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スプーン×エイドリアン・シャーウッド対談 ダブ・ミックスの深い歴史を語り合う

Rolling Stone Japan / 2022年11月25日 17時20分

左からブリット・ダニエル、エイドリアン・シャーウッド(Photo by OLIVER HALFIN, HARRY BORDEN)

ブリット・ダニエル率いるスプーン(Spoon)の最新アルバム『Lucifer on the Sofa』を、On-U Sound総帥エイドリアン・シャーウッドが丸ごと再構築。後者にとってプライマル・スクリームの『Echo Dek』以来となるロック・バンドの全面的ダブワイズ作品『Lucifer on the Moon』の日本盤がリリースされた。この異色コラボの内幕、ダブとロックの関係史について両者が語り合った。

ガジェット好きとして知られるスプーンのブリット・ダニエルは、スタジオで起きる音の魔術に夢中だった。当然の成り行きとして、テキサス州オースティン出身のインディーロック・バンド、スプーンは四半世紀に渡り魅力あふれるオリジナリティー豊かな音楽を作り続けてきた。しかし10枚目のアルバム『Lucifer on the Sofa』で、ブリットは従来の路線を離れ、ボーカルとリズムギターを核とする音楽を追求した。その結果、『Lucifer on the Sofa』はスプーンを代表するロックンロールの名盤となった。

一方で『Lucifer on the Sofa』のシンプルなギターリフの下には、過去の作品とはまた違った魅力あふれる斬新な音楽が埋もれてしまうこととなった。アルバムが完成して間もなくバンドは、ダブの世界で名の知れたプロデューサーのエイドリアン・シャーウッドに、アルバムに収録された数曲のリミックスを依頼した。仕上がりに満足した彼らは、アルバム全体の再構築を決断し、その名も『Lucifer On the Moon』とタイトルが付けられた。

「オリジナルのアルバムは、あからさまに”スタジオで作りました”という感じだったから、エイドリアンと一緒にコラボできて本当によかった」とブリットは語る。

「こんなにもメロディックな作品は経験がなかったので、彼らの音楽に関われてとても楽しかった」とエイドリアンも返す。「私自身もそうだが、誰でも自分のコンフォートゾーンに留まり続けるのは良いことではない。彼らの作品が、私をゾーンから引っ張り出してくれたのは間違いないね」



リミックスによって作品が化けることもある。ひとつは、商魂たくましい販売戦略だ。「アルバムが出来上がっても、B面コレクションや別バージョン、リミックス版などをレーベルやその他の人間が欲しいと思うまでは、リリースできない」とブリットは苦笑する。

一方で、大きな可能性を秘めた素晴らしい作品に変わることもある。スプーンがいつもリミックスにこだわるのは、業界の貪欲なモンスターに求められるからではなく、元々の作品が繊細に作り込まれているからでもある。ブリット曰く、スプーンがエイドリアンにアプローチした理由は、音楽ソフトでお決まりのリミックスを量産するような人間は避けたかったからだという。「人の手でテープを継ぎ接ぎしながら、エコーボックスなんかを使って作り上げるスタンスが一番大切だ。僕らは、もっと手作り感を出せる人を求めていた」

バンドの希望を叶えるためにエイドリアンは、オリジナルのマルチトラックのレコーディング素材から、リズムをひっくり返したり、楽器を編集したり、ボーカルを切り刻んだりした。時には、ギタリストのジェラルド・ラリオスが「The Devil and Mr. Jones」のレコーディング中にスペイン語でおしゃべりする声など、お宝を発掘することもあった。エイドリアンはまた、メロディカなどの新しい要素をふんだんに盛り込んだ。さらに、自身が主宰するOn-U Soundのセッションプレーヤーとして長く活躍するベーシストのダグ・ウィンビッシュとドラマーのキース・ルブランに、全てのリズムトラックを再構築してもらった。

「難しかったのは、セクシーなグルーヴを損なわないようにすること。上手い言葉が見つからないが、楽曲のメロディーを活かしつつ、新たな風を吹き込みたかった。それが私の課題だった」とエイドリアンは言い、さらに「元々とてもウィットに富んだ曲に、ちょっとしたキャラクターと魅力を加えたいと思った。ブリットの曲の多くは、ユーモアに溢れている。そこへ何かを加えてオリジナリティを出したかったのさ」と続けた。

結果的に『Lucifer On the Moon』は、オリジナルに匹敵する魅力ある印象的な仕上がりになった。ただし方向性は全く異なり、ジャンルとしては伝統的なダブやロック・クロスオーバーの方が近い。セッションバンドのイージー・スター・オールスターズがピンク・フロイドをカバーしたアルバム『Dub Side of the Moon』(2003年)を彷彿させる。

ローリングストーン誌のインタビューで、ブリットとエイドリアンが『Lucifer On the Moon』の制作秘話や作品の魅力について、たっぷり語ってくれた。さらに、エイドリアンが過去に手掛けた作品を含むダブ・ミックスの名盤や、「ロック寄り」のダブ曲なども話題に上った。



「The Devil and Mr. Jones」上がオリジナル、下がエイドリアンのダブ・バージョン


ーブリットにお伺いします。エイドリアンが最初に手掛けたリミックスを聴いた時は、どんなリアクションでしたか?

ブリット:最初にリミックスを依頼したのは「The Devil and Mr. Jones」と「Astral Jacket」の2曲だったが、完全にぶっ飛んだ。友だちが運転する車のバックシートで、大音量で曲をかけながらオースティンの街をドライブしたよ。まだコロナの影響が残っている時期で、街中をドライブするぐらいしかやることがなかった。車の中で何度も繰り返し聴いたよ。バンドのメンバーにも「聴いてみろよ。全く信じられないぜ!」と曲を共有した。エイドリアンには、どれだけ衝撃的だったかを伝えた。正に期待通りの仕上がりだった。「他の作品もやってもらえますか?」と僕が頼んだか、それともあなたの方から提案してくれたんでしたっけ?

エイドリアン:確か私からだったと思う。仲間やスタッフに「自分なら素晴らしいものに仕上げられる」と言う程に確信があった。いい仕事ができる自信がなければ引き受けない。でも今回は個人的に嬉しいこともあった。まずは私のガールフレンドが、作品を本当に気に入ってくれたこと。それだけではない。普段はスプーンなど聴かないような、例えばレゲエの狭い世界に閉じこもっているような連中が、揃って作品を気に入ってくれた。本当にやって良かったと思った。

ザ・クラッシュ「One More Dub (feat. Mikey Dread)」(1980年)



エイドリアン:ザ・クラッシュの連中は、ラドブルック・グローブで結成された頃から知っていた。1979年の終わりには私たちのバンド、クリエイション・レベルと一緒にツアーも回った。それから当時、私が一緒に仕事をしていたマイキー・ドレッドもそこにいた。クラッシュはレゲエ・バンドではなかったが、明らかにレゲエの影響を受けたバンドだった。彼らは「One More Dub」を通じて、当時のイギリスで彼らを取り巻く状況を表現した。彼ら自身がのめり込んだレゲエに、多くの人々の注目を集めてくれたクラッシュに感謝だ。

ブリット:彼らが必ず、原曲である「One More Time」の後に「One More Dub」を演奏するところが良かった。敢えて狙った訳ではないと思うが、彼らの主張がよく伝わってきた。とにかく、並べて違いを比較できるのが良かった。僕らが『Ga Ga Ga Ga Ga』(2007年)の楽曲「Finer Feelings」にマイキー・ドレッドの作品からサンプリングするにあたって、彼と何度か話したことがある。彼が亡くなる1年か2年前のことだったと思う。彼は法律関係の話が好きではなかった。だから、彼のサンプルを使用するための法的交渉がちょっと難しかった。本人は問題ないと思っていたし、僕のことも気に入ってくれていたと思う。でもとにかく彼は、弁護士という人種を嫌っていた。だから話が一向に進まなかった。



エイドリアン:覚えておくべきは、ダブの歴史は基本的に、いわゆる「バージョン」で成り立っているということ。ジャマイカ音楽でクールな「リディム」があると、100人が同じリディムを使う。ひとつのリディムから、いくつものバージョンが派生するのさ。今回のスプーンに関して言えば、単なるダブを超えた完全な再発明だと言える。いろいろなものを剥ぎ取って、リバーブを追加するなどして、単純にダブ化することはできたかもしれない。だけど「バージョン」という概念に、常に大きな魅力を感じる。なぜレゲエ以外には、さまざまなバージョンが出て来ないのだろうか?

ークラッシュのアルバム『Sandinista!』の頃には既に、レゲエ、ロック、ファンク、ダブの融合が始まっていました。それでも「One More Dub」は、今に通じる特別な存在だと思いますか?

エイドリアン:分析は、何年か経ってからすればいい。しかし当時のムーブメントに関わっていた人のほとんどは、自分たちが刺激を受けて魅力を感じたものに、純粋にのめり込んでいただけだと思う。当時のクラッシュが「自分たちは歴史の一部を作っている」などと意識していたとは思えない。それからザ・ラッツ。彼らはとても勢いがあった。彼らは、黒人バンドのレーベルだったMisty in Rootsに所属した白人のバンドだった。彼らの音楽はヘヴィで、ギター・ダブが素晴らしかった。彼らの作品からもっとサンプリングすれば良かったと思う。




ミディアム・ミディアム「Hungry, So Angry」(1981年:エイドリアンがプロデュース)



エイドリアン:私がやったことと言えばマイキングとイコライゼーションぐらいで、機材をスタジオへ持ち込んでレコーディングしただけだ。曲の構成やアレンジに手を加える余地はなかった。ただ、サウンドにはこだわった。特にB面の「Further Than Funkdream」は典型的なダブと言える。

ブリット:彼らの作品を手掛けたきっかけは? 知り合いだった?

エイドリアン:当時は、ジャマイカ人やイギリスの黒人アーティストとの仕事が多く、たまに白人ともやっていた。雑多なイギリスという感じだった。そんなときに彼らが私の手掛けた作品を聴いて、「エイドリアンにプロデュースを頼もう」ということになったのさ。お互い気が合ったので、スタジオに入ることにした。

彼らとはベリー・ストリートというスタジオで、いくつかのギグも行った。同じスタジオでデレク・バーケットが、ザ・シュガーキューブスのデビューアルバムをプロデュースしていたので、彼のエンジニアリング作業も手伝った。ただマイクをセッティングして準備を整えてやっただけだから、エンジニアとは言えないな(笑)。新しい機材には慣れなくてね。でも当時はマイキングやオフマイキングを駆使してレコーディングし、トンネルや廊下で再生してみたり試行錯誤しながら、良いサウンドを追求していた。すると徐々に仕事が集まるようになったのさ。

ー「Hungry, So Angry」は典型的なポストパンクやロックの楽曲ですが、それから10年後に、ナイン・インチ・ネイルズのようなバンドを手掛けるきっかけになったと思いますか?

エイドリアン:きっかけという意味では、ダニエル・ミラーとデペッシュ・モードとの仕事の方が大きかった。私とダニエルは、彼が実家で母親と暮らしていた頃からの知り合いだった。だから彼の紹介で、私にデペッシュ・モードの仕事が何作か回ってきた。それがきっかけになった。デペッシュ・モードの仕事は皆が満足のいく出来だった。上手く行けば文句はないと思うのだが、私にはいつも風変わりなバージョンが期待されていた。むしろ、ちゃんとしたバージョンは任せてもらえなかった(笑)。

ーまともなバージョンを作りたいと思っていましたか?

エイドリアン:自分の作品が奇妙だとは思ってないさ。いつも最高だと思っている! そう思ってずっとやってきた。自分の人生にはとても満足している。文句はない。



リー・ペリーの伝説的エピソード

グレイス・ジョーンズ「Love Is the Drug」(1986年:ロキシー・ミュージックのカバー曲、ポール・”グルーチョ”・スマイクルのリミックス版)



ーグレイス・ジョーンズが初めてこの曲をカバーしたのは1980年でしたが、1986年のポール・スマイクルによるリミックス・バージョンで世の中に注目されました。リミックス・バージョンは、どのような点が良かったのでしょうか?

エイドリアン:時には時代の先を行ってしまうこともある。音楽の世界も特に変わっている。例えばブルーノート・レコードのアルバムのように、作られてからリリースされるまで10年も寝かされていても、50年後にジャズの名盤として称賛されるような素晴らしい作品も山ほどある。ポールの場合は、レゲエの要素も多用した。彼はアイランド・レコードのスタジオの中でも、とても腕の良いエンジニアだった。

ブリット:彼はシーケンサーにリバーブを足し、ドラムを少し調整して、ボーカルのない部分をカットしたりと、オリジナルの楽曲に手を加えたが、決してやり過ぎてはいない。同じ曲だが、存在感が倍増したような感じを受ける。典型的な80年代のポップ・サウンドのリミックスだと思う。当時は、この手の12インチ・レコードを買い漁ったものさ。オリジナルの楽曲から大きくかけ離れてはいないが、クールな仕上がりになっている。

ーエイドリアンはジャズを引き合いに出しましたが、あるインタビューでスマイクルは、リー・ペリーやキング・タビーのようなダブ・アーティストには、もともとジャズの才能があった、と語っています。あなたが先ほど述べたダブのバージョンと、ジャズのように即興や再解釈が主流のジャンルとの間には、何らかの関連があると考えますか?

エイドリアン:ジャズは自由な演奏が許される。他のどのジャンルと比べても、最も自由度が高いと思う。ダブは、エンジニアにとっての檜舞台だ。ミュージシャンはとっくに帰宅しているか、自分の仕事を終えてスタジオでくつろいでいる。ここからが、その場でライブミックスする能力を持つエンジニアが、楽曲をインタープリテーション、つまり自分流に演出する時間の始まりだ。


サナンダ・マイトレイヤ(当時テレンス・トレント・ダービー)「Sign Your Name」(1987年:リー・”スクラッチ”・ペリーのリミックス版)



ーエイドリアン、この曲に関して、何かいい話があると聞きました。

エイドリアン:ああ、君はどこから聞いたんだ(笑)。レコード会社の担当が、私の知り合いだった。彼が、「テレンス・トレント・ダービーはこれから売れる。リー(・ペリー)に”Sign My Name”のバージョンをやってもらいたい」と言うので、私は「彼はここ数年、リミックスどころかスタジオ仕事すらしていない」と教えてやった。それでも「とにかく頼んでみてくれ」とのことだったので、リーに打診してみた。するとリーは「テレンスは好きだ。やるよ!」という返事だった。当時のリーはアルコールを飲み過ぎていたが、誰も気にしなかった。私がスタジオへ行くとリーは、空になった2リットルのワインボトルを抱えてミキシングデスクの下に寝転がっていた。指には火の消えたマリファナ煙草が挟まったままだった。トイレの水道を流しっぱなしにしてマイクで拾った音を、ひとつのスピーカーから流し、別のスピーカーからは、ベースと少しばかりのハイハットが聴こえて来る。曲の途中で、彼が「ユー・アー・マイ・ベイビー、テリー、ユー・アー・マイ・ベイビー」とテレンスの声真似をして歌っている(笑)。いわゆる「まともに仕上げられた」最終バージョンではなく、リーのバージョンがもしもリリースされていたら、それはそれで凄いことになっただろう。ジ・アップセッターズの「Blackboard Jungle」が失敗したようにね。それでもレコード会社の担当者は、リーのバージョンを聴いて爆笑していた。リーは約束よりも高い報酬を要求したが、レコード会社は彼の希望通りに支払った。テレンスの原曲が成功したので、レコード会社としてもあまり気にしていなかったようだ。

ブリット:僕は、リーのバージョンが気に入っている。オリジナルの曲が素晴らしい、というのも理由のひとつだと思う。蛇口から流れる水の音が、耳に付いて離れない。でも、エイドリアンがミックスしたバージョンも聴いてみたかった。リーのバージョンは少し異なるものの、エイドリアンの要素が部分的には生きていると思う。

マッシヴ・アタック、プライマル・スクリームとの記憶

マッシヴ・アタック vs マッド・プロフェッサー「Radiation Ruling the Nation」(1995年:マッシヴ・アタック『Protection』をフル・リミックスした『No Protection』の収録曲)



エイドリアン:ニール(マッド・プロフェッサー)が手掛けた名作のひとつだと思う。私ならさらに良いものに仕上げられただろうね(笑)。いや、冗談。ニールは仲の良い友人だ。当時のニールは、マッシヴ・アタックが何者かなんて知らなかったと思う。だから彼らのことをよく知って初めて、嬉しいサプライズを感じただろう。ニールが絶好調の頃の仕事で、全てライブでレコーディングされた。この作品もまた、オリジナルの完全なる再解釈だと言える。『Lucifer On the Moon』とは違った意味で、秀逸な作品だった。




ープライマル・スクリームの『Vanishing Point』をエイドリアンがフル・リミックスした『Echo Dek』に収録の、「JU-87」と「Living Dub」の2曲へとつながるものを感じます。フル・アルバムのプロジェクトは、単発のリミックスとはどのような違いがありますか?

エイドリアン:ブリットの作品に取り掛かった時は、自分への挑戦だと思ったし、仕事の一貫だというつもりだった。ところが、いざ始めてみると楽しくてのめり込んだ。ブリットとやり取りする間に、自分自身の作品だという気持ちになってきた。自分から前向きに取り組める仕事になった。1曲だけのリミックスを引き受ける時は、仕事だからやる、という感じだ。正直に言うと、「シャーウッドに奇妙なバージョンを作らせて、チャートへのランクインを狙おう」という感じで頼んでくることが多い。もちろん、仕事として報酬をいただく以上は、ちゃんと仕上げるよ。でも個人的には、自分らしさを発揮できるアーティスティックな仕事が好きだ。1曲だけのリミックスよりも、アルバム全体を任された方が、気持ちを入れやすい。ただ、いつも同じという訳ではない。私は数え切れないほど多くのリミックスを手掛けたし、とても誇りにできる作品もたくさんある。一方で後から聴き返してみて、結果オーライという作品も多い。ただ、アーティスト自身が積極的に関与してくれた作品は、レコード会社に強いられたものより仕上がりが良いと思う。

ブリット:エイドリアンが『Lucifer On the Moon』に入れ込んでくれたのは間違いない。彼と一緒に働いた人間からも話を聞いたし、実際の作品を聴いても、どれほど素晴らしいかが良く分かる。ある時点で、あと2、3曲を残して、彼はアルバムのほぼ全曲を手掛けてくれていた。僕らはそこまでで終わりだと思っていた。

エイドリアン:いいや、それはないだろう。

ブリット:2〜3カ月経ってから、突然エイドリアンからさらに2曲のリミックスが届いた。「アルバム全部をリミックスした方がいいと思う」と言われて、もちろん僕は喜んだ。届いた内の1曲が「On the Radio」だったと思う。結局、1stシングルになった。オリジナル・バージョンよりもいいな、と思った。彼は曲のエッセンスを引き出してくれたし、リズムもずっとクールになった。



ー『Lucifer On the Moon』に取り組んでいて、『Echo Dek』を思い出すことはありましたか?

エイドリアン:『Echo Dek』を制作中、(プライマル・スクリームの)ギタリストのアンドリュー・イネスとは、1週間も口をきかないことなど無かった。彼とは親友になれた。とても良いアルバムに仕上がったと自負している。とても誇れる作品だし、アンドリューも満足してくれた。同じことが『Lucifer On the Moon』にも言える。ブリットと私との、完全なコラボレーションだ。彼は、最初から最後までずっと関わってくれた。アルバム全てに関わった仕事を尋ねられたら、私は絶対にこの2枚を挙げる。もちろん、他にも成功したリミックス作品はあるが、この2枚は特別だ。かなり思い切ったリミックス作品で、大規模なシステムでも掛けてみたが、心に響くサウンドだった。

ブリット:『Echo Dek』は以前に聴いたことがあったが、彼と仕事をすることになって、あらためて聴き返してみた。やはりとにかく素晴らしい作品だ。良いことか悪いことかわからないが、オリジナルのアルバムよりも好きかもしれない。

From Rolling Stone US.



スプーン
『Lucifer On The Moon』
発売中
詳細:https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13046

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