1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 音楽

INIが語る、世界を見据えた「覚醒」の背景、マインドの変化

Rolling Stone Japan / 2022年12月28日 12時0分

INI(Photo by Maciej Kucia)

オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN SEASON2』で国民プロデューサーより選ばれた、11人組グローバルボーイズグループ、INI(アイエヌアイ)。2021年11月3日にデビューした彼らは活動1周年を迎え、12月14日に1ST ALBUM『Awakening』をリリースした。

【写真を見る】メンバーのソロカット

大人数のグループだとダンスパフォーマンスに注力するあまり、歌が二の次になってしまうことも無きにしも非ずだが、INIに至っては全く別だ。ボーカルに秀でたメンバーを中心に自分たちで練習を組み、それぞれの歌唱力を向上。結果として、この1年間で飛躍的な成長を魅せている。

この1年間、INIはアーティストとして音楽とどのように向き合ってきたのか『Awakening』のコンセプトである「新たな自分を自覚した瞬間、輝く」を踏まえ、この1年間を振り返りながら、覚醒した瞬間や作品について語ってもらった。

―デビューから1年経ちましたが、この1年間で楽曲やパフォーマンスへの向き合い方は変化しましたか。

⽊村柾哉:変わりましたね。最初の頃はガムシャラだったけど、今では少し余裕が出てきて常に「自分をより良く魅せるにはどうしたらいいか」と研究しながらやれています。ステージや撮影を重ねるごとに、それぞれが少しずつ自分を魅せるスキルがあがったのかなと思います。

―個々の変化をあげたらキリがないと思うのですが、INIというグループで見たとき、ボーカル、ダンス、ラップにはどのような変化がありましたか。

尾崎匠海:ボーカルに関しては、より楽曲の世界観を作り出せるようになったかな。レッスンやレコーディングのディレクションをしてくださるのが韓国の方なので、歌でも韓国らしい息の使い方などを求められるんですけど、アルバムの制作ではみんなすごく対応できていて成長を感じました。

許 豊凡:最初の頃は渡されたものを頑張って歌うだけ、デモのクオリティをコピーするだけで表現までいく余裕がなかった。自分のパートを歌うだけで精一杯だったんです。でも、1年経った今では、それぞれの楽曲に対する解析度も上がり、完成度も高くなってる。一人ひとりが、パートに見合った曲の作り方をできるようになりました。

尾崎:曲に対してのアプローチの仕方が成長したから、曲の世界観もすごくわかりやすくなりましたね。

許:前にレコーディングした曲を聴いていると、歌い方もガムシャラすぎるし「今だったらもっとイケるな」って思います。あの時ならではのフレッシュさではあるので、それもそれで良さなんですけどね(笑)。ツアーで頑張って、歌のイメージを上書きできたらいいな。

―ダンスの面では、いかがですか。

⻄ 洸⼈:それは、それは成長したと思います。

尾崎:昔話みたいになってる(笑)。

西:オーディションを踏まえたら、みんなダンス経験が最低でも2年はあるし、練習自体けっこうやってるから、あまり言うことはないです。11人分いろんな味のダンスがあるのも面白いと思うし。

⽊村:より個性が出てきた感あるよね。揃えてるなかでも「この人の踊りしてるわ」みたいな特徴がある。

西:俺はもっと個性が出てもいいかなと思うよ。



―”揃えてるなかで個性が出る”とは、どのような状況なんですか。

木村:その人特有の角度とか、この動きをするときには絶対にこの持っていき方をするとか、よくあるんですよ。

佐野雄⼤:「ダンスを見たら、どんな人なのかわかる」って柾哉君が言ってた。

尾崎:恥ずかしっ。分析されてるわ。

後藤威尊:性格が踊り方に出る、みたいな。

尾崎:俺は「アニメ好きそう」って言われました。

木村:マジでアニメが好きそうな踊り方をするんですよ。

佐野雄⼤:俺は「根がいいやつ」だった(笑)。

後藤:聞いたことないな。俺も教えて。

木村:めちゃくちゃ真面目な踊りをしてる。お堅いくらい(笑)。

⽥島将吾:めっちゃわかる!

後藤:堅いんだ(笑)。

木村:(藤牧)京介は、ちょいやんちゃな野球部感ある。

田島:事実!

木村:事実なんだけど、マジで出てるのよ。ここまでお互いのことを知っちゃったから、事実のことしか言えないんだけど、本当に「アニメ好き」とか出てる。

尾崎:何も嬉しくない(笑)。

木村:そんな感じで、個性がわかりやすくなりました。

―ラップは、いかがですか。

田島:なんだろうねぇ。それこそ、1年前はラップも韓国で習ってましたよね。

池﨑理⼈:したっすね!

田島:あの時は、いろんな声の出し方を学んだことで「こういうラップにしなきゃ」と意識していたし、「何が正解なんだろう」という迷いもあった。今では3人でラップを作ることもあるし、遊べるようになったかな。

松⽥ 迅:そういうのすごいなって思うよ。

田島:理人が「こういうの作ったよ」って送ってくれた曲を聴いてるのも、本当に楽しくて。最近は”楽しい”でラップができてますね。


「昇華すること」の大切さ

―この1年でINIが大きく成長したことがよくわかりました。とはいえ、デビュー時と比べて纏っている空気が変わった理由は、スキルの成長だけじゃないような気もしていまして。まさしく『Awakening』に通じる、”覚醒”のタイミングがあったんじゃないかなと思うのですが、心当たりのある出来事はありますか。

髙塚⼤夢:確実なのは、昨年末の『第63回輝く!日本レコード大賞』ですね。

佐野:やっぱりそうやんな! 『第63回輝く!日本レコード大賞』の日は、けっこう空気が違くて。終わったあとも悔しかったし、グループとしてガッとまとまりが増すきっかけになったというか。

髙塚:みんなで「最優秀新人賞を獲るぞ」って、めちゃくちゃ気合が入ってたんですよ。デビュー曲「Rocketeer」のパフォーマンスを固め直して本番に挑んだけど、結果として最優秀新人賞には届かなかった。すごく悔しい想いを味わったことによって、「もっと頑張ろう」みたいな感じに喝が入ったんだと思います。



―それは「もっと頑張っていたら、最優秀新人賞を獲れていたかもしれない」と思ったということですか。

木村:どちらかというと、出来ることをやりきったうえでの結果だからこそ、悔しかったんだと思います。あの時は、ひとりで10人の前に立ってパフォーマンスするみたいな練習もしてたもんね。

松田:ずっとやってましたね。

田島:メンバーの前で踊るの、一番恥ずかしいしさ。

尾崎:一番緊張する。

木村:また、やらないとですね。

―やりつくしても理想とする結果に届かないという悔しい経験が、グループの空気を変えていったと。

田島:そうですね。あとは単純に、いろんな物事にどう挑めばいいかわかるようになってきて、作戦が立てられるようになったのも大きいと思います。仕事を重ねていくなかで、最初よりは「もっとこうすればいいんじゃないか」とわかるようになってきたので、成長に繋がっていったような気がします。

―INIってBE:FIRSTとデビュー日が同じだったり、事務所の先輩にJO1がいたりするのもあって、ボーイズグループシーンの文脈で語られることが多いと思うんですけど、音楽シーンではどのようなポジションにいると思っていますか。

木村:めちゃめちゃ難しい……。音楽シーンも国内なのか世界なのか、ジャンル別なのか、いろいろ見方がありますもんね。

西:音楽シーン全体で考えると、全然まだまだだと思いますよ。これからの僕たちにできることは、いっぱい残ってますし。

木村:日本の音楽シーンでいくと「J-POPが受け入れられやすい環境のなかで、韓国で制作されたものをもっと日本人として昇華し発信していけるようにならないとな」とは思います。僕たちは韓国で制作された楽曲を日本で披露していることが多いので。

―”日本人として昇華する”とは、どのようなことを指していますか。

木村:楽曲を作っているのが韓国の方なので、それをそのままやろうとするとただの真似事になってしまう。K-POPの方が日本語訳で歌っている楽曲とは、別のものとして作品を発信したいんです。”日本人だからできる何か”を、もっと探していかないと。

西:それこそ最初の頃は、「これでやらなきゃ」みたいなレールがあって戸惑うことも多かったけど、最近ではラップもボーカルも自分に何がフィットしているのか気づきつつある。回数を積み重ねていくことによって、日本人としての昇華の仕方にたどり着くんじゃないかな。気持ちいいところに上手い具合にハマったとき、やっと世の中に認められるような気がします。

木村:それでいて、中国人の感性を持ったフェンファンがグループにいるのもINIの強みなので。韓国語をしゃべれるメンバーもいますしね。多国籍で多様な表現の仕方を模索しながら、もっといい風に自分たちで楽曲を昇華し発信していけたらいいな。


『Awakening』で新たに体得したこと

―INIの音楽性はJ-POPとK-POPのいいところを持ったJK-POPなどと称されることもありますし、前例がないものを作り上げていくのは難しいですよね。

田島:K-POPやJ-POPっぽいだけなら「そっちを聴くわ」って人もいるかもしれないですし「INIを聴こう」って思う”何か”が必要ですよね。

後藤:それがめちゃくちゃ難しいんやん。

田島:そう、難しい。これから何年かかけて、INIを聴こうと思ってもらえる何かを築いていきたいと思います。

―デビューから1年が経った現時点で、その何かはどれくらい築けている感じがしますか。

池﨑:正直なところ、30%くらいですね。

髙塚:まだ曲が少ないのもありますし、デビューしたての頃は韓国のプロデューサーチームがくださる楽曲を僕たちが昇華して世に発信するスタイルだったので、「K-POPの真似事をしてる」と思われてもおかしくない側面もあった。でも、最近になって日本の作家さんが手掛けた楽曲も増えてきたことで、INIというK-POPにもJ-POPにも染まらない存在が開花しそうな気がしているんです。

池﨑:僕たちが歌詞の翻訳に関わり始めたのも、今回の『Awakening』からですしね。全曲で作詞に関わっていくことを考えると、まだ30%くらいかなって。

―1年で30%までたどり着いていたら、ずいぶん順調な気もしますけど。

後藤;レベルって低いほうがあがりやすいんですよ(笑)。

佐野:たしかにね~。

―続いて、『Awakening』についても訊かせてください。この1年間で、いろいろな技術や表現を身につけてきたかと思いますが、今作で新たに体得できたことなどはありますか。

佐野:MVでの演技やコンテンツ撮影を通して、自分はいろんな感情をパッと表情にできるタイプだと気づきました。ステージにも活かせそうなスキルだし、パートごとで表情を被らないようにできたらすごく面白そうですだなって、最近はよく考えています。



後藤:僕は今までたくさんのアーティストの方やメンバーのいいところをたくさん見て盗んできたことが、「SPECTRA」ではちょっと昇華できたように感じていて。「SPECTRA」のMVでリップシーンを撮影したとき、プロデューサーの方が今までにないくらい褒めてくださったんですよ。自分ではサッとやったつもりなんですけど、どのカットでも「威尊チョアヨ(いいね)!」って褒めてくれたのが本当に嬉しくて。練習生の頃は、良くも悪くもお坊ちゃん感あるパフォーマンスになってしまっていたので、少しは努力が実ってきたのかなって思います。



藤牧京介:自分はデビューしてから、観察することをめちゃくちゃ心がけてきたんですけど、ようやく自分のなかに落としこめるようになってきた感じがしています。これだけすごいメンバーが集まっていると、ダンス面でもボーカル面でも得られるものがたくさんありますからね。まだまだ自分のキャパシティーが小さいので、吸収できる量は少しずつなんですが、観察を続けてもっともっと自分の成長に繋げていきたいです。

―『Awakening』はデビューから約1年後の発売された作品であり、記念すべき1ST ALBUMですよね。「今のINIの集大成」や「1年間の成果を魅せつける」など、いろいろな向き合い方が考えられますが、どのようなマインドで制作されたアルバムでしょうか。

松田:僕は”自分が世界一だと思って表現すること”を芯にもって今までやってきたんですが、これはアルバムの「新たな自分を自覚した瞬間、輝く」というコンセプトにもめちゃくちゃマッチしてると思っていて。それこそ、ワールドカップでクリスティアーノ・ロナウドさんが「あなたにとって最高のプレイヤーは誰ですか」と記者から質問されたとき、「俺は自分をベストだと信じているし、これからもそうでありたい。これは俺の仕事だけじゃなく、すべての仕事でいえること。あなたも自分が最高の記者だと信じるべきだ」という旨をお話していて、自分も同じようなモチベーションで仕事と向き合っていたので、すごく鳥肌が立ったんですよ。捉え方としては正解のひとつでしかないですが、この業界に表現者として立っている以上、けっこう大事なことだと思うんです。

―「自分が世界一だ」と思ってできた作品が、今作の『Awakening』だと。

松田:僕もまだまだスキルは足りないですけど、表現者として輝いてると思ったら、自分の壁は超えていけると思います。お互いにリスペクトしながら、自分のなかでは「俺が世界一だ」って自信を持ち続けることが大事だと、『Awakening』で改めて気づかされました。

木村:ある日を境に、めっちゃ言うようになったよね(笑)。

田島:たしかに!

松田:僕は真剣に「自分は世界一だ」って信じてるし、みんなにもそうであってほしいと思ってる。自信がある人は、すごく魅力的だしさ。

木村:自分を褒めるのと同じくらい、ちゃんと言葉にしてメンバーも褒めるからすごいよね。

松田:僕も「めちゃくちゃかっこよかったよ」って言われると嬉しいし、伝えたことによって相手に自信がついたら僕も嬉しい気持ちになる。自信はいいパフォーマンスにも繋がっていくと思うので、いい影響になっていたらいいなって。

―マンネ(末っ子)がこれだけ元気だと、すごく活力になりそうですね。

田島:本当にそうですね。

松田:みなさん、世界一なので。

尾崎:その自信を持てるように頑張ります(笑)。

―では最後に。活動2年目は、どのような年にしていきたいですか。

尾崎:同世代の方が『NHK紅白歌合戦』に出場することが決定し、現状が明確に結果として表れました。自分たちの立ち位置を自覚できたので、来年は『NHK紅白歌合戦』の出場を目標のひとつにして頑張っていきたいと思います。

木村:楽曲においては「Rocketeer」や「Password」など、『Awakening』までの間にINIらしさの基盤を作れたと思うので、今後はもっと殻の破れた音楽に挑戦してみたい気持ちがあります。INIらしさから枝分かれした、いろんな楽曲にチャレンジしていけたらいいですね。




Photo by Maciej Kucia

<INFORMATION>


『Awakening』
INI
LAPONE ENTERTAINMENT
発売中

初回限定盤A・初回限定盤B CD
01. SPECTRA
02. Dramatic
03. BAD BOYZ
04. Do What You Like
05. Runaway
06. Brighter
07. We Are
08. Mirror
09. Password
10. CALL 119
11. Rocketeer

初回限定盤A DVD
Awakening Camp #1

初回限定盤B DVD
Awakening Camp #2

通常盤・FC限定盤 CD
01. SPECTRA
02. Dramatic
03. BAD BOYZ
04. Do What You Like
05. Runaway
06. Brighter
07. We Are
08. Mirror
09. Password
10. CALL 119
11. Rocketeer
12. Let Me Fly~その未来へ~(INI Ver.)

https://lnk.to/Awakening_Reserve

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください