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ちゃんみなが振り返る武道館公演、初書き下ろし曲「TOKYO 4AM」に込めた想い

Rolling Stone Japan / 2022年9月5日 18時0分

ちゃんみな(photo by 大橋祐希)

ちゃんみなが、新曲「TOKYO 4AM」を2022年9月2日に配信リリースした。同楽曲は、8月12日からParaviで配信されているドラマ『-50kgのシンデレラ』の主題歌で、初の書き下ろし楽曲。

2021年10月には日本武道館でワンマンライブ「THE PRINCESS PROJECT - FINAL -」を成功させ、今年9月には韓国語で全編制作した楽曲をリリース。それ以降も自身のルーツでもある韓国語の作品を続けてリリースすることを発表している彼女に、武道館のことから、新曲「TOKYO 4AM」のこと、いまの心境についてまで話を訊いた。

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―去年10月に日本武道館で開催されたワンマンライブ「THE PRINCESS PROJECT - FINAL -」、本当に素晴らしかったです。改めて「THE PRINCESS PROJECT」がどういうものだったか教えていただけますか。

大きく分けると、私の中で何個か区切りがあって、その一つが「THE PRINCESS PROJECT」だと思っているんです。デビュー当時から、私はライブコンテンツを「THE PRINCESS PROJECT」って呼んでいて。2017年3月27日に代官山UNITで開催した「ちゃんみな 1st Live 未成年〜To be QueeN〜」から始まったんですけど、一つのシーズンが終わったイメージを自分でも持っています。それをファンの子の前で表明することによって、これから先へのワクワク度も、自分自身のワクワクも増すし、ブランニューな気持ちで次のことに取り組んだり、より鮮明な活動ができるんじゃないかなと思って。自分の中では武道館を一つの区切りと考えて臨みました。



―映像作品のドキュメンタリーで、最初は仲間も少なくて、自分で衣装を揃えたりしていたとおっしゃっていました。ちゃんみなさんの成長や、仲間や家族が増えていく過程も「THE PRINCESS PROJECT」とともにという感じがあるんじゃないでしょうか。

そうですね。「THE PRINCESS PROJECT」があって、仲間がたくさん集まってくれたおかげで、ファイナルを迎えられたと思いますし、そのおかげで次のステップへ進めたんだと思います。もし仲間が増えない状態で規模を広げていってたら、きっと「THE PRINCESS PROJECT」のファイナルを迎えられなかったと思いますね。

ーちゃんみなさんは将来の計画を細かく立てていると公言されていますが、なぜ、「THE PRINCESS PROJECT」は、ここまで大きくなっていったんでしょう。

それに関しては、仲間のおかげだと思いますね。これは話すとすっごく長くなるんですけど、代官山UNITでやった最初のワンマンライブ「To be QueeN」のときは、それこそスタイリストさんもいなくて、自腹で衣装やダンサーさんを集めたりしていました。お母さんにお金を借りたり結構無理してやっていたんですよ。そのときに出会った仲間が今でも、不安定な時から変わらない笑顔で、同じ気持ちでやってくれていて。だからこそ、規模が大きくなるにつれてスタイリストさんが入ってくれたり、メイクさんが来てくれたり、映像を撮ってくれる方やダンサーさん、バンドメンバーが増えたりしていったんだと思います。

―公演を重ねるにつれて仲間が増えていったんですね。

最初は、振り付けとか演出をほとんど私1人でやってたんですけど。「THE PRINCESS PROJECT3」(2019年3月29日・Zepp Tokyo)のときから、ダンサーだった子も一緒にやりたいって言ってくれて。私もずっとやってほしいと思っていた人だったので、信用して任せるようになって、今でもライブを作るときは、3人で話して決めていくんです。そういうチーム体制ができたのも、本当にありがたいことでしたね。



―そうした仲間たちと満を持して臨んだ武道館公演だったんですね。

武道館って本当に大きくて、めちゃくちゃいろんなところに人手が必要なんですよね。私がどうしてこんなに仲間がいたからできたと思うかというと、前日に武道館の下見に行ったんですよ。まだステージを組み立てている段階のときに、すごい人数の人がめっちゃ働いていてくれるのを見て、あのとき私が夢見てたセットを立ててくれているんだと思って。名前も顔も知らない人たちが、このプロジェクトのために力を注いでくれていること自体すごいありがたくて。ってことは、今までやってきた中でも、私の見えないところですごく頑張ってくれた人がいるんだろうと感じて、本当に仲間のおかげだなと思ったんですよね。

ードキュメンタリー映像の中でも、会場を設営されているスタッフさんに気さくに声をかけられていますよね。そういう部分も、感謝とか仲間を思っていることの現れなんですね。

本当にすごい人数なんですよ。練馬のちっちゃい部屋で私が1人で思い描いてたことのためにというか、みんなからしたらもちろん仕事なんでしょうけど、私からしたらみんな夢を叶えてくれる魔法使いみたいな存在で、すごいありがたかったですね。

ー一緒に出演されるダンサーの皆さんや仲間の皆さんにプレゼントを渡されているシーンも印象的でした。

もう、形に残るなにかを感謝として渡したくて。思い出みたいな。

ー逆に、ちゃんみなさんもお手紙をもらったりしていて。

そう。全部とってあるんですよ。

ー車に乗って会場に到着する間際、まだ始まってないけども終わりが見えて泣きそう、みたいなシーンがあるじゃないですか。あのときはどんな心境だったんですか。

本当に終わって欲しくないと思っていたんですよ。これまでのライブも、大体2、3ヶ月かけて準備をするので終わってほしくないと思っていたんですけど、武道館に関しては、「THE PRINCESS PROJECT」のファイナルで、今までの私の人生全てが準備期間だった気がして。自分の中で、文字通り自分の人生を賭けた瞬間や感覚が初めてだった。今までの人生が、このためにあったんだと思えたのが初めてだった気がします。

ー本当に一つの集大成のライブというか。

集大成って言葉で終わらせたくないぐらいの感情です。始まる前からもう寂しかったし、始まってからも、ずっと終わらないでくれと思っていて。「ああ、始まっちゃった、最悪!」みたいな(笑)。そういう気持ちは駄目なんでしょうけど、そういう気持ちと、うわー楽しもう!って気持ちと両方がありました。



ーステージのセットも壮観でした。

18 mのお城ですからね(笑)。

ーいろいろな見所があったんですけど、電話ボックスは本当に格好よかったです。

前々からアイデアはあるんですけど、会場によってできたりできなかったりとかもあって、武道館のときはやりたいなと思っていたんです。

ー回転ベッドの上で男性ダンサーと妖艶なダンスを踊るのも息を呑みました。

「THE PRINCESS PROJECT 1」でベッドを使ってたんですよ。1のときは、ベッドが回ったらいいねって言ってたんですけど、会場的に無理だったので、武道館だったら回せるんじゃない?みたいな話をして、回しちゃいました。

ー猫姿の衣装はかわいかったです。ちゃんみなさん、最初、ちょっと笑っちゃってますよね(笑)。

あれは武道館が決まって一番最初に浮かんだんですよ。なぜか猫になりたいと思って。ステージに出た瞬間、私、何やってんだろうと思って(笑)。でも、その子供っぽいゲーム的な要素も私らしいのかなと思っています。



ーMC では、ファンの皆さんに対して、「心配しないでね。私はどこにも行きません」と話していました。どんな思いからの言葉だったんでしょう。

タイトルに「ファイナル」って言葉が入っていたので、引退するの?って心配されてる方も結構いて。ちゃんと伝えてあげたいって気持ちと、その時は韓国での挑戦が決まっていたんですけど、まだ言えなかったので、そういう言い方になったんです。次の段階に行って、もっと大きくなるっていうだけだから心配しないでほしいって。

ー最後、様々な言語で「ありがとう」という言葉がスクリーンに表示され、最後に韓国語が出てきたのは、ちゃんみなさんからのメッセージのひとつだったんですね。

私なりのメッセージです。わかりやすかったかもしれないですけど(笑)。



ー「THE PRINCESS PROJECT」の映像作品も、かなりこだわられたそうですね。編集ルームにエンジニアさんと一緒に篭って編集したそうで。

とにかく本当のものというか、見せたかったものを残したかったんです。仲間の魂も入れたかった。ステージに一緒に立っているからこそわかる、あのとき、この人はいい顔をしていたとか、私はこの人の顔にやられたとか、そういうものを積極的に入れていきました。

ーちゃんみなさんがステージで見たものがしっかり収められていると。

例えば、「ディスタンス」って曲だけ、演出を一緒にしている子が出てくれて、ペアで踊ってるんですけど、その曲が終わったときに私に何か言っていたなと覚えてたので、それを入れたりしていて。自分が見た思い出というか記憶みたいなものが詰まっています。

ーちゃんみなさんの大切な思い出を、誰でも見れる状態にする理由ってなんでなんでしょう?

「THE PRINCESS PROJECT」は、みんなの物っていう意識があるんですよね。自分の楽曲に対しては、みんなの物って感覚があまりなくて。あるっちゃあるんですけど、みんなのために書いてないっていうのは、ずっと言っているくらいで。「THE PRINCESS PROJECT」はみんなのためにやっていたものなので、みんなの物っていう感覚がある。だからこそ、私が見たものは惜しみなく出したいし、私が見た素晴らしかったものとか、そういうものはちゃんと共有したいなと思ったんです。

ー実際に武道館をやり終えて、映像でみんなが見れる状態にしたことにより、「THE PRINCESS PROJECT」はやり遂げた感覚はありますか?

はい、あります。





ー今年4月には、THE FIRST TAKEに初出演。「ハレンチ」と「美人」の2曲を歌われました。振り返ってみていかがでしたか?

最初お話をいただいたときは、うわ、きたー!って感じだったんすよ。どっちの意味でも来たか!みたいな。最初はプレッシャーみたいな感じだったんですけど、アレンジを新しくするって聞いて一気にワクワクしちゃって。せっかく見ていただけるんだったら、自分の想いが詰まった曲がいいなと思って、「ハレンチ」と「美人」を選ばせてもらったんです。「美人」に関しては”FUCK”って言葉が入っているので、制限がついて、あまり見られない可能性があるよって話もあったんです。でも、自分の真剣な姿を見せたいと思って、あえて入れました。とがったアレンジをしちゃったんですけど、想像以上の反響があって嬉しく思いますね。



ー初対面の人と話していても、結構THE FIRST TAKEのちゃんみなさんの話題で盛り上がるので、本当に多くの人に刺さっているんだなと思います。

嬉しい。照れちゃう(笑)。

ー昨年リリースされた3rdアルバム『ハレンチ』に関しても聞きたいのですが、リスナーのみなさんからの反応はいかがでしたか。

自分なりの J-POP を表現したアルバムだったんですけど、J-POP 好きの人からいいねって言ってもらうことが多くて、すごく嬉しかったですね。ライブとかで歌う機会が増えて、自分でもすごい好きな曲ですしテンション上がるし、すごい好きなアルバムです。



ーそして今回、Paraviオリジナルドラマ『-50kgのシンデレラ』主題歌「TOKYO 4AM」をリリースされました。初めての書き下ろしということで、コメントでも出されてましたけど、最初ちょっと不安があったそうですね。

お話をいただいたとき、私書き下ろしをしたことがなくて。人の経験をもとに曲を書けないので、えーってなってたんですけど、そのままでいいですって言ってくださって、本当に好き勝手書いた曲なんです。これ以外にも何曲かお渡したんですけど、「TOKYO 4AM」 がいいって言ってくださって。大丈夫かなあと思いながらも、確かに主人公の陽芽ちゃんが私だったら私はこういう音楽を作っていただろうなと思って。自分の中でもすごく共感するというか、一致する部分があったなと納得して、この曲でいこうってことになりました。

ーちゃんみなさんにとって、東京の朝4時ってどんなイメージなんでしょう。

東京の朝4時って、私の一番元気な時間なんです。っていうのは、私は結構な夜型で、ピークは22時から6時とかで、一番何かをしている時間。全員が寝ていて、私だけ起きている感じが楽しいんですよ。この世界を独り占めしてる感覚がすごい楽しい。SNS を更新してもほとんどみんな動いていないし、世界が止まってる時間というか。もちろん他の国は動いてるんですけど、日本では自分だけが起きてるみたいな、そんな感じもワクワクするし、パッと時計見たら4時とか結構あって。4時44分とかもよく見るんですよ。なので4っていう数字は何か身近にあるのかなって。



ーみんなが寝静まって動いてないときに、創作活動もされるんですね。

「TOKYO 4AM」もまさにそうでした。レコーディングが終わってちょうど4時とかで、本当にびっくりだったんですよ。4時じゃんって(笑)。

ーそんな時間にレコーディングしているんですね?!

プロデューサーの方と仲良くて、喋っちゃって遅くなっちゃうんです(笑)。

ー英語詞がけっこう入っていますが、その塩梅はどのように決めているんでしょう。

思うままにですね。ここは英語のニュアンスがいいなとか、ここは日本語ニュアンスがいいなとか自分の中であって、このバランスになりました。こんなに英語を使うのすごい久しぶりですね。

ー英詞の部分はどんなことを歌っているんでしょう。

「東京4時にまたあなたに電話する。もうどうしようもないみたい。酔っ払ったらあなたに会いたくなるし、あなたとキスしてるときは最悪だ」、みたいな感じの曲です。

ーこれもちゃんみなさんの実体験から歌詞が生まれている?

ラブソングっぽく聞こえて、そういう比喩を使ってるんです。この曲は LA で作っていて。外から見たときの東京への思いとか、ファンのみんなへの想いとか、そういうものを入れ込んでいるんです。



ー制作は海外だったんですね。どれくらいの期間行ってらっしゃったんでしょう。

LAと韓国に2ヶ月間くらい行って、20曲以上作ってきたんですよ。元々私はずっと海外で制作していて。パンデミックが起きて日本で制作することになって『ハレンチ』を作ったので、本当は今回の作り方のほうが普通なんです。

ー日本での制作と海外での制作で、それぞれの良さや違いってどこにあるんでしょう。

いろんなところが違いますけど、誰とやるかによって違いますよね。なので、あまり場所とかは関係ないのかなって。ただ、住む場所と過ごす場所によって曲って変わってくることはあります。2年間、東京の景色を見て、東京の人と会って、東京の話をする生活を送っていたから、アウトプットがどうしても東京になってくるんです。そのときはもう早くどこかへ行きたいとか思っていたんですけど、実際に外にでてみたら東京が愛しいなと思ったりして。場所による気持ちの変化っていうのはやっぱり大きいですね。

ー「TOKYO 4AM」は、外から客観視している東京を描いている?

というか、恋しくなってるよって話ですね。「酔っ払うとあなたに会いたくなるの」って歌詞も、酔っ払ってる人って素直になるじゃないですか? 東京に帰りたいみたいな、過去を懐かしんで愛す、っていうのに近いのかなと思います。

ーずっと東京にいたら、ある意味出てこなかった曲なんですね。

うん、そうですね。東京に長い間いて、出たからこそかけたんじゃないかなと思います。





ー2022年後半からは、韓国での挑戦……挑戦って言葉であってますか?

挑戦ですね、挑戦って感じです。

ーインタビューなどで、戻るとか、いろいろな言い方をされていたので、なんと表現するのがいいのかなと思って。

私も、何て言っていいんだろうって。自分の中でもいろんな意味がありすぎて、一つの言葉でまとめきれないなと、ずっと思っているんですよ。



ー以前させていただいたインタビューで、韓国語が一番エモーショナルに楽曲を表現できるとおっしゃってましたよね。クリエイティブの部分でも新たなものを聴けると期待していてよいですか?

そうですね。新しい引き出しをガンガン開けていくんだろうなって感覚は今のところしてます。やったことのないようなところも挑戦したりしています。

ー先ほどの武道館でのMCではないですが、ちゃんみなさんのこれからの活動について、ファンのみなさんにこの場を介して、メッセージをいただけますか?

本当に心配しないで欲しいというのと、とにかく応援してほしいです。アジアのみんなが仲良くなって、最終的には世界のみんなが仲良くなって、差別だったりがなくなってほしい。本当に大きなことを言うと、ただみんなに笑ってほしいだけなんです。私は音楽の力と、ハーフという混血の立場、女性っていう立場、自分が持ってる部分でしかアプローチはできないと思うんですけど、なんでもいいから動きたくて。それが私の望む世界だし、私以外にも望んでる人がたくさんいると信じています。これまでも、そこに向かうために、みなさんに背中を押してもらってきて。1人だと限界もあるし、本当はもっと前に限界を迎えていたのかもしれないけど、みんなが後押しをしてくれたと強く実感しています。これからも未来のために、いろんなことのために、私を信じてついてきてプッシュアップしてくれたら嬉しいなと思います。


<リリース情報>



ちゃんみな
Digital Single「TOKYO 4AM」
発売日:2022年9月2日(金)
https://CHANMINA.lnk.to/tokyo4am

ちゃんみな Official Site:https://chanmina.com/

ジャンプスーツ¥108,900、ケープ¥199,100、イヤリング¥48,400 (全て PUCCI/エミリオ・プッチ・ジャパン)、サンダル¥64,900(DIESEL/ディーゼル ジャパン)

【問い合わせ先】
エミリオ・プッチ・ジャパン
TEL:03-5410-8992

ディーゼル ジャパン
TEL:0120-55-1978


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