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アンダーワールド、美しい音と光に溢れたヒット曲連発の5年ぶり来日単独公演

Rolling Stone Japan / 2022年10月5日 11時43分

アンダーワールド

アンダーワールドが約5年ぶりとなる来日公演を開催。9月30日は難波Hatchにて単独公演、10月4日、5日はサカナクションとの2マン公演となる。

9月30日に大阪・難波 Hatchにて行われた単独公演のライブレポートを掲載する。

関連記事:アンダーワールドが語る「未知なる挑戦」とクリエイティブの源、世界最高のフジロック

定刻19時、歓声に迎えられてカール・ハイドとリック・スミスのふたりが登場すると、1曲目は2022年ヴァージョンのシングルがリリースされている「Juanita」。カールの歌と次第に重なっていく電子音、ヴォイス・サンプルが期待を煽り、じょじょにトラックがビルドアップされると満を持してビートが入ってくる。フロアの盛り上げ方を知りつくしたオープニングだ。カールはのっけから歌い踊り、オーディエンスを沸かせまくっている。ステージングはシンプルで、ふたりや曲のイメージを映すスクリーンがバックにあり、曲に合わせて色や動きを変えていくライティングがあるだけだ。あくまで楽曲とカールのパフォーマンスで見せるということなのだろう。その照明が温かい黄色に変わると、2曲目は「Two Month Off」! 「You bring light in, you buring light in......」、序盤から名曲の連発でフロアはすでに半狂乱だ。

カールがのちのMCで「こんなに日本から離れていたのははじめてだよ」と話していたが、長く日本のリスナーに愛されて続けてきたアンダーワールドの、じつに5年ぶりの来日公演である。もちろんその間には音楽ライブ自体が困難に見舞われたパンデミックがあり、だからそこに集まったオーディエンスの渇望感は半端ないものだった。ステージを所狭しと動き回り、歌い踊るカールに応えようと踊り、手を掲げ、そして踊る。



オールタイム・ベストと言っていいヒット曲連発のセットリストのなかで、アクセントとして効いていたのが2018年以降に取り組んでいた『Drift』シリーズの楽曲だ。ドラムンベース風の高速ビートの上でカールがラップでまくしたてる「S T A R」、シリーズのなかでもとりわけクールなハード・テクノ「Border Country」。『Drift』はアンダーワールドがいま一度制限をかけずに自分たちの創作を追求するためのプロジェクトだったわけだが、そのなかからとくにダンサブルな楽曲をピックアップするとこんなにもライブで映えるのか、と驚かずにはいられない。



また、セットの緩急のつけ方の見事で、中盤「Jumbo」から「Cups」でゆったりと踊らせながら、アンダーワールドのメロディアスな側面を強調していた。「Jumbo」のアウトロでカールとリックが熱い抱擁を交わしていたのも美しい光景だった。ライブ後半は激トランシーな「King of Snake」、初期の代表曲「Rez/Cowgirl」、「Dark Train」と畳みかけてフロアを休ませない。この辺りはライブ・ヴァージョンの名盤『Everything, Everything』(2000年)を彷彿させたし、何より、もはや60代のカール・ハイドのパフォーマーとしての20年前と変わらぬキレに驚嘆せずにはいられなかった。



フロアの熱が冷めないなかで、カールが「日本に来られて本当に嬉しいよ、食べ物は最高だし、食べ物は最高で……」と言って笑わせると、”あの”イントロが投下される。奇しくもその日は大阪の老舗ミニシアターであったテアトル梅田が閉館前の最終上映をおこなっており、そのうちの1本が『トレインスポティング』だった。同作がここ日本でも大ヒットしたことにより、その主題歌としてアンダーワールドの代名詞となった「Born Slippy NUXX」。もとはカールがアルコールに溺れていた時期の心境を反映したダークなテーマの曲だったが、永遠のアンセムとして幾多の夜をくぐり抜けてきたいまだからこそ、わたしたちが再び集まって踊ること自体を祝福するためのものとして鳴らされていた。たくさんの腕が掲げられ、美しい音と光が溢れる。日本のオーディエンスにとって久々の再会となったこの日のアンダーワールドは、変わらぬ輝きをまばゆく放っていたのだった。

written by 木津毅


<リリース情報>



アンダーワールド
『DRIFT SERIES 1 - SAMPLER EDITION [来日記念盤]』

発売日:2022年6月24日
レーベル:BEAT RECORDS / SMITH HYDE PRODUCTION
国内盤2CD(2枚組デラックス・エディション)ボーナスディスク追加収録
品番:BRC600AX
SPECIAL PRICE
価格:1500円(税抜)
国内盤2CD+Tシャツセット(ブラック)
品番:BRC600AXT
SPECIAL PRICE
価格:5500円(税抜)
国内盤1CD
品番:BRC600BX
SPECIAL PRICE
価格:1000円(税抜)
国内盤1CD+Tシャツセット(ホワイト)
品番:BRC600BXT
SPECIAL PRICE
価格:5000円(税抜)
【購入はこちら】
BEATINK.COM
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12791
収録曲:
[DISC 1]
1. Appleshine
2. This Must Be Drum Street
3. Listen To Their No
4. Border Country
5. Mile Bush Pride
6. Schiphol Test
7. Brilliant Yes That Would Be
8. S T A R (Rebel Tech)
9. Imagine a Box
10. Custard Speedtalk
[DISC 2]
1. Low Between Zebras
2. Toluca Stars
3. Doris
4. A Moth At The Door
5. Dune
6. Hundred Weight Hammer
7. Do Breakers Trip
8. Molehill

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