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NewJeansが語る、等身大の自分たちとグループの未来

Rolling Stone Japan / 2023年1月12日 17時30分

NewJeans(©ADOR)

韓国で話題沸騰中の5人組K-POPガールズグループNewJeans(ニュージーンズ)の独占インタビューが米ローリングストーン誌で実現。1月2日にリリースされた初シングルアルバム『OMG』をはじめ、音楽やスタイル、ファッション、そしてファンについて語ってもらった。

【写真を見る】RS誌が選んだ2022年の年間ベストアルバムTOP100(NewJeansは46位にランクイン)

華々しいデビューによって2022年を明るく盛り上げてくれたアーティストといえば、NewJeansをおいてほかにいない。韓国の大手芸能プロダクションHYBEの新レーベル「ADOR」から2022年の夏にデビューしたこの5人組K-POPガールズグループは、ノスタルジックでありながらも実験的で爽快な音楽を生み出しただけでなく、1990年代と2000年代のファッションを新次元に昇華させ、きわめて中毒性の高いコレオグラフィーを私たちに届けてくれた。グループ名を冠したデビューEP『New Jeans』(2022年8月1日リリース)とともにメンバーのMinji(ミンジ)、Hanni(ハニ)、Danielle(ダニエル)、Haerin(へリン)、Hyein(ヘイン)は、超大型新人としての真価を世間に知らしめた。そうした彼女たちの勢いは、今後も止まりそうにない。

NewJeansと聞いていまいちピンとこない人のために説明しよう。NewJeansとは、韓国で多くの人を魅了してやまない、いまもっとも注目のK-POPガールズグループなのだ。デビューEP『New Jeans』のリリース後7日間の売り上げは、K-POP界の記録を塗り替えた。それだけでなく、数えきれないほどの同世代の若手アーティストたちがNewJeansの楽曲をカバーし、彼女たちを賞賛する声はいまも止むことがない。そしてこのたび、『New Jeans』のリリースから5カ月を経て——同作は本誌の「2022年の年間ベストアルバムTOP100」の46位にランクインされている——NewJeansは2023年に初シングルアルバム『OMG』とともにカムバックを果たす。『OMG』から先行リリースされたシングル「Ditto」のMVは、はやくもYouTubeで1000万回以上されるほどの人気だ(現在の再生回数は1970万回を超える)。

デビュー直後の大ブレイクにもかかわらず、Minji、Hanni、Danielle、Haerin、Hyeinの5人——平均年齢はなんと16歳——は、いたって自然体の女の子たちだ。超大型新人としてのスターダムを受け入れながら、ひとつひとつの瞬間を楽しもうとしている。本誌のインタビューに応じた5人のメンバーは、時おりはにかんだり、楽しそうに笑ったりしながら、手にした成功や初シングルアルバム『OMG』、トレードマークとも言うべきグループのファッションについて語ってくれた。


メンバーも参加する作曲のプロセス

ーまずは、これまでの素晴らしい成功に拍手を送らせてください。ご覧になったかどうかわかりませんが、NewJeansの「Hype Boy」は、本誌の「2022年の年間ベストソングTOP100」の24位にランクインされました。それだけでなく、デビューEP『New Jeans』は「2022年の年間ベストアルバムTOP100」にも選出されています。

Minji:もちろん拝見しています。記事を読んだ直後は、これって現実なの?とみんな信じられない気持ちでいっぱいでした。本当に驚きましたが、私たちの音楽を愛してくれる人たちに改めてお礼を言いたいです。

ー「Hype Boy」と「Attention」(いずれも『New Jeans』の収録曲)は、NewJeansよりも上の世代や同世代のK-POPアーティストによって何度もカバーされ、いまもカバーされ続けています。「まさかこのアーティストにカバーされるなんて」のようなサプライズはありましたか?

Danielle:正直、何もかもに驚いています。メンバー同士でチャットアプリを使っているのですが、先輩アーティストが私たちの曲をカバーしている動画を見つけるたびに、みんなに送っています。

Hanni:全部、みんなとシェアしているんです。

Danielle:動画を観るたびに「ウソでしょ? あり得ない!」という気分になります。私たちにとって、これ以上光栄なことはありません。それに加えて、たくさんの人が私たちの曲やダンスを楽しんでくれています。私たちにとってダンスはとても大切な要素ですから、こうして喜んでいただけるのは最高に嬉しいですね。





ーメンバーの皆さんは、デビューEP『New Jeans』をはじめ、「OMG」や「Ditto」といった楽曲のソングライティングにも参加しているそうですね。そのプロセスについて簡単に話していただけますか?

Hanni:デビューEP『New Jeans』では、メンバー全員が作詞に参加しました。今回も、流れとしては前回と同じです。まず曲を聴いて、ひとりひとりが歌詞を書きます。それが終わると、レーベルの人たちと一緒に曲に一番合う歌詞を選びます。その時に選ばれたのが私とMinjiの歌詞でした。こうして振り返ってみても、前作と似たプロセスだったと思います。デモ音源を聴く時は、いつも頭の中でシナリオを思い描いて、その場面をイメージするんです。それから、頭の中の世界観を表現してくれるような歌詞を考えます。作詞をする時は、耳に心地よく響く、きれいな言葉を選びながら、メロディーとの相性を考えます。前作で作詞を経験したおかげで、今回は前回ほど苦労せずに作詞できた気がします。

Danielle:前作よりも自然に歌詞が頭に浮かんできました。

ーお気に入りの歌詞はありますか?

Danielle:Hanniが担当したパートが大好きです。

Hanni:(笑)。私も自分で手がけた「OMG」の歌詞が大好きです。



ー私も「OMG」が大好きです! シングルアルバム『OMG』は、どのような作品ですか?

Danielle:えっと、『OMG』は2曲収録のシングルアルバムです。「Ditto」と……もうひとつは、ご存知のとおり「OMG」です(笑)。「Ditto」は、どちらかと言うと心温まる優しい曲だと思います。冬の雰囲気ともよく合いますし、最初の高音の歌声が聴く人を曲の世界に連れて行ってくれます。Hyeinは「お母さんにぎゅっと抱きしめてもらう感じ」と言っていますが、私もそのとおりだと思います。それに対して「OMG」は、スタイリッシュな曲だと思います。みんなに気に入ってもらえるといいのですが。どんな反応を示してくれるかも楽しみですね。どちらも個性豊かな曲ですから。





「曲に命を吹き込みたいと心の底から思った」

ー「Attention」は、長い練習期間を経てリリースされた楽曲だと伺っています。練習にうんざりすることはなく、むしろ練習すればするほど、もっとよくなるという手応えを感じていた、と前に話してくれましたね。「Ditto」と「OMG」を初めて聴いた時の印象は?

Haerin:両方の曲を1回ずつ聴き終わった瞬間から「もう1回聴きたい」と思わずにはいられませんでした。「この曲のこのパートが好き」と頭で考えるのではなく、曲を聴いた瞬間にピンときたんです。だから、その感覚をもう一度味わいたいと思いました。この2曲は、何度聴いても飽きません。聴くたびに新しいエモーションを掻き立てて、新しい表情を見せてくれます。

ー皆さんは「Ditto」派ですか? それとも「OMG」派?

Danielle:それって、「お父さんとお母さんのどっちが好き?」くらいの難問ですね(笑)。

Hanni:私は、「Ditto」と「OMG」を一日おきに聴いています。

Danielle:その日の気分によって変わる気がしますね。

ー今日はどっちの気分ですか?

Minji:今日ですか? 今日は「Ditto」ですね。

Hanni:私も「Ditto」です。

Haerin:私も。

Minji:ちょうど外では、雪が降っていますしね。

Danielle:私も「Ditto」にします。

Hyein:「Ditto」です。

Minji:「Ditto」です(にっこり笑いながら)。

ー「Ditto」には、現時点で2バージョンのMVがあります。NewJeansのファンの多くは、各々の見解に基づいてMVの内容やプロットを解釈しています。皆さんは、このMVの内容をどのように解釈していますか?

Minji:正直に言うと、このMVには決められたプロットや答えは存在しないと思います。私たちも、ファンのみんながMVを独自に解釈する様子を見ながら、みんなで楽しんでいます。MVから想像力を膨らませていけることは、とても素敵なことだと思いますし、明確な答えを提示する代わりにオープンな解釈の余白を残すことで、このMVに独特の雰囲気が備わっている気がします。

ー『OMG』制作時のエピソードなどがあれば、ぜひ聞かせてください。

Hyein:ダンス練習の時は、完成度を高めるために繰り返し練習しました。本当のことを言えば、辛いと感じることもありました。辛くて辛くて仕方がない時もありましたが、曲がかかるとエネルギーが湧いてきて、音に合わせて踊れるんです。

Hanni:新曲のダンスを初めて練習した時は、振り付けに慣れていなかったせいで、体力が全然もちませんでした(笑)。でも、何度も練習したおかげで、いまはとてもいい感じです。かなり満足のいく仕上がりになりました。

Danielle:ボーカルに関しても、私たちは前よりもっと新しいことにチャレンジしました。曲に命を吹き込みたいと心の底から思ったからです。自分たちに何ができるか、時間をかけて一生懸命考えたおかげで、レコーディングの時はいままでと違ういろんなことに挑戦できました。



ー新作を携えてのプロモーション活動で特に楽しみにしていることはありますか? 先日は、初めてバラエティ番組に出演しましたね。ほかに挑戦してみたいことは?

Minji:個人的には、ステージの上でパフォーマンスを行うことをいつも楽しみにしています。Hyeinたちが言ったように、私たちはダンスとボーカルにたくさんのエネルギーを注ぎましたから、みんなにNewJeansの新しい側面を見てもらえると思っています。


「いろんな場所にインスパイアされている」

ー多忙な毎日だと思いますが、オフの日やプライベートな時間は何をして過ごすのが好きですか?

Hyein:お母さんと電話でおしゃべりするのが好きです。

Danielle:カワイイ!(にっこり笑いながら)。

Haerin:私は音楽を聴いたり、動画をかけっぱなしにしたりするのが好きです。

ー先日、NewJeansの公式ファンクラブ名が「Bunnies(バニーズ)」に決まったことが発表されました。決定までの経緯を教えてください。

Danielle:そうなんです! とってもキュートなネーミングだと思いませんか? 私たちは、みんなウサギが大好きなんです。親しい友達のような、私たちとファンのみんなの関係性を象徴する最高のネーミングだと思います。友情という感情は、私たちにとってとても大切なものです。「バニーズ」という愛称を選んだ理由もそこにあります。それに、フワフワのウサギのイメージは、まさに冬のいまの時期にぴったりです。とってもカワイイですよね。

Hyein:「バニーズ」というネーミングには、友達同士で呼び合うキュートなあだ名という意味でも、ファンのみんなと私たちの友情を象徴しています。あと、私たちはNJの文字を使ってウサギを描いたりしているので、ファンのみんなにもウサギになってほしいという気持ちから、韓国語でウサギを意味する「トッキ」と呼ぶこともあります。とってもカワイイですよね。私たちは、いつもファンのみんなといろんなことをシェアして、コミュニケーションを取り合っています。みんなのそばにいられなくても、存在を身近に感じています。だからこそ、友達につけるようなあだ名にしたんです。

ーファッションはK-POPを語るうえで欠かせない要素です。NewJeansのスタイルは、韓国の最先端トレンドと言っても過言ではありません。トレンドセッターとして、この場でシェアしたいファッションに関する目標やインスピレーションはありますか?

Hanni:いろんな場所にインスパイアされていると思います。私たちはみんな、違ったファッションやスタイルを試してみることが大好きです。これからもいろんなファッションに挑戦したいです。正直、ありとあらゆる場所からインスピレーションを受けます。ただ街を歩くだけでも、いろんなことにインスパイアされるんです。海外に行った時も、私たちは街を歩き回りました。周りの人たちが本当におしゃれだったのが印象的ですね。そうした人たちを見ながら、「うわ、みんなとってもおしゃれ。私も韓国に戻ったらああいうファッションに挑戦してみたい。あのスタイルを真似してみよう」と研究していました。

Danielle:私は、NewJeansの音楽から着る服やファッションのインスピレーションをたくさんもらっている気がします。いつも自由でナチュラルな雰囲気を出すことが私たちの狙いなんです。あと、ひとりひとりの魅力もアピールしたいですね。だから、楽しみながらいろんなことに挑戦するのが好きです。

ー普段のファッションにおける、定番アイテムのようなものはありますか?

Hyein:いつも違ったことに挑戦するのが好きなので、定番と言えるようなアイテムやスタイルはないと思います。天気の変化、たとえば夏場はサングラスをかけたり、冬場は手袋や帽子を身につけたり、スカーフなどを巻いたりします。他には……ありました! 私の定番アイテムが。

Hanni:(笑)。なになに?

Hyein:バッグには、いつもキーホルダーをつけています。

ーそうでした。この前も、9万ウォン(約9500円)のキーホルダーを買ったと言っていましたね。

Hanni:(手を叩きながら爆笑する)。

Danielle:動画を観てくれたんですね!

ーキーホルダーは1個でしたっけ? それとも9個?

Danielle:いろんなのがアソートになっていましたね。

Hanni:結局、いくつ買ったの?

Hyein:最終的には、たぶん5個。ひとつひとつが手刺繍なんです!

ーここ韓国では、いまは年末の特番やアワードの時期です(訳注:英語版のインタビューは2022年12月26日に掲載された)。こうしたイベントに出演して、特別なパフォーマンスを披露してくださいました。特に記憶に残ったものはありますか?

Haerin:それぞれのイベントには、そのイベント独自の雰囲気やハイライトがあったと思います。ひとつひとつにストーリーや思い出があるので、どれかひとつに絞るのは難しい気がしますね。自分たちのパフォーマンスを誇らしく思うと同時に、出来にも満足しています。こうしたイベントに参加するのは初めてのことでしたので、個人的には緊張しましたが、カッコいい出演者の方々と共演できたことに心から感謝しています。

ーデビュー前あるいは最近、同世代または先輩アーティストからアドバイスされたことは?

Hyein:先輩たちから何か明確なアドバイスをいただいた記憶はないのですが、レーベルのCEO(ミン・ヒジン)には、自分たちがしていることに喜びを感じ、仕事を楽しむようにといつも言われています。ですから、そうできるようにいつも心がけています。

Danielle:そうですね、いつも心がけています。

Hyein:私たちは、いつも努力しています。


「親近感が湧く、親しい存在でありたい」

ー世間には、NewJeansというグループに対してどのようなイメージを抱いてほしいですか?

Minji:シンプルにNewJeansとして見ていただきたいです。

Hyein:まさに、NewJeans(訳注:グループ名には、いつ着ても飽きないjeans[ジーンズ]と、時代の新しいアイコンとしてのgenes[遺伝子]の意味が込められている)というグループ名どおりですね。

Danielle:いつも誠実で、常に努力をしているグループとして見てほしいです(笑)。私たちのことを友達として見ていただけたら嬉しいですね。親近感が湧く、親しい存在でありたいです。

Minji:そうですね。それが私たちの目指すNewJeansです。

ー2023年はどのような年にしたいですか?

Hanni:新年の抱負については、メンバー間でたくさん話し合いました。私たちは、2022年の夏にデビューしたので、かなり短い間にたくさんのことをやらなければいけませんでした。たった5〜6カ月の活動期間でいろんなことに挑戦しました。でも、来年は丸一年かけてじっくり活動できます。

Minji:そうですね。

Hanni:一年あれば、NewJeansというグループと自分自身をもっと掘り下げることができると思います。去年よりもパフォーマンスを披露したり、コンテンツや音楽をリリースしたりする機会も増えるでしょうし、それはひとつの目標でもあります。でも、大切なのは自分たちがNewJeansとしての活動を心から楽しみ、グループの魅力を世界に知ってもらうことです。私たちの魅力は、まだまだこれだけではありませんから。

ー2023年は、ぜひアメリカにも来て、コンサートやイベントなどを行ってくださいね。対面でお目にかかれるのが楽しみです。

Hanni:ぜひぜひ!

ー他に言い残したことは?

Minji:全部お話しできたと思います。

Danielle:あ!

Minji:何か言い忘れてる?

Danielle:バニーズのみんなに心から感謝の気持ちを伝えたいです(笑)。

Hyein:バニーズのみんな、ありがとうございます!

Hanni:2023年は、必ずどこかでお会いしましょう!



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