チャーリー・プースが語る過去と現在 BTS・JUNG KOOKは「知られざる天才」
Rolling Stone Japan / 2022年10月13日 17時15分
通算3作目のニューアルバム『CHARLIE』を発表したばかりのチャーリー・プース(Charlie Puth)。「このアルバムを聴いてくれた人々が、自分が特別な存在だってことに気づいてくれるよう願ってる。僕自身がそうだったように」と話す彼が、BTS・Jungkookとのコラボレーション、TikTokでの圧倒的人気、友人アダム・レヴィーンのスキャンダルなどをじっくり語った。
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チャーリー・プースの秀逸なニューアルバム『CHARLIE』は、長年タッグを組んできたビジネスパートナーとの決別、そしてガールフレンドとの破局という、2つの別れにインスパイアされたレコードだ。「成功を収める上で必要だと思っていた2人の人物を立て続けに失った」。 ポッドキャスト「Rolling Stone Music Now」でのインタビューで、彼はそう語っている。「いろんなことを成し遂げる力が自分にはあるんだって気づいたんだ。アルバムを完成させることもその1つで、自分だけでやってのけると決めた。このアルバムを聴いてくれた人々が、自分が特別な存在だってことに気づいてくれるよう願ってる。僕自身がそうだったようにね」
『CHARLIE』の制作秘話、ザ・キッド・ラロイとジャスティン・ビーバーに提供した「Stay」(とビーバーが仕掛けたドッキリ)、TikTokでチャーリーを侮辱したベニー・ブランコに対する困惑(「僕には理解できないロサンゼルスあるあるなのかもね。会ってる時は友達だけど、ネット上では敵同士っていう」)など、彼は同インタビューで様々なトピックについて語っている。そのハイライトを以下で紹介しよう。
1. エレン・デジェネレスのレーベルとの確執
チャーリーはトーク番組の司会者として知られるエレン・デジェネレスの短命に終わったレーベルと2011年に契約したが、いい結果には繋がらなかった。シンガーソングライターのグレイソン・チャンスは最近、本誌とのインタビューでエレンから「切り捨てられた」と語っていたが(彼女は異論を唱えている)、チャーリーもまた同レーベルで不快な思いをしたという。「僕とグレイソンが経験したことは同じってわけじゃない」。彼はそう前置きした上でこう続ける。「ただ、最初のデモEPを作った時に誰とも連絡がつかなかったっていう点は一緒だ。特定の誰かを責めるわけじゃないけど、クルーの誰一人として連絡をくれなかった」(エレンのチームに近い情報源によると、先方はこのやりとりに関する記憶がないと主張しているという)
チャーリーはエレン自身とこの件について話したことはなく、彼女に対して否定的な感情を持ってはいないという。「エレンのことを無礼だっていう人は多い」と前置きしつつ、彼はこう語っている。「でも僕はそんな風に思ったことはないんだ。僕のことを気に入ってくれてるのかも」。いずれにせよ、チャーリーは当時の自分がいかに未熟だったかを自覚しており、今では初期の楽曲がリリースされなかったことに安堵しているという。「決していい出来ではなかったから」と彼は語っている。
2. ブルース・スプリングスティーンとビリー・ジョエル
ニュージャージー生まれでありながら、チャーリーはブルース・スプリングスティーン(時々SMSでやり取りをしているという)とビリー・ジョエルのどちらかを選ぶことができずにいる。「ハッピーなコード進行と悲しみを讃えた歌詞っていう相反する要素を違和感なく組み合わせた、ブルースの『The Rising』はいつ聴いても感動する。喜びと悲しみを同時に喚起するんだ」。彼はそう語った上で、自身にとって初のヒットとなった「See You Again」のコード進行は、同じくブルースの「My City of Ruins」にインスパイアされたことを明かしている。「僕はピアノ弾きのアーティストとして成功を収めようとしていることを、いつも友達から馬鹿にされてた。中学の頃からずっと、僕はダサいやつで通ってたからね。ビリー・ジョエルはそれが可能だってこという事実の生き証人だ。僕にとって、彼はポップスの文脈でクラシカルな音楽を残した最高にクールな存在なんだ」
3. 友人アダム・レヴィーンのスキャンダル
友人であるアダム・レヴィーンの卑猥なSMSをめぐるスキャンダルについて、チャーリーは態度を決めかねている。「詳細を把握してるわけじゃないけど、彼は友達だから」と彼は話す。「正直すごく驚いたし、なんて言っていいかわからない。困った状況であることは間違いないから。自分自身と結びつけることもできないし、ただ静観するしかないよ」
4. BTS・JUNG KOOKとのコラボレーション
シングル曲「Left and Right」を共作したBTS・JUNG KOOKの才能に、チャーリーは感嘆したという。「彼は知られざる天才だよ」とチャーリーは話す。「彼は絶対音感の持ち主で、その場で耳にしたあらゆる音を瞬時に記憶していて、本当に驚かされた。彼は英語をほとんど話せないけど、僕らは音楽を通じて親友同士のように分かり合えることができた。それって本当に素晴らしいことだよ」
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5. 自身の初期作品「陳腐」と認める理由
彼は2016年発表のデビュー作『Nine Track Mind』に対する批評を妥当だと感じている。「僕は決して批評家たちのために曲を書いてるわけじゃない」と話した上で、チャーリーはこう続けている。「でも、そういう人々が僕の1stアルバムを『史上最低の音楽だ』ってこき下ろしたことを、僕は妥当だったと思っているんだ。もっと優れたアルバムを作るための時間があればよかったのにって思う。『See You Again』は(エミネムの)『Lose Yourself』以来最大のヒットになったけど、僕はそもそもあの曲を歌う予定じゃなかった。あれは他のアーティストに歌わせるつもりで書いた曲だったのに、思いがけず僕自身が何百万人という人の目に触れるアーティストっていう立場に置かれることになった。僕は当時24歳で、陳腐そのものだった。オーデイェンスの前でどう歌ったらいいのか、まるでわかっていなかった。自分は裏方の存在だと思っていたから、そういう経験が皆無だったし。そんな状況で一気に注目されるようになって、本当に右も左もわからなかったんだ」
6. TikTokでの圧倒的人気
TikTok上で新作の制作プロセスを再現したことは、彼にとって目の覚めるような体験であり、今後も継続していく予定だという。「人目に触れないスタジオでアルバムを作るっていう従来のやり方は、もう2度とやらないと思う」とチャーリー。「引きこもって淡々と曲を書いて、出来上がったら人前に出ていくっていうパターンが、自分には向いてないってわかったんだ」
From Rolling Stone US.
チャーリー・プース
『CHARLIE』
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