オフスプリングが語る、戻ってきたツアー生活と日本の話
Rolling Stone Japan / 2022年8月27日 16時5分
オフスプリングがサマーソニック出演のために3年半ぶりの来日を果たし、幸運にも取材する機会に恵まれた。サマソニ前日、インタビュー部屋で待っていたのはデクスター・ホーランド(Vo, Gt)とヌードルズ(Gt)。コロナ禍以降、海外アーティストの取材はZoomが当たり前になっていただけに、直接対面できるというのは正直、奇妙な感覚だった。前回のZoomインタビューではビールを飲みながらざっくばらんに色々と語ってくれたふたりだが、今回も午前中からのインタビューにもかかわらず、真摯に受け答えをしてくれた。一部の音楽ファンの間で話題になっているNetflixのドキュメンタリー『とんでもカオス!:ウッドストック1999』について質問したときにグッとシリアスな表情になったのが印象的だった。
【写真を見る 全10点】オフスプリング サマソニ東京公演(記事未掲載カット多数)
―コロナ禍以降、皆さんはヨーロッパや北米を回っていますが、久しぶりのツアーやフェスはどうですか?
ヌードルズ グレイトだよ。ショーは素晴らしいし、観客も素晴らしい。俺たちはライブをすることに飢えてたし、観客もライブを観ることに飢えていたから、お互い有り難いって感じだね。
デクスター ヌードルズが言ったように、ライブがしたくて死にそうだった。俺らはイギリスでツアーをやったと思ったらそのあとのツアーが3つキャンセルになったり、なかなか調子が上がらなかったけど、ここにきて元通りになってきてると思う。とはいえ、やってはいけないこともまだあるみたいで、日本がいい例なんだけど、日本ではショーはできるけど客が歌ったら駄目なんだよね? ロックンロールショーでそれができないのは俺たちにとってはすごく変な感じだけど、みんなノーマルに戻ろうと頑張っている……明日は本当にショーの最中に観客は歌っちゃいけないの?
―そういうことにはなってますね。
デクスター そうなんだ。
ヌードルズ 俺はTOTALFATのShunと対談したときに「まだ制約が多い」って話を聞いたよ。
デクスター いつもみたいに客に歌わせようとしてもシーンとするんだろうね(笑)。
ヌードルズ やってみたいな(笑)。
―他の国では制約はないんですか?
ヌードルズ だいぶいつも通りに戻ってるね。飛行機でマスクしなくてもいいし。
デクスター でも、カナダの飛行機ではマスクしなくちゃいけなかったな。場所によってすごく違う。
ヌードルズ アメリカではもうマスクをする必要はないけど、俺はしてるよ。
デクスター 去年の暮れ、パリに用があって行ったけど、みんなマスクをしてたし、すごく注意深かった。でも、海峡を渡ってイギリスに行ったら誰もマスクなんてしてなかった! みんな気にしてなかった。まあ、俺たちアメリカ人にとって、日本はマスクとか色んな面ですごく厳しいね。
「アリス・クーパーがステージ袖まで観に来てくれた」
―みなさんぐらいのキャリアを誇るバンドでも、久しぶりのライブとなると多少は緊張するものですか?
ヌードルズ コロナ禍になってから最初のショーではすごく緊張したよ。人前で演奏するのは1年半ぶりで、そんなに長い間観客の前に出ないのは初めてだったからね。でも、みんな笑顔だったし、「ああ、これは前にやったことあるぞ。これは楽しくなるぞ」って思えた。素晴らしかったよ。俺は普段もライブ前は少し緊張するからいつも通りではあるんだけど、2、3曲やったらすぐに戻った。グルーヴもよかったね。
―HELLFESTでのライブをYouTubeのオフィシャル動画で拝見しました。メンバーも観客もテンションが高くて素晴らしかったです。
ヌードルズ あれは楽しかったよ。
デクスター めちゃくちゃ暑かったな。40℃だったっけ?
―それは暑いですね!
ヌードルズ まさにHELLFESTだった(笑)。すごく楽しかったな。
―あはは! ツアー中、何か印象的な出来事はありましたか?
ヌードルズ ああ、HELLFESTの俺たちのショーをアリス・クーパーがステージ袖まで観に来てくれたんだよ。俺はショーが終わるまで気づかなかったんだけど、もし気づいてたら緊張して大変だったと思う。
デクスター そうだね。あれはよかった。
ヌードルズ 25年ぐらい前に、彼の息子が俺らのすごいファンだって言ってくれてたんだよね。
デクスター HELLFESTではデフトーンズにも会えたし、フェスは普段会えない人に会えるからうれしいね。
―新作『Let The Bad Times Roll』からもいくつか披露していますが、お客さんの反応はいかがですか?
ヌードルズ グレイトだね。どの曲がオーディエンスに一番ウケるかまだ探ってる最中だけど、「THE OPOID DIARIES」はアルバムが出る前からプレイしてるからウケがいいね。あとは、「BEHIND YOUR WALLS」もすごくいいし、最近「ARMY OF ONE」もやるようになった。でも、フェスだと時間制限があるから、今はどれがいいかいろいろ入れ替えてるところ。
デクスター 新作の曲を全部やるには時間が足りないよ。
―ツアーのセットリストを拝見したんですけど、新作の収録曲「Hassan Chop」を演奏していないですよね? 個人的に好きな曲なんですが。
ヌードルズ 大きなフェスでやらないね。
デクスター そもそもまだライブではやってないな。
ヌードルズ 「Hassan Chop」はマニア受けする曲だからフェスではできないかもね。でも、実はバックステージではよく演奏してるんだよ。あの曲はウォーミングアップにいいんだよね。
デクスター しかも、大阪は持ち時間が50分しかないからな。
ヌードルズ 俺たちはヒット曲が多いから!(笑)「20年前のヒット曲はもう演奏したくない」っていうバンドもいるけど、俺らは死ぬまでやる。やらないとファンもがっかりするし。
デクスターの富士山登山
―来日するのは3年ぶりですね。
ヌードルズ 2019年の頭に来て以来だね。
デクスター 3年半かよ! 長過ぎる!
―今回、日本にはいつ来たんですか?
ヌードルズ 昨日の夜だよ。
―昨日の夜!? (注:インタビューは午前中に行われた)
デクスター 俺はバケーションも兼ねてちょっと早めに来た。昨日、娘と一緒に富士山に登ったんだけど、ビデオ撮ったから見せるよ。富士山に登ろうとしたときに何が起こったのか見てくれ(と、激しく雹が降って視界が悪い映像を見せてくる)。
―うわぁ~!
デクスター 信じられるか!? 俺らは富士山の頂上で美しい日の出を見れて、美味しいカレーライスも食えるって聞いて行ったのにさ。
―結局、どこまで登ったんですか?
デクスター 半分ぐらいだね。もっと登るはずだったんだけど。
―何回も日本に来ているお2人だからこそ、日本の雰囲気が以前と違うことに気づいたと思うんですが。
デクスター でも、日本人は90年代の時点ですでに世界で一番マスクをしてる人たちだったからね。風邪をひいたときに人にうつさないようにするのが礼儀って、世界中探してもそんな人たち他にいないよ。だから、マスクに関してはそんなに変には見えないかな。あと、いま日本には旅行客がいなくて街が空いてるから俺らにとってはいいね(笑)。
ヌードルズ あはは! そうだね。行きの飛行機も半分は空席だったよ。
デクスター 昨日行ったバーはどうだった?
ヌードルズ 最初は空いてたけど、最終的にはまあまあ混んでたよ。
―先ほどもちょっと話に出ましたが、ダイブ・モッシュ・声出し禁止は日本では賛否両論です。お2人はどう考えますか?
デクスター ノー・シング・ノー・ファン!
ヌードルズ ははは!
デクスター ショーの最中にぶつかったりするのがダメっていうのはまだわかるけど、歌うのもダメっていうのはよくわからない。飛沫の問題なのかな。それをやるなって言うなら尊重するけど、かなり違和感があるよね。
―シンガロングできないということを踏まえてセットリストが変わることはありますか?
デクスター 曲は変わらないけど、煽り方はちょっと考えるかもしれない。こっちが「イェーイ!」って言ってるのに観客が「シーン」となってる映像を撮ったら面白いかもね(笑)。
ヌードルズ あっはっは!
デクスター でも、俺らはみんながシンガロングする曲を書きたいし、それが俺たちの曲作りにおけるよりどころなんだよ。
ヌードルズ 俺たちは観客の体を動かすために曲を書いてるわけだから、それができないっていうのは……ねえ?
©SUMMER SONIC All Copyrights Reserved.
日本のライブでの奇妙な体験
―わかります。今回の日本でのライブも奇妙な体験になるとは思うんですけど、過去にもそういう体験をしたことはありますか?
ヌードルズ 1995年に初めて日本に来たときのことを覚えてる。曲が終わるとめちゃくちゃ大きな歓声と拍手が起こるんだけど、すぐに静かになってさ。当時はまだほとんど誰もクラウドサーフとかモッシュを理解してなかったけど、時が経つに連れて少しずつ状況は変わっていった。でも、最初はめちゃくちゃ静かだったからすごく慌てたよ。他の国はバカみたいに騒ぐ連中ばかりだったからさ(笑)。
デクスター あの頃、俺たちはライブ中にステージダイブをしてたんだけど、日本で俺がダイブしようとしたら客がみんな「こいつ、何すんだ!?」みたいにビビった顔して、そこからサーッといなくなってさ。あれは笑ったよ(笑)。
―では、今回何かやりたいことはありますか?
ヌードルズ ライブが終わったらすぐに帰るから、俺にとって日本を体験できるのは今日だけなんだよ。
デクスター そう。だから俺は早く来たんだ。富士山は美しかったし(笑)、キディランドももちろん行ったし、ランチは一蘭で食った。東京には他にも美味しいラーメン屋がめちゃくちゃたくさんあるのは知ってるけど、俺らみたいにカリフォルニアから来た人間にとって一蘭は最高なんだよ。「オーマイガー! 毎日食いたいわ!」って。一蘭は日本の「In-N-Out」だね(笑)。
―あはは! わかりやすい(笑)。では、最後にちょっとシリアスな質問をします。最近、99年に開催されたウッドストック・フェスティバルのドキュメンタリー『とんでもカオス!:ウッドストック1999』の配信がNetflixでスタートしました。フェスで若者が馬鹿騒ぎすることはポジティブな面とネガティブな面の両方がありますが、この年のウッドストックに関してはネガティブな方向に振り切ったものになりました。
デクスター そうだね。
ヌードルズ 俺たちの出番は初日だったから、まだそこまでひどくはなかったんだよ。まだみんな水を飲めてたし、「いい週末を過ごそうぜ」って感じだった。それでも何かがおかしいとは感じていて、デクスターもクラウドサーフしてる女性が痴漢されているのを見てステージから指摘してたんだ。
デクスター 俺たちの前にアンディ・ディックっていう狂ったコメディアンがステージに出てて、客からかなりブーイングをくらってステージから引きずり降ろされたんだ。それで雰囲気がちょっと悪くなったっていうのはあったのかもしれない。実際、自分たちのライブでも物が飛んできて体に当たったりしたし、かなり不愉快な状況だったのはたしかだね。
―明日はハッピーな空間になると思うので楽しんでください。
デクスター そうだね! 俺たちはサマーソニックには何回も出てるけど、いつだってその年のハイライトになるんだ。だから今回も楽しみにしてるよ!
©SUMMER SONIC All Copyrights Reserved.
【関連記事】泥ではなく「人糞」だった カオスと化した伝説の音楽フェスを回想
<INFORMATION>
『Let The Bad Times Roll』
オフスプリング
Concord Records
発売中
配信リンク:
https://caroline.lnk.to/ltbtr_offspring
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