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3Dアニメーションの音楽NFTを手がけるアーティスト「Vollut」

Rolling Stone Japan / 2022年5月20日 22時30分

NFTコレクション「Jukebox」

NFT人気とともに、NFTの世界で活躍する才能豊かなデジタル・アーティストも次々と登場してきた。ここで紹介するVollutというアーティストは、3Dアニメーションを得意とし、アートディレクター、モーションデザイナーとして、数多くの大企業の仕事を手がけた後、自分自身のアートを追求するためにNFTの世界に入った。Vollutが手がけるJukeboxというNFTもユニークで、音楽アーティストが3Dアニメーションで描かれているし、Jukeboxという名前の通り、NFTホルダーが次のNFTで作ってほしい音楽アーティストをリクエストできたりもするのだ。

【画像】VollutのNFTコレクション「Jukebox」

・大企業をクライアントに持つモーションデザイナー/アートディレクターからNFTの世界に

ーアーティストになったきっかけは? 3Dアニメーションを手がけるようになって、そこからどのように自分のスタイルを確立していきましたか?

Vollut 僕は15歳の時にアニメーションとモーションデザインという新たな趣味を見つけたんだ。仕事は何にでもトライしたんだよ。それこそ脚本書きから音楽制作、さらに3Dモデリングからウェブデザインまでいろいろやってみた。僕の熱意は本当、広範囲に及んでいたんだ。ただ、どの分野でも成功することができなかったんだよね。おそらく僕は自分に合うものを探し続けていたんだと思う。そこで見つけたのが3Dアニメーションだったんだ。僕のスタイルは最初はモーションデザインのコミュニティから影響を受けていたんだけど、2021年までモーションデザイナー、アートディレクターとして仕事をしていたことも大きいね。それである時、自分の作品にもっと自分自身を込めてみたいと決意したんだ。今の僕のスタイルを言葉で表すと、「ピクサー・ミーツ・村上隆」になるかな。

ー最近まで大企業の仕事をかなり手がけていましたよね。NFTによって未来のプランが変わったのでしょうか?

Vollut 僕は毎日、昼も夜も、アップルやマイクロソフトのような大企業と仕事ができたらいいなと思って、頑張って働いていたんだ。だけどいざそういう大企業との仕事が実現してしまったら、急につまらなく思えてきて、重荷に感じるようになったんだ。NFTをやる前の未来のビジョンはハッキリしていた。稼ぎも良かったし、快適な住まいも手に入れたし、年に4~5回の休暇も取っていた。だけど、それだけでは充分じゃなかったんだよ。NFTは突然現れて、僕の人生を完璧に変えてしまったんだ。

ーNFTをやることになったきっかけは? 

Vollut NFTスペースに潜り込んだのは2019年だったんだけど、最初は勇気が出なくてトライできなかったし、超忙しかったから、NFTを深く掘ることはできていなかった。ちょうどその前に『The Idea Guide』というショートフィルムを作ったんだよ。僕のアイデアは、自分が空白恐怖症に陥ってる時に頭の中で起こっていることをビジュアル化することだった。面白いのは、そのショートフィルム自体が制作過程を描いていて、ドキュメンタリーのドキュメンタリーみたいな感じなんだよ。このショートフィルムを作ってみてわかったことがあって。僕にとって重要で楽しめることは、アニメーションを使って自分自身を表現することだったんだ。そこからもう一本、『Dont stop on the obvious』というショートフィルムも作ったんだけど、もうこの時点で後戻りはできなくなっていたね。デジタルの世界でずっと人生を過ごしてきた僕としては、何かスゴくスペシャルなことを現実世界でやってみたかったんだよね。今はまだ公表できないんだけど、フィジカルなものももうすぐリリースする予定なんだ。

ーVollutのアートにとって、音楽はスゴく重要なインスピレーションになりますよね?

Vollut 僕は音楽の学校に7年通っていたし、僕にとって音楽は子供の時からの最大のインスピレーションなんだ。他のどんなものも音楽ほど僕の中に様々な感情を引き起こせるものはないね。自分で音楽をやりたいとは思わなかったけど、音楽は常に僕のクリエイティブの原動力となってきた。僕の最新の作品はヒップホップ・アーティストたちに捧げたものになっているよ。


ビジュアルアートと音楽の融合を目指す、NFTコレクション「Jukebox」

ーNFTコレクションのJukeboxでは、どのようなアイデアを考えたんですか?

Vollut アイデアはごくシンプルだよ。音楽を原動力にして、ユニークなビジュアルをクリエイトすることなんだ。だけどこのコレクションにはスペシャルなものも加えたかった。それでコレクションのオーナーになった人に、次に作るNFTの音楽アーティストを選べる権利を与えることにしたんだ。だからこのプロジェクトは僕とコレクターのコラボレーションということになるね。

ーコレクションの中での個人的なお気に入りは?

Vollut 今のお気に入りは、「Disc 8: Radiohead - Karma Police」と「Disc 4: Frank Ocean - Pink + White」になるね。Disc 8は罪悪感の無限のループで、自分の過去に悩まされ続けている人を描いている。ある地点で彼は立ち止まり、自分の行動の結果に直面することになる。僕はカルマを信じているし、良い人間になろうと心がけているんだけど、それというのも、もし僕が他人の人生を踏みにじったら、僕の人生も踏みにじられてしまうからなんだ。この作品では自分がなりたくない人間を表現している。Disc 4は喪失感がテーマだ。僕は10歳の時に父をなくしている。ある日目が覚めた時に、もう父には二度と会えないとわかって、この作品と同じような気持ちになったんだ。当時の僕は死というものを理解するには子供すぎたから、前に進む方が楽に思えたんだ。だけどその感覚っていうのは常に自分から離れない。どの作品も制作には3週間をかけているよ。最初に曲を何時間もかけて聴いて、イメージをして、自分の心に浮かんだビジョンを捉えることから始めるんだ。1~2日は作品作りのことだけを考えて、もしアイデアが気に入ったら、ノートにスケッチをするか、すぐに3Dで構成を考えるかするよ。何時間もかけて、そのアーティストのインタビューを記事で読んだり、映像で観たり、ライブ映像を観たりするんだ。そうすると新たなインスピレーションが湧いてきて、作品のストーリーを構築する助けになってくれるんだ。僕にとって完璧な作品っていうのは物語があるものだ。始まりがあって、クライマックスがあって、結末があるものなんだ。

Disc 1: Tyler, The Creator - 911

https://assets.foundation.app/Kt/cd/QmatiMmZEQiu7ZMN436dVQbteYZ91nXYkm5YjMCowdKtcd/nft.mp4

Disc 4: Frank Ocean - Pink + White

https://assets.foundation.app/dQ/65/QmXwqJR4onrDbPwGvuuPSgAUHvMHxUaPBcXPN4qRYtdQ65/nft.mp4

Disc 5: Tyler, The Creator - Lemonhead

https://assets.foundation.app/km/oG/QmViLjjRbwhe7yHmDZNwwxD4rKdvHnff6PRWEYPpx4kmoG/nft.mp4

Disc 8: Radiohead - Karma Police

https://assets.foundation.app/jX/m1/QmaRe6HYkHWeTVCyaHmRabCTiBa5ENaTE8JWTSN9qfjXm1/nft.mp4

ーJukeboxでは現実世界と結びつけて、ARのアートショーをやる予定なんですよね。

Vollut 今考えているのは、このコレクションのフィジカル・バージョンを作ること、さらにそれをARにつなげることなんだ。ビジュアルアートと音楽の融合っていうのは、現代美術館ではまだ一般的じゃないんだけど、僕はその二つの世界を融合したアーティストになりたいね。

ー2022年のこれからの予定は?

Vollut 2022年は僕が自分自身を100%アートに捧げる最初の年なんだ。Jukeboxからはさらに新しい作品が登場するし、大企業と組んだ新しいインタラクティブ・コレクションもあるし、有名アーティストやブランドとのコラボレーションも控えている。だけど一番重要なのは、僕がもっと自分自身をディープに掘り下げて、自分ならではのユニークな表現とアプローチを追求することなんだ。僕は今もなお進化し続けているから、このプロセスに終わりはないね。

ーアーティストとして、NFTでどこまでやっていきたいと考えていますか?

Vollut 可能性は無限大にあるんだけれど、人と違う新しいことをできる人は少ないよね。今僕たちが見ているNFTはプロフィール画像のコレクションだけど、それがどんなにハイクオリティであっても、画像であることには変わりはない。だけど、もっと面白いことはできるはずなんだ。


Vollut

http://vollut.com
Instagram: @vollut
Twitter: @vollut
Vimeo: https://vimeo.com/vollut
Behance: https://www.behance.net/vollut
Foundation: https://foundation.app/@vollut

Jukebox

http://jukebox.team

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