ジョニデ裁判で新たな証言 デップの浪費癖や偏執ぶり、気まぐれな言動が明らかに
Rolling Stone Japan / 2022年5月22日 11時30分
ジョニー・デップが元妻で女優のアンバー・ハードを名誉毀損で訴え、賠償金5000万ドル(約64億6000万円)を求めている裁判で、現地時間19日にデップの元スタッフと元友人が証言した。
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被告のハードが召喚した証人たちによれば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のスターだったデップはハリウッドのトップクラス俳優から転落し、6億ドル以上の収入がありながら職探しや生活に困っていたそうだ。「彼は世界一のビッグスターでした」と、かつてデップの元エージェントのトレイシー・ジェイコブス氏は証言録取の中で語った。
2016年10月に解雇されるころには、デップにはもはやかつての輝きはなかった。「すでに彼の名声には陰りが見えていたからです」と彼女は言い、撮影セットでの言動が着実に悪くなっていったのが原因だったとした。
「初めのうちは撮影クルーも彼のことが大好きでした。彼はいつもクルーに優しかったからです」。公判開始から19日目、デップとハードはもちろんのこと、北バージニアの法廷に集まった傍聴人の前で、ジェイコブス氏の証言録取が再生された。「ですが、主演俳優が姿を見せるまで何時間も何時間も待たされるのはクルーも好みません。噂は広まりました。しまいには誰も彼を起用したがらなくなりました」
58歳のデップは、ハードが2018年に掲載したワシントンポスト紙の記事で、名指しこそしなかったものの名誉を傷つけたと主張。家庭内暴力と#MeToo運動をテーマにしたこの記事が掲載されたのは、ニューヨーク州検事局が映画界の重鎮ハーヴェイ・ワインスタインを強姦罪で起訴して間もないころだった。36歳のハードも、デップが1回目の名誉毀損裁判の弁護人アダム・ウォルドマン氏と組んだ中傷報道により『アクアマン』出演以降キャリアをつぶされたとして、1億ドルの損害賠償でデップを反訴している。大ヒット間違いなしのスーパーヒーロー超大作『アクアマン』は、『パイレーツ〜』のようなシリーズ作品になる可能性も秘めていた。
ハードの弁護団は、デップが寄稿記事の掲載のはるか以前から身から出た錆で失墜していた、という主張を展開し、デップの元スタッフを証人に呼んで強調した。証人にはデップから解雇されたタレントエージェント、元弁護士、デップから契約を打ち切られ、のちに訴えられたビジネスマネージャー、彼が一時期診察を受けていた精神科医、長年の友人でデップから愛想をつかされた元バンド仲間、そして90年代に彼と交際し、のちに別れた有名女優のエレン・バーキンがいた。
エスカレートするデップの散在
演じる役が大きくなるのと並行して、デップの収入と散財も増大した。こう語ったのは、召喚状により証言録取を命じられた元ビジネスマネージャーのジョエル・マンデル氏だ。デップは専属スタッフの給料に年俸12万5000ドルから25万ドル、警備員には日給1万ドルを支払っていた、とマンデル氏。断薬と断酒のために雇ったデヴィッド・キッパー医師の診察料は月10万ドルだったそうだ。
それでも「しばらくすると、酒やクスリの問題が気まぐれな言動として現れていくのが分かりました」とマンデル氏は証言した。次第にデップと連絡を取ることも、収入が支出に追い付かない財政状況について率直な話し合いをすることも難しくなったそうだ。
マンデル氏の証言によれば、2015年秋になるころにはデップの財布も底をつき、数百万ドルにも及ぶ税金の滞納金を支払うことができなかった。南フランスに所有する家を売って滞納金の支払いに充てたらどうか、とマンデル氏が提案した。「2015年に財政状況の悪化を警告したのですが、快く受け止めてもらえませんでした」とマンデル氏。デップはマンデル氏の会社The Management Groupとの契約を打ち切り、詐欺と横領で同社を訴えたが、2018年に和解している(和解金の額面は非公開)。
デップが別の裁判で、同社が17年間自分の税金を申告しなかった、と宣誓下で証言したことをハードの弁護団から聞かされたマンデル氏は、信じられないといった口調で一切の不正行為を否定した。
同じ時期の2015年末、デップは当時エージェントを務めていたジェイコブス氏を尋ね、彼女の勤務先のUnited Talent Agencyから無条件で2000万ドルを工面してもらえないかと頼んだ。「借金として頼んできたわけではありませんでした」とジェイコブス氏は証言した。彼女の上司は断ったが、「デップが財政的に苦しかった時には」バンク・オブ・アメリカから500万ドルの融資を手配してやった。
それから間もなく、デップは同社との契約を解消した。身近な人々に疑念を抱いては袖にする、というデップのお決まりのパターンだ。1980年代に音楽業界で一旗揚げようと、デップとともに南フロリダから上京した友人のブルース・ウィトキン氏は、4年ほど前にデップから相手にされなくなったと証言した。2人はデップが不定期に行っていた音楽活動のバンド仲間で、デップに気に入られようとする取り巻き連中のなかでも、公私を共にする親友だった。
デップが元弁護士のジェイク・ブルーム氏を訴えた裁判で(2019年に和解)、ウィトキン氏がデップの麻薬使用について証言したのをデップは快く思わなかったようだ。「彼は、背後から刺された、といったおかしな携帯メールを私に送ってきました」と証言録取でウィトキン氏は語った。「それ以降、彼とはほとんど顔を合わせていません」
元恋人の証言
1998年の映画『ラスベガスをやっつけろ』でデップと共演した女優のエレン・バーキンは、1994年ごろに数か月恋人関係だったと述べた。だが10年来の友情は突然幕を閉じたという。2019年11月の裁判でも証言したバーキンは、デップは「四六時中」酔っ払い、彼女の目の前で定期的にマリファナを吸ったりコカインを服用したりしていた、と証言した。『ラスベガスをやっつけろ』の撮影中、ホテルの客室でワインボトルを投げられたこともあったそうだ(ただし、彼女には当たらなかった)。
またバーキンは、デップが「嫉妬深く、支配欲が強い」ことに気づいた、とも証言した。「一度背中にひっかき傷をつけたことがありましたが、彼は烈火のごとく怒りだしました。誰かとセックスした時についた傷に違いない、と言い張ったんです」と彼女はいい、その「誰か」とは会ったこともなかったと言った。ひどい別れ方をした後、デップからは一度も連絡はないそうだ。
財政状況は散々で、仕事も失い、2016年春にハードが申請した接近禁止令で評判もがた落ちしたデップは、メディアで反撃を試みたが、結果はぼちぼちだった。当時弁護士を務めていたウォルドマン氏いわく、2人は好意的な記事を書いてもらおうとローリングストーン誌にアプローチした。
ところが記事で描かれたデップは、彼の欲望を満たし、彼の冗談に愛想笑いをする取り巻きや悪友に囲まれたロックスターの成れの果て、というものだった。2018年6月に掲載されたこの記事を、デップは「でっちあげだ」と非難した。
こうした逆境にも関わらず、デップがイギリスのタブロイド紙から「暴力男」のレッテルを張られて同紙を訴えた時も、ウォルドマン氏は弁護士の役目を果たし続けた。結局デップは敗訴(この時の証人の多くは、1回目の名誉毀損裁判でも証言した)。だがそれまでは、デップもウォルドマン氏を高く買っていた。ウォルドマン氏自身は2021年4月に個人情報規約違反でTwitterから追放されているが、当時はソーシャルメディア各社と組んでデップに好意的なユーザーを洗い出した。別のイギリスのタブロイド紙ザ・デイリー・メール紙とのインタビューでは、言葉巧みな家庭内暴力の「デマ」を仕組んだ張本人としてハードを非難した。
被告側の証人として証言台に立ったデータ研究者兼分析官のロン・シュネル氏は、デップ支持派とアンチ・ハードのハッシュタグが付いた数十万件のツイートを分析し、2020年から2021年にウォルドマン氏が使用した「デマ」という文言がデップ支持派のツイートにも度々見受けられた、と述べた。
1回目の名誉毀損裁判では、判事は2020年にウォルドマン氏をデップの弁護団から除外した。同紙が裁判の部外秘資料――デップとハードの激しいやりとりを収めた音声テープーーをマスコミに流したことが判明したためだ。
19日の審問後、ペニー・アズカレート判事は裁判の記事やニュースには目を通さないよう釘を刺して、陪審を週末の間帰宅させた。アズカレート判事はデップとハードにも「週末の間、ソーシャルメディアへの投稿は一切しないでください。公式声明も一切しないでください」と直接指示を出した。証言は5月23日より再開される予定。裁判はいよいよ最終週を迎え、その後陪審の審議が始まる。
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