HKT48 矢吹奈子が語る、センターの自覚と「魅せ方」への意識
Rolling Stone Japan / 2022年7月11日 18時45分
2013年、12歳でHKT48に加入した矢吹奈子。先日、福岡のHKT48劇場で生誕祭が催されたばかりだが、気づけば彼女も21歳。IZ*ONEとしての活動を経て昨年グループに復帰した矢吹に、20歳最後のソロインタビューを実施した。15thシングル「ビーサンはなぜなくなるのか?」の話から、表現に対するこだわりまで、アーティスト=矢吹奈子の心中に迫った。
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ー矢吹さんは、TVやモデルのお仕事も多いですし、可愛くて華やかなイメージがあったんですけど、ステージ上では熱血タイプなんだなと、4月の「HKT48 LIVE TOUR 2022~Under the Spotlight~」の東京公演を観て感じました。
矢吹:あのツアーは私個人としては4年ぶりで、HKT48としても3年ぶりで、各地のいろんな方に出会える久しぶりの機会だったので、やっぱり楽しいなってまず思いました。最初は指原(莉乃)さんのいないHKT48をどう見せていったらいいのかっていうプレッシャーが凄くて。特にツアーでは、指原さんがいなかったら成り立たないってぐらい大きい存在だったので。指原さんがいないHKT48で、しかも自分がセンターに立って、どうやってこのツアーを楽しませられるかなってずっと考えていて、始まる前はプレッシャーと不安が押し寄せてきました。でもツアーの1回目の公演が終わってホッとして涙が出たし、東京公演では指原さんが来てくれて「よかったよ」って言ってくださって、またそこでも泣いちゃいました。
—言われるまで自分でも気づかないぐらい、大きなものを背負ってた?
矢吹:ツアーが始まる前にメンバーで集まって話し合うタイミングがあったんですけど、先輩後輩関係なく、みんなでツアーにかける想いを話したんです。そのときに「この子はこう思ってるんだ」「そういう考え方もあるんだ」って、新しく気づけたこともありました。みんなが目指してる場所に向けて目線を合わせるために、話し合いの場をキャプテンのなっちゃん(松岡菜摘)が作ってくれて。そのときから胸がぎゅって苦しくなる感じがあったし、そこで初めて自分が「このツアーをよくしよう」って気持ちが大きいんだなって気づきました。
—そこまでのプレッシャーって、今までのツアーでは感じなかったんですか?
矢吹:緊張するとかはあったんですけど、みんなを牽引するプレッシャーはなかったです。前まではどちらかと言えばついていく立場だったと思うので。でも今回のツアーは最初のオープニング3曲全部センターに立たせていただいていて、指原さんセンターの「意志」という曲にも特別な意味があるなと。今まで指原さんがやってきたポジションを私が任されることになったので、重みを感じながらツアーが始まったという感じです。
—ツアー各地で何回か公演してみて、その重みから解き放たれるような感覚は得られましたか?
矢吹:みくりん(田中美久)が公演をお休みしたときに、みくりんの分も頑張らなきゃと思って、そのときは背負うものが大きくなった感覚がありましたけど、愛知公演からみくりんが戻ってきて、そこで少し軽くなった感じがしました。そこから楽しもうって余裕がちょっとずつ出てきて。
—チャレンジコーナーで外薗葉月さんと披露したカバー曲「点描の歌」もよかったです。矢吹さんの歌唱が堪能できて。
矢吹:チャレンジコーナーではHKT48ではないアーティストさんの曲を歌うので、中途半端な気持ちだとそのアーティストさんにもファンの方にも失礼だなと思って、リスペクトの気持ちを持ちながら、かなり前から練習してたんです。48グループの曲とは全然違うので、頑張りました。
「魅せること」に興味を持ったきっかけ
—矢吹さんはステージ上での自分の強みってどんなところだと思います?
矢吹:前は歌に自信があったんですけど、韓国に行ってからはまだまだだなと思い知らされてもちろん歌い方も変わりましたし、成長はしてるかもしれないけど、もっと頑張りたいです。だから……”魅せ方”かな。自分が一番よく見える歌い方、踊り方とか、曲ごとに変えたりできるのが強みかなと思います。ただ、振り付けに関しては合わせることが大事だと思ってるので、アレンジは全然してないです。基本の振りをみんなで合わせつつ、自分を”魅せる”。細かい表現の仕方とか髪の毛の使い方とかを、自分がいいなって思った方のパフォーマンスを見て、学んで活かせるようになってきました。
—そういう意識って、前はあまりなかったんですか?
矢吹:そこまで考えたことはなかったかもしれないです。今はみんなの振りが揃っていて、それを踏まえた上での自分の”魅せ方”を考えなきゃって思うようになりました。昔は自分の動画って見なかったんですけど、韓国に行ってからは自分をよく見るようになりました。”チッケム”といってファンの方が自分だけを編集してくださっている映像を見て研究して。他の方の動画も見て、うまいなと思うところは自分もマネするようにしたり、学べることがたくさんあります。歌番組だと、モニターに映ってる子しか見えないじゃないですか。だけどコンサートだと、モニターに映ってないところも見えてる。そういう意味でも参考になりました。
—なるほど。矢吹さんが今好きなアーティストさんって誰ですか?
矢吹:韓国の方なんですけど、キム・セジョンさんが好きです。Produce 101のときの先輩グループで、今は解散してるんですけどgugudanのメンバーの1人で。今はソロ活動していて、演技のお仕事もされている方で。歌がすごく上手いんです。刺激になります。
—韓国の歌手に興味を持つようになったのって、IZ*ONEに入ってから?
矢吹:そうですね。TWICEさんとかは聴いたことはありましたけど、ソロの歌手の方とかバラード曲とかはほとんど知らなかったです。韓国に行く前は℃-uteさんの曲にハマってました。(℃-uteが)解散するちょっと前に好きになったんです。今まで自分がやってきたアイドルとはまた違うアイドルだなって。パフォーマンスがすごく上手だし、それこそ”魅せ方”が上手いなと思って好きになりました。だから℃-uteがきっかけで”魅せる”ということに関心を持って、ちゃんと学んでいけるようになったのは韓国行ってからです。
—そしてホームのHKT48に戻ってきて、学んだことをステージで表現できると。今は目標とか何かありますか?
矢吹:私、どんなにちっちゃい夢でも書くようにしてるんですけど、今年の初めぐらいにどんどん夢が出てきてしまって。そのときにまだやりきれてないこととか、自分がこれからやりたいことがいっぱいあるなって感じました。劇場がPayPayドームの隣にあるので、いつかPayPayドームでコンサートしたいなとか、グループで叶えたい夢もありますし。
—個人での夢はあるんですか?
矢吹:お仕事ではたくさんあります。最近、プライベートでしたいことが全然なくて……。ずっとお仕事の頭になってるかもしれないです。インドアなので、家でゴロゴロして、飼ってるインコと遊んだり、ドラマをずっと見たり。日本のドラマも韓国のドラマもどっちも見るんですけど、演技と韓国語の勉強も兼ねてチェックしてます。
—そう考えるとオフのときは静かな日常を過ごしてる感じなんですね。
矢吹:そうかもしれないです(笑)。家から出ないですね。外出するのはお母さんとスーパー行くときぐらいです。
「ビーサンはなぜなくなるのか?」について
ーHKT48の15thシングル「ビーサンはなぜなくなるのか?」は王道のサマーソングになりましたね。シングルでいうとHKT48としては1年1カ月ぶりで。
矢吹:HKT48の前回のシングル(「君とどこかへ行きたい」)には私はいなかったので……シングルはHKT48だと4年ぶりですね。「早送りカレンダー」以来で、そうだ、前回も夏曲だったんです。
—今回のシングルはどうですか?
矢吹:HKT48では久しぶりの夏曲なので、純粋にうれしいです。私の中で、夏の明るい曲って48グループのイメージがあるんですよ。イントロのピアノの音からドンって盛り上がる感じもそうだし、”AKB48感”があってすごく好きです。初めて聞いたときに好きになる曲と、聞いていくうちにどんどん好きになる曲ってあるじゃないですか。この曲は前者でした。
—歌い出しも矢吹さんですよね。
矢吹:歌い出しが自分のソロの表題曲って、今まで多分ないんじゃないかな。うれしいです。
—振り付けも可愛いなと思いました。細かいところにこだわりがあるというか。
矢吹:最初の手のところとか、今までにないような感じですよね。
—そうそう、手の動きがすごく印象的だなと思って。
矢吹:めっちゃ難しかったです。ギリギリのスケジュールのなかで、ミュージックビデオ撮影の前日に振り入れしたんです。ライブで初披露する前日にメンバー皆で振りを合わせる時間をつくってもらったんですけど、練習が終わってからも仕事がある子を除いてメンバーで残って、動画を見直して確認したり、みんなで意見を出し合ったりしながらやれたことが感動したというか、以前より意識が高まってるのかなと感じました。
—前はそういうことはなかったんですか?
矢吹:私の感覚でいうと、前はゴールが”覚える”ということだった気がします。
だけど今はみんなの意識が”揃える”になったのかなと。”魅せ方”って難しいですよね。やろうと思って簡単にできることじゃないから、後輩たちも目標の人を見つけて真似してみてほしいなって思います。
ーグループ内での目標=矢吹さんになるといいですね。矢吹さんとしては、やはりセンターでみんなを引っ張っていくぞって気持ちは強いですか?
矢吹:はい。センターは奈子しかいないねって思ってもらえるぐらいのメンバーになれたらなと思いながら頑張ってます。
—もうなれてるんじゃないですか?
矢吹:まだです! 前回のアルバム(『アウトスタンディング』)のリード曲の「突然 Do love me!」や春のツアーでセンターに立たせていただく機会が増えて、プレッシャーというよりも「センターとしていいパフォーマンスを見せるぞ!」の方に気持ちが変わってきてます。
「センターに立ちたい」という気持ち
—2016年の矢吹さんのインタビューに「高校生になれるのが嬉しい。高校生を飛び越えて早く大人になりたい」という内容の発言があって。指原さんや(℃-uteの)鈴木愛理さんのような大人の女性になりたいと。
矢吹:ああ、めちゃくちゃ思ってました。そのときから愛理ちゃんの話をしてたんだ。
—お洋服が可愛いからいいって。
矢吹:理由が浅い(笑)。
—そういうのが似合う年齢になりたいって言ってました。
矢吹:はい。中学生の頃は早く18歳になりたいと思ってて、16歳になってからは早く20歳になりたいって思うようになりました。でも今20歳になって、まだ21になりたくない、に変わりましたね(笑)。
—そうなんですね(笑)。
矢吹:やっぱりハタチってすごくいいじゃないですか。こんな一瞬で過ぎてしまうのかって。20歳の1年がなんだか短く感じて。
—なぜそこまで大人への憧れがあったんですか?
矢吹:周りにいる人がみんな大人だったからだと思います。さしこちゃん(指原)とか身近にいるカッコいい大人に影響されていたのかなって。
ー”まだ大人になりきれていなかった自分”と今を比べると、どこが変わったと思います?
矢吹:体力かな。小6の頃とか2回公演の間で鬼ごっこしてたので(笑)。こないだのツアーも初日の昼に全力を注いでしまって、1回目終わった後のリハ中に、眠くてだんだん目が閉じていって、自分でもびっくりしました。え、こんなに体力を消耗するんだって(笑)。
—矢吹さん的には今、個人の活動もしているなかで、HKT48のメンバーとしてどういう欲求がありますか?
矢吹:前はほんとに”センター欲”がなかったんですけど、今はセンターに立ちたいって気持ちが強くなりました。HKT48としては、それが一番大きい変化かなと思います。前からフロントに立ちたいって気持ちはあったけど、センターに立ちたいとか、みんなを引っ張っていく存在になりたいとは思っていなかったので。
—個人では?
矢吹:演技したいって欲が今は一番強いかもしれないです。前に『顔だけ先生』っていうドラマに出させていただいたときに、同じ台本でも、演じる方によって解釈が違うのが面白いなって。今も演技のレッスンを受けさせてもらってて、すごく勉強になりますし、自分とは違う人になれるのが楽しいです。
<INFORMATION>
「ビーサンはなぜなくなるのか?」
HKT48
EMI RECORDS
発売中
【TYPE-A】
1. ビーサンはなぜなくなるのか?
2. 向日葵の水彩画
3. ビーサンはなぜなくなるのか? (Instrumental)
4. 向日葵の水彩画 (Instrumental)
DVD
ビーサンはなぜなくなるのか? Music Video
ビーサンはなぜなくなるのか? Music Video Making Movie
【TYPE-B】
1. ビーサンはなぜなくなるのか?
2. 充分、しあわせ
3. ビーサンはなぜなくなるのか? (Instrumental)
4. 充分、しあわせ (Instrumental)
DVD
ビーサンはなぜなくなるのか? Music Video
未来を変えるのはキミ次第だ。HKT48 第6期生AUDITION ドキュメンタリー
【生産限定スペシャルプライス盤】
1. ビーサンはなぜなくなるのか?
2. 悲しみの浄化装置
3. ビーサンはなぜなくなるのか? (Instrumental)
4. 悲しみの浄化装置 (Instrumental)
特典
・スクールカレンダー(全16種類のうち1種類をランダム封入)
【劇場盤】
1. ビーサンはなぜなくなるのか?
2. 悲しみの浄化装置
3. ビーサンはなぜなくなるのか? (Instrumental)
4. 悲しみの浄化装置 (Instrumental)
https://www.universal-music.co.jp/hkt48/
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