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ヒップホップ・アーティスト、OZworldをキャラ化した日本発のNFT

Rolling Stone Japan / 2022年5月23日 21時20分

「NiLDEX」は、NiLLANDのキャラクター図鑑であり、おもちゃ箱フォーマット。0.369ETHからのオークションで購入可能。

大企業や大御所ばかりがNFTに関わっている日本でも、新世代の中からNFTを通して音楽、カルチャーを発信するプロジェクトが出てきた。「リアルとバーチャルがリンクする仮想世界」をテーマにするNiLLANDが、沖縄出身のヒップホップ・アーティスト、OZworldをキャラ化したOZnil(オズニール)のNFTを、今年1月8日にオークション形式で販売したのだ。すでに第3弾まで発表されて、OZworld以外のアーティストのキャラまで登場している。OZworldとNiLLANDのガジュニルに話を聞いた。

【画像】「NiLLIFE」「NiLDEX」のコレクション

・OZworldといろいろな仲間のキャラクターがいる新しい遊び場

ーNiLLANDはどのような世界観と設定を考えたのですか?

OZworld 自分が今までやってきたこと、自分が今できることって何だろう?って考えてた時に、音楽はもうやってるし、他に何があるんだろう?ってなって。昔からフィギュアが好きだから、フィギュアを作りたいなと思った時に、オリジナルのキャラクターが欲しくなって。ガジュニルにソッコーで連絡をして、コンセプトを三つぐらい伝えたら、数日後にはしっかりしたコンセプトとキャラクターの形が返ってきて。「これ完璧です」って話になって。それで生まれたのがOZnilくんだったんですよ。

ガジュニル 最初は大きくNiLLANDを作ろうという出発点ではなく、OZさん(OZworld)のキャラクターを作ろうっていうシンプルで小さいところから始まったんです。ただ、せっかくやるんだったら、OZworldの名前にも「world=世界」って入ってるぐらいだから、もっと広い世界を一緒に作ろうよって言ったんです。スマブラ(『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』)みたいに、いろんなキャラクターがいる、そういう世界観でスタートしましたね。

OZworld 今後の展開を考えるとヒップホップに留まるつもりはないんですけど、初めにヒップホップをイメージした時に面白いなと思った部分があって。ヒップホップには「レペゼン」っていうのがあるし、派閥ではないけどクルーがありますよね。同じジャンルなんだけど、その中できれいに分かれてるのがヒップホップじゃないですか。めちゃくちゃコンセプトとしてマッチしたんですよ。NiLLANDの中では別にOZnilくんが一番人気じゃなくてもいいと思ってるんです。今後、WAVYnil、LEXnil、Bucksnilといろいろキャラクターが出てきた時に、このメンバーが人気になってくれて、NiLLANDの認知が全体的に上がってくれれば、結果的には一つディズニーランドのような遊び場を持つ感覚になるんです。ラッパーたちにしても、今までいろいろ自分のキャラクターを作ってきてるんですけど、そのキャラクターの応用の幅が、自分の作品のジャケットだけで使うとか、ブランドとのコラボだけで使うとかで止まってるんですよ。だけどこれを永続的に何かコンテンツとしてずっと持っておけるような形にできるんじゃないの?と思って。OZworldだけじゃなく、いろんな人たちのキャラクターを作ることができたら、NiLLANDを成長させることができると思ったんです。

ガジュニル NiLLANDはディズニーランドみたいなもので、OZさんがミッキーマウス的なポジションなんですよ。ディズニーの世界にトイ・ストーリーやシンデレラがあるみたいな感じで、どんどん仲間を増やしていきたいんです。ディズニーランドにはミッキーマウスがあるように、NiLLANDにはOZworldをキャラクター化したOZnilがあって。僕はキャラクターではなく、そこにいる「木」という設定なんですよ。沖縄にはガジュマルっていう木があるので、ガジュニルという名前なんです。

ー今年の1月8日に第1弾を発表して、2月12日に第2弾、2月26日に第3弾を発表しましたよね。

ガジュニル 第1弾の時は、国内でどれぐらい買う人がいるのか?っていうのが本当に未知で。OZさんを追ってるファンの若い人たちが、果たしてNFTを知ってるのか? その層に響くのか?という疑問があって。いきなり大々的にNFTを出しても全然売れませんでしたっていうのは、僕としても怖くて。ちょっとずつ段階を踏みたかったんです。まずはNFTを無料でプレゼントしてみたんですけど、割と集まったんですよね。「ウォレットを記入してください。そうしないと応募できませんよ」って、アンケートみたいなものを取ったら、実際に100人ぐらいがウォレットを記入して。これはいけるなと、僕の中でも確信に変わって。第1弾でまずはオークションという形で出してみて、大体の感触をつかんで、第2弾ではもうちょっと本格的に動いたイメージですね。欲しいと思ってる人には刺さってるというのは実感としてあります。


NiLLANDの「VirtualToyz」には、カテゴリーが2種類存在して、この「NiLDEX」は、NiLLANDのキャラクター図鑑であり、おもちゃ箱フォーマット。0.369ETHからのオークションで購入可能。第1弾のOZnil


第2弾のOZnil ”TATAMI” Edition(左)とARInil(ARISAKのキャラクター)


第3弾のRUInil(右/Cyber Ruiのキャラクター)OZnil ”EAGLE” Edition(中央)、DALUnil(左/Young Daluのキャラクター)


もう一つのカテゴリー「NiLLIFE」はNiLLANDのスタイル様式であり、上半身フォーマット。固定金額0.1ETHで購入可能。これはOZnil ”TATAMI” Edition


ARInil ”1st” Edition


DALUnil ”ODAIBA” Edition


RUInil ”GRAFFITI” Edition


NFTを通して実現させたい、交流も応援もできる新しいサービス

ガジュニル この時期にやりたかった僕なりの理由があって。アメリカだったら、NFTって言うとスヌープ・ドッグが真っ先に頭に浮かぶじゃないですか。国内のヒップホップ界隈だとたぶんいないんですよね。そこのポジションをいち早く獲りたかったっていうのはあります。

OZworld ある意味、音楽そっちのけでこれをめっちゃ考えてる時期もあったくらいだし(笑)。これは今から新しい世界が来る、その未来にどう乗っかるかということなんです。良い意味でサブリミナルのOZworldとして活動してきたから、そのキャラクターがやってるNFTとメタバースの世界があると、そこに一貫性が出来ていくんですけど、むしろそれを作るためにそういう世界観を自分の中でアップデートしてきたという部分もありますね。「最近は音楽もやらないで、投稿もNiLLANDばっかりだけど、大丈夫?」って思う人もいるかもしれないけど、「いや、見ててくれ。全部、後からバッコーンつながってくるから」と思って自分は動いてるんです。

ガジュニル 第3弾は、2月26日にラッパーのCyber Ruiさん、Young DaluさんのNFTを出したんですよ。OZnilのコンテンツだけがメインではなく、他のキャラクターも増やしていくつもりでやっています。

OZworld あともう一つの展開として、メタバース内の土地をNiLLANDで買おうと考えてて。ゆくゆくはそれを広げてライブ会場にしたり、NiLLANDのアイテム・ショップにしたり。NiLLAND内にゲームを作って、そのゲームをクリアできた人にはNFTアイテムや提携してるブランドの洋服が手に入ったり、クーポンが手に入ったり。販売してるNFTを飾れるような展示場を作ったり。メタバース参入も視野に入れてますね。

ガジュニル 今はメタバース内の土地を買うためにETH(イーサリアム)を集めてる感じですね。僕もOZさんもお金儲けのためにはやってなくて。コロナの影響でアーティストさんのファンとの交流の場が少なくなってきてる中、メタバースの遊び場をできるだけ早い段階でNiLLANDで買って、みんなで遊べる場所を作りたいという感じですね。

OZworld 交流も応援もできる新しいサービスなのかな。NFTを保有したファンの方も、そのNFTの価値が上がってほしいから、自然とアーティストを応援する形になるし。もっとつながることによって、各々の持ってる能力が発揮されて、コミュニティとしての価値を高めることになっていくと思うんですよ。これってブロックチェーンの思想だって言われてるけど、それも理解できるんです。個々がつながって、自分の持ってる技をどこかで活かすことによって、自分たちの価値や幸福度が高まっていく。そこでDAOっていう言葉が出来てるんですけど、みんなで責任を持って、みんなが信頼し合った上で、一つの何かを作りましょうっていう時代になってきてると思いますね。

ーNFTのキャラクター作りでこだわったところはあります?

ガジュニル NiLLANDのキャタクターの名前には必ず「NiL」を付けてたり、おもちゃに回転エフェクトを入れてたりするんですけど、これってデジモンをサンプリングしてるんですよ。デジモンはデジタルワールドの走りだと思ってて。デジモンって絶対「モン」って付くじゃないですか。おもちゃが回転するエフェクトは、変身する時のエフェクトなんですよ。これって、日本ならではのカルチャーだなと思ってて。例えば、アメリカのスパイダーマンだと、普通に着替えるだけじゃないですか。まだまだ世界のマーケットと比べると小さいですけど、日本ならではのエッセンスはけっこう意識してます。

ー今後、NFTと音楽を結びつけるようなことは考えていますか?

OZworld OZworldが新しい曲を出す時に、それにまつわるNFTを出すようなことは考えてます。今度、OZnilと唾奇nilのNINOKUNIバージョンっていうのが3Dで出るんですよ。そういうことも、現実世界でみんなが頑張ってくれてるからこそ、面白さが出ると思うんです。ヒップホップをリアルに生きてる人からすると、メタバースの仮想現実だけに価値観を偏重されるのは違うってことになると思うんですよ。だからこそリアルとちゃんとつなげて、メタバースの仮想現実を使うことでより良い現実世界にしましょうというのが、自分たちの大きなコンセプトになりますね。それってけっこう大きな意義になってくると思うんです。そこのバランスを取りながら二つの世界をどうつなげてくのかを考えるのが、めっちゃ面白い部分なんですよ。

OZworld(Phoo by YUYA TAKAHASHI)

OZ WORLD
https://www.ozworld-rkuma.com/
Instagram: @ozworld_official

NiLLAND
https://nilland-official.com/
Instagram: @nilland_official
Twitter: @nilland369
Opensea: https://opensea.io/collection/nildex
https://opensea.io/collection/nillife

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