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「ツタロックDIG」出演バンド・This is LASTが語る、上手くいかない恋愛を経た現在地

Rolling Stone Japan / 2022年7月30日 12時0分

This is LAST

「ツタロックDIG LIVE Vol.10」が、2022年8月3日にSpotify O-EASTにて開催される。

今、チェックしておきたい次世代のシーンの主役を集結させる「ツタロックDIG」。今まで以上に規模を大きくしたスペシャルライブとして2021年開催した「ツタロックDIG LIVE Vol.8」に続き、2022年は初の大阪開催として心斎橋BIGCATにて「ツタロックDIG LIVE Vol.9―OSAKA―」を開催。そしてこのたび、2022年第二弾として「ツタロックDIG LIVE Vol.10」をSpotify O-EASTにて開催する。Rolling Stone Japanでは、本イベントに出演するバンドへのインタビューを敢行。それぞれのバンドの結成やイベントに対する意気込みを掲載していく。

関連記事:ツタロックDIG LIVE Vol.10 開催決定

今回インタビューを行ったのは、2018年5月結成・千葉県柏市発の3ピースロックバンド、This is LAST。赤裸々に実体験と思いを綴った歌詞と、ライブパフォーマンスがSNSやライブハウスを中心に支持を集めている注目のバンドだ。もともとはハードコアバンドをしていた彼らだが、とあるきっかけによって、ヴォーカルの菊池陽報(あきつぐ)自らの実体験を日本語で歌うようになったという。最後に人生をかけてやろうという気持ちを込めバンド名をつけた3人ーー菊池陽報、陽報の実弟でベースの菊池竜静、ドラムの鹿又輝直に、バンド結成の経緯から、今のバンドのあり方を見出したきっかけ、「ツタロックDIG LIVE Vol.10」への意気込みまで話を聞いた。



ーもともと3人は柏でハードコアバンドをやられていたそうですが、いまの音楽性とはだいぶ異なるので、それを知って最初びっくりしました。

陽報:僕がめっちゃ好きだったんですよね。バイト代を全部ディスクユニオンで落として、昔のメタル全般を聴き漁っていて。それを自分たちで体現したくて始めたのがきっかけだったんです。当時すごく好きだったのが、ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインやキルスウィッチ・エンゲイジで。所謂メタルコアにちょっとラウドチックなものが入るような要素の音楽をやっていました。

ー竜静さんは、陽報さんの弟さんですが、当時同じ家に住んでいたわけですよね? 陽報さんから音楽マニアみたいな感じは伝わってきていた?

竜静:1部屋を2つに仕切られた部屋の隣同士だったので、ずっと隣からメタリカのフレーズが聴こえていました(笑)。しかも上手く弾けていなくて、同じフレーズを何度も練習している。中学校3年間、ずっとそれを聴いていました。その流れでギターでバンドに誘われたんですけど、僕は最初無関心だったんです。

ー音楽自体にあまり興味なかった?

竜静:全然興味なかったですね。

陽報:もともと、RADWIMPSは聴いていたよね?

竜静:でも、RADWIMPSをバンドと思って聴いてなかったから。

陽報:そうそう、アーティストとして聴いていたんだよね。今、弾き語りとかで曲を書いて3人でアレンジをするんですけど、純粋にRADWIMPSをアーティストと思って聴いてきた竜静の作るアレンジって、やっぱり格好いいんですよね。僕の言葉が活きるアレンジになるというか。そういう部分で通ってきた音楽の違いがすごく出ていると思います。



ーそのあと、竜静さんの高校の軽音部の先輩である鹿又さんに声をかけたそうですが、どうしてバンドに誘おうと思ったんでしょう。

竜静:僕は中学校からあきとバンドやっていたので分かるんですけど、趣味の範疇を超えて楽器をやっている人っていなくて。彼(鹿又)は休憩時間も延々とドラムの練習をやり続けていて。

鹿又:みんなめっちゃ弁当食っていたのに、俺だけ叩いてましたね(笑)。

竜静:僕も休み時間を使って練習していたので、フィーリングが合ったというか。君いいじゃん!って言って(笑)。

陽報:てる(鹿又)のほうが先輩なのにね(笑)。

ー(笑)。鹿又さんの音楽ルーツはどういうところにあるんでしょう?

鹿又:洋楽のパンク系ですね。Sum 41とかグリーン・デイとかゼブラヘッドとかを聴いていて。軽音楽部に入ってから日本のバンドも聴くようになりました。

陽報:当時、Sum 41を叩きすぎて、あだ名がサムだったんですよ(笑)。俺のクラスにこいつ(鹿又)のことを知っている人がいて、俺が「バンド組むかもしれないんだよね」って言ったら、「あ、サム?」って言われて(笑)。

ーあははは。当時から、音楽で食っていく気持ちはあったんでしょうか。

陽報:父親が電気工事士をやっていたんですけど、親父が仕事をしたパレードを観に行ったとき、周りの若いカップルや家族が「綺麗だね」って言うところを見て、あー親父すげーなと思って。今でも1番尊敬している人は親父なんですけど、そこからずっと電気工事士を目指していました。でも、ギターを始めた瞬間、「あ、俺これで食っていくんだ」と思って。電気工事士の試験も並行して受けたりはしていたんですけど、音楽で食っていきたいなって思い始めてから、じわじわと確証のない俺は売れるという自信が湧き出てきた感じでしたね。



ーそこから音楽性が、いまのようなバンドサウンドに変化したのはなぜだったんでしょう?

陽報:僕が当時お付き合いしていた方に浮気されて、お別れしまして。非常に残念だったんですけど、その気持ちを言葉にして歌詞にしてみた結果、メンバーからの反応が良く、この感じの曲をもっとやるべきだって言われたんです。ハードコアをやっていたときは、適当に英語っぽいことを歌っていたし、格好よければいつか売れるって思っていたんです。でも、初めて自分の言葉で奥の奥の部分をさらけ出すように歌詞を書いたらすごくよくて。自分もちょっとすっきりしたというか。清算されたわけではないんですけど、お風呂に入った後みたいな感じでちょっとさっぱりしたんです。それまで何回かバンド名を変えたり、メンバーがかわることもあったんですけど、よく考えたら3人はブレないでずっとやってきたし、最後に人生をかけてやろうかという気持ちで、バンド名もThis is LASTにしました。

ーきっかけは、陽報さんの失恋だったんですね。バンド内で、そういう恋愛の話は共有されていたんですか。

陽報:竜静は一緒の家に住んでいたので、結構壮絶なところを目撃したと思います(笑)。

ーその方とは何年ぐらい付き合ってらっしゃって、何が原因で別れたんですか?

陽報:3~4年ぐらい付き合いました。何回か浮気されているんですけど、最後の浮気をされたときに、「俺の女に手を出すな」って他の男からSNSでDMが来て。僕は離れたくなかったんですけど、無理やり言っているとかじゃないのであれば、じゃあ、分かりましたって。そこから、堪えてきたものとか、側にいるために我慢してきたものが走馬灯のように回るというか。それが曲になっていったんです。



ーそれにしても、よく浮気に気がつきましたよね。

陽報:僕、特殊能力があって。自分のお付き合いしている方が浮気しているか分かるし、相手まで特定できちゃうんです。感覚的に接点のない人でも分かっちゃう。あ、たぶんこの子今浮気しているなと気づいたら、それを気づいていると彼女に思わせないようにしなきゃと思っていました。

ー浮気を見て見ぬふりということにもなりますが、それでもよかったんですか?

陽報:最終的に何が1番嫌かというと、その子と離れることなんですよね。逆に自分が我慢できるんだったら我慢すれば? ってもう1人の自分が自分に言っていて。でも、周りからは絶対辞めとけって言われて。ただ僕にとっては、とにかくその子と一緒にいることが全てだったというか。



ーそういう状況に対して、お2人は歌詞に落とし込んだ方がいいんじゃないかって言ったわけですよね。菊池さんの失恋を昇華させる気持ちもあったんですか?

鹿又:うーん、昇華しきれてないもんな。でもそういう体験をしたからこそ、ストーリー性というかリアリティがすごいなあと思って。

陽報:僕にしか書けない歌詞だなとはすごく思っていますね。僕は作曲者でも音楽家でもあると同時に、文字を書く人でもあって。歌詞を見ただけで僕が書いたって分かる人になりたくて。そういう意識を持ってやってはいますね。

ー竜静さんは、お兄さんの恋愛を自分の内面を出した歌詞を演奏するのって、どんな気持ちなんでしょう。

竜静:あきが浮気されて完全に意気消沈した日が大晦日で、僕の誕生日だったんです。「もう終わってるわ、終わった」ってずっと言ってて。泣いていたか、泣きそうだったかはあまり覚えてないんですけど、抱きしめたんですよ。「大丈夫だよ」って。ライブしているときとか、曲を作っているとき、そういうシーンが浮かびますね。なので、僕が感じていたものとか見たものを、如実に歌詞に表現していてほしいとは思います。そこをいかにあきが表現して、純度100%の状態で曲にするのかで僕自身は戦っているので。どう感じているかって言われたら、僕が歌詞を見て陽のそれを想像できる、思い出せるぐらいに書いていてほしいなって、いつも願っている感じです。



ーそういう体験を曲にして、お客さんの前で演奏することで、どういう作用を起こしたいと思いますか?

陽報:もともと僕は、自分のためにしか歌っていなかったんですけど、最近お客さんのためにとか、誰かのために歌いたいな、音楽を作りたいなと思うようになって。でも、土台はやっぱり変わってはないとも思っていて。自分が自分のために歌って、回り回って誰かのためになるならいいなって。同じような気持ちの人や、上手くいかない恋愛をしている人がいても、後悔しないようにやってほしいなって。僕自身、別れるタイミングはいくつもあったんですよ。でも、自分が後悔しない道だけを選んできたので。聴いてくれた人がそういうふうに思ってくれたらいいなと思いながらライブはしていますね。

ー反響を、どういうふうに感じてらっしゃいますか?

陽報:僕が1番最初に思ったのは、同じような思いをしている人がこんなにいるんだなってことで。This is LASTとして、菊池陽報という1人の人間として、僕がそういう気持ちを汲んで、歌うのが使命だと思っています。僕も結構なことがあったけど、今めっちゃ笑って歌っているよっていうのが1番言いたいことで。すごく楽しいし、幸せだって思えることが実はこんなにあるんだよっていうのは、ライブハウスだからこそ感じられるというか。人生の痛みだったり苦しみだったりたくさん感じてきた僕がライブハウスで笑って歌える。そして、それを観て、涙してくれる人も喜んでくれる人も楽しんでくれる人もいて、いろいろな感情が入り混じって、最終的に最高! って空間が行き着く先というか。お客さんが最終的に前を向いて帰れれたらいい。それが1番大きいところではあるかもしれないです。



ーそんなThis is LASTの新曲「もういいの?」は、ちゃんと終わりを告げるような楽曲にも受け止められます。

陽報:これまで、自分の中で終わらないものが多かったんですよ。というか、終わらないようにしてきた。なので、終われないが正しいですね。今回の曲は終われないっていう感情も含みつつ、自分と戦う気持ちを書いているんです。

ー完全に終わったわけではなくて、終われないという気持ちを含んだ上での楽曲なんですね。

陽報:このまま一緒にいても、きっとお互いよくないよね、っていう感覚で終わるというか。さっきの彼女と実は何回か別れてたりもするんですよ。そういうことが結構僕の中で残っていたので、その記憶と自分の背中を押したいっていう気持ちを混ぜて、終われないけど終わらせることもできる、終わらせたいと思っている人の背中を押せるような曲にしました。

ー今年の夏はフェス出演も多く、重要な楽曲になってきそうですね。「ツタロックDIG」はトリでの出演になります。どんなライブにしたいですか?

竜静:毎ライブ、とにかくあきの声をぶつけたいので、存分に全身に浴びて楽しんで帰ってもらえたらなと思っています。

鹿又:今後対バンするバンドさんもいるので、楽しみと同時にバチバチしたいです。

陽報:これからフェスやサーキットで、ロックバンドとして勝っていきたいという気持ちが強いので最強に気合いが入っています。EASTをぶっ壊すぐらい、ロックバンドしたいと思います。お客さんが今日観て1番よかったのはThis is LASTって思えるライブにします。


<イベント情報>

「ツタロックDIG LIVE Vol.10」

2022年8月3日(水)渋谷・Spotify O-EAST
料金:4900円(全自由・入場整理番号付・ドリンク別・税込)
時間:OPEN 14:30 / START 15:00 / CLOSE 21:00 ※変更可能性あり
出演:オレンジスパイニクラブ / ケプラ / This is LAST / Bye-Bye-Handの方程式 / プッシュプルポット / ペルシカリア / マルシィ / ヤングスキニー / yutori
主催・企画:CCCミュージックラボ株式会社
制作」株式会社シブヤテレビジョン
協力:Rolling Stone Japan
最速先行受付(先着)【6月10日18時〜6月19日23時59分】
https://eplus.jp/tsutarock-diglive-10/
※ご購入の際 は、専用URLで詳細をご確認ください。
※出演者の変更・キャンセルに伴う払い戻しは一切いたしません。
※チケットの譲渡、転売は固くお断りいたします。チケットを転売、
あるいは転売目的で入手することは条例により違法な行為となる場合があります。ご注意ください。

特設サイト https://rollingstonejapan.com/articles/detail/37771

<リリース情報>

This is LAST
digital single 「もういいの?」
2022年8月3日(水)リリース
https://ssm.lnk.to/Mouiino_TiL

<ライブ情報>

This is LAST 「アウィナイト」ツアー2022

2022年9月8日(木)福岡 DRUM Be-1 GUEST: Half time Old
2022年9月10日(土)広島 CAVE-BE GUEST: Half time Old
2022年9月12日(月)高松 DIME GUEST: Ivy to Fraudulent Game
2022年9月26日(月)名古屋 DIAMOND HALL GUEST: the shes gone
2022年9月28日(水)大阪 BIGCAT GUEST: reGretGirl
2022年10月10日(月・祝)札幌 cube garden GUEST: MoLse
2022年10月12日(水)仙台 CLUB JUNK BOX GUEST: chilldspot
2022年11月14日(月)東京 Spotify O-EAST GUEST: FOMARE
チケット一般発売 2022年7月30日(土)0:00-
http://eplus.jp/thisislast2022/

2022年8月11日(木・祝)ROCK IN JAPAN @千葉市蘇我スポーツ公園
2022年8月24日(水)TREASURE05X 2022~THE CHEMICAL REACTION~@Zepp Nagoya
2022年8月27日(土)RUSH BALL 2022@泉大津フェニックス
2022年9月19日(月・祝)TOKYO CALLING 2022@渋谷会場
2022年10月8日(土)、9日(日)、10日(月・祝)MINAMI WHEEL 2022@心斎橋 ライブハウス20ヶ所

■PROFILE
2018年5月結成、千葉県柏市発、3ピースロックバンド。
赤裸々に実体験と思いを綴った歌詞と、ライブパフォーマンスがSNSやライブハウスを中心に支持を集める。
「愛憎」はYouTube での再生回数が94万回、「殺文句」は81万回を超える。2021年5月から16ヶ所をまわった初の全国ワンマンツアーは全箇所SOLD OUT、同年8月惜しくも無観客配信となったO-EASTでの配信ライブは、18,000視聴を集めた。2022年春には東京EX THEATER ROPPONGI、大阪BIGCAT、名古屋DIAMOND HALLをまわった東名阪のワンマンツアーは全公演完売。「ROCK IN JAPAN FES.」「RUSH BALL」への出演や、秋には全国8ヶ所をまわる対バンツアー「This is LAST アウィナイトツアー 2022」の開催予定。”今、1番に聴くべきバンド”として、ティーンを中心にファンダムを急速に拡大中。

菊池陽報 Twitter @akitsugu0
菊池竜静 Twitter @sl_r_1231
鹿又輝直 Twitter @Teru_SL13

Website https://thisislast.jp/
Twitter https://twitter.com/thisislastband
Instagram https://instagram.com/thisislastband
YouTube https://youtube.com/c/ThisisLAST

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