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窪塚洋介が語る、「腸活」と「調和」を大事にする生き方

Rolling Stone Japan / 2022年11月25日 18時0分

Rolling Stone Japan vol.20掲載/Coffee & Cigarettes 39|窪塚洋介(Photo = Mitsuru Nishimura)

音楽、文芸、映画。長年にわたって芸術の分野で表現し続ける者たち。本業も趣味も自分流のスタイルで楽しむ、そんな彼らの「大人のこだわり」にフォーカスしたRolling Stone Japanの連載。俳優業だけでなく、音楽活動、モデル、執筆、プロデュース業などもこなす窪塚洋介。YouTubeチャンネル『今をよくするTV』のコンセプト「カラダにいい、ココロにいい、ホシにいい」の真意と、彼が今最もこだわる「腸活」について話を聞いた。

Coffee & Cigarettes 39 | 窪塚洋介

「『縁』や『流れ』を大事にしているんですよ。誤解を恐れずに言えば、『行き当たりばったり』とか『心のままに』という感じかな」
 
新型コロナウイルス感染症が世界中で広がるなか、「カラダにいい、ココロにいい、ホシにいい」をコンセプトに掲げてスタートしたYouTubeチャンネル『今をよくするTV』について、俳優の窪塚洋介はそう語る。体内環境や地球環境をより良くするスペシャリストたちのもとを訪れ、見学や取材、対談などを通じて一緒に学び、考え、感じることを目的としたコンテンツは、窪塚のファンのみならず、混迷する世の中でより良い生き方を模索する人々に、大きな注目を集めている。

「小さい頃から、少しでも『いい明日』や『いい世の中』をつくるために、何かしら貢献したいという気持ちがあったんです。役者をやったりレゲエDeejayをやったり、モデルをしたり本を執筆したりしていることの根底には、そういう思いがあると気がついて。もちろん好きでやっているし、そんなに高尚な気持ちばかりじゃなくて、楽しんでいる部分もあるんですけど。でも突き詰めれば根っこの部分は同じで、そこから枝葉が分かれているのかなと思うんです」

だったらその「根っこ」の部分をコンテンツにしたら、それがライフワークになるのではないか。そう考え、地元・横須賀で「アニキ」と慕う彼の友人とともに動き出したのが、『今をよくするTV』をスタートしたそもそものきっかけだ。

「興味のある人やものがあったら、とにかく飛び込んでみる。実際に触れてみないと分からないことも結構あるのですが、その精度はスタッフも含めて割と高い方だと思っていますね。歩みは遅いんですけど、確実に仲間が増えているし、一つの繋がりが何倍にも広がっているのを感じています」

そうした様々な出会いや気づきのなか、窪塚が今具体的に実践していることの一つが「腸活」だ。千葉県香取郡にある創業330年の酒蔵『寺田本家』の23代目の当主が執筆した『発酵道』に大きな感銘を受け、腸の仕組みやそこに棲む体内微生物の存在について掘り下げているうち、これまで関心があった「暮らし」や「健康」「生き様」などの根底に「腸」があることに気づいたという。



「『腸活』を学べば死ぬまで自分の力になる。しかもかなり根源的なパワーの源になると確信したので、真面目に取り組んでみることにしました。とはいえ、相変わらずタバコも吸うし酒も飲む。そこもひっくるめてのライフスタイルの中に、『腸活』は重要な位置を占めると思ったんです」

腸は「第二の脳」とも言われるが、窪塚は「腸こそ『第一の脳』ではないか?」と力説する。

「例えばホヤのように、腸管だけで生きている生き物はいますが、脳や肺だけで生きている生き物っていないんですよ(笑)。となると、生物の根本は『腸』だし、人間も脳ではなく腸で考えていることも多分にあるんじゃないか。実際に『肚に落ちる』や『肚を割って話す』『肚黒い』『肚に一物』など、まるで肚でものごとを考えているかのような言い回しが日本語にはたくさんありますよね。昨年、豊田利晃監督の『全員切腹』という映画に出たのですが、当時(明治初期)の人たちは生命の根幹が『腸』にあり、そこを絶たれることが本当の意味での『死』であると知っていたんじゃないかとさえ思うんです」


そう熱く語る窪塚は、人間の「性格」ですら体内微生物の割合によって決まると考えている。

「僕が僕としてあるための体内微生物のほとんどが腸の中に棲んでいて、人それぞれ体内微生物の割合が微妙に違っている。だからこそ人は千差万別だし、逆に同じ釜の飯を食っていると性格や顔まで似てくるのは、腸に棲む体内微生物の割合が同じになってくるからなんじゃないか?って(笑)。空気中の酸素と同じように、体内微生物も目に見えないものだから、つい疎かにしてしまいがち。でもそれがないと人間は生きていけない。逆手に取って、そんな体内微生物に興味を持って大切に育てていけば、より健康で若々しくいられると思うんです」

デュポンのZIPPOでアメリカンスピリットに火をつけ、煙をくゆらせながら微笑む窪塚。健康的な生活をしている彼にとって、タバコや酒はどんな存在なのだろう。



「いいものばかり摂っていればいいわけじゃなくて、バランスが大事。『発酵道』の寺田本家さんに取材に行ったことがあるのですが、普通の酒造では絶対に発生させてはいけないと言われている火落ち菌でさえ、排除することなく共存させていたんですよ。例えば朝に納豆を食べた人は、酒蔵の見学ってできないはずですけど、寺田本家は俺たちが何を食べて来たかも聞かないし、ヘアキャップの装着なども義務付けてない。『納豆菌も火落ち菌も存在しているのに、どうして大丈夫なんですか?』と思わず尋ねたら、『全部いるからですよ』って24代目の寺田優さんが言うんです。つまり火落ち菌が増えればそれを食べる菌もいるし、納豆菌が増えたらそれを抑える菌もいる。そうやって400年もの間ずっと『調和』しているのだと」

スナックばかり食べていても、逆に過激なほど健康志向になっても、どちらもバランスが悪い。この世界も自分自身の体の中も、そうやって「調和」を保つことが重要だと、この時の経験から窪塚は思い至った。

「例えばジャンクフードを食べてしまった翌日は、体にいいものを摂るようにする。そうやってバランスを取っていけばいいんじゃないかって。タバコや酒もそう。それでリラックス効果を得られたり、ストレス発散になったりするのだったら、適度に嗜むのはかえって体にも心にも良いと思うんですよね」

何より自分の体や心の「調和」が取れていれば、人にも優しくなれる。「そういう人はハッピーなグルーヴが出ているから、そばにいる人もハッピーになって、世の中全体がハッピーになっていく。それが理想の形だと思うんですよ」そう目を輝かす。

「やっぱり、まずは『腸』。そこを整えれば心も満たされるし、運気もアップする。いつも楽しそうにしている人の周りでは楽しいことが起きるだろうし、その逆も然り。腸が運命を作っていくといっても過言ではないですよね。そう思えば、腸活で運命もコントロールできるんじゃないかって思います」

昨年、俳優としてデビューを果たした長男・愛流、現在の妻との間に長女・あまとというふたりの子どもを持つ窪塚。長男も長女もひとつ屋根の下で育てているばかりか、元妻と現在の妻の関係も良好だという。グッドバイブスが溢れた人間関係の鍵も、食生活にあるのだろう。

「妻が理解してくれているので、家の食事は添加物をなるべく避けて、自然由来の食材を摂るようにしています。そうやって家と、我々の『腸』を守ってくれているので、しょーもない揉め事も少なくなりますよね。息子もそれを見て育ってくれているところもあるので、無意識に影響を受けているんじゃないかなと思います」


そんな窪塚は現在、ゴルフに夢中だ。彼のInstagramにも、ゴルフ場で楽しそうに過ごす彼の様子が連日アップされている。

「意外ですよね。僕が一番そう思っています(笑)。なぜか家にゴルフクラブが一式あって、友人に半ば強引に打ちっぱなしに連れて行かれたのですが、めちゃめちゃ調子が良くて『あれ? もしかして天才なんじゃね?』って(笑)。それでまんまとノセられてコースへ出るようになったらあっという間にハマりました。まず、止まっているボールを打つのがこんなに難しいのかと、技術的な部分での奥深さに感銘を受けました。しかも、ゴルフが好きな人たちと本当に仲良くなれるんですよね。前から仲がよかった人との絆はより深まるし、初めましての人ともすぐ打ち解けることができる。ゴルフが社交場に利用されてきたのには、ちゃんと理由があるんだなとやってみて思いました」

ゆくゆくは、アーシング(靴やソックスを脱いで、裸足や素肌で地球の大地と直接つながること)できるような無農薬のゴルフ場を、友人と経営するのが夢だという。常に行き当たりばったりで、心のままに動いてきたからこそ、これほどまでに充実した「今」があるのだろう。



「実はこの間も、イギリスの映画監督によるSF超大作に名指しでオファーが来たんです。4番手の役で『これは!』と思ったのですが、ワクチン必須だと言われてしまって。俺はワクチン打たないと決めているので、泣く泣く断ったんですよね。おそらく20代の俺だったらオファーを受けるために信念を曲げて、ワクチンを打っていたかもしれない(笑)。でも今は『腸』が基準になっているから、そこを無視する選択肢はないんです。そういう意味ではハングリーではなくなったかもしれないけど、逆に『腸活』にハングリーになっているとも言えますよね。これからも『腸』で決めます。窪塚”腸”介に改名しようかな(笑)」

窪塚洋介
神奈川県横須賀市出身。1995年に俳優デビューし、映画を中心に舞台でも活躍。2017年にマーティン・スコセッシ監督作『Silence-沈黙-』でハリウッドデビューを果たすなど、国内外の作品に多数出演するほか、音楽活動、モデル、執筆と多彩な才能を発揮。『星新一の不思議な不思議な短編ドラマ』DVD(NHKエンタープライズ)が好評発売中。また、18年ぶりの邦画単独主演映画となる「Sin Clock」(牧賢治監督)が2023年2月10日に新宿ピカデリーほか全国公開予定。

ロケ地協力:NORTH VILLAGE 渋谷VIP店

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