スティーヴィー・ワンダーが今こそ明かす、故ジェフ・ベックとの友情秘話
Rolling Stone Japan / 2023年1月16日 7時0分
スティーヴィー・ワンダーは、ジェフ・ベック(Jeff Beck)の死去に伴う最新インタビューで、友人でありかつて共同作業を行った故人を偲んだ。
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ワンダーはデトロイト・フリー・プレス紙に対し、このように語っている。「彼は素晴らしい音楽を生み出す、素晴らしい魂を持っていた。彼に会うことができたおかげで、自分の人生に彼を迎えて、私の音楽に彼の贈り物のいくつかを与えることができたことを嬉しく思っている」。
ベックとワンダーが初めて一緒に仕事をしたのは1972年、後者がのちに名作と呼ばれる『Talking Book』を制作していた時のこと。プロデューサーであるロバート・マーゴレフとマルコム・セシルの紹介で、ワンダーはベックに収録曲「Lookin for Another Pure Love」のソロを弾いてもらうことになった。
「彼のことはよく知らなかった」。ワンダーはベックとの出会いを述懐する。「でも、ニューヨークで彼の演奏を聴いて、『Lookin for Another Pure Love』を作っているときに、『この曲で演奏してみないか?』と言ったら、彼も乗り気だった。彼は1つのパートを置き、次に別のパートを置き、さらに別のパートを置いた。本当に素晴らしかったよ」。
名曲「迷信」に関するエピソード
スタジオに入ったワンダーとベックは、当時ワンダーが書いた別の曲「Superstition」(邦題:迷信)もプレイした。ワンダーはもともと、ベック・ボガート&アピスのためにこの曲を提供することに同意していた。そのトリオが先に 「Superstition」をレコーディングしたが、モータウンはこの曲のヒットの可能性に気づき、ベック・ボガート&アピスが1973年のデビューアルバムを出す前に、ワンダーのバージョンをリリースすることになった。
「『聞いてくれ、これはジェフ・ベックのために作ったんだ。彼はこの曲が好きなんだ』とモータウンに言ったよ」と、ワンダーはフリー・プレス紙にそう語っている。「私は『Sunshine of My Life』を最初のシングルにすべきだと思っていた。彼らは『ダメだ、ダメだ。最初のシングルは『Superstition』にするべきだ」と突っぱねてきた。だからジェフのところに戻って、この件で相談したんだ。
それでも、このトリオによる「Superstition」は、ベックの最高傑作のひとつとなった。ベックはその後、1975年のアルバム『Blow by Blow』で「Cause Weve Ended as Lovers」「Thelonius」の2曲をワンダーと録音し、2009年のロックの殿堂入り25周年記念ショーでワンダーと再会して「Superstition」を演奏している。
ワンダーはフリー・プレス紙に対し、ベックの訃報を受け、「Lookin for Another Pure Love」を聴き直したと語った。「今日改めて聴き直し、当時のことを思い出しながら感情的になった」 とワンダーは述べている。「音楽には何かがあるんだ。ファンであるあなたにとって、曲はあなたをある時間・空間に連れ戻すものだと思う」
「その人のことを話している限り、その人は生き続けることができる。(故人について語り継ぐことで)彼らの魂を生かし続けよう」。
From Rolling Stone US.
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