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「小学生にポルノ・リテラシーの授業」米右派が事実をねじ曲げ拡散

Rolling Stone Japan / 2022年10月12日 6時45分

PHOTOGRAPHS IN COMPOSITE BY ISTOCKPHOTO/GETTY IMAGES, 2

米アイダホ州で8歳児を対象にポルノ・リテラシーの授業が実施され、州政府もそのプログラムを資金面でバックアップしている……というデマが、米右派の間で出回っている。

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Idaho Freedom Foundationという右派のシンクタンクがTwitterに投稿したのが発端だった。「アイダホ州政府は生徒たちに『ポルノ・リテラシー』を教え、中絶を提唱している。こんなことがアイダホ州であり得るなら、よそで起きてもおかしくない」と、教育ディレクターのアナ・ミラー氏はツイートした。

ミラー氏はIdaho Freedom Foundationのサイトに掲載された記事でも、性教育授業「Reducing the Risk」を提供するEducation Training and Researchという団体にアイダホ州が財政支援を行っていると主張。その記事によれば、このカリキュラムは『性行為、性的探究、これらとポルノの関係』という指導も含まれ、就学前~小学6年生の子どもたちに実施されているという。主張の裏付けとして、イダホ州政府が子どもたちへの性教育の刷り込みを計画するためのZoom会議と思しき映像もツイートで投稿していた。

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これを受けてSNSの右派活動家や極右アカウントも反応。「アイダホ州は税金で8歳児に『ポルノ・リテラシー』を教えている」という内容のツイートが拡散された。噂はさらに広がりFox Newsのローラ・イングラム氏の耳にも届き、番組の中でも取りあげられた。



しかし今回の場合、Idaho Freedom Foundationの主張はほぼ間違いだ。AP通信も報じているように、アイダホ州保健衛生局は声明を発表し、州内の子どもたちを対象としたポルノ・リテラシーに対して支援も資金援助も一切行っていないと述べた。たしかに、「Reducing the Risk」は”選択”授業として教えられているが、実施されているのは州内14校ほどで、内容もポルノ・リテラシーではない。Idaho Freedom Foundationが投稿した動画は生徒に見せるためのものではなく、セクシャリティに関する子どもたちからの質問を教員が上手く誘導するための教材として作られたものだった。

何より重要なのは、「Reducing the Risk」の授業が想定しているのは8歳児ではなく、もっと年上の中学生や高校生だという点だ――子どもたちもこのぐらいの年齢になれば、能動的か否かはさておき、ひとえにインターネットのあちこちに転がっているがゆえに、すでにポルノを目にしている可能性が高いことがデータでも示されている。

from Rolling Stone US

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