1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 音楽

Charaが語る、アップデートし続ける創作の原動力

Rolling Stone Japan / 2022年12月25日 17時30分

マックスマーラのテディベアコートを着こなし、スペシャルコラボレーションミュージックビデオに出演したChara

昨年デビュー30周年を迎えたChara。最新シングル「A・O・U」の知られざるエピソードや、イタリアのラグジュアリーブランド「Max Mara」とのコラボレーションをはじめ、様々なアーティストやクリエイターとの創作活動についてRolling Stone Japanに語ってくれた。

1991年のデビュー以来、オリジナリティ溢れる楽曲と独特な存在感によりファッションやライフスタイルを含めた「新しい女性像」を提示し続けてきたシンガーソングライターのChara。昨年デビュー30周年を迎え、書籍の刊行やオーケストラとの競演コンサート、女優としてのドラマ出演など、ますます精力的な活動をしている彼女が11月1日にCDシングル「A・O・U」をリリースした。カップリング曲の「面影」は、サウンドプロデューサーに大橋トリオを迎えたオーガニックなミディアムバラード。ミュージックビデオはイタリアのラグジュアリースタイルを代表するブランド「Max Mara(マックスマーラ)」とコラボレーションを行い、ブランドを象徴するテディベアコートを着こなしたCharaが、現実世界と死後の世界の狭間で光に導かれながら彷徨う様を、美しい映像とともに表現している。デビュー30年を迎えてもなお、その時代の最前線を走る気鋭のアーティスト / クリエーターと積極的に関わり続けるChara。その原動力はどこからきているのだろうか。

──コロムビア移籍第一弾シングル「A・O・U」は、Charaさんの多彩な音楽性の中でも「ファンク」な要素を押し出した楽曲ですよね。

Chara:久しぶりに発表する新曲なので、新しいチームと一緒にどんなCHARAを見せていくかを話し合いました。

──サウンドプロデュースは、これまで何度も一緒にやってきたmabanuaさんが担当しています。

Chara:ブラックミュージックの影響を強く受けた、日本屈指のプロデューサーだと思っています。本人がドラマーというのもあると思うのだけど、グルーヴが体に染み付いているというか、とにかくセンスがいいんだよね。私はよく「毛細血管みたいなリフが多い」って言われるんですよ(笑)。太い大動脈みたいな目立つリフじゃなくて、「よく耳をすまさないと判別できないけど、あるのとないのとでは印象が全然違うよね」っていうフレーズは、メロディと絡むとすごく効果的なの。そういうことをちゃんと理解して、引き出してくれる彼のセンスや才能に、彼がまだ若くてデビューしたての頃からすごく惹かれていたんです。いつか、mabanuaのプロデュースだけでアルバム1枚作ってみたいですね。今はもう、超売れっ子になっちゃったし、今回も「mabanua待ち」みたいな感じだったんだけど(笑)。

──歌詞はどんなところから着想を得たのですか?

Chara:ちょっと前に、永久凍土から出てきた3万年前の植物の種についてのニュースを見たんですよ。その頃に生きていたジリス(地上に棲むリス)が地中に埋めて、永久凍土の中にずっと保存されていた果実や種子を掘り出し、発芽させて開花させるっていうロマンティックなプロジェクト。その花の写真がずっと頭の中に残っていたんです。で、ちょっと前にある人が結婚するという話を聞いたとき、自分の胸の中にずっとしまっていた気持ちがパッと花開いたような感覚があって。別にその人のこと、今はもうなんとも思ってないんだけど(笑)、何故だか不意に涙が出てきたんだよね。それで自分でもびっくりしたんだけど、その時の気持ちと、3万年前の植物の花を見たときの気持ちがちょっと似ているかもなって。そこからインスパイアされて、この曲を書きました。


 マックスマーラを象徴するアイテムであるテディベアコートを着こなしたCHARA

──とってもロマンティックなエピソードです。カップリング曲「面影」も美しいミドルバラードですね。

Chara:大切な友達が亡くなってしまって、そのことについて「面影」というタイトルで1曲作りたいと思ったんです。私の家の中庭にはミモザとか、私が食べたビワの種から生えたビワの木とかが植えてあって(笑)、作業部屋の窓から見えるようになっているのだけど、ぼんやり眺めていたら鳥が飛んできたことがあったのね。普段から鳥はよく来るんだけど、なんか人が死ぬと「あれ?生まれ変わり?」と思うことってないですか? 

──ありますね。

Chara:そう、それを歌にしておこうと思いました。「A・O・U」もそうだけど、自分自身の実体験をそのまま書いたら日記みたいになっちゃうんで、そこから心の中を掘って掘って「出てきたぞー!」みたいなやつを、植物のタネのように育てていく感じ。ちゃんと曲にして花を咲かせることで、気持ちを整理しているところがあるのかもしれない。

──大橋トリオさんのアレンジもとてもいいですよね。

Chara:ほんと、冒頭のコード進行から「しゃれてるなあ」って。いつも私のサポートをしてくれている竹本健一くんがコンガを叩いてくれているんだけど、それ以外は全て大橋さんが楽器演奏もしてくれています。実はこの曲、ケン坊(竹本)と二人で一緒に作っていて、サビのメロディは彼が考えてくれたんですよ。誰かと一緒に曲を書くことで出てくるメロディーもある。なので、親友になったミュージシャンとはそうやってよく一緒に曲を作っていますね。

──PERIMETRONのMargtが制作した「面影」のミュージックビデオでは、マックスマーラのコートを着用しています。マックスマーラ って、Charaさんにとってどんな印象のブランドですか?

Chara:マックスマーラと聞いてまず思い浮かぶのは、骨董通りの角にある大きなショップ。私が若い頃からずっとあって、当時は青山って「大人の街」というイメージだったし、マックスマーラも大人の女性が着るハイブランドだとずっと思っていました。「本物」を着るには自分もしっかりしていないとなあ、って(笑)。今回、撮影の時にコートを何着か羽織ってみたけど、軽いのに本当に暖かいんですよ。一流の職人さんが試行錯誤を何度も重ねながら作ったのが伝わってくるというか。そういう服は、「一張羅」としてタンスの奥に大事にしまっておくのではなく「普段使い」していきたいですよね。近所にふらっと出かける時に、テディベアコートとか羽織っているのってよくないですか?



──あははは、素敵だと思います!

Chara:PERIMETRONのメンバーとは息子(佐藤緋美)がつながっているので以前からよく知っていました。若くて仕事熱心な人たちとはやりやすいですね。体力もあるし、考え方が凝り固まっていないから自分たちのクリエイティブをどんどんアップデートしていこうという思いが強い気がする。

──11月17日には、新たにオープンしたマックスマーラ表参道店でライブパフォーマンスも行いましたよね。ああいう、限られたスペースでのパフォーマンスは、ホールやライブハウスでの演奏とはまた違った楽しさがあったのではないかと。

Chara:音さえ良ければ、どこでやっても私自身は問題ないんですけどね。そういう意味で、大変なのはサウンドを作るスタッフさんたち。私たち表に立つ人間がどうしても目立ってしまうけど、どんな仕事であってもその道のスペシャリストが必ずいて。そういう人たちに支えられているということを忘れてはいけないと思うんですよね。


 マックスマーラ表参道店にてライブパフォーマンスをするCHARA

──職人さんや裏方さんへのリスペクトの気持ちがとても強いのですね。

Chara:もともと私も、そっち側の人間というか。前に立つ人たちをサポートするプレイヤーや、楽曲提供するソングライターになりたかったんですよね。昔から、そういう裏方の人たちにクリエイティブな話を聞くのが大好きなんです。

思えば、父親が職人だったんですよ。「美術鋳造」を、「キューポラのある街」での知られる埼玉県の川口市の工場でやっていたので、小さい頃からいろんな作家さんのオブジェとかよく見ていたんです。ファクトリータウンから出てきた女なので(笑)、
職人さんや裏方さんに対する特別な思いがあるのかも。それは歳を重ねてきてより強く実感していますね。


Chara
1991年9月21日シングル「Heaven」でEpic Record よりデビュー。オリジナリティ溢れる楽曲と独特な存在感により人気を得て、ファッションでも注目を集め 1992年の2ndアルバム「SOUL KISS」では、日本レコード大賞ポップ、ロック部門のアルバム・ニューアーティスト賞を受賞。1996 年 女優として出演した岩 井俊二監督の映画「スワロウテイル」が公開され、劇中のバンドYEN TOWN BANDのボーカルとして参加。主題歌「Swallowtail Butterfly ~あいのうた」オリコン1位の大ヒットとなる。1997年のアルバム「Junior Sweet」もオリコン1位のミリオンセラーを記録。2021年9月はデビュー30周年記念ライブとして ”Charas Time Machine : 30th Anniversary Live” をNHK大阪ホール、東京 LINE CUBE SHIBUYAで開催。大盛況のライブで30周年イヤーをスタート、Charaはステージ上で、レーベルの移籍を発表した。2022年11月日本コロムビア移籍第一弾シングル「A・O・U」をリリースする。




「A・O・U」
・初回限定盤(2DISCS:CD+Blu-ray) COZA-1954~5 4,500円+tax
・通常盤(CD)COCA-18047 1,500円+tax
・7インチアナログ COKA-92 2,000円+tax

【CD収録曲】
01.A・O・U
BSテレ東 土曜ドラマ9「最果てから、徒歩5分」主題歌
ABEMA「恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK」ドラマ主題歌
02. 面影
03. A・O・U(Instrumental)
04. 面影(Instrumental)

【Blu-ray Disc収録曲】
Charas Time Machine:30th Anniversary Live
せつないもの/初恋/FANTASY/才能の杖/Tiny Dancer/悲しみと美/タイムマシーン/ミルク/大切をきずくもの/hug/恋をした/しましまのバンビ/70%-夕暮れのうた/Swallowtail Butterfly ~あいのうた~/Time After Time/月と甘い涙/Duca/スカート/世界(JEWEL ver.)/Break These Chain/あたしなんで抱きしめたいんだろう? /やさしい気持ち/Happy Toy

【7インチアナログ収録曲】
Side-A. A・O・U
Side-B.面影

【コロムビアミュージックショップ限定盤】
A・O・U 初回限定盤(CD+Blu-ray)【CMS限定:Charaリリース記念「祝い皿(豆皿)」】
https://shop.columbia.jp/shop/g/gS4488/
A・O・U 通常盤(CD)【CMS限定:Charaリリース記念「祝い皿(豆皿)」】
https://shop.columbia.jp/shop/g/gS4489/
【CD購入リンク】
https://lit.link/AOU

【各ストリーミング、ダウンロードサービスはこちら】
https://chara-nc.lnk.to/streaming

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください