたいな曲が多かったんですけど、「Betrayal Game」は歌詞の中で多面性を歌っていたり、MVでは人間の二面性を表していたりして。人間の悪いところも正直に出ているという意味で人間味があるなと。いいところを悪いと取る人もいるし、悪いところをいいと取る人もいるし。なので、誰でも共感できる曲になっているんじゃないかなと思います。
RYUHEI:いい意味で、僕らとあんまり関連してないよね。そこがいい。
LEO:新たな一面だよね。
SOTA:そう、それこそね。曲調、歌詞、メッセージ性、MVがバッチリハマってるので……まあ毎回言ってるんですけど、MVありきで見てほしいなって(笑)。
RYOKI:今回マジでMVは、ね。
LEO:「こうしたい」って、僕らもクリエイティブ面で意見を言わせてもらったりしたので、新たなMVだよね、本当に。
—「こうしたい」というのは、どういうことを言ったんですか?
LEO:たとえば、今まではダンスがメインだったと思うんですけど、あえてダンスを隠してイメージカットを増やすことによって、「Betrayal Game」のいろんな表情を一人ひとりの表現で出していくことをやってみたいとか。
SOTA:歌詞を伝えやすくなったよね。踊ってばかりではなく、カメラに対してフリーでやったカットもあるんですけど、「フリー」って任されることによって、その箇所を一番口ずさんでいる僕ら自身がそれをどう表現するのかというのが新しかったし挑戦でした。
RYOKI:物が映るだけのシーンとかって今まであまりなかったんですけど、何かが映ることによって、見ている人が疑問を持ったり、ストーリー性をもたらすような感覚になるので、いろんな妄想の膨らませようがあるMVになったんじゃないかなと思います。
SOTA:今回BOLTというカメラを使ったことによって、人力やクレーンじゃできないことができたんです。CGではないんだけど、人が入れ替わったり、いきなり光から闇に変わったりということができて。
MANATO:あれすごかったねー。
SOTA:BOLTを多彩に使ってMV撮影をしたので、「人間の二面性」というテーマにすっごくピッタリで楽しいMVができたと思います。MVと振り付けは特に二面性をすごく意識しました。光があたる顔と光があたらない顔、というのも意識したパフォーマンスになっています。
エンターテイメントとして最良のものを届けるために
―そうやってBE:FIRSTが映像に強いこだわりを持つ理由って、何ですか?
SOTA:世界基準、だよね。
LEO:うん、世界基準というのもありますし、あとはシンプルにエンターテイメントとして何が一番いいんだろうということをよく話しますね。見てくれた人の喜びや感動を上げるためにはどうしたらいいんだろう?って。楽曲やMVに紐付くすべてのコンテンツに対して「こうした方がいいんじゃないか」という意見が出るので。ひとつの楽曲に対していろんなエンターテイメントの可能性を考えられるチームであるからこそ、MVについてもみんなでクリエイティブになれるし、すべてにおいて本気だというのがありますね。何も妥協しない。
MANATO:MVを厚くすることで、曲がもっと厚くなると思うんです。たとえば、曲を聴いたあとにMVを見ることで「こういうストーリー性があって、こういう曲なんだ」って思ったり、逆に最初にMVを見た人がよくよく曲を聴いてみたら「ベースのここがいい」「フックのここのリズム感がいい」ということに気づいてもらえるかもしれない。曲をよく見せようとする一種の技法がMVだと思っていて、MVをこだわることが曲の深みを出すことに繋がると思うので、そこは妥協なくやった方がいいなと思っています。
—では、ジャケットのアートワークについてはいかがですか? BE:FIRSTのジャケットはこれまでかっこいいトーンで揃えていますが、そこにはどういった美学がありますか。
RYUHEI:あれ、コレクションしたら面白そうだよね。
JUNON:BE:FIRSTのロゴをあしらったシンプルなアートワークにしている理由としては、たとえば外で曲を聴いているときに、スマホにボーイズグループのビジュアルが映るのは恥ずかしいと思う人がいるかもしれないからということもあって。そういう方々にも抵抗なく聴いてもらえたらいいなという想いもあります。
LEO:誰にとっても聴きやすくしたいよね。
SOTA:なんかちょっと恥ずかしさとかを持ってほしくないっていう。
MANATO:うん、誰でも手に取りやすくするという意味もありますね。
―なるほど。誰にでも手に取ってもらいやすいように、誰が見てもクールだと思えるアートワークで包んでいくと。あと、今回のシングルについてもう1つ聞くと、これまでもBE:FIRSTの曲名にはいろんな意味が含まれていた中で、今回は3曲とも「B」と「G」がイニシャルになっていますよね。そこには何か意味やストーリーがありますか?
LEO:えっと、社長(SKY-HI)からまだ何も言われてないです(笑)。
MANATO:本当だ、全部「BG」だ。今気づいた。
LEO:何かしらあるのかなとは思っているんですけど、社長しかわからないです。
SOTA:わからないんですよね。そういえば全部「BG」なんですよね。
RYUHEI:漫画家みたいなことをしてくるよね。
SOTA:伏線を張ってるよね。
SHUNTO:『ワンピース』みたい……。
LEO:僕らもすべてのパズルが揃ったときに、社長に明かされることが多いので。
MANATO:そう。策士だよね。
LEO:なんかもう、すごいんですよ。僕たちの人生に伏線を置いていってるんですよ。
MANATO:本当にすごい。
LEO:次は「S」「M」なのかな……。そういうのも、僕たちも楽しみなんですけど、BESTYのみなさんや音楽ファンの方たちに音楽の新しい楽しみ方として感じていただけるといいなと思います。
BE:FIRSTが作る「未来」
―まさに、エンターテイメントのひとつとして受け取っています。では最後に、「Brave Generation」にちなんでひとつ質問をさせてください。この曲を作ったNovel Coreさんもみなさんと近しい世代ですが、この世代でどういう未来を作っていきたいか、何をどう変えていきたいと考えているかを、改めて聞かせてください。
LEO:僕は、「当たり前」とか「これが正解だよね」と言われるものが、いい意味でなくなればいいなと思っていて。僕たちが正解や当たり前になりたいわけではなく、ただ、みんなが常識を覆せる一歩に、自分たちがなれればいいなと思っていますね。誰かを批判や否定するわけでもなく、ファイティングポーズを取らずにみんなでハグをしながら、ラブ&ピースで愛を持ってみんなが生きやすい世界を作っていきたいなというふうに思います。
JUNON:「Brave Generation」にちなんでいうと、LEOが言っていたように、今みんなが生活している中で「普通」とか「常識」と思われるようなことを、BE:FIRSTの音楽を通して僕たちが変えられたらいいなと思います。
SOTA:「Brave Generation」はコロナ禍ということも関わっていて。コロナ禍真っ最中で「運がないよね」「かわいそうな世代だよね」って思われたりするけど、そんな中でも、自然現象で起こったコロナや今まで生み出されてきた変な常識に負けない世代が俺らだよ、ということを胸張って先陣切れるグループでありたいというか。Coreくん含めて、そういうBMSGになりたいよね、ということを僕らが代表して歌わせていただいている曲です。僕たちの世代が上がったときには、下の世代がもっと音楽がしやすかったらいいなとも思いますし。大きく言うと音楽が彩ることによって世界がもっと平和になるということを考えている楽曲でもあって、そういう意志を持ち続けたいなと思いますね。
RYUHEI:僕らは「Z世代」みたいに略されることが多いし、身長とか手足がどんどん伸びていって踊りが伸び悩んでいた時期に、「年齢とか気にせずに自分らしくやればいいんだよ」って言われたことがあって。この曲は、それを曲にしたみたいだなというふうに思っていて。自分なりの個性を持ちながら、前に進みつつ、一緒に歩んでいく仲間たちと共存の意志を持つことをいつも考えています。
MANATO:さっき「コロナ禍」というワードも出たんですけど、状況的に諦めざるを得なかったり挑戦しにくかったりすることが続いて苦しむ世代がちょうど僕たちやCoreくんで、同じ悩みを抱えている人もたくさんいると思うんです。いつかすべてが収まったときに、「コロナ禍があったからしょうがないよね」みたいに思われないくらいのところまで行くための意思表示の曲でもあると思っているので、僕たち自身が強い想いを持って、挑戦する人たちの背中を押せたらいいなと思います。
SHUNTO:僕たち自身もすごくもがいて前に進もうとしているので、一方的に背中を押すのではなくて、「みんなで一緒に頑張ろう」「みんなで一緒に前に進もう」ということを歌いたいなと思います。「Brave Generation」は意志が強い楽曲でもあるし、寄り添えるような隠れた優しさも詰まっていると思っていて、そういう心を忘れずに進んでいきたいなあと思います。
RYOKI:やっぱり、理不尽なことって世の中にいっぱいあるじゃないですか。この業界だけじゃなく、はみ出し者が自分の道で頑張って進んでいても、それが上手くいくかといったら意外とそうじゃなかったりすることもあると思うんです。だからといって「郷に入ったら郷に従え」なのかと思うと、それが結局、変わっていかなきゃいけないものが変わっていかなかった現状だと思うんですね。それを、僕たちは音楽で変えていけるという、一個の手段が見つかったというか。音楽は誰がどう発信しても誰にも邪魔されないと思うし、僕たちにはその才能があると自負していて、自信を持って世に発信していく責任があると思っています。みんなが言ってくれたように、こういうふうに僕たちが音楽で発信していくことで世の中を変えていく。ただそれは、今ある世の中の上で成り立っていることに感謝して、その上で自分たちが自由にできることをしっかり一歩ずつ刻んでいく中で、「BE:FIRSTがあそこまでいったらもうそうでしょう」という説得力をもたらせられるようになれればグループとしての強みもまた一層出ると思う。そこを目指していきたいですね。
【関連記事】BE:FIRST、2ndワンマンライブ完遂 BESTYとともに歩む7人の勇姿
<INFORMATION>
『Bye-Good-Bye』
BE:FIRST
B-ME
発売中
M-1「Bye-Good-Bye」
M-2「Betrayal Game」
M-3「Brave Generation」
https://befirst.lnk.to/Bye_Good_Bye
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