(sic)boyが新曲で見せた、ロック×ヒップホップ×エモラップの「その次」
Rolling Stone Japan / 2022年11月26日 18時0分
(sic)boyが配信シングル「Afraid?? feat. nothing, nowhere.」をリリースした。客演として招かれたnothing,nowhere.は米バーモント出身のラッパー/シンガーソングライター/プロデューサー、Joe Mulherinによるソロ・プロジェクト。トラヴィス・バーカーやSUM 41とのコラボレーションで知られ、孤独や不安を昇華したエモラップを軸に、ジャンルレスなアプローチを聴かせるアーティストだけに(sic) boyと共鳴する部分は大いにあるだろう。
「Afraid?? feat. nothing, nowhere.」は(sic)boyの〈何も怖くないよ 君がいない夜を超える〉と自らに言い聞かせるかのようなエモーショナルなサビの歌から始まり、英語と日本語が交錯したリリックが巧みに韻を踏みながら、ギターとTR-808の音色が印象に残るロックテイストが濃いトラックとがっつり手を組み不安と孤独を開陳する。この世界に蔓延する様々なネガティヴィティや誰しもにやがて訪れる死の気配を感じ取った上で、必死に生きようとする様が描かれる。一聴してすぐに歌える程のキャッチーな歌メロを宿しながらも、ヘビーさとエッジィさをあわせ持った楽曲だ。冒頭にも置かれた〈何も怖くないよ 君がいない夜を超える〉というラインと〈瞳閉じれば ツギハギの空を駆ける〉というラインが何度もリピートされ、この灰色の時代における希望を紡ぐメッセージとして放たれる。
2サビの後でnothing,nowhere.の歯切れの良い英語のラップパートが入ることにより、物語はより混沌さを強めながらも、サウンドの切れ味が増す。nothing,nowhere.が過去にオーストラリアのポップパンクバンドStand Atlanticの「deathwish(feat. nothing,nowhere.)」でも聴かせたような、音像をダイナミックに押し広げる極上のフックとしての役割を果たしている。
「Afraid?? feat. nothing, nowhere.」のプロデュースを手掛けているのは、最近メジャーに進出したばかりの、ラッパー、カメラマン、デザイナーからなるカリフォルニア発のヒップホップコレクティブ、AG CLUBのメンバーであるSaint Patrickだ。2020年にYouTubeにアップされた自作のラップ曲「Memphis」のミュージックビデオの2000年代感が話題になったことも記憶に新しい。
(sic)boyというと、プロデューサー/トラックメイカーKMと組み、ヒップホップとロックを融合させたスタイルで「Heavens Drive feat.vividbooooy」や「Last Dance feat.Wes Period」といった曲をヒットさせ、2022年も退廃感のあるポストパンク調の「living dead!!」や、Chaki ZuluとKMが共同プロデュースを手がけドラマ主題歌にもなったカラフルなエレクトロヒップホップ「君がいない世界」といった楽曲で進化を見せてきた。「Afraid?? feat. nothing, nowhere.」はこれまで(sic)boyとKMが築いてきたロック×ヒップホップ×エモラップの世界観を踏襲しつつも、また新たなダイナミズムとエッジがあり、(sic)boyのクロスオーバーな伸びしろを感じるとともに、ニューアルバムへの期待が俄然高まる。
<INFORMATION>
(sic)boy New Single
「Afraid?? feat. nothing,nowhere. (Prod.Saint Patrick)」
add. some labels
iTunes Store等主要配信ストア及びApple Music、Spotifyなど主要定額制音楽ストリーミングサービスにて配信中
https://sicboy.lnk.to/Afraid
(sic)boy one-man live "HOLLOW"
KT Zepp Yokohama
2022年12月29日(木)
1F スタンディング:5,000 円(税込)※整理番号付き
2F 指定席:5,000 円(税込)
開場:18:00 開演:19:00
チケット購入:https://sicboy.lnk.to/live_hollow
※未就学児入場不可
※ドリンク代別
※お1人様チケット4枚まで
※公演中止の場合を除き、お客様の体調不良および新型コロナウイルス感染によるチケットの払い戻しはいたしません。
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