リンダ・リンダズが振り返る、人生のハイライトとなった「初体験」
Rolling Stone Japan / 2022年8月20日 9時0分
8月20日〜21日開催のサマーソニックに出演するリンダ・リンダズ(The Linda Lindas)。4人がこれまで経験してきた初体験の数々を明かした、米ローリングストーン誌の動画企画「The First Time」(2021年公開)の完全翻訳版をお届け。
自分のために立ち上がったとき
ミラ:私の場合は「Racist, Sexist Boy」を書いた時かな。学校の男の子が「親から中国人には近寄るなと言われた」と言ってきたから、「私は中国人だよ。じゃあ私に近寄らないで」と言い返した。そんなこと言われてビックリしたし、どう答えればいいかも分からなかったから。でもバンドのメンバーや家族とこの話をして、それがどれだけ最悪な状況か気付いてきたの。だから、このことについての曲を書こうと思った。ちゃんと書き始めたのは2020年の大統領選が始まった頃。今こそ、このメッセージをきちんと伝えなきゃ、と。ロックダウン期間中にZoomを使って、エロイーズと私で5時間ほどで書いた。
エロイーズ:人種差別が身近に存在するなんて本当に最悪なのに、今の白人特権社会ではそれが当たり前になってしまっている。人種を理由に差別されるなんてマジでクソ!
初めての図書館ライブ
ルシア:いつだろうね?(笑)
ベラ:わかってるでしょ(笑)。2021年ね。普段は図書館だと静かにしてなくちゃいけないのに、ライブができるなんてクールな体験だった。
ルシア:しかも久しぶりのライブだったから、すごく楽しかった。練習をして機材を運んで、みたいな過程まで含めてね。
エロイーズ:まさか図書館でマイクに向かって歌うことになるとは夢にも思わなかった。
ルシア:(「Racist, Sexist Boy」の動画がバズったのは)変な感じだった。
ベラ:歴史の授業を受けてる時に、突然携帯が鳴り止まなくなって。インスタを見てみたらフィードが私達の動画だらけになってた。
エロイーズ:私はSNSをやってないから、意味が分からなかった。ミラから「私達、バズったよ!」ってメッセージが来たけど、「どういうこと?」って。
ルシア:信じられなかった。「バズった」ってどういうこと? フォロワーが少し増えたのかな、ぐらいに考えてたら……(笑)。ポジティブな反応をもらえて嬉しかったけど、あの曲に共感する人があんなにいたってのは悲しいことだとも思った。
バンドを始めたきっかけ
ルシア:昔から仲良かったしね。私とミラは姉妹で、エロイーズは親戚。ベラは、彼女が5歳の頃から知ってるし。
ミラ:バンドをやろうって話はずっとしてた。
ルシア:話だけね。どうして結成まで時間が掛かったんだろう?
ミラ:最後の一押しが欠けてたから。
ルシア:誰かに背中を押してもらう必要があったんだよね。
ミラ:音楽ワークショップ「Girlschool LA」に参加して、他の子達と一緒にライブをやってみたのが決め手になった。「これって最高!」と感じて。
ルシア:その時のライブではミスをしまくったけど、練習して、サウンドチェックをして、衣装を着て、ステージに立つ。その全てが掛け替えのない体験だった。
エロイーズ:自分が好きな人達と一緒に楽しみながら何かを作り上げるのって最高にクールだと思う。私は子供の頃からパンクのコンサートを見てたし、両親は私が通ってる学校の音楽教育を充実させる為の寄付を募る活動をしてたりもした。だから私も歳を重ねるとライブに行くようになったし、ミックステープを作ったりするようになって。マイク・ワット(ミニットメン等)がライブの終わりにいつも「お前がバンドを始めろ!」と言うのを聞いて、「私にもできるかも」と思うようになった。だからリンダ・リンダズが結成できて本当に最高。自分の気持ちに忠実に行動して楽しむこと。これぞ「Do It Yourself」だよね。
一緒に聴いた音楽
ルシア:最初、私達はカバーバンドだった。自分達が好きな曲の中から演奏できそうなのを選んでいったの。
エロイーズ:それぞれが好きな曲を挙げていって。X・レイ・スペックスの「Germ Free Adolescence」とかね。
ルシア:私はプリテンダーズの「Mystery Achievement」。
ルシア:ゴーゴーズの曲はいっぱいやったね。「Our Lips Are Sealed」「We Got The Beat」「Cool Jerk」。
エロイーズ:ラモーンズの「Shes The One」も。
リンダ・リンダズがカバーしてきた楽曲のプレイリスト
パンクにハマったとき
ルシア:私達はそれぞれ違う音楽が好きで、スタイルもそれぞれだけど、音楽を作り始めた時に自分達の気持ちを素直に表現したら、それがパンクだった。
ベラ:音楽ジャンルとしての「パンク」をやろうと思ったわけじゃないよね。自分達にできることをやったら結果的にパンクになった。自分達の気持ちに忠実な音楽をやりたかっただけ。
ルシア:パンクは私達に好きなことをやっていいんだっていう自由を与えてくれた。
【関連記事】リンダ・リンダズが語る音楽的ルーツと4人の成長、ブルーハーツと日本への想い
ザ・リンダ・リンダズ
『Growing Up』
発売中
視聴・購入:https://silentlink.co.jp/growingup09
SUMMER SONIC 2022
8月20日(土)、21日(日)
千葉・ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪・舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※リンダ・リンダズは20日(東京)、21日(大阪)に出演
公式サイト:https://www.summersonic.com/
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