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アヴリル・ラヴィーン来日公演 彼女が今改めてポップ・パンクを鳴らすことの意味

Rolling Stone Japan / 2022年11月15日 12時0分

11月10日・東京ガーデンシアター(Photo by Kazumichi Kokei)

デビュー20周年を迎えたアヴリル・ラヴィーン(Avril Lavigne)の8年ぶりとなる日本ツアーが、11月14日の大阪公演で最終日を迎えた。ここでは音楽編集者・ライターの矢島由佳子による、11月10日の東京ガーデンシアター公演のレポートをお届けする。

【画像を見る】アヴリル来日公演 ライブ写真(全13点:記事未掲載カット多数)

「こうやってツアーをやって、スタジオに入って新しいアルバムを作って、人生で今一番音楽が好き!」。11月10日、ジャパン・ツアーのど真ん中で、アヴリル・ラヴィーンはそう言い放った。

11月7日より横浜・東京・名古屋・大阪にて(計4会場5公演)開催された、『Avril Lavigne Love Sux TOUR 2022 JAPAN』。本来2020年5月に開催予定であったが、パンデミックの影響で2度の延期を経て、今回ようやく実施に至った。アヴリルが日本でどれほど愛されているかは、洋楽アーティスト唯一の「デビュー以来3枚連続ミリオン達成」という記録が物語っているが、日本で公演を行うのはなんと8年ぶり。日本のファンにとってはまさに待望の来日ツアーとなった。

会場について周りを見渡すと、アヴリルと一緒に歳を重ねた世代からティーンエイジャーまで、幅広い層の人たちがグッズのTシャツを身に纏いながら赤色のライトスティックを持って熱狂している。その光景が、今アヴリルがどのように愛されているのかを象徴していた。


Photo by Kazumichi Kokei


Photo by Kazumichi Kokei

20年前にリリースされた1stアルバム『Let Go』は、当時の80年代ポップ・パンク・リバイバルの一端を担った作品でありながら、同世代の女の子たちを「ファッションもマインドも自由でいいんだよ」と導いてくれるものだった。「Sk8er Boi」ではスケートカルチャーのファッションを全身に纏いながら、「バレエをやっている女の子が周りの評判を気にしてふった男の子は、5年後ロックスターになって、今この格好をしている私が隣にいる」と歌い、「Complicated」では「I see the way youre acting like youre somebody else gets me frustrated(君が他の誰かを演じているような姿を見るとイライラする)、「I like you the way you are(そのままのあなたが好き)」と、今では日本でもよく言われる「自分らしく生きよう」といったメッセージをいち早く音楽・映像・ファッションで体現した。

アヴリルのデビューとは、女の子が言えないことや、やったら汚らわしいと思われるのではないかと社会に思い込ませられていることなど、あらゆる固定観念をたくましく、そしてキュートに、ぶっ壊してくれる存在の登場だった。『Let Go』は21世紀に最も売れたアルバムランキングで上位20位にランクインしているという数字からもわかる通り、彼女の影響力は凄まじく、世界中の女の子たちに与えた解放感はとても大きなものであった。そのことは当時中学生だった私も実体験から証言できる。ジャパン・ツアーでは3曲目に「Complicated」が演奏されたのだが、イントロが鳴った瞬間の拍手の大きさも、この楽曲がどれほど多くの人生のそばにあったのかを証明していた。


Photo by Kazumichi Kokei

アヴリルは「自由」と「解放」の象徴であり続ける

あれから20年。ポップ・パンク・リバイバルとY2Kリバイバルが世を席巻する中で、ライム病と闘う日々を音楽に昇華した6thアルバム『Head Above Water』(2019年)から変化を見せて、ポップ・パンク・リバイバルの立役者であるトラヴィス・バーカー(blink-182)のレーベル「DTAレコーズ」よりニューアルバム『Love Sux』をリリース。さらに、ビリー・アイリッシュ、オリヴィア・ロドリゴ、ウィロー・スミス、スネイル・メイル、ヒュニンカイ(TOMORROW X TOGETHER)、日本ではロックシンガーとして時代の最前線にいるLiSAなどが、アヴリルからの影響とリスペクトを公言し、本人との共演やカバー演奏などを行っている。そういった流れの中で、アヴリルが現在のティーンエイジャーたちからも絶大な信頼と愛が寄せられていることを、この日の東京ガーデンシアターの風景は表していた。

当の本人は、音楽という文化の流れの中で上の世代と下の世代の中間にいる自分の立場を自覚しながら、それを心底楽しんでいるように見えた。ライブは、1982年にリリースされたジョーン・ジェット「Bad Reputation」のカバー(アヴリルのカバーは2008年にリリース)を用いたオープニング映像からスタート。セットリストとしては20年間のヒットソングとともに、夫であるモッド・サンもステージに登場して「Flames」や、blackbearをフィーチャリングに迎えた「Love It When You Hate Me」、マシン・ガン・ケリーとの「Bois Lie」、さらには今月リリースし日本で世界初披露となったヤングブラッドとのコラボ曲「Im A Mess」を惜しみなく演奏。新しい世代の自由かつ個性的なスタイルで表現するアーティストたちから愛を受けながら、アヴリル・ラヴィーンとしてのオルタナティブミュージックをクリエイトすることができている今だからこそ、冒頭に書いた言葉が飛び出したのだろう。デビュー以来、ひとつのジャンルに縛られることや、ジャンルでタグ付けされることを拒んできたアヴリルが、今改めてポップ・パンクを自分なりに鳴らすことを決めたのは、ただリバイバルの波があるからという単純な理由ではなく、今の「ポップ・パンク」とはあらゆるジャンルをクロスオーバーさせたものであり「自由」と「解放」の象徴であるからなのだと、この日のライブが語っていた。


Photo by Kazumichi Kokei


Photo by Kazumichi Kokei

アンコールでは「Head Above Water」「Im with You」を海や水中を表す映像を背負いながらソウルフルに歌い上げて、アヴリルの音楽性と表現・歌唱の幅を見せつけた。「Im with you, Tokyo, Japan!」。その言葉と歌はまさしく、これからもアヴリルはレジェンダリー・ミュージシャンのポジションを保ちながら、一人ひとり心のそばで「あなたは最高だ」「あなたを大切にしなかったアイツは見る目がないね」と聴き手を肯定し続けることを約束してくれるかのようだった。

【画像を見る】アヴリル来日公演 ライブ写真(全13点:記事未掲載カット多数)


〈セットリスト〉

Bite Me
What The Hell
Complicated
My Happy Ending
Im A Mess
Losing Grip
Flames
Love It When You Hate Me
(Hello Kitty)
Girlfriend
Bois Lie
Sk8er Boi
Head Above Water
Im With You
Heres to never growing up


アヴリル・ラヴィーン
『ラヴ・サックス:ジャパン・ツアー・エディション』
発売中
再生・購入:https://lnk.to/LoveSuxJapanTourEdition



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