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ジョニー・デップ裁判、元妻アンバー・ハードの妹が証言「問題は酒とドラッグ」

Rolling Stone Japan / 2022年5月21日 15時20分

2022年5月18日、バージニア州フェアファックス郡巡回裁判所で、法廷で傾聴するアンバー・ハード(Photo by Kevin Lamarque/Pool Photo/AP)

ジョニー・デップが元妻で女優のアンバー・ハードを名誉毀損で訴え、賠償金5000万ドル(約64億6000万円)を求めている裁判で、現地時間18日にハードの妹が証言台に立った。

【動画を見る】アンバー・ハードと俳優ジェームズ・フランコの密会

デップとの結婚生活で、姉はまるで「スローモーションの銃弾」に撃たれたかのように、愛に満ち溢れていた状態からふさぎこんでやつれていき、かつての朗らかな姉はドラッグとアルコール漬けのデップの虐待に飲まれていった、と証言した。虐待は結婚前から始まっていたという。

ハードの妹、ホイットニー・ハード・ヘンリケスは、デップが妻を殴るのを見たという最初の証人になった。反対尋問ではしばしばデップと一緒にコカインを打ったことを認め、身体的暴力のあとも事実上の「結婚カウンセラー」を務めたこと、またデップとの携帯メールで姉を叩いたことをからかったことも認めた――虐待の度合いを知りながらこのようなメールを書いたことを後悔している、とも言った。

数日ぶりに証言台から降りたハードは、ごった返すバージニア裁判所の被告弁護人席から裁判のようすを見守った。午前中は証言に耳を傾けながらテイクアウトのコーヒーをすすっていた。涙ながらの友人の証言映像を見てティッシュに手を伸ばし、目頭を押さえる場面もあった。

デップは2018年に掲載されたワシントンポスト紙の寄稿記事で(名指しはされていない)彼女から名誉を傷つけられたとして、5000万ドルの損害賠償を求めて訴えている。彼女は記事の中で、自分を家庭内暴力の被害者だと述懐していた。ハードも賠償金1億ドルでデップを反訴している。裁判も5週目に入り、証言はデップとハード当人から、2人に近しい親族、友人、スタッフらに移った。

この日も7人で構成される陪審は、引き続きハードのメイクアップアーティスト――ハードが顔のあざを隠すのを手伝ったと証言した――と1組の元夫婦の証言を聞いた。この元夫婦はロサンゼルスの中心地にデップが所有していた続き部屋のペントハウスで、デップとハードの部屋の向かいに居候していた。

同じく姉の客としてペントハウスに居候していたヘンリケスは、2015年3月――結婚からわずか2カ月後――に起きた暴力的な夫婦喧嘩について証言した。ヘンリケスによればこの時デップは酔っていて、ハードが彼の浮気を疑う原因となった携帯メールをめぐる口論のせいで怒り狂っていた。「お互いひどいことを言い合っていました」とヘンリケス。


喧嘩の原因は「酒とクスリの影響」

口論の途中でデップはレッドブルの缶を投げ、それが専属ナースのデビー・ロイドさんの背中に当たった、とヘンリケスは証言した。その様子をハード姉妹はキッチンとリビングを見渡せる中二階から見ていた。するとデップは階段を駆け上り、彼に背を向けたヘンリケスを後ろから叩いたという。「アンバーの叫び声が聞こえました。『妹を叩かないで!』 姉は彼を平手打ちしました――そのうちのひとつが命中しました」とヘンリケスは述べた。

するとデップは「片手で姉の髪を掴みながら、もう片方の手で何度も顔を殴っていました」と妹は証言した。デップの専属ボディガードを務めるトラヴィス・マクギヴァーン氏が階段を駆け上がり、デップとハードを引き離したそうだ。「その後、私はアンバーを隣の部屋に連れて行き、そこで夜通し姉に付き添っていました」

ヘンリケスによれば、初めのうちは姉とデップの関係も順調だった。「2人はベタぼれ状態でした」と彼女は言った。「実際、今にいたるまで――誰かにあんなに夢中なる姉を見たことはありません」

「物事は上手くいっていました」と彼女は続けた。「2人は互いに理解し合って、上手くやっているようでした。でも結婚生活が続くにつれ、やがてパターンが見えてきました。ジョニーがラリっていると、ほぼ必ず喧嘩になりました」

デップの弁護団は「ラリっている」というヘンリケスの言葉の選択に異議を唱えたが、ペニー・アズカレート判事から却下された。

「彼がラリっている、あるいは酒を飲んでいると、ほぼ必ず喧嘩になりました」とヘンリケスは続けた。「ほんの少し素面になることもあるんです。でもすぐに脱落して、クスリか酒に走りました。そしてまた大喧嘩になる。そういうことが頻繁に繰り返していたように思います」

ハードの身なり演じる役のチョイス、交友関係にいたるまでデップが支配しようとしたために、姉が変わり始めたとヘンリケスは述べた。専門家に言わせれば、どれも支配的な人間関係の特徴だ。

最初は「(アンバーも)賑やかで、楽しくて、面白かった。姉はよく笑いました。とにかくハッピーで、明るくて、楽しいことが大好きでした。大勢の友達に囲まれていました」と彼女は証言した。負のスパイラルは「後から振り返ればとてもゆっくりで、まるでスローモーションで銃弾を見ているようでした。姉は突然眠りが浅くなりました。前ほど面白くなくなりました。賑やかでもなくなりました。以前ほどはつらつとしていませんでした」

「身体的にもすぐれませんでした」と彼女は続けた。「多分体重は100ポンドぐらいだったと思います。やつれて、ろくに眠れず、心臓の具合も悪くなって、眼は落ち窪んでいました」


隣人の証言「カオスと暴力のるつぼ」

ヘンリケスによれば、最初に問題が浮上し始めたのは2013年だという。姉妹はまだカリフォルニア州オレンジ郡のアパートで同居していた。だが反対尋問では、2015年10月まで結婚を応援していたことも認めた。デップの弁護を務めるレベッカ・マクドウェル・レカロス弁護士から反論されると、ヘンリケスはつつがなく結婚生活を送りたいという姉の意向をくもうとした、と言った。デップが素面の時は「物事は上手くいっていましたから」

「彼はいい方向に向かっていると誰もが思っていました」とヘンリケス。「みんな彼のいい面を見ようとしていたんです」

デップがロサンゼルスに所有するペントハウスに居候していたジュエリーメーカーのラケル・ペニントンさんとシェフのジョッシュ・ドリューさんの夫婦は、大家とその妻――向かいに住む隣人であり、友人、そして庇護者――の生活を、カオスと暴力のるつぼと表現した。7カ月前に撮影され、18日に再生された夫妻の宣誓録取によると、デップがロサンゼルスの中心地に借りていた住居や、フランス、オーストリア、カリフォルニア砂漠への旅行ではよく友人や家族が集まっていたが、ドラッグとアルコールのせいでデップの気分が変わり、お祝いムードは険悪になったという。

家庭内暴力が最高潮を迎えたのは2016年5月21日。デップとハードの間で罵り合いの口論が起き、あまりの険悪さにペニントンさんが間に割って入った。デップが2人の前に立ちはだかったので、彼女はソファの上でハード覆いかぶさった。武器はないかと、ペニントンさんはコーヒーテーブルの上にあった大きな陶器の灰皿に目をやった。「彼が近づいてきたら、灰皿を掴んで殴ってやろうと考えていました」と、ペニントンさんは泣きながら語った。

専属セキュリティガード2人が現れてデップを部屋から連れ出した、と彼女は証言した。だがデップは出ていく途中、家の中を破して回り、ワインボトルで物をたたき割ったり、建物から出ていく時も周りのオブジェを放り投げた。後日、警察が2度邸宅を訪問した。その2日後にハードは離婚届を提出。ほどなくデップに対して接近禁止命令を出し、受理された。

裁判により、セレブの名前がちりばめられた家庭内暴力の全容が明るみになった。ハードとデップが別居した後、億万長者イーロン・マスクがハードさんを訪ねてペントハウスに通う姿をみた、とドリューさんは証言した。

恐ろしい行為の生々しい詳細や激しいやりとりが次から次へと語られ、証言台は離婚した夫婦の私生活であふれかえった。裁判と並行して情報合戦も勃発。デップのファンは主にTwitterやRedditのフォーラムでハードを軽蔑と嘲笑の的にし、一貫性がなく穴だらけの彼女の証言を喜び勇んで検証した。ぱっと見た限りでは、名のある俳優2人のどちらの証言なのか、分からなくなるのも当然だ。裁判を生配信するYouTubeページをスクロールすると、絵文字や大文字があちこちに点在する一方的なスローガンが並んでいる(「ジョニーに正義を」「アンバー・ハードの意見に耳を傾けろ」等)。

ハードは自分を犠牲者として描き、暴力的で支配的な虐待者から何度も殺すと脅され、一度などは瓶で性的暴行を受けたとも語った。デップはハードを殴ったことはないと否定し、実名か匿名に関わらず虐待疑惑は捏造であり、そのせいで自分の生活と評判が失墜して失業状態に追い込まれた、と証言した。彼は証言の中で、欲深く、復讐心に燃え、#MeToo運動に便乗した元妻の被害者として自分を描いた。ハードと弁護団は、寄稿記事が掲載される2年前から暴力疑惑は公然の事実で、のちにイギリスの裁判所でも認められていることからも名誉毀損の訴えは根拠がない、と主張している。イギリスの裁判では、ロンドンのタブロイド紙から「暴力夫」というレッテルを張られたとしてデップが名誉毀損で訴えていたが、判事は彼が殴って妻を怯えさせたのは事実であるとして訴えを退けた。

デップのキャリアがダメになったのは身から出た錆で、薬物中毒と、職場での気まぐれでプロらしからぬ言動により業界内での評判が悪くなったせいだ、とハードの弁護団は主張している。

from Rolling Stone US

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