BEYOOOOONDSが語る、武道館での名演、アルバムに刻んだ成長
Rolling Stone Japan / 2022年9月30日 17時45分
BEYOOOOONDSのような、ハイクオリティな楽曲と寸劇を織り交ぜた独特な世界観を持つグループは過去のアイドルシーンを見渡しても存在せず、次に何が飛び出すか予測できない活動スタイルには多くの注目が集まっている。最初は、12人のメンバーたちも<こんなハズジャナカッター!>と戸惑いつつも、徐々にそれぞれが個性や才能を開花させ、今年4月に行われた初の日本武道館公演ではこれまでの活動の集大成とも言える唯一無二のBEYOOOOONDSショーを繰り広げ、その質の高いパフォーマンスは絶賛を浴びた。
【撮り下ろし写真を見る】岡村美波、西田汐里、島倉りか、平井美葉のソロカット
そんな彼女たちが約3年ぶりとなるフルアルバム『BEYOOOOO2NDS』をリリースした。当然ながら、今回もまた普通のアルバムではない。前作『BEYOOOOOND1St』とも異なる多種多様な音楽性で埋め尽くされた今作は、正直、1度通して聴いただけでは全貌を把握しきれないだろう。
ライブ映像作品『BEYOOOOOND1St CONCERT TOUR どんと来い! BE HAPPY! at BUDOOOOOKAN!!!!!!!!!!!!』がアルバムと同時発売されることもあり、岡村美波、西田汐里、島倉りか、平井美葉に実施した今回のインタビューではアルバムについてはもちろんのこと、武道館公演についてもたっぷり語ってもらった。
―4月25日に行われた武道館公演、本当に素晴らしかったです。観ている側としては奇跡みたいな時間だったんですが、みなさんはあのライブについてどう感じていますか。
平井 もちろん、アイドルのコンサートではありますけど、寸劇パートがあったり、ひとつのエンターテイメントとしてお届けするという使命みたいなものがメンバーそれぞれあったので、泣きそうになる瞬間はあってもそれをグッと堪えて、伝える、届けるということに専念したところにBEYOOOOONDSの成長を感じましたし、これからもっといろんなことがこの12人でできるんだろうなっていう希望も感じた公演でした。
―泣きそうになるのを堪えて、とおっしゃいましたけど、「伸びしろ~Beyond the World~」で清野さんが感極まる姿は歌詞と相まってこっちもグッと来たし、円になったメンバーが全員内側を向いて歌うという演出も含めて、すごくいい場面だったと思います。
平井 リハーサルではみんな泣いてましたけど(笑)。
西田 泣いちゃいました(笑)。
―リハで泣いちゃうんですか(笑)。
西田 特にみいみが泣いてました。
岡村 ボロボロでしたね(笑)。武道館はメンバーみんなが目標にしていましたし、これまであまり単独でコンサートをすることがなかったBEYOOOOONDSがやっと「これがBEYOOOOONDSです!」っていうひとつの完成形のショーをお見せできた公演だったんです。そこへ向かうリハーサルは私たちにとって初めてのことばかりだったんですけど、振付の先生にとっても武道館公演は経験がないから、全員が初心者みたいな気持ちで大変でした。でも、みんなで頑張ってる感じがすごく楽しかったんです。なので、「伸びしろ~Beyond the World~」で円になったときに「内側向いて歌おうか」って先生に言われて、「ああ……! こんなん絶対泣くやん!」と思って(笑)。この曲は私たちが勇気をもらった楽曲ですし、大好きなみんなのことを見ながらパフォーマンスしていたら感動しちゃいました。
ヒステリックな演技を完遂
―この曲が収録されている前作『BEYOOOOOND1St』がリリースされたとき以上にグッとくる歌詞になっていますよね。
岡村 『BEYOOOOOND1St』はデビューした年に発売したんですけど、そこからメンバーの仲も深まって、お互いに支え合っていろんなことを乗り越えてきたので、いろんな感情が歌詞とリンクして……すごくよかったです。
西田 今、みいみも言ってくれてたんですけど、スタッフさんもみんな初めてだったので立ち位置の付け方にもすごく苦戦して。360度……365度……あれ?
平井 365は1年間(笑)。
一同 (爆笑)。
西田 360度! はい(笑)。360度のステージだったので、どこを向いて歌うかとか、ずっと南を向いてたら北のお客さんは寂しいんじゃないかとか、メンバーからも先生に案を出したりしながら全員で作っていったステージだったんです。この日はそれまでのBEYOOOOONDSの曲を全部パフォーマンスしたので、思い残すのことのない、完全なステージになったと思います。
―360度ということで言うと、「きのこたけのこ大戦記」はけっこうなカオスでしたね。
西田 そうだったと思います。いつもはあまり見られないSeasoningSがどんな顔をして、どんなお芝居をしていたのか。配信でもじゃんけんのシーンがアップで映ってたじゃないですか。そういうところが印象的でしたし、「きのこたけのこ大戦記」はこれまでお客さんの前でパフォーマンスする機会がなかったので、やっとできてうれしかったです。
―あの曲で声を出さずにすべてを表現したSeasoningSは見事でしたね。
平井 顔で全部語ってます(笑)。振り入れのときに、CHICA#TETSUと雨ノ森 川海のみんなは汗だくなのに、SeasoningSの3人はあまりに動かなすぎて涼しい顔して隅っこで体育座りしてたんですけど、あの曲では中立の立場の私たちが曲の最後に影響を与えてくるじゃないですか。そこにつながっていく説得力がないといけないと思いましたし、作品がリリースされた頃に比べるとより恥を捨てられるようになったので(笑)、表情で見せたいなと思いました。なんなら、くすっと笑ってもらえるぐらい頑張りたかったので、そういうところを拾っていただけてうれしいです。
―武道館公演について、島倉さんはいかがでしたか。
島倉 私はこの日いっぱいいっぱいで、寸劇パートもお嬢様風のお嬢様がメインみたいな感じだったしずーっと必死にやってたんですけど、あとで映像を観たら自分たちの表情がすごくキラキラしてて、心の底からライブを楽しんでいるのを感じて、大変なこともあったんですけど、これだけ幸せな表情ができる素敵な時間をBEYOOOOONDSのためだけに来てくださった温かいファンの皆さんに囲まれながら過ごせたことは本当に幸せだったんだなって改めて思いました。
―いっぱいいっぱいとはおっしゃいますが、島倉さんは狂気の演技を見せてくれたじゃないですか。あの公演のハイライトのひとつだったと思いますよ。
島倉 わあ、うれしい!
―あのシーンも必死だったんですか。
島倉 めちゃくちゃ必死でした。でも、お嬢様を演じてるときって自分が自分じゃないというか、もうひとつの人格みたいな感覚なので、こころくんを振り向かせるお嬢様として必死でした。そうやって自分の必死感を寸劇にも繋げられたので、よりヒステリックな演技ができたんじゃないかなと思います。
―お嬢様のキャラが育ってますよね。
島倉 育ってると思います! 最初はもう少しお嬢様寄りな設定だったはずなんですけど、誰も行ったことがないような未知の世界にどんどん進んでいっちゃって。でも、そうやって面白がって作ってくださるのも有り難いですし、ファンの皆さんが褒めてくれたり、私のキャラもお嬢様とともに育っていってる気がするのですごくうれしいですね。
ライブでの演技と音源での演技
―今回のアルバム『BEYOOOOO2NDS』でも、前作からキャラをしっかり引き継いでるのは島倉さんと岡村さんと前田さんだけじゃないですか。こういう言い方もアレですけど、まさかお嬢様が残ったかっていう。
島倉 面白いですよね。
岡村 りかちゃんはファンの方からも「りか様」って呼ばれるぐらいお嬢様の印象が強いと思うんですけど、リハーサルと本番で演技が変わってくるタイプなんです。本番では本当にお嬢様が憑依するので、武道館公演のときも隣で演技をしていて「わぁ! いつものりかちゃんじゃない!」って圧倒されちゃいました。「島倉さん」になってました(笑)。
島倉 うれしい!
―アンコールの「全曲振り返りスペシャルメドレー」はすごく大変そうに見えましたが、実際はどうだったんでしょうか。
平井 全曲数秒ずつピックアップしたメドレーをつくるって初めて聞いたときはメンバーみんなどうなるのか想像できなかったですし、実際につくっていただいた音源を聴いても、拍やキーを多少調整していただいたとは言え、やっぱり難しい部分がありました。なので、リハーサルをしていく中で「ここのタイミングでイヤモニにクリックの音が欲しいです」とか「ここをもう少し延ばしたいです」とか、メンバーとスタッフの皆さんでたくさん話し合いながらつくっていきました。本番ではファンのみなさんがすごく戸惑っている姿を見て、「してやったり……!」って思ったし、そういうことができるのもBEYOOOOONDSらしいなと思いました。自分たちがやっていることの<おもしろかっこよさ>をすごく感じましたね。
―西田さんがハムカツを取れない場面がいいですよね。
岡村 めちゃくちゃかわいい~!
西田 ツアーでは床にあるハムカツを取ってたんですけど、武道館のリハーサルで「ハムカツは上から来るので」って当たり前のことのようにスタッフさんから言われて、「上からですか……?」って本当にびっくりしました。実はあれ、スタッフさんが釣り竿で吊るして手動で動かしてくれていたんですけど、息ぴったりだったと思います。これは野沢トオルさんが考えてくださった演出で、野沢さんは「こんなこと思いつく!?」って思うようなことをいつも提案してくださるので、やってる側としてもすごく楽しかったです。
―あのメドレーって12人があちこちで動いているので、小ネタに気づいてもらえるかどうかも大事なところですよね。
西田 BEYOOOOONDSは基本的に小ネタが多いんですけど、気づいてもらえないこともけっこうあって、ある人のモノマネをしている振付なのに誰からも気づいてもらえなかったりもするので、ハムカツは目立てておいしかったなと思います。
―西田さんも要所々々でおいしいところを持っていきますよね。
西田 そぉなんですよ~、けっこういただいてて(笑)。自分でも「これ、自分がやっていいんだ」っていつもうれしく思ってるので、期待に応えられるように全力ブリブリで頑張ってます(笑)。
―ライブでの演技と音源での演技って変わってくるものですか。
平井 やってるうちに変わってきますし、最近はそれを楽しむ余裕がでてきたなと感じてます。もちろん、筋は守るんですけど、相手がこうしたから自分はこうしようみたいに臨機応変に対応できるようになったのが成長したところだと思いますし、ナマモノ感が出るのがBEYOOOOONDSならではだと思います。そもそも曲の歌詞も変わっちゃいますしね(笑)。
プレッシャーというよりは「驚いてほしい!」という気持ち
―確かに(笑)。岡村さんにお聞きしたいんですが、普段の超ニッコニコのパフォーマンスと雨ノ森 川海での鬼気迫る表情でのパフォーマンスってどうやって切り替えているんですか?
岡村 私は音楽があるほうが表現しやすいタイプだと自分では思っていて、雨ノ森の楽曲が流れるとそのモードに入れるんです。自分としてはそれで違和感がなかったし、ただ一生懸命パフォーマンスをしているつもりだったんですけど、初めて「GIRL ZONE」を披露したときにみなさん驚かれたみたいで、私はそうやって驚かれたことにびっくりして。そこまで自分がいつもと違う雰囲気を出していることに気づいてなかったんです。でも、いつものわちゃわちゃしてる雰囲気とカッコよくキメてるときのギャップがいいねって言われるようになったのがうれしくて、それからはもっとギャップを見せられるように頑張ろう!と思ってます。
―無自覚だったんですね!
岡村 曲と曲の切り替えの場面をビジョンで抜いていただいたときがあって、そのときの表情の変わりようを見て自分でもびっくりしたことがあります(笑)。
―あはは! では、新作『BEYOOOOO2NDS』についてお聞きしたいと思います。約3年ぶりとなるアルバムですが、作品を通して聴いてみてどんなことを感じましたか?
平井 今、音楽シーンではシティポップが流行っていると思うんですけど、少し懐かしいフレーズがあるような楽曲が今回のアルバム曲としていろいろ入ってると思います。
岡村 1stアルバムは<眼鏡の男の子シリーズ>の印象が強かったと思うんですけど、今回はいろんなジャンルの楽曲が増えたアルバムだと思っています。全然違う色の楽曲がたくさんあって、曲が変わるたびにメンバーの声色や雰囲気もポンポン変わっていくので、通して聴くと展開に付いていけないんじゃないかってぐらい楽しい作品だと思います。でも、曲と曲の間に寸劇が入っていたりして、決してぶつ切りにはならないんです。そういう流れもありつつ、いろんな楽曲を楽しめる一枚になってると思います。
島倉 今まではカラフルな衣装を着ていたりしたこともあって元気なイメージがあったと思うんですけど、今回は2枚目のアルバムということでみんなの衣装もモノトーンで大人っぽい雰囲気になっています。あと、サーカスみたいなジャケ写と同じように楽曲もサーカスみたいにいろんなジャンルが増えて、歌い方でもこれまでになかったようなカッコよさやオシャレな一面を見せているので、BEYOOOOONDSの表現の幅がさらに広がったと思います。
西田 今まで、BEYOOOOONDSの曲はラストに歌いたいなって思う曲がすごく多かったんですよ。「きのこたけのこ大戦記」も「うわ、ライブが終わるぞ~!」って思いますし。
―あの曲でライブが終わるんですか(笑)。
西田 はい(笑)。あと、「英雄~笑って!ショパン先輩~」も全員で一体感を出して終わるし。でも、今回のアルバムには未発表曲が3曲あって、どれも「アルバム曲だな!」っていう印象なんです。ラストというよりは中盤での場面の切り替えで歌いたくなるような曲なので、ライブをするのが楽しみです。
―岡村さんがおっしゃっていましたけど、実際僕は1回目に通して聴いたときはてんこ盛りすぎて付いていけませんでした。
一同 (笑)。
岡村 やっぱそうなんだぁ(笑)。
西田 やはり(笑)。
―でも、何回も聴いていくにうちに理解が深まる内容で、さすがBEYOOOOONDSという作品になっていると思います。でも、ライブにしても音源にしても、BEYOOOOONDSが生み出すものはクオリティが高いがゆえに、ファンからすごく大きな期待を背負っていると思うんです。次に彼女たちは何をやってくれるんだろう、どんな曲を出してくるんだろう、っていう。今回、そういうプレッシャーはありませんでしたか?
岡村 私たちでさえも驚くようなアイデアをスタッフさんたちが出してくださるので、私たちもそれを楽しみにしているところがあって。でも、そういうアイデアを最終的に表現するのは私たちなので、そういったアイデアを最大限に上手く見せて、聴かせないといけないといつも思っています。でも、聴いてくださるみなさんには思う存分楽しんでいただきたいので、プレッシャーというよりは、「驚いてほしい!」という気持ちでいつもみんな頑張ってると思います。
平井 あと、制作陣のみなさんがメンバーの特技を活かそうとしてくださるので、メンバー自身も個性を磨いて新しいネタを提供できたらな、という思いがありますし、ひとつの作品をつくるにあたって相互でアイデアを出し合っている感がすごくあります。制作陣のみなさんからは、楽曲の一つひとつに私たちへの信頼を感じるので、ファンの方に届けるのはもちろんなんですけど、制作陣のみなさんの期待にも応えたいと思ってます。そんなふうにして私たちのヤル気が上がるシステムが出来上がっているので(笑)、それがBEYOOOOONDSにいい作用をもたらしているのかなと思います。
―自分の幅を広げれば広げた分だけ、制作陣が拾ってくれる。
一同 うんうん。
―確かに、清野さんのトークボックスが今回あそこまで大フィーチャーされると思いませんでした。
平井 本当に(笑)。楽曲のクレジットにメンバーの名前が入ることもすごく誇らしいです。
ぶっ飛んだことをやりすぎてて、対応力が身についてきました(笑)
―BEYOOOOONDSは12人のメンバーのキャラがそれぞれ確立されていますが、「このパートはこの子が合うんじゃないのかな」みたいなことを歌入れ前に感じたりするんですか?
西田 『Never Never Know~コメ派とパン派のラブウォーズ~』は島倉りかちゃんがメインで歌っているんですけど、この曲を聴いたときに最後の<Never ever hold me tight♡>っていう歌詞はお嬢様っぽい甘い声で聴きたかったから、「りかか、みいみかな?」って思ってたんですよ。そうしたらその予想がバッチリ当たったので、いつかみいみバージョンも聴いてみたいです。
―やっぱり、曲を聴いてイメージが浮かびやすいっていうのはあるんですね。
島倉 楽曲によって色が全然違うので、カッコいい曲はこの子、かわいい曲はこの子みたいなのはあるんですけど、意外と「あ、ここはこの子の歌割りなんだ」っていうこともあって新しい魅力を知れるので、今回はそういう曲がいっぱいあって聴いてて楽しいですね。
―意外だったというのは?
島倉 「涙のカスタネット」の小林萌花ちゃんのソロパートなんですけど、小林萌花ちゃんって声が柔らかくてキレイで、どちらかというとバラードに合う印象があったんですけど、この曲ではめちゃめちゃカッコよくソロパートをキメているので、「カッコいい!」って思いますね。
―言われてみればそうですね。
平井 私も「涙のカスタネット」なんですけど、1番サビの西田汐里ちゃんの<赤青あわせて奏でるビート>というパートが音源でもカッコいいのに、ライブで聴くと<ビート>が「ビーラァッ!」みたいな語尾になってて、「しおりん、そんな歌い方するんだ……!」みたいな驚きがありました。なので、「この子にはこういう曲が合うよね」っていうのはなんとなくあるとは思うんですけど、それを無視してくるオトナたちのチョイスも面白いですし、そういうことができるようになったこともメンバーの成長だと考えると、この3年で本当に成長したんだなって感じますね。
―「HEY!ビヨンダ」は聴く人が聴くとスタートから1秒で元ネタがわかる曲なんですが、この曲に限らず引用元の話って事前に説明されたりするものなんですか?
西田 事前にはないですね。
平井 ですけど、後々「これはこういうので……」っていう説明はあります。
西田 「HEY!ビヨンダ」は、ニュージャック、シング……?
―ニュージャックスウィングですね。
西田 そう、ニュージャックスウィングです(笑)。
平井 そういえば、レコーディングのときに星部さんがなんか言ってたなあ~。
岡村 BEYOOOOONDSには元ネタがある曲がいっぱいあるんですよ! 「HEY!ビヨンダ」は星部さんが作詞作曲してくださったんですけど、オトナのみなさんが「こういう感じの曲をBEYOOOOONDSに歌ってほしい!」って明確にコンセプトを決めて曲をつくってくださるのがうれしいです。
―みなさんはこの曲の世界観をすぐに受け入れられたんですか?
島倉 「あ~、なるほど~」って(笑)。
平井 曲調もすごく好きな感じだったので、謎にスッと入ってきました。
岡村 「今回はロボットとの恋愛です」「はぁ~!」って。ぶっ飛んだことをやりすぎてて、対応力が身についてきました(笑)。
―SeasoningSの新曲「Get Back!ビニール傘の大冒険」からはクイーンの要素が感じられますね。
平井 はい(笑)。そういうジャンルもちょっと意外です。今回のSeasoningSの楽曲ってBEYOOOOONDSでやりそうな寸劇が思いっきり入っていて、デモ音源を聴いたときにはまったく理解ができなかったし、「え、このビニール傘の世界観を3人で表現できるのかな……?」っていう不安がけっこうありました。性別的には私が男の子役で、あとのふたりが女の子役なんですけど、歌詞の一部に元々女の子の語尾になっているところがあったんですけど、レコーディングするにあたって「ここはビニール傘くんが言ってる感じがいいから」ってことで男の子の語尾に変わったりしました。トリッキーで一瞬意味がわからない世界観なので、早くみなさんにライブで届けたいですね。
Photo by Rika Tomomatsu
BEYOOOOONDSを支える頭脳
―BEYOOOOONDSはこれまで様々な楽曲を歌ってきていますけど、メインソングライターの星部ショウさんに対してみなさんはどう思っているんですか?
西田 アイデアがいつもすごく面白い方で、BEYOOOOONDSに歌ってほしくてつくってくださっている楽曲が多いんです。たとえば、「オンリーロンリー」に<さくらの猫>というフレーズがあるんですけど、「ここは猫を飼っている小林萌花さんに歌ってほしくて」とか、「<汐風>の『汐』は西田さんの汐から取りました」とか言ってくださったり、「ここはこの人にこういうふうに歌ってほしい」っていう思いをしっかり持ってらっしゃるんです。そういうふうに星部さんはBEYOOOOONDSをつくってくださっている方なので、BEYOOOOONDSの……パパ?
―あはは!
西田 BEYOOOOONDSのお父さんみたいな感じだなっていつも思ってます。
岡村 私も「オンリーロンリー」の話になるんですけど、「『伸びしろ~Beyond the World~』以外に優しくてゆったりした曲がBEYOOOOONDSにはない」っていうことを星部さんに話の流れでしたことがあって。BEYOOOOONDSには跳ねている振付が多いから、落ち着いた曲もあるほうがお客さんも落ち着けるんじゃないかって。そうしたらすぐに「オンリーロンリー」を作ってくださったみたいで、その話をしたひと月後ぐらいに音源が届いて、「これ、岡村さんが言ってたからつくったよぉ~!」って(笑)。
一同 (笑)。
岡村 私としては「いつかつくってくださったらうれしいです~」っていう雑談のつもりだったのに、私たちとの会話からも楽曲のアイデアを探してくださったり、とてもBEYOOOOONDS愛に溢れた方なので本当にうれしいです。
―アルバムのラストを飾る曲が岡村さんのひと言で生まれるという。
岡村 やったー! 「オンリーロンリー」はめっちゃ大好きな曲なので、レコーディングのときに「超うれしいです!」って言ったら、「じゃあ、またいろんな楽曲つくれるように頑張りますね」って言ってくださって、めっちゃ優しくて大好きです!
―では、演出の野沢トオルさんについてはいかがですか?
島倉 トオルさんもBEYOOOOONDSをつくってくださってる方で、トオルさんがいなかったらBEYOOOOONDSはこういう形になってないなって本当に思いますね。トオルさんのアイデアは私たちでもついていけないことがあるぐらいぶっ飛んでいて、これまでもいろいろな形でファンの方々を驚かせてきたという自覚はあるんですけど、トオルさんが考えてくださる演出なら絶対にみなさんにも好きになってもらえるっていう自信が持てますね。
平井 星部さんがBEYOOOOONDSの父だとしたら、野沢さんはママだと思います(笑)。私たちが一番輝ける場をつくろうとしてくださることがすごくうれしいですし、それと同時に私たちで遊んでるなあっていう感じもあって(笑)。お芝居に関してもすごくいろんなアドバイスをいただきます。でも、野沢さんは普段の動作にかわいいところがあるので、こう言うとちょっと失礼ですけど、現場のマスコット的な役割も担っているなって(笑)。野沢さんがいるお陰でBEYOOOOONDSの現場の空気がよくなっている気がするし、これからもお願いします、ずっとお願いします!っていう感じですね。
―やっぱり、演技を重ねていくことによって演じることに対する意識も高まっていくものなんですか?
西田 最初の頃からトオルさんにずっと言われているのが、「ステージに立っている間は一瞬も気を抜いてはいけない。ずっと演者でいなさい」という言葉なんですけど、どこを見ても、誰を見ても、どの瞬間に見ても演技をしている、気を抜かないのがBEYOOOOONDSの強みだから、「その気持ちはずっと持っていてね」と言っていただいてます。なので、ステージにいるときは1秒も気を抜かずに演技していこうと思ってます。
BEYOOOOONDSの「安心感」
―それが<ライブ>というよりも<ショー>というBEYOOOOONDSの意識につながっているのかもしれないですね。今作にも枠にハマらない表現が詰まっていますけど、自分たちの表現をさらに押し進めるために参考にしているアーティストとか作品ってあったりしますか?
平井 自分たちのやってることに前例がなさすぎて……(笑)。
―そうですよね(笑)。表現という大きな枠で捉えたときに、みなさんは何から刺激を受けているんだろうって興味が湧いたんです。
平井 加入当初、自分がどういうふうにカメラに映っているのかもわからない頃にモーニング娘。22の石田亜佑美さんから言っていただいたのは、「眼力を意識したほうがいいよ」っていうことで、演出的に効果的な目線だったり表情を意識しだしたのはその言葉がきっかけでした。
岡村 私は、BEYOOOOONDSのショーをディズニーみたいなワクワク感のあるものにしたいと思ってて。ディズニーはキャラクター全員に個性があって魅力的で、そういうところはBEYOOOOONDSにも通ずるものがあるのかなと思っています。あと、私はディズニーランドのパレードを観るのも好きなんですけど、ダンサーのお姉さんもキャラクターに見劣りしないぐらいキラキラしていて、ダンサーさんのファンになりそうなぐらいパフォーマーとして輝いてらっしゃるので、自分も観ている人をワクワクさせられるようなショーをつくりたいと思ってます。
島倉 私は子供向けのアニメを観たり楽曲を聴いていると勇気や元気をもらえるので、BEYOOOOONDSもみなさんにそれと同じような気持ちをお届けできているんじゃないかなと思っています。私、アンパンマンの曲がすごく好きでよく聴くんですけど……。
西田 私もアンパンマンだと思ってた……!
―おお!
島倉 「アンパンマンのマーチ」には、人生には楽しいこともあるけど苦しいこともあるという内容の歌詞がありますけど、ただ単に楽しいだけじゃないということを小さい子どもたちにしっかり伝えていて、大人にも刺さる、それでいて温かい空気がある曲だと思うので、自分たちもアンパンマンのような存在になりたいなと思うことはありますね。
平井 ファンの方からもBEYOOOOONDSの曲を教育テレビで流してほしいって言われることがあるので、これからも安心感を提供できたらいいなとは思いますね。
―西田さんがアンパンマンだと思ったのは?
西田 アンパンマンって、実はバイキンマンも優しくて愛くるしいキャラじゃないですか。BEYOOOOONDSも全員優しくて、悪者はいないんですよ(笑)。そこがアンパンマンぽいなと思っていました。あと、私が刺激をもらうのはライブというよりも舞台で、舞台役者さんはステージでギラギラとずっとオーラを出し続けるお仕事じゃないですか。テレビだと映ったり映らなかったりするけど、ステージはずっと人から見られているので、そういう方々のエネルギーの出し方はけっこう参考になると思っています。
―先ほど、「ステージに立っている間は一瞬も気を抜いてはいけない」という話をされていましたけど、インタビュー冒頭に武道館公演で泣かないようにしたとおっしゃっていたように、自分たちの世界をしっかり見せることがやはり何よりも大切なことだと。
平井 もちろん自分たちの気持ちも大切なんですけど、メンバー12人、制作陣のみなさん、スタッフさん、そして会場にいるみなさんでひとつの作品を作り上げるぞという気持ちがまず最初にあります。野沢さんからも「1人でも集中が途切れると一気にそれに引っ張られていっちゃうんだよ」と言っていただいてますし、BEYOOOOONDSに限らず、パフォーマンスというのはお互いの相乗効果でできるものなので、そのとき自分がやるべきことに集中するのが大事だと思っています。
【撮り下ろし写真を見る】岡村美波、西田汐里、島倉りか、平井美葉のソロカット
2ndアルバム
『BEYOOOOO2NDS』
BEYOOOOONDS
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発売中
【初回生産限定盤】
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BEYOOOOO2NDS CONCERT TOUR ~天高く、ビヨ燃ゆる秋~
9/25(日) ハーモニーホール座間 大ホール (神奈川) 開演13:15
10/2(日) TACHIKAWA STAGE GARDEN (東京) 開演14:30
10/9(日) NHK大阪ホール (大阪) 開演14:30
10/10(月・祝) アクリエひめじ 大ホール (兵庫) 開演14:30
10/15(土) ベイシア文化ホール 大ホール (群馬) 開演15:30
10/16(日) 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール (愛知) 開演14:30
10/23(日) 日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール (愛知) 開演14:30
10/29(土) NHK大阪ホール (大阪) 開演18:30
10/30(日) NHK大阪ホール (大阪) 開演18:00
11/23(水・祝) 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール (愛知) 開演17:45
11/26(土) ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ (広島) 開演15:30
11/27(日) 西条市総合文化会館 (愛媛) 開演12:30
http://www.helloproject.com/event/detail/429b46da2bc845b9d31b4737983c93c79e38fc7b/
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