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Night Tempo、渋谷横丁をメロウな世界観に染める

Rolling Stone Japan / 2022年8月16日 17時55分

Night Tempo

昭和グルーヴ・ツアー中の韓国人プロデューサー/DJのNight Tempoが14日(日)、東京・渋谷横丁広場でDJプレイを披露した。

【写真】イベントの様子

先月はフジロックフェスティバルに出演し、野宮真貴、BONNIE PINKらがゲスト出演したライブセットと昭和グルーヴDJセットの2ステージを披露。8月13日には渋谷SPOTIFY O-EASTで「Night Tempo presents ザ・昭和グルーヴ・ツアー 2022」を、15日にはリキッドルームでライブを行うなど多忙なスケジュールの中、渋谷横丁でDJを行うとアナウンスしたのは、前日13日のこと。まさにゲリラ的な発表と、ライブハウスやクラブとはまた違ったステージになることは間違いなしと、現場に足を運んだ。

渋谷横丁広場は「RAYARD MIYASHITA PARK」内にある食とエンタメの融合施設で、北海道から九州・沖縄まで地域のソウルフードや力士めし、喫茶スナックと多彩なアーティストのパフォーマンスが楽しめる全19店舗が軒を連ねている。屋外での飲食スペースも多く、土日平日、昼夜問わず、多くの人たちがお酒を楽しんでいる渋谷の新しい名所になっている。

そんな飲食街の中にあるのが、イベントスペース『横丁広場』。昭和レトロかつモダンな雰囲気を楽しめる飲食街の中にDJセットやスピーカー、ミラーボールがあり、音楽・ダンス・スポーツ・フード・アニメなど多彩なイベントが日替わりで開催されている。まさに、昭和グルーヴ・ツアー中のNight Tempoとの相性は抜群といえる。といいつつ、そこにいるのは、お酒と食事を楽しんでいる一般のお客さんたち。若いペアや仲間連れが多く、お酒が入ってとても賑やかだ。

20時になると、Night TempoがゆるりとDJブースに登場。「みんな飲んでいるので、今日はアゲアゲなしでメロウに、コーラを飲みながら楽しみます」とマイクで語ると、何かが始まるぞ!とお客さんたちがDJブースを見つめた。それに対して「いきなり静かになったから迷惑かな(笑)」との一言で笑いを取り、「ゆっくり始めたいと思います」とDJがスタートした。VJのMIKURU YAMASHITA(BOXOP)も登場し、横並びでプレイがスタートすると、会場のモニターには「提供 Night Tempo」「提供 横丁広場」とテレビ番組をモチーフにした映像が流れ、まさに渋谷横丁とコラボレーションに様変わり。



宣言通り、チルでメロウな楽曲を中心にプレイしていくNight Tempo。カルロス・トシキ&オメガトライブや荻野目洋子をはじめとしたアーティストに加え、日本人でも初めて聴くような楽曲が選曲され、賑やかな酒場の雰囲気に馴染んでいく。広谷順子や吉田美奈子などの楽曲に聴き入る客もいれば、その場で知り合ったであろう男女が語り合ったりしていて、お酒で拡張した日常に、音楽が混ざり合っている感覚が新鮮だ。





この日、この場所でしか生まれ得ない素敵な空間

プレイから1時間近く経ち、松田聖子「MEMORIES」が流れると、お酒を飲んでいるお客さんたちも一気に盛り上がり、1回目のピークタイムが訪れた。「盛り上がりすぎるのは禁止」とNight Tempoがやさしく嗜めつつ、DJは後半戦に。

途中、トイレに立ち長い横丁を歩いていくと、イベントスペース以外の場所でもスピーカーからNight TempoのDJが流れ、VJも表示されているのを知り、横丁全体がNight Tempoの世界観に包まれていることがわかった。リアルタイムでDJプレイが行われていることに気がついている人も、いない人たちも、心地よさそうにお酒を楽しんでいるのが気持ちいい。

後半戦では、Night Tempoが客席のお客さんの中に紛れ込んでみたり、ファンの撮影に応じるサービスタイムを設けたり、この空間だからこそのフレンドリーでコミュニケーションも実現。DREAMS COME TRUEの「週に1度の恋人」で少しハイファイな空気感を演出したり、EPO「Down Town」、竹内まりやの「プラスティックラブ」をプレイするなどして、DJはエンディングへと近づいていく。

「今日は、みなさんがあまり知らない曲で楽しませようって選曲をしました。一番カジュアルなのは松田聖子でした」との言葉通り、その場の雰囲気に馴染む選曲かつ、Night Tempo目当てで足を運んだリスナーの音楽欲求を高めるような絶妙なセットだった。最後は、アンコールを求めるお客さんたちにサービスで楽曲をプレイし、約2時間のDJは終了した。

懐かしい昭和歌謡と、昭和をモチーフにしつつモダンな内装に、いまを生きる若い男女、年代や国籍も越境したお客さんたちが混ざり合った、この日、この場所でしか生まれ得ない素敵な空間だった。

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