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ザ・ドライヴァー・エラが語る、R5時代から続く音楽の冒険

Rolling Stone Japan / 2022年9月16日 18時30分

ザ・ドライヴァー・エラ(Photo by SAMUEL FISHER)

ザ・ドライヴァー・エラの『サマー・ミックステープ』は終わらない夏のサウンドトラックだ。R5のロッキーとロスのリンチ兄弟を中心とするバンドのアルバム3作目にして日本初CDリリース。ポジティヴなヴァイブの「キープ・ムービング・フォワード」、ビーチの熱気を思い出す「マリブ」を筆頭に踊れる曲、歌える曲、チルする曲、ロックする曲まで盛りだくさんだ。これ1枚さえあれば1年中いつでも夏の薫りが漂ってくる。

そんなポップでディープなアルバムを引っ提げて、2022年9月にザ・ドライヴァー・エラとしての初のジャパン・ツアーを行う2人に、アルバムと間近に迫った日本公演に向けた抱負を語ってもらった。

ー来日公演の前に北米ツアーを行っていますが、オーディエンスからの反応はどうですか?

ロス:ザ・ドライヴァー・エラにとって最大の規模のツアーだけど、ほとんどの会場がソールド・アウトになって、お客さんはみんなすごく盛り上がってくれている。最高の手応えだよ。このツアーの熱気をそのまま日本に持っていくから、楽しみにして欲しいね。

ー『サマー・ミックステープ』からの新しい曲はプレイしていますか?

ロス:アルバムはまだ発売前だけど、「キープ・ムービング・フォワード」「マリブ」をデジタル・シングルとして先行リリースしているし、ライヴで演奏しているんだ。みんな歌ってダンスしてジャンプして、熱狂的に反応してくれる。「マリブ」はストリーミング回数・ビデオ再生も最大の数字を出しているし、僕たちの代表曲になりそうな予感がするよ。



ロッキー:夏の終わりを湿っぽくなく、ハッピーに締め括るアルバムだ。もちろん正月からクリスマスまで、1年中楽しむことが出来る。このアルバムをかければ、夏の楽しい思い出が蘇るんだ。

ロス:ロサンゼルスにいるみたいなアルバムだよ。1年中、夏の気分なんだ(笑)。

ー『X』(2019年)、2枚組『Girlfriend』(2021年)、そして約1年で『サマー・ミックステープ』と、ずいぶん早いペースでアルバムを出していますね。曲はいつ書いているのですか?

ロス:僕たちは音楽を呼吸しながら生きているんだ。日常生活の中から新しい曲のアイデアやインスピレーションを得るんだよ。時間さえあればホーム・スタジオでいろんなサウンドの実験をしているし、それを楽しんでいる。他のアーティストと較べて速いどうかかは知らないけど、いつも曲を書いているから、1年もするとハードディスクに何百曲ぶんのアイデアが溜まっているよ。

ロッキー:良い出来でみんな気に入っていたけど、アルバムの流れに合わないという理由で入れなかった曲も幾つもあるんだ。それらは次のアルバムで使うかも知れないし、デジタル・シングルとして発表しても良いと思う。

ーツアー中でも新曲を書いたりしますか?

ロス:ツアー中はライブのことに精神を集中させているから、曲作りのペースは落ちることになるかな。でもライヴ後に全身が熱くなっている状態で新しいアイデアが浮かぶこともあるんだ。僕たちが曲を書くことは誰にも止められないよ。

ー3枚のアルバムで共通しているのは、単に曲のコレクションではなく、起承転結の流れがあるフルレンス作品だということです。「マリブ」でアップビートに始まって、笑って泣いて、「キープ・ムービング・フォワード」で”走るのが止まらない、飛ぶのが止まらない”とポジティブに終わりますが、アルバム単位で作品を発表することにどの程度こだわっていますか?

ロッキー:1曲単位で音楽を発表するアーティストも多いし、僕たちもそうすることがあるけど、アルバムというフォーマットが好きなんだよ。始まりがあって、真ん中があって、終わりがある。シングル向きではなくてもみんなに聴いて欲しい曲があるし、アルバムをひとつの作品として考えている。

ロス:アルバムは自分たちの人生のある時期を切り取ったものなんだ。『サマー・ミックステープ』は夏の近況を綴った手紙だよ。楽しいことや悲しいこと、いろんなエモーションが込められている。


影響を受けたギタリスト

ーアルバムでもロッキーとロスがギターを弾いていますが、どんなギタリストから影響を受けましたか?

ロッキー:ジミ・ヘンドリックスにハマっていた時期があったね。彼の音楽はずっと好きだったけど5,6年前、ヨーロッパ・ツアーのあいだずっと伝記本『ジミ・ヘンドリックス 鏡ばりの部屋』を読んでいたんだ。ロンドンに着いたとき、ちょうどジミがロンドンに到着したところを読んでいたりして、彼の人間像が判って、より深く聴き込むようになった。ギタリストとしても影響を受けたよ。

ロス:僕もジミ・ヘンドリックスは好きだよ。ライヴ前のサウンドチェックでロッキーと一緒にジミの曲をジャムでやってみたりしている。ジョン・メイヤーも素晴らしいね。彼はポップ・スターであるのと同時にギタリストとしても多彩な表現力があって、最高にクールだよ。

ロッキー:ジョン・メイヤーにはポップ・アーティストとギタリストという2つの才能があって、それがお互いを高め合っていると思う。ホアキン・フェニックスも俳優と歌手の二刀流で成功を収めているけど、それに近いかもね。

ロス:それからもちろんスティーヴィ・レイ・ヴォーン! 彼は僕のヒーローだ。

ーそんなギタリスト達からの影響は『サマー・ミックステープ』にも表れているでしょうか?

ロス:いろんな音楽が好きだけど、その影響がそのまま自分たちのサウンドに表れるわけではないからね。ザ・ドライヴァー・エラの音楽を聴いてジミ・ヘンドリックスを連想する人はあまりいないと思うけど、精神性の部分では影響があるかも知れない。そういうのは自分では気付かないものなんだ。誰かに言われて、初めて気付くんだよ(笑)。

ーザ・ドライヴァー・エラではどのように曲を書いていますか?

ロス:決まったパターンはないんだ。まず最初にひとつのアイデアがあって、それを発展させていくことが多い。ドラムのループだったりコード進行だったり、それを元にして2人で曲の形に仕上げていくんだ。ロッキーはサウンド・プロダクションに長けているから、彼が占める割合が大きくなっている。歌詞については、それぞれが1人で書くことがほとんどだ。自分の言葉は、自分で歌うのが一番感情を込められるからね。


左からロッキー・リンチ、ロス・リンチ



来日公演について

ー2022年9月の日本公演は、どんなショーになるでしょうか? R5としては2013年11月にショーケース来日、2016年1月、同年のサマーソニック 、2018年1月に来日公演を行っていますが、異なったスタイルになるでしょうか?

ロス:R5時代と比較して、人間としてもミュージシャンとしても成長した。ミュージシャンシップもライブ・パフォーマンスも新次元レベルにステップアップしたライブを披露するよ。でももちろん僕たちは同じ2人だし、年季の入ったファンも、『サマー・ミックステープ』で初めてザ・ドライヴァー・エラのことを知ったリスナーにとっても、最高の夏の思い出になるだろう。

ロッキー:アメリカではミート&グリートでR5時代からのファンも来てくれるんだ。「もう10年来のファンです」とか言われて、その頃に生まれた若いファンと交流したりしている。ザ・ドライヴァー・エラの音楽が世代や国籍を超えて楽しんでもらえているのを見るのは本当に嬉しいよ。だからこそ日本公演は僕たちにとっても楽しみなんだ。東京と大阪のショーは『サマー・ミックステープ』発売後では世界初となるライブだよ。あまり時間がないけど、アルバムをがっちり聴き込んで会場に来て欲しいね!

ーあなた達のお兄さんでR5のメンバーのライカーも日本公演に同行しますか?

ロッキー:うん、ライカーも日本でプレイするのを楽しみにしているよ。彼がいてくれるとライヴ演奏がビシッと締まるし、何かと頼りになるんだ。

ロス:(姉でR5のメンバーの)ライデルは女の子を産んだばかりで家にいるけど、ハートは日本のファンのみんなと一緒にいるよ。

ーリンチ一家は家族の絆が強く、ロッキーとロスは今でも同居しているそうですが、普段も仲が良いのですか?

ロス:あっ、僕はこないだ自立して、引っ越したばかりなんだ。でももちろん喧嘩したわけではなくて、兄弟の仲は良好だよ。

ロッキー:ロスは引っ越したけど、まだ末っ子のライランドが同じ家に住んでいるから寂しくないよ(笑)。彼はツアー関係のスタッフで、チームの重要な一員なんだ。

ーロスは2017年に映画『My Friend Dahmer』でジェフリー・ダーマーを演じていますが、TVシリーズ『オースティン&アリー』や映画『ザ・マペッツ2/ワールド・ツアー』とはかなり毛色の異なった作品でしたね。猟奇連続殺人者の高校時代を演じるのはどんな経験でしたか?

ロス:自分が思っていたよりもずっとヘヴィな作品だったけど、学ぶことが多かったよ。俳優業というのは奇妙な仕事なんだ。一定期間ずっと毎日、自分自身でない誰かであるかのように振る舞うんだからね。脚本家が書いたセリフが自分のものであるかのように考えて、小さな世界に閉ざされることになる。しかもその世界が連続殺人者になる人物のものだから、本当に奇妙だったよ。もう5年ぐらい前に撮った作品だけど、自分の表現の幅が拡がったし、やっていて楽しかったね。実は『My Friend Dahmer』の撮影中にR5でサマーソニックに出演するために日本に来たんだよ。だから頭の中がまだ半分ジェフリー・ダーマー状態だったんだ。映画はすごく好評だったし、ファンのみんなも僕の演技を受け入れてくれたよ。

ロッキー:あの映画はダーマーが最初の殺人を犯すまでの話だし、続編もあり得るんじゃない?

ーそれでは日本でのライブを楽しみにしています!

ロッキー & ロス:僕たちも日本に戻って、プレイするのを楽しみにしているよ。ライブ会場で会おう!

<INFORMATION>


『サマー・ミックステープ - ジャパン・スペシャル・エディション(来日記念盤)』
 ザ・ドライヴァー・エラ
エイベックス
発売中

収録曲数: CD14曲(11曲+ボーナストラック3曲)ボーナストラック3曲中、2曲は日本&アジア限定。1曲は日本CD限定収録
*配信13曲

・配信リンク:
https://avex.lnk.to/SummerMixtape0916TDE
・ECサイト(CD):
https://avex.lnk.to/SummerMixtape-JapanSpecialEdition

<日本初来日公演>

【大阪】9月19日(月・祝) なんば Hatch
16:00 開場/17:00 開演
1Fスタンディング 7,500円(税込/入場整理番号付き)
2F指定席 8,500円(税込)
※ドリンク代別途 600円

【東京】9月20日(火) Zepp DiverCity
18:00 開場/19:00 開演
1Fスタンディング 7,500円(税込/入場整理番号付き)
2F指定席 8,500円(税込)
※ドリンク代別途 600円
来日公演詳細:
https://udo.jp/concert/thedriverera2022

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