少女時代が語る、空白の5年間と待望のカムバック
Rolling Stone Japan / 2022年8月21日 11時45分
2007年に少女時代が「Into the New World」でデビューした時、メンバーの大半は18歳に達していなかった。K-POP界も今ほど群雄割拠の時代ではなかった。
【動画を見る】少女時代のデビュー曲「Into the New World」MV
2009年に「Gee」をリリースすると、テヨン、サニー、ティファニー、ヒョヨン、ユリ、スヨン、ユナ、ソヒョンはメインストリームでの成功を手にし、少女時代は韓国で誰もが知る存在となった。アジアでも人気を拡大し続け、2011年にはInterscope Recordsとタッグを組んでアメリカにも進出。そして2017年、グループ結成から10年目に次なる大きな転機が訪れた。ティファニー、スヨン、ソヒョンが所属事務所であるSM Entertainmentを退所したのだ。ただし、少女時代は正式に解散しないという条件で。
この5年間、メンバー同士は強い絆を維持していたため社交的な集まりはあったものの、それを除けば少女時代が全員揃ってファンの前に姿を見せる機会は多くなかった。だがそれも終わり。デビュー15年目にあたる2022年、ニューアルバム『FOREVER 1』を引っ提げて、少女時代が再結成したのだ。
ローリングストーン誌はこれまでの歩みや今後の方向性について、少女時代に詳しく話を聞いた。
ー少女時代が全員集合するのを目にするのは5年ぶりです。再集結はつねづね噂され、皆さんもしばしば検討していたようですが、今年再始動すると決めた理由は何だったのでしょう? とくに実現を心待ちにしていたのは誰ですか?
テヨン:実は去年、14周年に合わせてアルバム・リリースを計画していたんです。でも全員すごく忙しくて、私たちにピッタリな曲もなかなか見つかりませんでした。それで今年に先延ばしして、15周年のタイミングに合わせることになったんです。
ユリ:『FOREVER 1』はメンバーにとってもファンにとっても待望のアルバムです。15周年でもある上に、メンバー全員が待ち望んでいたアルバムですし、かなり前から計画していました。多分、グループの中では私が一番楽しみにしていたんじゃないでしょうか!
サニー:今回のプロジェクトには期待も思い入れも高かったので、私たちも理想と現実の間でうまくバランスをとるよう努力しました。
ー最後に全員揃って以来、自分がどれだけ変わったと思いますか?
ユリ:自分自身について深く知るようになりましたし、人間としても成長しました。私もソロアルバムをリリースしたり、ずっとやってみたかった舞台や、歴史ドラマなどにも出演しました。プロフィールを充実させてきたと言ってもいいでしょうね。
ティファニー:私たち全員が成長して、成熟して、前よりずっと上手く立ち回れるようになりました。レコーディングやスケジュール調整は楽ではありませんが、気持ちの面で全員が柔軟に対応したことで、今回アルバムをまとめられたんだと思います。
テヨン:私の場合、以前は何事も仕事として取り組んで、「仕事しなくちゃ!」という考えでした。でも今回は一緒に集まれてとにかく楽しかったですね。全員が集まったのは久しぶりだったので、おしゃべりもすごいんです。私もエンジョイしています。スケジュールがタイトなので、一緒にいられる日は記念日のようです。
久々のアルバム制作、ソロ活動の成果
ー少女時代の新しいバラエティ番組『Soshi TamTam』で、一人ずつ歴代の曲を披露していくのを見た時は鳥肌が立ちました。これまでの楽曲を振り返って、とくに好きな時期はありますか? 懐かしいと感じる振付、衣装、イメージ、楽曲は?
ユリ:私が好きな時代のひとつは2009年以降、「Genie」ですね。あれは私たちが初めてキュートなイメージから脱却して、大人のイメージに挑戦した時でした。「願いを教えてくれたら叶えてあげる」という運命の女神のメッセージも好きでした。今でも夏になるとよく聴いています。おそろいの衣装も、上品で大好きです。
ティファニー:私の中ではこの先もずっと「Into The New World」ですね――デビューソングというだけでなく、今の若い世代とも通じ合える、共感してもらえるメッセージだからです。でもそれぞれの時代を振り返ってみると、たくさんのことを学びましたね。とくに退所してからはプロデュースや作曲も学びました。私がとくに懐かしいのは、Phantasiaツアーでの「PARTY」です。あらゆる段階でたくさんのアイデアを注ぎ込んでいましたから。自分の気持ちに正直であること、全員集まればもっと強くなれること、時間が経てばもっと良くなれることがテーマの1年でした。それはパフォーマンスにも現れています。ファンの皆さんにとっても、大好きな時代だと言ってもらえたら光栄ですね。
ー私もニューアルバムを聴きましたが、スヨンとティファニーが今回のアルバムで作詞作曲に携わったのを、2人のInstagramのストーリーで知った時は嬉しいサプライズでした。
スヨン:私は2曲で作詞に参加しました。最初は5曲ぐらい書いていたんですが、全部は採用されませんでした(笑)。私が書いた曲のうち、「Seventeen」はティファニーとの共作です。彼女と一緒に曲を作ったのは初めてでした。一緒に遊んだり、おしゃべりしたり、アイデアを交換したりしながら作業して、あっという間に歌詞が出来上がりました。最高に息が合っていました。きっと長い時間を一緒に過ごしたからだと思います。相手が何を考えているのか、一目で理解できるんです。
ー今回のアルバム制作で、特別なエピソードはありますか?
サニー:ティファニーが自作した「Villain」という曲のレコーディングでは、彼女が指揮を執っていました。間違いなく今までにはない経験でしたね。メンバーがブースの外で作業しているのは、かなり新鮮でエキサイティングでした。
テヨン:あの曲は何度も編集して、SMだけでなくメンバーもみんな意見を出しました。ステージでの見せ方も考えて、曲を完璧なものにしようとしました。他のメンバーもアルバム制作に関わっていましたが、SMの基準はものすごく高いんです(笑) ものすごく厳しいんですよ。ティファニーとスヨンの作品は、なんとか合格点をもらえました。
強烈な個性の集まり
ーソロ活動を始めてからどんな困難に直面しましたか? 今まで知らなかったことでも、これまで経験しなかったことでも構いませんが。
ユナ:私は1人で仕事するとき、とくにメンバーと一緒にいた後は物静かになります。一緒の時はいつも陽気で、みんなかなりおしゃべりです。興奮がボルテージに達して、みんな少しはしゃいでしまうんでしょうね。
ヒョヨン:私はソロ活動を始めてからだいぶ経ちます。前よりはマシになりましたが、1人で楽屋にいると退屈することもあります。もちろんスタッフと一緒にいるのも楽しいですが、今回のアルバムでメンバーと一緒になってみて、自分にとって一番楽しい瞬間なんだと気づきました。
テヨン:一番大きな違いは……とても騒がしいという点ですね(笑) それはもう賑やかですよ。グループで活動するといろんな感情が沸き起こってきます。精神的な負担もありますが、心のよりどころや頼れるものもあります。例えば、私のせいで振付を台無しにしたくはありません。でも同時にメンバーがいるので、頼りにすることができます。自分と同じ考えをする人が隣にいるんだ、と知ることが出来るんです。
ーソヒョンがTVに出ていたり、ティファニーがミュージカルに出演したりと、長年ともに過ごしたメンバーがソロ活動を始めるのを見るのはどんな気持ちでしたか? メンバーのキャリアの方向性に驚きましたか? もしくは今までずっとやりたかったことをやっているな、という感じでしたか?
スヨン:私はティファニーが『シカゴ』のオーディションを受けて、ロキシー役で舞台に上がるまでをずっと見てきました。彼女が徐々に自分らしいロキシーを作り上げていくのを見てとても誇らしく思いましたし、私も舞台を離れてしばらく経つのでやる気を駆り立てられました。彼女を本当に誇りに思います。彼女はやると決めたことは必ず成し遂げる人ですし、実際に成し遂げたんですから!
ユナ:私はいつもメンバーそれぞれの活動を見るたび、驚かされます。一人ひとりがそれぞれの分野で成功し、才能を認められてきました。こんなことになるなんて本当にびっくりです。私も心から感謝しています。
テヨン:私たちがこの業界に入って15年経ちますが、特定の分野では新人です。彼女たちが初心でこうした活動に取り組んでいるのが分かるので、とても誇らしい気持ちでした。彼女たちが一生懸命なのを見て、心から誇らしく思いました。ソユンが女優として活躍する姿を想像もしていませんでしたし、ティファニーがミュージカルに出るなんて考えたこともありませんでした……それも『シカゴ』のロキシー・ハート役ですよ? 私たち全員が、予想もしなかった方向に進んでいます。だからこそ余計に楽しみなんです。今回のアルバムでこの先どんな方向に行くのか、ワクワクします。
若いガールズグループについて
ー少女時代は互いに強い絆で結ばれていることで有名ですが、当然こうした関係を築くには相当の努力が必要です。まだ皆さんほど親しくない新人グループにアドバイスやヒントはありますか?
サニー:大事なのは、メンバーも自分と同じ経験をしてきたこと、一番の理解者だということを忘れないことです。互いを尊重して、ありのままを受け入れることも大事です。
ティファニー:個人的にブレネー・ブラウンの本を愛読していて、韓国語の字幕が付いた彼女のTEDをグループチャットでメンバーにも送信しました。弱さをさらけ出して進んでいけるように、コミュニケーションの重要性を理解できるようにするためです。たくさんミーティングをして、何かを決める時は全員が意見や考えを述べるように心がけました。プライベートでも、仕事の上でも長続きする関係を構築するには、忍耐と互いへの思いやりも重要な要素です。
ー少女時代の初期と比べて、誰が一番変わった、あるいは成長したと思いますか?
テヨン:ボーカルで言えば、ユナとスヨンはものすごく上達しました。「個別レッスンでも受けたのかしら?」と内心思ったぐらいです(笑)。2人が自分の個性を作り上げたのは嬉しいサプライズでしたね。
ユナ:少女時代の初期と比べると、最年少のソヒョンが一番変わったと思います。たくさん成長しました!
ソヒョン:私も自分が一番変わったと思います。デビューしたての頃はものすごく幼かったですね。当時の私は、目の前のことを全力でこなすのに精いっぱいでした。それ以来、気持ちをオープンにしてリラックスすることを覚えました。経験を積んだのが良かったんだと思います。時間とともに、今まで自分でも知らなかった本当の自分を見つけることができました。
ー定期的に連絡を取っている新人グループはいますか? あるいは業界に入ったばかりのアーティストを見て、昔の自分たちを思いだすようなことはありますか?
サニー:若いガールズグループを見るたび誇らしい気持ちになると同時に、彼女たちのために自分ができることはあるだろうか、とも考えます。口やかましい存在にはなりたくないので、自分から先にアプローチしないようにしていますが、いつも遠くから温かく見守っていることに気づいてもらえたら嬉しいですね。何か困ったことがあったら、遠慮なく来てください!
ヒョヨン:私はずっとaespaに注目してきました! 目でも耳でも彼女たちの作品を楽しく拝見しています。
テヨン:私もaespaが本当に気に入ってます。彼女たちの活動から目を離さないようにしています。若いグループを見ていると、彼女たちの若さが少女時代としてデビューした自分たちと似てますね。メイクなしで髪も普通なのを見ると、少女時代のことをつい考えてしまいます。
ー15年間を振り返って、「Into The New World」時代の自分に言葉をかけるとしたら、どんなことを伝えたいですか?
ユナ:「Into The New World」時代のユナに何か言うとすれば、一瞬一瞬を楽しみ続けなさい、今まで通りベストを尽くしなさい、ということでしょうね。それと健康には気を配ること!
テヨン:当時の自分に何を言っても、多分理解できないでしょうね。すべては経験から学ぶものですから……しいて言うなら、運動! 健康に気をつけなさい!ですね。
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