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バイきんぐが語る、パンクなお笑いと「キャバレー」のこと

Rolling Stone Japan / 2022年8月2日 19時0分

バイきんぐ

お笑いコンビのバイきんぐが、2022年8月26日と27日の2日間、東京・ヒューリックホール東京で単独公演「キャバレー」を開催する。

2年ぶりの開催となった2021年の単独ライブ「STRAIGHT」では、溜まったフラストレーションを発散するかの如く、新作コントネタ9本に加え、撮り下ろしの幕間VTRを披露。本年も例年と同様のプログラムながら、さらにアップグレードされたオール新作コントネタと幕間映像が披露される。単独公演を前に、現在ネタを制作中の小峠英二と西村瑞樹に話を聞いた。

関連記事:バイきんぐ、2年ぶりの単独公演と結成25周年イヤーを語る

ー昨年の単独公演「STRAIGHT」の取材で、小峠さんは「今年はネタ自体が1番パンクだと思います」と語り、西村さんは「デスメタルじゃない?」と返答をされていました。どういう意味合いで、パンクという言葉を使っていたんでしょう?

西村:確かにそういう話をしましたけど、正直僕もはっきり分かってないですね(笑)。ノリで言ったところもちょっとありますし、ネタの内容がハードという意味で言ったんじゃないかなと思うんですけどね。

ー実際、西村さんがお墓の上に乗っているネタもありましたもんね。

西村:墓の上に乗っていたり、親父の葬式の棺桶にダイブしたり。そういう部分がパンクだったんだと思います。

ー小峠さんは、どういう部分でパンクという言葉を使われていたんですか?

小峠:今西村が言ったような、親父の骨を食ったりとか、そういうところですね。ビール瓶で西村の頭をぶっ叩くくだりとか。

ー個人的な話で恐縮なんですけど、先日バンドをやっていた知り合いに10年振りぐらいに会って。彼は仕事で成功し、マイホームも買って、子どももいるんですけど、「いいよな、お前はパンクで」って僕に言ってきて。そのとき、パンクってなんだろう……と。

小峠:それは嫌ですね。(インタビュアーは)独り身なんですか?

ー結婚したんですけど、1年経たずに離婚しました。

小峠:いや、それはパンクだよ!そういう生き様はパンク。

ーそれはパンクというか、僕が至らないだけだと思うんです……。

西村:幅広いかもしれないっすね、パンクって。



ー今回が12回目の単独ライブになるわけですが、前回、なぜ1番パンクなネタになったんでしょう?

小峠:西村が言うには、コロナで一昨年単独公演が中止になったから、そのフラストレーション的なものが爆発したんじゃないかと。

西村:単独は毎年やっていたんですけど、去年は2年振りにやって。コロナのご時世もあって、溜まりに溜まったものが小峠のネタに現れたのかなと思いますね。最初に台本を見たとき、あー、小峠溜まってるなと思いました。吐き出してきたなと(笑)。

ーそれは特にどのネタから感じたんですか?

西村:やっぱりさっき言った、お墓と葬式のネタ2本ですね。あのネタに集約されているというか、願望とまではいかないですけども。

小峠:ねえよ!墓を壊したい願望なんて(笑)。

西村:願望とまでは行かないけど、深層心理のどこかにああいうネタが現れたのかなと僕は解釈していますね。

ー墓と葬式って、扱うには際どいテーマだと思うんですけど、西村さんのお話を聞いて、小峠さんは自分でも気づかないフラストレーションがあったと感じますか。

小峠:あったんでしょうね。別にそんなつもりはなかったんですけど、西村にそう言われると、まあまあまあ、そういうことなのかなとは思いましたけどね。

ーどういうきっかけで、墓地という着想が出てくるんですか?

小峠:あれは最初、西村が墓の上に座ってたらおもしろくない?ってところから始まった気がしますね。それで最後に墓を壊したらおもしろそうだなって。

ー西村さんは墓の上に乗っているとき、どんな心境なんですか?

西村:コントとは言え、どんな倫理観しているんだよ、って見られているのかなとは思いましたね。あと、墓の上に乗っているやつの顔って、どんな顔したらいいんだろうって。役作りが難しかったですね。

ーそうしたネタの根源には、破壊願望もあったりするんじゃないかなと思うんです。

小峠:破壊願望…… どうなんだろう。

西村:絶対好きだろ? ザ・クラッシュの『ロンドン・コーリング』のジャケットみたいな。

小峠:たしかに蹴ったりとかはよくしますからね。

西村:ミュージシャンがギターぶっ壊したらアガるでしょ?

小峠:それは、みんなテンション上がるでしょ。



ー間幕のロケVTRで、小峠さんが「ファック!」って言いまくるじゃないですか?あれもフラストレーションから出るものなんじゃないかなって。

小峠:たぶんそうなんでしょうね。それも全く意識してなかったですけど。

ー普段からそんなに頻繁に発するわけではない?

西村:ははははははははは!

小峠:やばいっすよね、普段から言ってたら(笑)。

西村:普段言ってるやつは、あそこでこれ見よがしに言わないですよね。言いたい願望はあったんじゃないですか。

小峠:言いたい願望……(笑)。

西村:移動中におもむろに車の窓を開けてとかいろんな形で相当言ってましたよ(笑)。

ー2人の掛け合いがすごくおもしろいんですけど、普段一緒にいるときもああいう感じで喋られているんですか?

西村:掛け合いというか、ただファックって言い合っているだけですから(笑)。ファックって言われて、ファックって言い返してただけです。でも、普段言わない言葉なので、いざ言ってみたら発散されました。

ーたしかにあんなに叫ぶことないですもんね。見てて口にしたくなりました(笑)。

西村:いざ口に出してみると気持ちいいですよ。



ーあと、キャンプ場で、たこ焼き器を使ってキン○マを焼く(実際はたこ焼き器を使ってたこ焼きを焼く)罰ゲームをするじゃないですか? あの発想も普通出てこないし、思いついたとしても実際やらないと思うんですけど。

西村:じゃんけんで小峠が負けたんですけど、言い出しっぺが負けるっていう図式は昔からありますよね。キャンプロケですから、僕は普通にたこ焼きを作って振る舞おうと思っいたんですけど、あんな展開になるとは。まさかでした。

ー小峠さんはなぜあそこまで罰を与えたがるんですか?

小峠:ははははははは!なんででしょうね(笑)。

西村:好きなんだよ。

小峠:たぶん好きなんでしょうね。そう考えたら、ガキの頃から自分を追い込むようなことをやってましたよね。冬に真っ白なお堀に全裸で飛び込んだり。

ーそこはやっぱり年齢を重ねても変わらない部分なんですね。

小峠:それがおもしろいと思っているんでしょうね。

西村:やっていて、単純でバカでおもしろいですよね。自分がやろうが相手がやろうが、何も考えず、それを見てただただバカ笑いするって。単純でいいっすね。

ーたしかに羨ましいというか、やりたくても一緒にやってくれる人がいないですからね。

小峠:まあ、いないっすね(笑)。

ー西村さんはおしっこ味の飲み物を飲んでいましたけど、平気なんですか?

西村:まああれは、本当におしっこを飲むわけじゃないですから(笑)。おしっこ味って言われても、わーおしっこだ!ともならないし、抵抗はないですね。カメラがまわっていないときに小峠が本物を飲もうって言い出して、それはさすがにまずいと思いましたけど(笑)。

ー今年のロケ映像は、どんなことを考えてらっしゃるんですか?

西村:毎年同じような感じですね。行ってやってみる。小峠のストレス次第でしょうね。

ー西村さんから見て、小峠さんのストレスは解消されている感じはします?

西村:今年の上半期テレビ出演タレントランキングに、小峠が入ってましたからね。忙しかったでしょうし、だいぶ溜まっていると思います。

小峠:ストレスは正直あまり感じないんですけどね。

西村:本人はあまり自覚してない。ストレスってそういうものだから!



ーコンプライアンスが厳しくなって社会的価値観も変わっている中、メイド喫茶のネタは、西村さんが料理が全部おいしいというズレが笑いにつながっていて、今の時代とマッチしている感じがしました。価値観の移り変わりとネタの整合性は考えられているんですか?

小峠:そんなに難しくは考えてないです。あのネタは、メイド喫茶の飯がうまかったらおもしろいよなって入り口から作ったんだと思います。



ー「道」は、西村さんが同じ道を何回も行ったり来たりするという、藤子・F・不二雄の漫画感もあって不思議な感じがしました。

小峠:ずっと道に迷っているやつがいたらおもしろいよなっていうところから始まったネタですね。それが、実は道に迷っているフリをしていたら、もっとおもしろいねって。

西村:あれのネタ合わせがめちゃくちゃ大変で。本番は舞台セットの裏を通って戻っていくんですけど、ネタ合わせの会議室ではそれができなくて。何回も何回もぐるぐる回る設定で、いま何回目かってだんだんわからなくなってきて。本当に迷うって感じでした。

ー小峠さんは西村さんの演技に関して、どんなリクエストをされるんでしょう?

小峠:テンションを伝えることが1番多いんじゃないですかね。そういうテンションじゃないとか、そこはもうちょっとローテンションでとか。あと、間ですね。

ー「立ち読み」はすごい斬新でした。

西村:はははははは! あれ、よく実現できたなって思います(笑)。相当舞台監督さんも頭を悩ませたと思うんです。いかに暗転の時間を短くするかというところでリハーサルで何度も試行錯誤して、本番が始まってからもリハーサルより暗転の時間が短くなりましたから。

小峠:1回暗転を挟んで、明転になったときに、西村が勃起の力を利用して立ち読みしているって設定なんですけど、明るくなった瞬間めちゃくちゃうけると思ったんですけど、2日間とも思っていたほどうけなくて(笑)。

一同:ははははははは!

小峠:分からないなと思いましたね。めちゃくちゃうけると思ってたんですよ。明転になったらずっと勃ってたち○こを利用して水平になって漫画を読んでいるんだから。

西村:コマみたいにね。

小峠:1日目は暗転まで結構時間がかかったんですよ。ワイヤーで西村を吊るしているんですけど、その練習をしていなかったから、2日目に集中的に練習して。もっとワイヤーをギリギリまで下ろせないかとか、ワイヤーをつける人をもう1人増やしたり。初日は2分ぐらいかかったのに、2日目は20秒ぐらいまで短縮して。これはうけるだろうと思ったけど、そうでもなかった。暗転時間が長すぎるっていうのは関係なかったんだなって。

西村:関係なかったよね。

小峠:俺らの感性のズレだよねとしか言いようがない。あのネタの前まではうけてましたからね。あそこがうけなかったということは、そうでもないんでしょうね。

ーこうやって1個ずつお伺いしていくと、パンクな感じがありますね。

小峠:今なぞっていくと、そうですね。もうこれ以上のパンクな内容はないような気がします。



ー2022年の単独公演のタイトルは、「キャバレー」です。前回までは、トランプをモチーフにしていましたが、今年はなぜ「キャバレー」にされたんでしょう。

小峠:大切なのは内容がおもしろいかどうかだから、単独ライブのタイトルなんか別になんでもいいと思っていて。1回目が「キング」か「エース」だっけ?

西村:「キング」ですね。「キング・オブ・コント」チャンピオンという意味の「キング」と、バイきんぐの「きんぐ」でタイトル「キング」でいいんじゃない?っていうのが始まりでしたね。

小峠:そこから、トランプでまとめたら楽だよなって。「クローバー」とか「ジョーカー」とか残ってるんですけど、いまいちダサいっすよね。あと、タイトルにこだわってないって言っていたのに、ジョーカーとかクローバーまでいくと逆にこだわっているんじゃないかと思って。最近、横浜の野毛によく飲みに行くんですけど、古い飲み屋さんやキャバレー的なものもあるんですよ。たぶんそこからインスピレーションが来たんじゃないかなと思います。

ーパッと思いついた?

小峠:それまでに、単車とかいろいろ案はありました。でも、単車ってさすがに俺すぎるよなって。車とかいろいろ考えたんですけど、そんな中で「キャバレー」になりましたね。なんちゃら日和みたいなのも考えたんですけど、散々「エース」とか適当に言ってたのに、ここに来て急に考えている感じのタイトルも恥ずかしいなって。いろいろ考えた挙げ句、「キャバレー」は主張もないし、いいなって。

ー西村さんは「キャバレー」ってタイトルを聞いたとき、どんなイメージを持たれました?

西村:僕はてっきり「ジョーカー」で行くものかと思っていたんです。それがダサいとか特に考えてなかったのでびっくりしました。今初めて聞きました、野毛で飲んでいるところから来ているって。

小峠:たぶん頭のどこかにあったんだと思う。でも、単独ライブのタイトル「ジョーカー」はやっぱりダサいよ。

ーちょっとかっこつけているように見えちゃいますよね。

小峠:そう!こだわりすぎ感が出るじゃない?

西村:出てるの?

小峠:出てる、出てる。「ロイヤルストレートフラッシュ」とかも一瞬よぎったけど。

西村:あ、「フルハウス」は?

小峠:「フルハウス」、ダサいな! もろトランプだし(笑)。

ー西村さんの公演に向けたコメントで、「キャバレーに行って、脱がしたてのハイヒールでシャンパンタワーを作って、2階からダイブしてえ」って仰ってらっしゃいますけど、馴染みのある場所なんですか?

西村:別に馴染みはないんですけど、シャンパンタワーがあったり、クラブみたいな感じの場所なのかなと思って。コメントを見たら、小峠が「西村と全く同じ事を思っていました」って書いていて。ずる!って。あと、俺のコメントでいいの!?と思いました(笑)。

小峠:ライブの意気込みって、難しいのよ。



ー単独ライブは、バイきんぐのコアな部分を見せる大切な機会なのかなと思うんですけど、怖さはないですか? 笑いがダイレクトに目に見えて分かる場所じゃないですか。

西村:テレビの収録に向かう気持ちとは全然違いますね。ネタ番組とももちろん違いますし、僕らだけを見に来てくれるお客さんがいる。そういう意味では気合いが入ります。

小峠:スベるのは怖いっちゃ怖いですけど、ここ何年かはいいものができているなって感覚があるんです。前は全部1人で考えていたので、100%僕の脳みそのものでしかなかったんですけど、ここ4年ぐらいは作家さんと話し合いながら作るスタイルにしたので、ライブのクオリティは上がっていると思いますね。自分1人で考えている時は9本新ネタをするとしたらキッチリ9本作って出してましたけど、今は10、11本くらい作って2本削るみたいな贅沢な出し方をしていて。

ー自分のネタに他の人の意見が入ってくることに抵抗はなかったんですか?

小峠:それは全然ないですね。僕は設定からネタを作るので、こういう設定どうですか? って言われるのはすごくありがたくて。なるほど、それだったらこうだねって。1点目を提示してくれるというか。1点を打つのが難しかったから。3時間ぐらい1人で喫茶店に行って、ノートを広げて全然出ずに帰るってことがなくなりましたね。もちろんネタが完成しないってことは多々ありますけど、何も出なかったなってことはなくなりましたね。

ー今回の「キャバレー」はどういった公演になりそうでしょう?

小峠:今回は、僕らっぽいっちゃ僕らっぽいかもしれないですね。現時点で、1個だけやばいネタがあるぐらいですかね。

西村:めちゃくちゃ気になるな!

小峠:それ以外は、普通っちゃ普通かもしれないです。

ー西村さんも、いま初めて聞いた感じなんですね。

西村:1本やばいのがあるっていうのに、ちょっとゾクゾクしましたね(笑)。前回のやばいネタを1本に集約したのかな?って。他のネタに散らばさずにその1本にやばいエキスを濃く入れているのかあ(笑)。

小峠:そこまでじゃない(笑)! たぶんテレビとかでもできるやつだから。下ネタとか道徳のとか、そういうことではないから。

ー今回の公演は、どういう部分に注目してもらいたいですか?

小峠:今回は見やすさというか、分かりやすさの部分かもしれないですね。今のどういう意味だったんだろう?っていうのはないので。お笑いなので、小難しいことはもともとあまり好きじゃないというか。目の前で起こっていることが全てですし、伏線回収的なこともやらないですし、見たまんまを楽しんでほしいですね。

西村:難しいネタじゃないし、何も考えずに見て笑ってほしいですね。見に来てくれているお客さんに関しては、毎年言ってますけど、せめて最初の1本目のネタだけでも、「わー!」だとか「きゃー!」だとかウソでもいいからちょっと言って欲しいよね。

小峠:いやいや、いらない、いらない。過去に1回だけあったんだけど、それはそれでちょっと気持ち悪いから(笑)。見たまんまを楽しんでください。


<イベント情報>

バイきんぐ単独ライブ「キャバレー」

2022年8月26日(金)ヒューリックホール東京
時間:OPEN 18:00 / START 18:30
2022年8月27日(土)ヒューリックホール東京
時間:OPEN 16:30 / START 17:00

バイきんぐ単独ライブ初、8月27日(土)公演のみ、全国12都市映画館でのライブビューイング開催決定。以下アドレスにて詳細をご確認下さい。
https://eplus.jp/viking-cabaret_lv/


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