Aile The Shotaが語る、ナチュラルに作り続けることの先にある「本質」
Rolling Stone Japan / 2022年7月13日 18時15分
ジャンルや知名度を問わずゲストやプロデューサーを招いて、ヒップホップのビートやR&Bの歌唱などにJ-POPのエッセンスを加えた楽曲を次々と発表し、唯一無二の動き方でシーンを横断しているアーティスト、Aile The Shota。7月6日にリリースされた2nd EP『IMA』には、SoulflexよりMori ZentaroとMa-Nu、春野、maeshima soshi、KNOTT、illmoreが参加し、4曲ともにグローバルの最先端な感覚を巧みに落とし込んだ新鮮なJ-POPソングとして完成している。
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BE:FIRSTを生んだオーディション『THE FIRST』に参加する前まではアンダーグラウンドシーンにてインディペンデントで活動していたAile The Shotaにとって、デビューからの約半年は夢が叶う瞬間の連続。ただし、夢が現実になる瞬間というのは輝かしさだけが降り注ぐものではない。
『IMA』にこぼれ落ちている彼の心情や感覚を、インタビュアーとしてどうしても見逃すことができなかった。「聞かれたら何でも言おうと思っていたけどめずらしくすごいところまで話した」と取材後に言ってくれたほど素直に吐き出した、Aile The Shotaの今の想いをぜひキャッチしてほしい。
—1st EP『AINNOCENCE』の取材時に次の制作も始めていると話されていましたが、2nd EPはどういうものを作ろうと思ってこの4曲ができたのか、というところから聞かせてもらえますか。
1stのときもそうなんですけど「このプロデューサーの方と曲をやりたい」から始まって、綺麗にまとまった感じがあります。EPのタイトルがシングルと同じ『IMA』になったのは全曲ができあがってからで。1曲ずつ作っていって、最後に並べてみたら、『IMA』というEPになったというのが成り立ちですね。
―このタイトルにしたのは、Aile The Shotaの「今」を表した4曲だから?
そうですね。最初は「EPのタイトルは『IMA』ではないな」という気持ちがあったんですけど、「so so good feat. Ma-Nu」はリアルをそのまんま書いた曲だし、「夢宙」も今の心情だったりして。「常懐」だけ振り返っちゃうからなあ、とは思ったんですけど、今に残る青さを表現して、「過去も含めて今だよ」という説得力をくれたのがこの曲だったので。シングルの「IMA」は現在とちょっと先の未来を意味するものだったので、「常懐」があったからこそ、EPを『IMA』にしてもシングルタイトルの「IMA」と違いが出せるというか、もっと深い意味での『IMA』を表わせるものになるなと思いました。
—1st EPは初作品だからこそありのままで飾らないものを表現したいという想いがあって、リリックもリアルを切り取ることを大事にしていたと思うのですが、そういうマインドが今作でも変わらず続いていた?
そうです。多分僕は今後もその時々の「今」を書き続けると思うので、僕のスタンスの提示にもなっていると思います。なので『AINNOCENCE』と作り方自体はそんなに変わってないですね。
—『IMA』は、『AINNOCENCE』とはまた違う言葉でAile The Shotaのアイデンティティを表したタイトルだと言えそうですね。
そうですね。どっちも僕のアイデンティティになっているかなと思います。
—Shotaさんは1stでも2ndでも、いろんなシーンやジャンルのプロデューサーやゲストを迎えているのが海外アーティストっぽい動きだなと思ったりもして。
たしかに。海外の人もきっと好きなアーティストの方と一緒にやりたいからお誘いする、というスタンスなのかなって思いますね。「友達だから曲やろう」みたいな。客観的に見たら意外なコラボも、当人からしたら普通に友達だったりするのかなって、自分でやっていて思います。どこで誰とつながるかわからない、みたいなことが本当にあるので。
「媚びないキャッチーさや説得力があるJ-POPを作っていきたい」
—Shotaさんがいろんな人と一緒にやるのは、なぜ? 「好きだから」の一心?
好きだから(笑)。「この人のビートでやりたい」「この人にフィーチャリングで出てほしい」っていう。「誰にオファーしようかな」という幸せな悩みを、毎回制作のときは抱えています。
—いずれフックアップしたい、みたいな気持ちもありますか?
ありますね。僕の中で一個夢としてあるのは、以前お世話になっていた先輩のラッパーとか、オーディション(『THE FIRST』)を受ける前に一緒に音楽をやっていた仲間を集めてEPを作ること。ターニングポイントを経て出会った人たちと、僕のルーツとして仲間でいてくれる人たちが一緒になる世界線があったら、それもまた一個夢が叶う瞬間だなって思います。着々と曲を作って出している後輩とかもフックアップしたいなって思いますね。
—まだオーバーグラウンドに出ていないジャンルをみんなに届けられたら、みたいな気持ちもありますか?
そうですね。オーバーグラウンドの形がどんどん変わってきていると思うんですけど。この間『POP YOURS』で、ヒップホップの持つ力が日本で大きくなっているタイミングだなと思いました。今の日本の音楽シーンは何かのきっかけで変わりそうだなと思っているので、僕も少なからずそこで面白い動きはしたいなと。誰とやってもかっこよく曲を作れる存在でいたいし、僕がリスペクトするアーティストの方にリスペクトされる存在でいたいと思っていて、その状態で架け橋みたいな存在になれたら、それ以上嬉しいことはないかなと思います。
—それをできるのがShotaさんならではですよね。立ち位置としても、自分が本当に好きな音楽や、持っている声の性質としても。
BMSG(SKY-HIが主宰する事務所)にいるAile The Shotaだからこそ。たしかに僕の声質が、幅広いビートの上を泳いでも保ってくれるというか。Lo-Fiと80sって結構な落差だと思うんですけど、それらがちゃんとまとまって、1枚のEPとして聴ける形にできたのは「よし」という感じがしています。
―どんなトラックでもJ-POPのメロディラインに仕上げてくるこだわりも、Shotaさんがいろんなシーンを繋いでオーバーグラウンドに持ち上げてくれる要素になっていますよね。
媚びないキャッチーさや説得力があるJ-POPを作っていきたいなと思いながら、「Aile The Shotaポップ」を自分の中でも掴んでいってる感じはありますね。
―『IMA』の楽曲について、1曲ずつ聞かせてください。1曲目は「so so good feat. Ma-Nu」。SIRUPなど11人のアーティストやクリエイターが集まるクルー・Soulflexより、「AURORA TOKIO」にはKenTさんがサックスとフルートで参加していましたが、今回はMori Zentaroさんがトラックを作ってMa-Nuさんがラップするという。ShotaさんのSoulflex愛が詰まってますね(笑)。
大ファンの皆さんと一緒にやらせていただきました。今回は絶対にZentaroさんのビートでやりたくて。ラッパーをフィーチャーしたいと思っていたところ、Zentaroさん側から「Ma-Nuっているんですけど……」ってきて、「いやいや、知ってるどころの騒ぎじゃない! いいんですか?」ってなって(笑)。曲のテーマは、このビートをもらって、リリックとメロディを書こうとスタジオに入ったときのバイブスですね。”強炭酸のサイダー”というリリックは、本当に飲んでいて「朝からサイダーを飲むって、1日の勢いがついてなんかいいな」みたいな。家からスタジオに向かって歩いている風景そのままです。こういう曲の書き方は好きだなって、再確認しましたね。
―Soulflexは、どういったところがそこまで好きですか?
きっかけは、友達がSoulflexを聴いていて、「SIRUPってクルー入ってるんだ。そんな贅沢なことある?」と思いながら自分も聴き始めたことで。「Integral」という曲を最初に聴きました。Soulflexは、キャッチーさと、わかりにくいことをやってるはずなのにわかっちゃうエグさみたいなものが、それぞれみんなすごくて。本当に1人ずつかっこいい。illmoreさんが所属してるChilly SourceのイベントにSoulflexがゲストで出たときに見に行って、生バンドを見てしまってさらにハマりました。
—実際、今回一緒にやってみてどうでした?
この曲を作ってる段階で、何回か夢が叶った瞬間があって。オファーのときも「Zentaroさんがよく使うあのシンセみたいな音が好きで」みたいな(笑)。しかも俺のあとにMa-Nuさんがラップを入れてくれて……「Soulflexやん、俺」ってなりました(笑)。本当に嬉しかったですね。これもポップスという背骨は持たせたかったし、客演でMa-Nuさんがいるからこそサビをキャッチーにしたかったので、サビのトップラインはめちゃくちゃ苦戦しました。ファンすぎて、僕が作ったトップラインの中に「あれ? なんかSIRUPくんがいるな?」みたいなことをなんとなく感じちゃうんですよね(笑)。Aile The Shotaオリジナルのものを出せるようにすごく模索しました。でも結果的に「ちゃんと踊れるけど、ちゃんとキャッチー」というバランスを作れたかなって思います。レコーディングはZentaroさんも立ち会ってくれて、細かくディレクションしてくださって。Zentaroさんの性格を感じました。「とことん突き詰める人だ」って。すごく勉強になりましたね。
―サウンドは力の抜いたチルい感じに仕上げていても、それを作り上げるまでの過程はストイックなんですね。
いやもう、ボーカルディレクションも、キーとか直そうと思えば直せる部分も生音で録りたいと思ってくれていて。僕も歌にめちゃくちゃ熱が入りました。あと、Zentaroさんがメンバーのことをめちゃくちゃ褒めるのがかっこよくて。「ZINは本当にすごい」とか。
—無理矢理つなげるわけじゃないけど、「人を愛する」「蹴落とさない」みたいな精神は、もしかしたらSoulflexとBMSGで通ずるところがあるかもしれないですね。
そうですね。仲間同士をリスペクトしていて、それを当たり前と思っていない感じもすごくかっこよくて。「それを言えるクルーって、なんてかっこいいんだ」と思って、もう完全に惚れました(笑)。Soulflexとかっこいい曲を作れたことは自信にもなりますし、過去の自分に「お前すごいぞ」「やってること間違ってないよ」って言えるなと感じます。
Photo by Kentaro Kambe
「昔の写真を見たときになる、あの感情みたいな曲を作りたい」
―2曲目は「常懐 feat. 春野」。Shotaさんとは先日春野さんのライブ会場でお会いしましたね。
ライブ、超素敵でしたね。
―そもそも春野さんに声をかけたのはどういう経緯だったんですか?
Shin Sakiuraワークスの中から春野くんの「Angels」を聴いて、声がすごいなと思って。インスタをフォローしたら返してくださって、しかもDMで『AINNOCENCE』を褒めてくれて、「え?」みたいな(笑)。そのときに「ぜひ、今度一緒に曲やらせてください」って言って、早速オファーさせてもらいました。そもそも2ndでmaeshima soshiさんのトラックで夏の曲を書きたいなと思っていて、「ここに春野くんに入ってもらおう」ってポッとアイデアが出て、それで進めていった感じですね。
―そもそもmaeshima soshiさんにお願いしたいと思ったのは、なぜ?
Aile The Shota:ファンですね(笑)。
—はははは(笑)。
ここ1年くらいハマっているプロデューサーの方で、YonYonちゃんとやっている「Found Me」とか、LUCKY TAPESの(高橋)海くんとかとやっている「So Far」とか、めっちゃ聴いていて。それこそポップスとアンダーグラウンドを行き来しながら、説得力のあるポップスを作る方だと思っていたので、ちょうど僕のやりたいことというか。
―ジャニーズの楽曲やTikTokで流行るチルな楽曲など、時代のど真ん中を突き刺すものを書きながら、攻めたサウンド作りもされる方ですよね。
幅広いしすごいですよね。トラックは結構こだわってオーダーさせてもらいました。僕の中でトラップマナーをやりたいと思っていたタイミングで、キックも808系のUSヒップホップの感じでやりたいというのがあって。maeshima soshiさんにヒップホップトラックを作ってもらって、エモーショナルなR&Bを歌うというイメージが具体的にあったんですよね。ビートをもらった瞬間に、あとは気持ちよくメロディを乗せるだけだと思って「絶対にいい曲書きます!」って言いました(笑)。
―そこに春野さんを呼ぶというのがまた意外なアイデアですよね。Aile The Shota×maeshima soshi×春野という組み合わせを見た時点で、私はテンションが上がりました(笑)。
えー! それめっちゃ嬉しいですね。
―しかもちゃんと期待を上回ってくる楽曲で。春野さんにとっても新たなフェーズの曲になっているし。
春野くんは普段トラップをやらないから、「オファー受けてくれるかな?」と思いながらも、この感じの春野くんを聴いてみたいなっていうのがあったので。サビは春野くんと一緒にやれたことによって、僕だけじゃ出ないトップラインを作れました。サビの前半は春野くんが入れたメロディですね。ルーツが近くて、韓国のR&Bとかヒップホップもすごく好きで、会ったときもお互い好きな音楽を紹介しあって盛り上がりました。テンション高く制作をやってくれて楽しかったし、ミックスチェックとかも一緒にやれたので、一緒に作った感覚が強いですね。
―夏の曲といっても、過去を振り返るテーマにしたのはどういう想いですか?
春野くんと曲を作るときに、「昔の写真を見たときになる、あの感情みたいな曲を作りたいです」って言いました。まだ名前のない独特なアレを曲にしたくて。春野くんと僕、学年が一個違いなので、僕ら世代にとっての中高生を思い出すような曲を書きたいなと思いました。ガラケーとか。
「夢の中くらいは自分だけの桃源郷であってほしい」
—では3曲目「IMA」に関して、KNOTTさんを招いた背景は?
KNOTTさんは日高さんの紹介で。「Shurkn Papの『Road Trip』みたいなドラムの打ち方で1曲作ってみたら?」みたいなことを言ってくれて。もともと、DREAMS COME TRUE「YES AND NO」のShurkn Papくんが入っているリミックスと、Shurkn Pap feat. Jinmenusagi「ミハエルシューマッハ」を、2曲ともKNOTTさんが関わっていることを知らずにめちゃめちゃ好きで聴いていたんです。この煌めきの感じと、今USでのポップスシーンできてる「STAY」(ザ・キッド・ラロイ&ジャスティン・ビーバー)のドラムの打ちとかをやりたいなと思って打ち合わせをさせてもらいました。「ハイスピードに環境が変わっていくのを疾走感と重厚感のあるトラックに乗せて、そこにJ-POPのエモーショナルさを足せる曲にしたいですね」ということと、宇宙感、星雲、ピンクの感じとか、僕の超ふわっとしたイメージを話したら、それをすごくキャッチしてくださって。トラックをもらったときにすごいなと思ったと同時に、「これは難しいのがきた」とも思いました。
—このトラックに日本語のメロディを付けるのはなかなか難しそうですよね。
一番時間がかかりました。このビートだとどうしても英語がハマりやすくて、日本語を使ったJ-POPとして成立させてダサくならないようにするためにめちゃくちゃ時間がかかって。日本であの打ち方でやってるシンガーってなかなかいなくて、出てこないということは難しいからなんだろうなとは思っていたんですけど、だからこそ絶対にやりたいタイミングじゃないですか。ザ・ウィークエンドがやって、「STAY」が出て、イアン・ディオールとかリル・ナズ・Xもやって。今やらないと日本で先に誰かにやられちゃうと思ったので、今このトラックに乗っておきたいなという気持ちがありました。
—結果、すごく耳馴染みがよくて中毒性の高い楽曲になりましたね。
耳馴染みはやっぱり大事にしたくて。聴いていて疲れない感じと、音としてかっこいい感じは保っておきたい。最後の最後に日高さんに相談しました、「サビで”ヤバい”って言ったら面白いですかね?」って(笑)。バースで結構強いことを言ってるから、フックのノリは軽くして聴きやすくしたいなと。「いいんじゃない?」という後押しをもらってやっと書けました(笑)。
—たしかにサビの入りがもっと堅苦しい言葉だったら、また全然違う感じの楽曲になってそう。
そうなんですよ。重たくなっちゃって、疾走感とかなくなる気がして。サビを”ヤバいくらいのハイスピード”というフレーズで始められたのが、この曲をちゃんと完成させられたポイントだったかなって思いますね。
—最後の「夢宙」は、さきほども話に出たChilly Sourceのillmoreさんがサウンドプロデュースを手がけていますが、illmoreさんを選んだ理由は?
こちらも大ファンでして(笑)。ダンスを始めて日本のR&Bやヒップホップにハマった時期に、Chilly Sourceもめちゃめちゃ好きになって。Chilly Sourceのコンピアルバムが超好きで、illmoreさんがプロデュースしたアルバムも聴いてたし、インストで踊っていたくらい好きでした。オーディション前にやっていたソロのときからLo-Fiに乗るのが好きだったので、2nd EPで1曲、没入感のある世界観が強いものを作りたいなと思って、「illmoreさんと1曲、夢の中みたいな曲をやりたいです」とオファーをしたら快くOKしてくださって。すっごく優しい方で、これも楽しかったですね。どの曲でもそうなんですけど、ビートをもらったときに「これに俺が乗れるんだ」と思って。「夢宙」も夢が叶った曲ですね。
—「夢」をテーマにしたのは、どういう想いがベースにあったからですか?
見えすぎる世の中に疲れるときもあるから、夢の中くらいは自分だけの桃源郷であってほしいなあと。現実逃避できる曲がほしいなと思いました。逃げたいと思う瞬間は今後もあるだろうし、誰しもにあると思うので、そういうときに聴ける曲を作りたいなと。ふわっと聴けるような浮遊感がありつつ、曲としてかっこいいものに仕上がりましたね。
—「IMA」も「夢宙」も、夢が叶っていることの嬉しさや幸せももちろんありつつ、それだけではない感情がこぼれ落ちていることを感じるんですね。
そうですね。「IMA」に書いているようなことはやっぱり大事にしていたいなと感じます。環境がぐわーっと変わって、たくさんの人に見ていただけるありがたいチャンスをいただく中で、なんとなく、僕が届けたい本質が届かないなと思う瞬間があったりして。そこの難しさみたいなものは感じています。「IMA」を書くときが、求められているものに自分が応えようとしちゃって無意識のうちに変わってしまいそうなことに気づけたタイミングで。”誰かの腹を満たす 正しさは求めていない”というのは僕の中でも強い気持ちでした。やっぱり何にも寄りたくないし寄せたくはないし、誰に変わるわけでもないし。僕の動きも、BMSGという事務所の動き自体も、前例がない感じだと思うので。この一行は僕の中でパンチラインというか、伝えたいことを書けてよかったなと思えるものです。
—深掘りして聞いちゃうと、誰のどういう言葉に「惑わされているな、自分」みたいなことを感じますか?
やっぱり、ボーイズグループを目指すオーディションの出身なので、その余波で、ボーイズグループを志していた者として見られることがあるというか。アイドル性みたいなものは僕の中でもう置いていて。ありがたさの反面で本質が届きにくいということは、感じるんですよね。それを音の上で言おうかなと思って書きました。スタンスとして言いたいことも言えないのは違うなと思ったので、”どこに居たって my way”で。僕はあのオーディションで「音楽ファースト」という言葉に出会えてよかったし、あのオーディションを経験したからこそ「音楽ファースト」で届けていきたいというマインドがあると思います。BMSGという夢を叶え続けさせてくれる場所で、イケてることをやり続けたいなという感覚です。
Photo by Kentaro Kambe
「偶像視されるのは僕には合わないなと感じました」
—しかもShotaさんって、SKY-HIさんから言われていた「音楽との距離が近い」という言葉もそうだけど、一人の人間として音楽やりたい、生活の一部として音楽をやりたい、というスタンスを大事にしているから、「アイドル」「芸能人」みたいに別の世界の人ととして見られると違和感や負担も大きいんじゃないですか。
偶像視されるのは僕には合わないなと感じました。Aile The Shotaと僕はそんなに離れていないので。偶像として見られることの難しさは、そこになってみないとわからないことで。(『THE FIRST』を)受ける前にそれがわかっていたかと言われたら全然わかってなくて。本質を届けるために外を作っちゃうのは違うと思うので、書きたいものをナチュラルに書くことを大事にして、その中でしっかりと本質を届けられるようになればいいなと思いますね。
—何事も夢や理想が現実になるときって、とんでもない嬉しさがある反面で、実際は「夢」という言葉から連想する輝かしさばかりではなく、現実的な難しさや大変さが付き纏ってくるもので。
やっぱりそれは感じます。そうなってみないとわからないことがあるんだなって。当事者にならないとわからないことばかりだと思うので。でも自分が自分のままいられる環境にはいて、それを肯定してくれる仲間がたくさんいるので。BMSGもそうですし、家族や友達に会うと、マインドが整って一番いい状態になれますね。それがあるから自分のままでいられます。その時間がないと崩れちゃいそうなスピード感なので。自分らしさというのは自分にしかわからないことでもあるから、時々思い出して、自分というものを今後も忘れずにいたいなと思いますね。結構考えてる時間が多いかもしれないです。バランスみたいなものって、本当にその日の感情で揺らいだりすることもあるので。大事なものは何かを、都度思い返そうと思います。
—ハイスピードな変化で、しかも今までやったことない仕事や、出会ったことない人たちと関わる場面が続くと、そりゃどうしてもしんどさや違和感は付き物ですよね。
ありがたいことにスピードはとんでもないですから(笑)。ライブも、ダンスイベントで何十人とかの前でマイクを持っていたのに、そこから突然野外フェスとかアリーナだったりするので。その中で本質を見失いそうになるというか。何を見せたいのか、何を届けたいのかということは都度立ち返るようにしています。でも最近は本当にいい意味で考えすぎないモードに入っているので、次はもっとラフなEPになりそうです(笑)。ハッピーな軽めのEPを作りたいな。今回はだいぶ強いですからね。
—でも、その時々の心情を落とし込んでいくのがAile The Shotaだし、どんなレジェンドミュージシャンでも、振り返ると作品からその時々の状況やストーリーが見えてくるのも音楽の面白さですからね。
たしかに、「この曲のときはこうなんだろうな」っていうのが見えますもんね。日記みたいな感じですよね。もう一枚作ったら、今年がどんな1年だったかが見える三作になりそうですね。きっと振り返ると「うわ、すごい1年だな」ってなると思う。それも楽しみですね。
<INFORMATION>
『IMA』
Aile The Shota
01. so so good feat. Ma-Nu (Prod. Mori Zentaro)
02. 常懐 feat. 春野 (Prod. maeshima soshi)
03. IMA (Prod. KNOTT)
04. 夢宙 (Prod. illmore)
配信中
https://bmsgv.lnk.to/ATS_epIMA
CD:TOWER RECORDS, Aile The Shota fanclub, BMSG運営ファンコミュニティ「B-TOWN」限定発売
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