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新しい学校のリーダーズが語る、ライブでの成長、88risingでの経験、そして限界突破へ

Rolling Stone Japan / 2022年7月6日 18時30分

新しい学校のリーダーズ(Photo by usamiryo)

その一糸乱れぬパフォーマンスからは、小さなスマホの画面からでも彼女たちの熱気と真剣さが伝わってくる。CDデビューから5年を数えるダンス&ヴォーカル・ユニット、新しい学校のリーダーズ。歌謡曲調のムード溢れる楽曲から高速BPMのテクノ・ビートまでを乗りこなし、どんな場所をも彼女たちの色に染め上げていく。

2021年にはアメリカを拠点とするエンターテイメント・プラットフォーム、88risingから世界デビューも果たし、その熱気は今やグローバル規模のものに。今回は、2022年5月にZepp DiverCityでのワンマン・ライブ「むむむ!?無名卒業ライブ ~AG! FRIDAY AFTER SCHOOL~」を終えたばかりのメンバー(MIZYU、RIN、SUZUKA、KANON)に、ライブを終えた感想や世界進出に向けての意気込みなどをじっくりと聞いた。

【写真を見る】ワンマン・ライブの様子

―このインタビューを行う数日前、ちょうどZepp DiverCityでみなさんのワンマン・ライブを拝見したんです。細部まで拘ったパフォーマンスは、一瞬たりとも目が離せないなという感じで。他のライブと比べて、今回のワンマン・ライブには、異なる意気込みや想いみたいなものはありましたか?

KANON:もう、全然違いました!

SUZUKA:やっぱり、今回は演出家さんが入って会場も大きくなるってことで、私達4人じゃできない、もっと大きなことを初めてやらせてもらったという感じですね。

KANON:ダンサーさんたちも含めてね。

RIN:大掛かりなセットも初めて組みましたし。

KANON:これまで4人で作ってきたから、最初「演出家さんを入れてやるかも」と言われた時に「必要?」とまで思っていたんです。でも、だんだん「演出家さんがいるライブって、こういうことか」って。パフォーマンスの面に関しては、メンバーの4人と、バックダンサーとして参加してくださった「ズ」のみなさんと話し合って決めていくことが多かったです。

RIN:想像していた規模感よりも大きかったし、自分達じゃ想像しきれない部分まで拘って作ってくれたので、そのありがたみを初めて知って、大きなステージにまた一歩近づいたなって感じました。



―ライブのパフォーマンス中やライブの後を振り返って、みなさんがそれぞれ印象に残っていることは?

KANON:ライブ中に、こんなにメンバーと目が合ったのも初めてでしたね。これまでは初めから最後まで体力勝負というか、楽しんでるけど、「しっかり見せる!」というところに集中していたから、そんな余裕がなかったのかも。今回は、ダンサーさんや演出家さんたちに任せられる点もあったし、本番前から「絶対うまくいくでしょ、これ」って自信があったんです。だから、本番中も、「楽しい」って気持ちが一番前に出た状態でライブすることができたなって思います。

SUZUKA:ライブが始まる前に、みんなと「たくさん目を合わせないと寂しいよね」って話していて、それを舞台の上で実践したんです。結果、めちゃめちゃ「こんなに幸せなんやな」って思った。”表現する”ってことに対して求め続けていた感覚を、やっとZeppでのワンマンで掴めたなって感じがしました。今まで色んなステージに立っても、ずっと、表現者として不完全燃焼な気持ちがあったんですよ。だけどーー言葉にしづらいんですけどーー今回、「あ、こういうことや」って掴めた感じがあったんです。それがすっごい嬉しくて。4人で目を合わせていったからこそ、掴めた感覚もあった。楽しいこと、面白いことをするのがめっちゃ好きなので、その感覚の頂点を掴めた感じだったんです。「やっと出発地点に立てた」って思いましたね。

RIN:今回、ダンサーの「ズ」の皆さんに協力してもらったわけですけど、そのリーダー的な方は、元々私が小さい頃からお世話になっていたダンスの先生だったんです。小学3年生くらいのときに出会って、ダンスに対する考え方や音楽のこと、人への接し方などすごくいろんな面で勉強させてもらった方で、自分の人生におけるキーパーソンみたいな人。Zeppでのワンマン・ライブっていう大きな一歩を踏み出すタイミングで、その方と一緒にステージを作ったことが、すごく感慨深く感じられるんですよね。他にも、ダンサーの中には15年くらい前、ダンスを始めた頃に知り合った子もいて。だから、私の20年間の人生ってまだまだ短いかもしれないけど、その中で出会った方や、今の私が一番大切にしている新しい学校のリーダーズ(以下、AG!)のみんなたちと一緒にステージに立てるってことがとっても感慨深くて。ライブ後は、みんなで全力のハグをしました。

MIZYU:一番気持ちが昂った瞬間は、ステージに出た時、一階だけじゃなく二階席のお客さんの顔まで見えた時。そこで「会えた!」って感じがして。その景色の迫力がすごくて、「ここに来ているみんなは、私たちのことを見たくて来てくれているんだ」と思うとすごく嬉しかったんです。ステージに上がった瞬間の4人の笑顔に、嘘は1ミリもないって感じでした。ライブ中も、一人一人、お客さんの顔を見ていたんですけど、みなさん、マスクを着けていても目でいろんなことを伝えてくれていたなあと感じて。


「ワシらのことは、ワシらが一番分かってる」

―ライブのタイトルは「無名卒業ライブ」と銘打っていますが、このタイトルに込めた想いは?

MIZYU:今までずっと、「無名ですけど」っていう言葉をワンマン・ライブのタイトルに使っていたんです。でも、それを「いつまで続けよう?」って話もたびたびしていて。(無名を)卒業するかしないかって誰が決めることでもないと思うんですけど、今回、挑戦や規模拡大ということもあったので、ああやって言葉にして掲げるいいタイミングなんじゃないかと。観た人にも「なるほどな」と思ってもらえるライブが出来たと思います。あのライブを機に、「無名を卒業した私たちが始まります」ってことを感じてもらえたら。

―今の自分達に納得できないと、こちらから「無名卒業」って言えないですよね。見ているこっちも、勝手に感極まってしまいました。何より、お客さんが楽しそうにしていたのがすごく印象的で。

SUZUKA:まだ声は出せないけど、ようやくライブハウスに足を運べるようになってきていますし、お客さんからも開放感みたいなものを感じました。「手あげて」って言ったら全力で挙げてくれる様子も、「全員が本当にAG!を見に来てるんだ」って感じがありましたね。

MIZYU:映像で見返した時も、すっごく後ろまでちゃんと手が挙がってたもんね。

―無名を卒業したAG!のみなさんが、今、見ているビジョンってどんなものですか?

SUZUKA:今年の8月にロサンゼルスで開催される88risingのフェス、「Head In The Clouds」にも出演するんです。これまでにアメリカには2回行ってるんですけど、その2回とは確実に違う経験をするっていうことが決定していますので。

MIZYU:決定してるんだ(笑)。

SUZUKA:そう。Zeppを経て、そこに対しての覚悟や自信を身につけることができた。やけど、(海外でのライブは)そこのアプローチとはまた違うのかなとも思っています。やっぱり、アートとしての”日本”を誇張して表現したいなと思うので、そこは自分たちでポイントを押さえながらやっていきたいですね。ワシらのことは、ワシらが一番分かってるので。そこを伸ばしていって、みんなにグッサグッサと刺していけばええんちゃうかなって思いますね。

KANON:過去2回海外に行って、毎回、4人としての成長がすごくて。

MIZYU:どんどん変化してるよね。

KANON:そう。行くたびに変化してるなと思うので、次もどんな変化が待ってるんだろうってすごく楽しみにしています。

SUZUKA:その変化を4人で乗り越えられるっていうのが楽しいんよな。

RIN:本当に、毎回が挑戦なんですよね。

―そうした変化や挑戦を自分達のスキルや実力に変換できるのがみなさんのすごいところだなって感じています。

KANON:それは、出会う人や環境にもすごく恵まれているなと感じます。

MIZYU:海外にいるとき、日本が恋しくなったり心細くなったりするタイミングがいっぱいあるんですけど、そんな時も日本のファンの皆さんがたくさんメッセージをくれて、すごく心強かったんです。だから、今年も夏にアメリカに行くけど、その前にZeppのワンマンで皆さんの顔を見れてすごく良かったです。あの景色を見たらまた頑張れるって。

SUZUKA:すごい財産よな。

MIZYU:「アメリカ行ってきます!」って気持ちになるよね。

―同じく、2021年に開催された「Head In The Clouds」にもAG!として参加されました。その時のオーディエンスの反応はどうでしたか?

KANON:反応が良すぎて。

SUZUKA:発狂!

KANON:そう、発狂!

MIZYU:日本のお客さんよりもリアクションが大きい感じがしましたね。「知らない曲だからポツン」みたいな人もいなかったし。しかも私たちのことを知っている人は少ないと思ってたんです。「それでも爪痕残せるよね」って覚悟で挑んだんですけど、実際にライブに出たら私たちのことを知ってたんですよ。AG!の姿が見えて黄色い声が聞こえたときに……。

KANON:「え!? 知ってるの!?」って。

SUZUKA:ワシらは、あの反応をイメージして普段から曲も作っているから、「やっと求めていた発狂が来た!」みたいな感じがありましたね。だから、日本のお客さんにも「もっと発狂してええんやで」って伝えていきたい。この後、コロナが終わったらみんなのことをもっと解放できたらなと。





海外のファンとのコネクション

―先日のコーチェラ・フェスティバルでも、88risingのステージは大きなインパクトを与えたのではないかと思うのですが、AG!のみなさんもご覧になりましたか?

RIN:はい、4人でみんなで見てました。

SUZUKA:渋谷のちっちゃいスタジオでな(笑)。リハーサル中だったんですけど、「コーチェラ、全然すぐやで」って言いながら見てました。ちょっと悔しい気持ちもあるけど、「全然行ける」って言いながら。

MIZYU:この次、私たちが行ったら……。

三人:全然行ける!

―8月のロサンゼルスでのライブはどんな内容になりそうですか?

SUZUKA:この間公開された「Pineapple Kryptonite (Yohji Igarashi Remix)」のMVでは、学ランを着たんですよ。だから、今度のアメリカのライブでも、AG!の新しいアイコニックな姿として、学ラン姿を披露することになるんちゃうかな?って思っています。でも、まだ漠然としてて。私たち、今回は(フェスの)メインステージに行けるのかな?

三人:どうなのかな?

SUZUKA:いや、行けるっしょ。



―普段、SNSなどを通じて海外のファンとのコネクションを感じることはありますか?

RIN:SNSのコメントは、昔と比べて圧倒的に海外のファンの方が増えました。

KANON:海外の人の方が、言葉じゃなくても絵文字だけでコメントをくれたり、たまにDMも見るんですけど、「Hi」と一言だけ送ってくれたり、とにかく、いーっぱいくれるので、常に海外のファンのことを考えながら暮らしている感じはあります。

―本格的なデビューから5年が経ち、今や海外での活動も積極的に行なっている。かつての皆さんと比べて、今の皆さんが新たに意識していることはありますか?

SUZUKA:私たちを海外からの目線で見た時のおもしろポイントっていうか、アイコニック・ポイントみたいなところは意識するようになりましたね。例えば、世界中の人たちがファンアートを描いてくれるんですよ。

KANON:毎日のように書いてくれてるよね。

SUZUKA:一日4つくらい見かけるよね。それくらい、私たちをキャラクターとして見てくれてるっていうことなので、一人一人のキャラっていうものをより意識するようになりました。そこは海外を意識してから変わったことではありますね。

―逆に変わらないところは?

SUZUKA:「普通のことはつまらない」って思いかな。何かはみ出さないと、って。そういうことを考えている時が、一番楽しいし、変わらずデカなってるところかなって思います。

MIZYU:まさに「個性や自由で、はみ出していく」っていうところですね。


左からMIZYU、KANON、SUZUKA、RIN(Photo by Dennis Leupold)



「インプットされていたものが外に出ていく瞬間って4人で一緒にいるときが多い」

―ライブの規模も大きくなって、88risingとの契約も発表して……って、ここ2年くらいのスピード感、とにかくすごいですよね。ドラマチックな人生だな、と感じています。

KANON:私たちも、走りすぎちゃってる感じがします。まだまだ走れるけど。

SUZUKA:どんどん走ってるよな。

KANON:「走るの楽し〜!」って(笑)。

RIN:走っている私たちに、ファンの人も一緒に着いてきてほしいって思っています。日本のファンの皆さんにもよく言ってるんですけど、海外に行っちゃって遠く感じると思われたらすごく悲しいので、「一緒に行くんだよ」って気持ちはすごく強いですね。

MIZYU:海外に向けた視線もありますけど、日本へのアプローチもめちゃくちゃ大事だと思っています。日本の皆さんにも、「この子たちは日本代表だ」って思ってほしいから、これまでと変わらず、日本にいるファンの皆さんに喜んでもらえることもいっぱいしたいなって思います。私たちはあくまで日本人なので。

―パフォーマンスはもちろん、表情ひとつを切り取っても、AG!としての徹底的なクリエイティビティを感じます。普段、どんなことからインスピレーションをもらいますか?

SUZUKA:それぞれ、人間として生きているんですけど、AG!のSUZUKA、MIZYU、RIN、KANONという人格として、この4人がどうやったら面白いかっていうことを考えているときは、やっぱり4人でいるときに「あ、ここはこうじゃない?」って出てくるんですよね。

RIN:インスピレーションというか、なんか勝手に出てくるみたいな感じですよね。インプットされていたものが、外に出ていく瞬間ってやっぱり4人で一緒にいるときが多いんです。

SUZUKA:日々、それぞれ個人の好きな音楽や生き方が、うまいこと作用しているんだと思います。

―今後における、皆さんの夢や理想について、それぞれ伺ってもいいですか?

SUZUKA:ワシが思うに、日本のもっと大きなステージに向かっていくのは、近い未来のことやなと思ってるんです。でも、もう少し遠くの未来のことでいったら、大勢の日本のファンがいる上で、世界という最も母数の大きいステージに立つこと。ワシが思ってもみないような大きなステージに立って、その時、そこにいるオーディエンスたちはAG!に対して本当にリスペクトを持って、かつ「この子たちがやってることは本当に面白くて、アートだ!」と言ってほしい。そして、その大きなステージを観た日本にいるAG!のファンたちには、「日本人の女子4人が、こんなとこ立っとるぞ」って泣いてほしい。世界に向けて、「日本やばい!AG!やばいぞ!」ってバーンって発狂させたいですね。

KANON:最近はNIKEとコラボさせて頂いたり、色んなお仕事がある中で、やっぱり4人で考えるのがすごい楽しいし、ステージに立つのも楽しい。毎回のワンマンもそうですけど、一つのステージを終えるたびに、そのときのベストを尽くして、前回よりも良くなっているなと感じるんです。それって、これまでの挑戦を地道に繰り返してきたからだと思うんですけど、今回のライブで、さらに「4人の限界、ないぞ!」と思って。「この4人だったらどこまででも飛んでっちゃうぞ」と思えたんです。AG!としての私もどんどん好きになっていくし、他の3人も大好きだし。どんどん4人として突っ走っていきたいなっていう気持ちは本当にあります。メンバーは絶対に代わりがいない存在だし、この4人だったらもっと広い素敵な景色や風景を見ることができる気がするので、このまま突っ走っていきたいです。

MIZYU:4人で活動していると、いろいろ荒波が来るんですよ。でも、いろんなことを挑戦したいからこそ、いつでも4人で会話をして4人で頷けば、イケちゃうんですよ。それが全てなんですよね。コロナ・ウイルスが蔓延し始めた時も、どうしたらいいんだろうってめちゃくちゃもがいていたんですけど、それが今の成長につながっているし、プラスになっている。そうやって、ピンチをチャンスに変えてきた感じはあります。

RIN:今も昔も自信はあるんですけど、昔は根拠のない自信だったんですよね。でも、今はいろんな経験をしたことで、根拠のある自信にだんだん変わってきたなと思っているんです。その辺にいたはずの中高生の女の子たちが、周りのサポートもありつつ自分達の可能性を突っ走ってきた結果、限りなくすごいところまで来ることができた。それってすごく夢があることだと思うんです。これから、日本はもちろん、世界の人たちに対しても夢を与えられる存在になれたらと思います。まだ、漠然としていますけどね。

SUZUKA:ワシらのこの雰囲気っていうのは、本当にピースフルなんですよ。お互いのことが大好き。だから、このスタンスを色んな人に伝えていきたいなって思うんです。

KANON:そうそう。配信の映像を見て、本当に「この4人最高!」って思ったんです。「こんなに愛に溢れてるんだ」って。

SUZUKA:曲を聴いて、「うわ、誰これ?めっちゃかっこいいやん! めっちゃ好き!」って思ったら「ウチらやった!」って感じなんですよね。

KANON:私たちの、この白くて青い気持ちっていうか。

SUZUKA:そう。この白と青のところに常に執着していきたいですね。



Head In The Clouds Music&Arts Festival
今年で通算4回目を迎える88rising主催の大型フェス「Head In The Clouds Music&Arts Festival」。二日間にわたって開催され、日本からは新しい学校のリーダーズやTERIYAKI BOYZ®が参加。ヘッドライナーはジャクソン・ワン、NIKI、リッチ・ブライアンらが飾る。
https://la.hitcfestival.com/

新しい学校のリーダーズ オフィシャルホームページ
https://leaders.asobisystem.com/

Rolling Stone Japan vol.19
※88rising特集ページにて、新しい学校のリーダーズのインタビュー掲載。
発売中


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