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マルシィ、悔いを残さず届け切った一度しかない“初めてのツアー”東京公演

Rolling Stone Japan / 2022年8月11日 18時0分

マルシィ(Photo by 横山マサト)

福岡県出身のバンド、マルシィ初のone man live tour 2022”Memory”の最終公演が7月28日(木)に渋谷CLUB QUATTROにて行われた。

マルシィは、今年3月にユニバーサルミュージックからのメジャーデビューを発表し、6月1日には初の1st ALBUM『Memory』をリリース。本作は”恋の始まりから愛が終わるまで”をテーマに、日常のなかで好きな人を思う真っ直ぐな気持ち、別れても諦めきれない切実な想い、失ってしまった愛の記憶など、恋愛をする上で誰しもが抱えたことがある心の揺れ動き、想い人と過ごした記憶を細やかに描いた作品。バンドのソングライターである吉田右京(Vo./Gt.)が書く歌詞と透明感のある歌声、楽曲の世界観に寄り添うメロディアスで美しいサウンドが聴く人の心に寄り添い、多くの共感を呼んでいる。

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7月に行われた、バンド初のワンマンツアーとなった大阪、名古屋、福岡、東京の4公演は全日程ソールドアウト。マルシィの音楽をライブで体感したいファンの期待の高さが伺える。今回の会場となった渋谷CLUB QUATTROでは、フロア全体の本当に奥の方まで、多くのファンが詰めかけていた。東京でのワンマンライブは、3月に行われた渋谷WWW X公演以来、約4ヶ月ぶり。ALBUM『Memory』を携えたツアーの最終公演の幕が開かれた。



ステージが青色の照明で照らされると、ピアノのイントロから徐々に打ち込みの電子音と、皮膚まで震えるような低音の鳴りが印象的なSEで会場内が満たされる。ライブの始まりを予感させる高揚感の中で、shuji(Gt.)、フジイタクミ(Ba)、吉田右京(Vo./Gt)と、サポートドラムの藤田亮介が登場する。

「マルシィと言います! よろしくお願いします!」とボーカルの吉田が挨拶をすると、<プラネタリウムの中で 満点の星空の中で 手と手繋いでキスをした こんなことしていいのかな>と、「プラネタリウム」の冒頭を歌い出す。バンドの楽曲の中でもアップテンポでロック色の強いナンバーであるこの楽曲に呼応するように、観客もすぐさま手拍子で、サビでは手を振ってバンドの演奏に応えていく。満員のフロアを目にした吉田の歌声に、より情感がこもっていくのが感じられた。メンバー3人とサポートの藤田は、時折それぞれの姿をアイコンタクトで捉えながらにこやかに、こちらから見てもとても楽しそうに演奏を繰り広げていく。


吉田右京

バンドミュージックのグルーヴとストリングスやピアノの美しい響きが調和する、マルシィ独自の切なさを誘うサウンドの中で、片想いの切ない気持ちを歌う「オードトワレ」、結婚相手がいる人に惹かれている主人公の視点を歌う「雫」を披露していく。マルシィの楽曲はライブになると、より楽曲の世界観や歌詞が紡ぐ物語の主人公の切実な気持ちが伝わってくる。


フジイタクミ(Ba)

ストリングスの旋律と、キラキラした打ち込みのビートが印象的な「ワスレナグサ」。ピンク調の照明がまるで満開の桜の色のようにステージを照らす。遠距離恋愛で離れて暮らす”君”を思う”僕”が、ふたりの運命の強さを信じている。その真っ直ぐな歌詞が胸を打った。バンドの曲の中でも打ち込みのサウンドを軸にした「未来図」では、吉田がギターを置きスタンドマイクで歌う。出会って恋をして、たくさんの思い出を重ねていって、やがて愛の形に変わっていく未来の希望を描いた歌。吉田は曲の途中に差し掛かるとスタンドからマイクを外し、ハンドマイクでステージ上を移動し、音に乗りながら歌う。

「思い浮かべている冬の景色の中に、誰かがいるのならその人を思い浮かべて聴いてほしい」と演奏された「白雪」は、別れを告げてしまった後でも未練が残ってる主人公の切ない気持ちを歌う楽曲。じっくりと演奏を聴く観客は、頭の中で誰を思い浮かべたのだろうか。



ライブも終盤になり、アルバムの中で1番想いを詰めた曲だという「ラブストーリー」を披露。<出逢ったあの日に戻りたい><噛み合わない価値観を噛み砕いて 永遠を生きたかった><いつまでも握っていたかった糸は 赤じゃなかったんだね>という歌詞にもあるように、失ってしまった恋を悔やみ、思い焦がれる気持ちを歌うマルシィの真骨頂ともいうべき失恋を描いたバラードナンバー。ストリングスを主調にしたサウンドが、より楽曲の情景を鮮明に思い浮かばせて、切ない気持ちを呼び覚ます。そして「ピリオド」、疾走感溢れるナンバー「最低最悪」でフロアを盛り上げ、本編が終了。観客の温かな拍手の中でメンバーが一度ステージから捌ける。


shuji(Gt.)

アンコールでは、今回のツアー恒例だというたどたどしさが微笑ましいグッズ紹介MCも交えつつ、メンバー各々が初めて4都市を巡ったツアーの感想を感慨深そうに話した。「辛い時、嬉しい時に聴いて、人生に寄り添える音楽を作りたい」と話す吉田は、「ツアーファイナルということで、他のツアーではやっていないマルシィの始まりの曲をやります」と、他公演では演奏されていなかったバンド初期の楽曲「Drama」、最後は「絵空」を披露しアンコールが締め括られた。



観客との写真撮影をした後、先ほどの演奏でミスがあったという吉田の「ツアーラストで悔いを残したくない」というたっての願いでなんと「絵空」が再度演奏されることに。2度目の「絵空」は、言葉のひとつひとつ、フレーズをより丁寧に演奏し、観客の元に届けられた。

バンドにとって一度しかない”初めてのツアー”は無事完走。全国のファンへ直接音楽を届ける経験を経て、マルシィの表現、演奏はどのように変化していくのだろうか。更なる飛躍に期待したい。


<リリース情報>



マルシィ
『Memory』
発売中
ご購入はこちら:https://marcy.lnk.to/Memory_reserve
=収録曲=
1. ラブストーリー
2. プラネタリウム
3. ワスレナグサ
4. 君のこと
5. ピリオド
6. 花びら
7. 未来図
8. 最低最悪
9. 牙
10. 白雪
11. 絵空 ※CDのみ収録のボーナストラックになります。

マルシィ オフィシャルHP https://www.universal-music.co.jp/marcy/

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