マハラージャン、観客の身体を揺らし“情熱のリレー”を繋いだ初ワンマン
Rolling Stone Japan / 2022年8月2日 18時0分
マハラージャンが2022年7月22日、東京・LINE CUBE SHIBUYAにてワンマンライブ「レッツ・ターバン!」を開催した。
2022年6月に行ったRolling Stone Japanの取材で、「とにかくワンマンライブをすることが初めてなので、これまでやってみたかったけど出来なかったことにもバンドでトライしたいです。お客さんが踊っちゃうくらい楽しめるような。(中略)このアルバムの曲たちや、インディーの頃の楽曲とかもやりたいなと思ってます」と語っていた通り、初ワンマンにして、集大成のようなマハラージャン色に染まった一夜となった。
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開演時間になると、ステージに張られた幕にカラフルに照らされたマハラージャンのシルエットが投影され、7月6日にリリースされたメジャー2ndアルバムのタイトル曲「正気じゃいられない」の激しいイントロ演奏とともに幕が落ち、バンドメンバーとホーン隊とともにマハラージャンが登場。拡声器で歌う演出で会場を驚かせた。「踊れるか?」という投げかけとともに演奏した「次行くよ」で観客たちは身体を揺らし、疾走感ある「僕のスピな人」、キーボードの音色が心地いい「示談」とのっけから会場の熱気を上げると、MCへ。
Photo by 西槇太一
マハラージャンは、「初のワンマンライブということで、ありがとうございます。こんなにたくさんの人が来てくれるとは思っていなかった」と感慨深く語った。インディーズ時代のことを振り返り、下北沢のライブハウスで10人くらいのお客さんの前で金のラジカセで音を流しながらギターを弾いて歌っていたが、こんな大きな会場でワンマンができていることを喜んだ。
バンドメンバーを紹介すると、「星野源のオールナイトニッポン」でハガキ職人をしていたときに最優秀ジングル賞をもらったことを語り、その楽曲「ねぇ、ねぶって」をバンドで演奏。観客たちの手拍子の中、新旧織り交ぜながら楽曲を披露していくと、「ちょっと飛ばしすぎてしまったんで」と語り、観客を着席させ、「初心に返って1人でやらせてもらいます」とミュージシャンとして生きていくときの心境を書いた「空ノムコウ」をアコースティックギターで弾き語った。皆川真人(Key)と竹上良成(Sax)を呼び込み「比べてもしょうがない」を演奏し、バンドメンバーが再び出そろうと、ガレージロック調の「先に言って欲しかった」などを披露しつつ、再びソウルフルな演奏で観客たちを踊らせていった。
「後半戦は踊りまくる!」と宣言したあと、「活動をはじめた頃は、社会や会社に対する不満を歌う曲が多かったんですけど、最近恋愛の曲を始めました」と語り、大きな拍手に包まれる中、「みんなは、別れた恋人の歯ブラシで便器を磨いたことはありますか? 僕はあります」と真面目に語り笑いを誘うと、ファンキーかつメロディアスな楽曲「君の歯ブラシ」、疾走感のあるダンサブルな楽曲「その気にさせないで」を続けて披露した。
再びのMCで、観客たちに「楽しんでくれてますか?」と投げかけコミュニケーションをとっていると、ベースのまきやまはる菜がステージにいないことが判明、謎の寸劇が始まる。「すみません、どなたかベース弾ける方はいらっしゃいますか?」と観客に問いかけると、客席で両手を挙げている人物が。客席を通ってステージに呼び寄せると、OKAMOTOSのハマ・オカモトであることが判明。割れんばかりの拍手が起こった。2人はこれまでの想い出を語り、怖くて聞けなかったと言いながら、マハラージャンは「最初に面識のない状態で(ベース参加の)オファーさせてもらったんですけど、なんで受けてもらえたんですか?」と疑問を投げかけると、ハマは打ち合わせでマハラージャンの名前を初めて聞いたとき「次に流行る洋菓子ですか?」と答えたと笑いを誘った。「最初のジャケット画像を見ておもしろそうと思って、会ってみたいと思った」と理由を語ると、マハラジャーンはほっとした顔と嬉しそうな顔を見せた。
その後、まだ世に出ていない新曲のことなどを語り、「貞☆子」をハマがベースで参加して演奏。笑顔で心地よさそうに演奏するハマのベースが、より深いグルーヴを生み出していった。そして、まきやまを呼び戻し、「最高の時間ありがとう!」と客席に感謝を述べ、「セーラ☆ムン太郎」を演奏。ハマとまきやまがベースを交互でソロで引き合うなど、和やかながらにも実力と遊び心に満ちた演奏とともに本編は幕を閉じた。
拍手に応え、アンコールに登場したマハラージャン。初全国ツアーを行うことを発表し、タイトルが「夢」であることを明かすと、どよめきが起こった。この日も全国から来てくれている人がいるから、今後は僕らがみなさんの場所に行こうと思っています、と観客たちに伝えると、インディーズ時代の楽曲「ちがう」、「いいことがしたい」を披露。
「今日のこの時間は、自分の中では情熱のリレーみたいなものなんじゃないかなと思っていて。僕は会社員をやっていたんですけど、なぜだかわからないんですけど、どうしても音楽をやりたかったんです。それで「いいことがしたい」を作ってはじまっていって。ハマさんから昨日、LINEで今日は通過点だからって言われたので、あまり感極まってもいけないと思うんですけど、本当にみなさんのおかげで来れたなと思っています。それも情熱があってここまで来れたわけで。みんなにもその情熱が少しでも伝わって、やりたいことをやってみようと思えるような力になっていたらうれしいです。そういういい時間になっていましたか?」と投げかけ大きな拍手が起こるなか、最後はマハラージャンらしく「何の時間」とタイトルコールをし、初ワンマンを締め括った。
Photo by 西槇太一
<ツアー情報>
マハラージャン「夢」
2022年11月23日(水・祝)北海道 cube garden
2022年12月1日(木)東京都 LIQUIDROOM
2022年12月2日(金)愛知県 名古屋ReNY limited
2022年12月7日(水)大阪府 Music Club JANUS
2022年12月8日(木)福岡県 DRUM Be-1
マハラージャン 公式HP:https://maharajan.love/
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